第95回箱根駅伝6区です。
5年ぶり優勝を狙う東洋今西選手と、
初優勝を狙う東海・中島選手の400m差のつばぜり合い!
それを遥か後方で流れを作り直す青学・小野田選手…
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東洋・今西、東海・中島、青学・小野田選手、昨年も同じ区間出走で、それぞれ区間5位、2位、1位の選手が出走。この3強の争いの差がどうなるか注目されましたね。他にも連続出走者が多く、拓大・硴野、中学・樋口、国士・高田、早大・渕田、東国・河野選手が連続出走。
また、上位にいる國學、駒大、順大は主力を投入、法大は2年連続58分台の選手を往路に起用し今回は坪井選手。帝京は1万m記録ではトップとなる島貫選手だ。
シード権を追う明大・中大も当日変更で自慢のスピードランナーに。他、前回5区の神大荻野選手、連合が古林選手に変更したのが意外でした。
芦之湯4.8㎞:94回小野田(青学)16分07秒、93回秋山(日体)16分03秒
東洋今西選手が差を広げにかかる!青学小野田選手は比較的スロー
上位陣で突っ込んだのは、トップの東洋・今西選手ですね。最初の2㎞までを1㎞3分を切るペース、5㎞は16分14秒だったそうですが、上りを含めると相当早いです。4番目のペースで走っている中島選手でさえ14秒引き離しています。
3位~5位のチームはそこそこのタイム。6位青学・小野田選手は追う気満々も最初だけ抑えて入っていたそうで16分12秒は前回より5秒遅いペース。むしろ拓大硴野選手が順大清水選手を交わして、青学の背後に迫り、あわよくば自分もついていって上位進出を狙おうという形になっていました。
後ろはシード権争いは10位4年連続6区の中学樋口選手が非常にスローな入りで、11位明大前田選手が一気に7秒差まで追い上げていました。最も、樋口選手は過去17分台で入ってから59分台に持って行った事もあるのでここは何とも言えない感じでした。
国士高田選手が突っ込む!神大荻野選手は早くも時差スタートを捉えて
それより後ろの戦いではまず、国士高田選手が3番目の速い入り。逆転シード権へ臨みをかけての入りだったでしょうか。5.1㎞の定点カメラでちょうど日大宮崎選手を交わし、中大舟津選手も捉えようとするところでした。
その後ろ、一斉スタート組では神大荻野選手が2番目の早い入り。1㎞手前で集団から抜け出していましたが、その勢いで最高点まで駆け上がっていた。すでに時差スタートの早大渕田選手も捉えていました。
このあたりは、前回大失敗した者の、往路優勝をかけて山登りに抜擢されていただけあったのかなと思います。大東藤岡、上武佐々木、日体濵田、連合古林選手がまずまずの入り。それ以下は転々と離れて、山下りに入っていきました。
小涌園前9.0㎞-芦之湯4.8㎞=4.2㎞
94回小野田(青学)10分43秒(26分50秒)、93回秋山(日体)10分37秒(26分40秒)
荻野選手がここまで区間トップ!
テレビではちらっとしか紹介されていませんでしたが、実はこの地点で区間トップだったのは先ほど1位だった東洋今西選手や中島、小野田選手でえもないんですよね。
なんと一斉スタートの神大荻野選手が、その今西選手を一秒上回りここまでで区間トップのタイムに!3障の脚力が生かせれば面白い選手でしたがこれはびっくり!区間記録より2秒早いペースです。もっとも定点間だけで見ると4番目。他に切り替えていた選手は多数いたのです。
法大坪井選手が青学小野田選手を突き放す!
定点間1位が2人いて、まずは6区初挑戦の法大坪井選手。後ろから青学小野田選手が見え隠れする展開ながら、まずは思い切って突っ込んでいって、先ほどの定点からは1秒突き放しました。
小野田選手も昨年の自身のタイムを上回り始めているのですから、かなりの高レベルでの争いです。小野田選手は背後に迫っていた拓大は突き放し、ひとまずは前を追う体制を整えています。
後方では東国河野選手が定点間トップのタイム!
それから全く同タイムだったのが、東国河野選手!一斉スタート組では上りはスローな入りで、22番目での通過だったのですが、一気に3つポジションアップ。腹痛を起こして失速した大東藤岡選手らを交わしていきました。
大平台13.4㎞-小涌園前9.0㎞=4.4㎞
94回小野田(青学)11分28秒(38分18秒)、93回秋山(日体)11分26秒(38分06秒)
青学小野田選手、区間記録ペースに一気に乗せる!
一番下りの傾斜がきつい宮ノ下を含むこの定点では、4年連続58分台以内がかかっている青学小野田選手がさすがに早かったですね。
東洋今西選手についで区間2位、そして区間記録を上回り始めています。高レベルでの区間賞争い、劣勢の展開でも割って入るところはさすがです。
駒大中村選手もいいペース、3位逆転
また上位に順位変動が。駒大中村選手が、大平台カメラ定点直前で國學江島選手を交わし3位に浮上。駒大中村選手はここまで設定を大きく上回る走り。区間6位もまずまず。
國學院はここのところ鬼門になっている6区に、主力級の江島選手を投入して、流れキープを図っているところ、少しずつ区間順位は上がっている中、ここから同粘っていくかというところ。
拓大硴野、上武佐々木選手が突如失速
またここにきてタイム差が開き始めています。最初は小野田選手に付こうとした硴野選手が大幅に失速。10㎞手前で両足が攣ったそうで一気に後退。下りに入って順調の順大・清水選手に抜き返され8位へ。後ろ調子いい帝京島貫選手も直に抜かれそうな感じだ。
また、見た目17番争いをしていたはずの上武佐々木選手が一気に失速。ここまで大学記録を大幅に更新する59分台を狙える走りだったのですが、21番目へ転落。どうやら故障があったらしいですが、どうもまた苦しい出足になりそうな感じでした。
函嶺洞門17.0㎞-大平台13.4㎞=3.6㎞
94回小野田(青学)9分03秒(47分21秒)、93回秋山(日体)9分22秒(47分28秒)
2位中島選手がトップとの差を詰めていく!小野田選手も区間賞ペースに!
ここでぐっと1位と2位の差が詰まりましたね。東海中島選手がこの定点間トップの走りを見せ、一気に1分03秒差に、3.6㎞で14秒縮めました。区間トップタイに浮上してきて、流れを作りにかかります。ここで区間記録を13秒上回っています。
もう数秒でも縮めれば、平地の長い直線で前をとらえることができるかもしれないという距離。この勢いのまま平地を走り抜ける事が出来るかどうか。
法大坪井選手が2度目の定点間トップ!
また、5位を走る法大坪井選手が調子よく、2度目の定点間トップタイの記録!坪井選手も区間記録を4秒上回るタイムで走破。これは100m前後後ろの青学小野田選手もじりじりしたのではないでしょうか。
小野田選手も中島選手と同じタイムとなり、区間トップタイ。そしてようやく東洋今西選手との差を詰め始めたところ、ラストの平地での伸びで流れを作る事ができるかどうかといったところです。
早大渕田選手12位浮上、大東藤岡選手も浮上!
シード権より後ろの方で動きがあり、早大渕田選手が下りの部分で好調。失速した国士高田選手だけでなく、中大舟津、日大宮崎選手らを交わし、総合12位浮上。神大荻野選手も再逆転できそうな勢いだ。シード権とは2分04秒あるが、まずは追い上げ体制を整えたい。
後方では、大東藤岡選手が定点間5番目。下りに入って腹痛を起こしていたはずですが、ここで一気に息を吹き返しましたね。区間順位も13位にまで上がってきていて、復路何とか流れを作れそうな感じになってきました。
小田原中継所20.8㎞-函嶺洞門17.0㎞=3.8㎞
94回小野田(青学)10分31秒(58分03秒)、93回秋山(日体)10分33秒(58分01秒)
東洋今西、東海中島選手、ハイレベルの首位争い!
これが残り1㎞地点での区間タイム及び区間順位ですが、ここから結構変動していますよね。東洋・今西選手が解説者からも「走力上がり、地面叩けてる。山の傾斜を使って距離を稼げる 40秒~50秒短縮可能」と褒められる走りで大きくは詰めさせませんでした。58分14秒はこの時点で歴代3位にあたる好記録に。
そのあと1分08秒差で東海中島選手がリレー。58分07秒は新たに歴代3位となる記録でした。なお、これでも区間記録更新とならなかったのは、秋山選手の平地の伸びが凄まじかったからと思われます。優勝争いからすると、7区主力投入の東海大が面白くなっています。
青学小野田選手4年連続59分きり&57分57秒区間新!
3位駒大中村選手、4位國學江島選手が通過したあと、5位争いが面白くなってきています。19.3㎞小野田選手が坪井選手をついに捉えました。最後の3.8㎞は自信があると話していた通り、詰まりそうで詰まらなかった坪井選手の15秒前後を埋めました。
坪井選手も「競り負けちゃだめ、絶対に勝ってこい」の坪田監督の檄に反応し暫く食らいつきました。すると小野田選手も残り1㎞地点にいた往路組の応援に力を得てペースアップ。一気に突き放していきました。
5位で小田原中継所に駆け込むと、57分57秒の区間新記録!4年連続58分台だけでも史上初の快挙なのに、現コース初の57分台。5連覇が非常に険しい流れになった中で素晴らしい記録でした。
残り1㎞で区間2位の中島選手を8秒も一気に引き離す、ここに前回優勝校の意地を見た印象でした。
法大坪井・帝京島貫選手も58分台!
最後は交わされてしまったものの、法大坪井選手の箱根6区デビューも凄かったですね。インパクト強かった前任者よりもタイムが早く、法大記録を樹立しています。
そのあと2分あいたあとやってきたのはなんと帝京・島貫選手。彼も58分台で続き2つ順位を上げて7位浮上。やや不安はあったという起用でしたが、これは帝京大に大きな流れができました。
続いて下り部分は良かった順大・清水選手が8位、昨年より1分タイムを落としてしまった拓大硴野選手が9位、再びシード権争いに巻き込まれてしまいそう。
4年連続4区中学樋口選手、苦しくも10位キープ!
その次が10位。小野田選手と同じく4年連続の山下り起用となった中学・樋口選手が苦しみながらもやってきた。残念ながら、4年連続60分切りとはならなかったものの、怪我が多かった中、役割を果たし切りました。
直後にきたのは、明大前田選手。上りで詰め、下りでいったん離されるも、最後の平地でもう一度追い上げ10位と9秒差、シード権争いが激化してきました。
そこから2分以上離れて怒涛の襷リレー。抜け出したと思われた神大荻野・早大渕田選手が平地厳しくなり、中大舟津・日体濱田・日大宮崎、大東藤岡、連合古林選手と一気に襷リレー。
なお、時差スタートは早大・中大・日大でそれぞれ12位13位15位、2秒一斉スタートの日体が14位がほんのわずかの間にひしめく形となった。伝統校で下からの追い上げとなりそう。
また、連合の防衛大の古林選手が凄い。16人目ギリギリでメンバーに選ばれたものの、1万記録会で補欠1番手浮上。2日前に故障者がでて6区起用となった中、60分少しで走り切る能力は凄いですね。伝統校の中に割って入ってます。
そのあと、最後は疲れた感じで東国河野選手や国士高田選手がリレー。2年連続の出走者で互いに4年生、シード権劣勢の中攻めていきましたが、ちょっと苦しんでしまったでしょうか。
ここから1分空いて2チーム。終始23番手を走行していた山学池田選手が最後に浮上し21番手でリレー。城西松尾選手は最後で最も記録がかかってしまい22番目に。
最後となったのが上武佐々木選手。チーム内主力選手を起用しスタートダッシュを図ったものの、今回も苦しい復路の出だしとなってしまいました。
全体としては、東洋と東海の優勝争いは7区以降にまだまだ持ち越し、大逆転を狙う青学大は、タイム差はともかくも流れは作って7区前回MVP者にタスキを渡した。6区走者がみんな状態が良くてハイレベルな戦いとなりました。
シード権争いは8位のチームから11位のチームまで1分強チームの僅差に。12位以下はやや差が離れたものの伝統校や一斉スタートチームが僅差で戦う流れとなりました。