20年前の箱根駅伝を振り返る企画も、これがラストになります。
第74回箱根駅伝、アンカー区間の10区になります。
無名ランナーの神大・中里選手有終の美!
そして、のちにオリンピック代表となる山学・大崎選手好走!
更に東洋大が大逆転シード権目指して懸命にひた走る…
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スタート
中里竜也(神大4)①
古賀聖治(駒大3)②2:53
大崎悟史(山学3)③7:10
宇野彰男(中大2)④7:35
郷原 剛(早大3)⑤11:19
大崎一就(順大4)⑥11:53
南波伸彦(日大3)⑦12:46
久保健二(拓大4)⑧13:24
渡辺康芳(日体4)⑩19:33[9]16:06
丹沢太郎(大東2)⑨17:10[10]17:10
友部哲哉(東洋4)⑪19:42[11]18:25
惣臺光範(関学2)⑬25:59[12]19:43
村上由樹(専大3)⑫20:13[13]20:00
川崎太志(東海4)⑭26:54[14]20:00
西田一夫(帝京4)⑮33:32[15]20:00
最終アンカーへ。神大・中里選手が2連覇へ向けてスタートを切る。2位駒大・古賀選手も過去最高順位確保がかかっている。山学・大崎選手ら以下もそれぞれの位置もスタート。大東・日体・東洋のシード権争いも注目。なお、3チームが繰り上げスタートとなっている。
3位中里竜也(神大4)17分57秒①
4位古賀聖治(駒大3)17分59秒②2:55
1位大崎悟史(山学3)17分56秒③7:09
8位宇野彰男(中大2)18分23秒④8:01
7位郷原 剛(早大3)18分21秒⑤11:43
12位大崎一就(順大4)18分28秒⑥12:24
5位南波伸彦(日大3)18分17秒⑦13:06
10位久保健二(拓大4)18分25秒⑧13:52
1位渡辺康芳(日体4)17分56秒⑩19:32[9]16:05
8位丹沢太郎(大東2)18分23秒⑨17:36[10]17:36
6位友部哲哉(東洋4)18分20秒⑪20:05[11]18:48
11位惣臺光範(関学2)18分27秒⑬26:29[12]20:13
13位西田一夫(帝京4)18分29秒⑮34:04[13]20:32
13位村上由樹(専大3)18分29秒⑫20:45[13]20:32
13位川崎太志(東海4)18分29秒⑭27:26[13]20:32
上位3選手は早いですね。神大・中里選手、駒大・古賀選手どちらも17分台で入って結構攻めていっています。中里選手は、前回9区で好走した高嶋選手と10番手を争って、最終的に最後のイスを勝ち取った、無名だが実力者、ここはしっかり前を行きますね。古賀選手もまずまずです。
さらに山学・大崎選手が僅かな差ながら区間トップで入りました。山学は終盤に強い選手残していましたね。中大・宇野選手は一気に話されてしまいました。中位では日大・南波選手が早い入り、拓大・久保選手を突き放し、順大・大崎選手を追いかける。
シード権争い、総合10位日体・渡辺選手が突っ込んで入る。ここまで区間トップタイだ。見た目では後ろにいる総合9位大東・丹沢選手を一気に突き放すし見た目1分31秒差。やや早い入りだが、3分27秒差をつける必要がある。戦意喪失させる意味ではいい作戦だ。後ろからあげる東洋・友部選手もまずまずの入りだ。
2位中里竜也(神大4)23分00秒‹2›40分57秒①
6位古賀聖治(駒大3)23分30秒‹5›41分29秒②3:25
1位大崎悟史(山学3)22分38秒‹1›40分34秒③6:47
3位宇野彰男(中大2)23分05秒‹3›41分28秒④8:06
12位郷原 剛(早大3)23分44秒‹10›42分05秒⑤12:27
5位大崎一就(順大4)23分22秒‹7›41分50秒⑥12:46
10位南波伸彦(日大3)23分41秒‹8›41分58秒⑦13:47
8位久保健二(拓大4)23分36秒‹9›42分01秒⑧14:28
7位渡辺康芳(日体4)23分32秒‹3›41分28秒⑩20:04[9]16:37
14位丹沢太郎(大東2)24分04秒‹14›42分27秒⑨18:40[10]18:40
4位友部哲哉(東洋4)23分11秒‹6›41分31秒⑪20:16[11]18:59
13位惣臺光範(関学2)23分49秒‹13›42分16秒⑬27:18[12]21:02
9位村上由樹(専大3)23分40秒‹11›42分09秒⑫21:25[13]21:12
11位川崎太志(東海4)23分43秒‹12›42分12秒⑭28:09[14]21:15
15位西田一夫(帝京4)24分20秒‹15›42分49秒⑮35:24[15]21:52
このあたりから力のある選手とそうでない選手と差が出てくる。一番早いのが山学・大崎選手に。のちのマラソンランナーですが、中堅疾走はこの時から非凡なものがあったのかもしれませんね。中大・宇野選手もペースを上げてくるも1分以上先に。単独3位は完全に確保した状況だ。トップ中里選手もしっかりとしたペースをキープ、駒大・古賀選手を突き放し始めた。
いろんなところでちょくちょく動きがあり、序盤抑えた順大・大崎選手がよくなってきて、5位早大・郷原選手との差が一気につまり100m余りに。また、日大・南波選手が伸び切らず、拓大・久保選手が猛威一度追おうとする態勢だ。10区は結構差が詰まったり開いたりが激しい区間だ。
シード権争いは動きがあた。大東・丹沢選手がこの定点間で失速、日体と東洋に僅かなチャンスが出てきた。日体・渡辺選手はさすがにややペースダウンも2分03秒明けた。あと1分24秒だ。また東洋・友部選手、がペースアップ。一気に19秒差まで詰まってきた。こちらはあと1分36秒となっている。とはいえあと8㎞、丹沢選手息を吹き返す場面があればシード権を守れるところだ。
後ろでは専大・村上選手がまずまずのペース。東海・川崎選手を引き連れながら、関学・惣臺選手を追い上げていく。帝京・西田選手はついていくことができず、失速してしまった。
4位中里竜也(神大4)9分37秒‹2›50分34秒①
6位古賀聖治(駒大3)9分48秒‹5›51分17秒②3:36
2位大崎悟史(山学3)9分26秒‹1›50分00秒③6:36
5位宇野彰男(中大2)9分45秒‹4›51分13秒④8:14
3位大崎一就(順大4)9分31秒‹6›51分21秒⑤12:40
7位郷原 剛(早大3)9分50秒‹8›51分55秒⑤12:40
13位南波伸彦(日大3)10分09秒‹10›52分07秒⑦14:19
14位久保健二(拓大4)10分13秒‹11›52分14秒⑧15:04
8位渡辺康芳(日体4)9分53秒‹6›51分21秒⑪20:20[9]16:53
1位友部哲哉(東洋4)9分25秒‹3›50分56秒⑩20:04[10]18:47
9位丹沢太郎(大東2)9分57秒‹14›52分24秒⑨19:00[11]19:00
11位惣臺光範(関学2)10分03秒‹13›52分19秒⑬27:44[12]21:28
10位村上由樹(専大3)9分57秒‹9›52分06秒⑫21:45[13]21:32
12位川崎太志(東海4)10分05秒‹12›52分17秒⑭28:37[14]21:43
15位西田一夫(帝京4)10分16秒‹15›53分05秒⑮36:03[15]22:31
上位4チームは安定していますね。中盤のきつくなってくる場面ですが、タイム上は全体的に上位となります。その中で、順大・大崎選手が、早大・郷原選手を捉え5位に浮上。しっかりと走れていますね。郷原選手は確か800mから距離を伸ばしてきて初の箱根。ここまで区間8位だけでも結構なタイムだ。ラストまで粘れるだろうか。
シード権争いは日体・渡辺選手はやや息切れ、この3.3kmは4秒しか詰められず残り1分19秒。ちょっとずつ逆転の可能性が遠のいていく。逆に、ここで東洋・友部選手が最も元気。この定点間最速タイムで駆け抜けた。大東・丹沢選手が対応しようとするも、付かせなかった。あと4.7㎞で1分04秒、空けることができるだろうか。
2位中里竜也(神大4)8分10秒‹2›58分44秒①
6位古賀聖治(駒大3)8分23秒‹6›59分40秒②3:49
2位大崎悟史(山学3)8分10秒‹1›58分10秒③6:36
5位宇野彰男(中大2)8分22秒‹5›59分35秒④8:26
1位大崎一就(順大4)8分09秒‹4›59分30秒⑤12:39
8位郷原 剛(早大3)8分36秒‹8›60分31秒⑥13:06
14位南波伸彦(日大3)8分48秒‹11›60分55秒⑦14:57
15位久保健二(拓大4)9分08秒‹14›61分22秒⑧16:02
7位渡辺康芳(日体4)8分29秒‹7›59分50秒⑪20:39[9]17:12
4位友部哲哉(東洋4)8分17秒‹3›59分13秒⑩20:11[10]18:54
10位丹沢太郎(大東2)8分37秒‹12›61分01秒⑨19:27[11]19:27
11位村上由樹(専大3)8分41秒‹9›60分47秒⑫22:16[12]22:03
12位惣臺光範(関学2)8分45秒‹13›61分04秒⑬28:19[12]22:03
8位川崎太志(東海4)8分36秒‹10›60分53秒⑭29:03[14]22:09
13位西田一夫(帝京4)8分47秒‹15›61分52秒⑮36:40[15]23:08
今ではない定点ですね。21.3㎞だったから、この19.0㎞地点に定点を設けています。もしくはコース違いますかね?神大・中里選手、山学・大崎選手は早いペースをキープ。駒大・古賀、中大・宇野選手も悪くないタイムだ。
さらに5位争いは決着。順大・大崎選手がスパート!この定点間最も早いタイムで駆け抜けた。これは早大・郷原選手もつけなかった。4区まで1位だった早大、6位まで下がってしまった。逆に順大は往路10位のシード権外から、ここまで上がったのはさすがといったところだ。1年生も多く走った中、次回が楽しみになる。後ろは日大・南波、拓大・久保選手どちらも失速している形になった。
シード権争い、東洋・友部選手につけなかった大東・丹沢選手がややペースダウン。友部選手は懸命に差を広げ、33秒差へ。あと44秒広げることができれば大逆転シード権だが、残り距離が2.3㎞…
3位中里竜也(神大4)7分02秒‹2›65分46秒①
6位古賀聖治(駒大3)7分18秒‹5›66分58秒②4:05
2位大崎悟史(山学3)7分01秒‹1›65分11秒③6:35
8位宇野彰男(中大2)7分26秒‹6›67分01秒④8:50
1位大崎一就(順大4)7分00秒‹4›66分30秒⑤12:37
10位郷原 剛(早大3)7分31秒‹8›68分02秒⑥13:35
13位南波伸彦(日大3)7分34秒‹13›68分29秒⑦15:29
15位久保健二(拓大4)8分26秒‹15›69分48秒⑧17:26
7位渡辺康芳(日体4)7分20秒‹7›67分10秒⑪20:57[9]17:30
4位友部哲哉(東洋4)7分06秒‹3›66分19秒⑩20:15[10]18:58
9位丹沢太郎(大東2)7分27秒‹12›68分28秒⑨19:52[11]19:52
5位惣臺光範(関学2)7分16秒‹10›68分20秒⑬28:33[12]22:17
12位村上由樹(専大3)7分32秒9›68分19秒⑫22:46[13]22:33
13位川崎太志(東海4)7分34秒‹11›68分27秒⑭29:35[14]22:41
10位西田一夫(帝京4)7分31秒‹14›69分23秒⑮37:09[15]23:37
神大・中里選手がゴールまで残りわずかとなった。序盤で遅れたものの、分厚い選手層で巻き返し、気が付けばトップ独走となった。そして最後、これまで大学駅伝を走ったことがなかった中里選手も後ろを引き離す。豊富な練習量での脚づくりは確かだった。実力者に勝って掴んだ箱根路、見事2連覇の優勝ゴールテープを切りました!神大の黄金期でした。
そのあと、最終的に4分05秒離れて駒大・古賀選手がやってきた。出雲で三大駅伝初優勝を飾り、今回の箱根もあわや往路優勝までこぎつけた。最終的に総合2位だったが、駒大としては過去最高順位、ガッツポーズでのゴールとなった。更に卒業生が2人のみというところ、次回の大会が非常に楽しみになる結果だった。
3位で戻ってきたのは山学・大崎選手。優勝候補の一角と言われながらも2区が急遽変わるなど、流れが掴み切れなかった。それでもしっかりまとめてきた。大崎選手は最初から最後までトップ選手のラップを上回ってゴール。全くの単独走の中、立派な区間賞だった。のちにマラソンオリンピック代表になることを思うとなんか分かる気がしてしまう。
4位は中大・宇野選手がキープ。前が離れてからもしっかり自分の走りをした印象だ。なお、中大はこれで10年連続総合4位以内だ。5位は終盤の5㎞は一番早いタイムで駆け抜けた順大・大崎選手。有終の美を飾ったと言ってよさそう。6位は往路健闘の早大・郷原選手がゴール。復路はじりじり後退してしまい、来年がやや心配だ。
7位は予選最下位通過から大健闘の日大・南波選手!2区エースの活躍があったものの、その流れを最後まで継続させたのは伝統校の底力だっただろうか。見事な継走だった。8位拓大・久保選手はややアクシデント気味で失速、区間最下位となってしまったが総合8位はキープ。嬉しいシード権獲得となった。
その直後、懸命に後ろを突き放し続けた日体・渡辺選手がゴール。いつのまにか拓大の4秒背後に迫っていた。最後まであきらめずに差を広げようとしたものの、次にゴールした東洋大よりも総合順位が下に。シード権は獲得できなかった。
その東洋・友部選手は終盤もしっかりペースをキープ。大東との差を何とか1分17秒以上広げようと試みたものの、大東・丹沢選手もラスト3㎞は少しペースを上げた。見た目では54秒差でゴール。実際は9位大東、10位東洋大で差は僅か23秒差だった。10000m28分台選手を3名揃え、ダークホース候補と言われたが、残念ながら予選会からやり直しとなった。
その後ろは見た目では混戦。残り2㎞で関学・専大・東海がほぼ並んでいたが、ラスト関学・惣臺選手の脚が残っており、スパート!ラストは5番目の成績だった。そして一本で襷をまとめる嬉しい結果だった。そのあと、専大・村上選手、東海・川崎選手がゴール。常連校ここも無念のシード落ち、なお専大はこのあと空白期間が出てきてしまうのですよね…。次の復活は78回大会となる。
最後にやってきたのは帝京・西田選手。若い選手が多い中、14にエントリーで唯一の4年生の選手。アンカーには相応しかった。初出場ということで戦いとはやはり厳しいものだったが、まずはしっかり総合成績を残すことができた。なお、大学から強化指定を受けるのはこの後だったはずだ。
全体としては、神奈川大がこの2年間の6回の大学駅伝で4度制覇、完全に黄金時代到来であった。そして3年生がエース区間を走りながら総合2位にと上昇中の駒大が、3連覇へ向け最大のライバルになりそうなおはある程度予感できる感じだった。新たな戦力分布図になりつつある中、1997-1998年度の大学駅伝シーズンが終わった。