関東地区大学の前半戦を振り返り、秋シーズンの展望をします。
まずは、3強と目される所を行っています。
やや不本意な前半戦!?まずは出雲連覇から
東 海 大 学
春シーズン振り返り
~主な主要大会~
【日本選手権】
1500
1位館澤亨次③3分52秒62
12位木村理来③3分56秒64
5000m
13位鬼塚翔太③14分38秒25
3000m障害
5位三上嵩斗④8分45秒86
1500m連覇のかかった館澤選手がしっかり力を出し切りましたね。それほど速いペースにはならなかった中、舘澤選手が見事な切り替えで連覇を果たしました!また一つ逞しくなってきています。続けている海外での遠征も少しずつ形になってきているのかなと思います。木村選手は12位となりましたが、昨シーズンほどの勢いがなかった中、よく決勝に進出したと思います。
また、3000m障害は三上選手が持ち前の安定感を発揮、5位に食い込みました。大舞台でしっかり走れるのが強みですよね。5000m以上の距離は鬼塚選手のみが出場。5000mは記録的なスローペースとなった中、13位でした。日本選手権でしっかり戦うのは大きな目標だったそうですが、他の大学でも入賞者が出ました。負け時と来年、更に存在感を出してほしいところです。
長距離5種目で全体のトップを狙うと公言して臨んだ東海大、ここはしっかりと得点を重ねましたね。1500m連覇がかかった館澤選手が見事な走り。重圧で勝ち切れないレースが最近重なっていた中、見事な復活でした!10000mはやや不本意で得点なし。鬼塚選手の次点が最高の成績でした。
ただ、ここから。3000m障害とハーフがいずれも3選手とも入賞!優勝候補に挙がっていた三上・阪口選手が終盤までトップ争いを繰り広げ、3位と4位に入ると、叩き上げの足立選手が予想以上の6位入賞!東海大は必ず無名4年生選手の活躍があるのがいいところ。ハーフは実績ある湊谷選手を、まだ大学駅伝未出走の湯澤・西田選手が上回り2位4位の活躍、ロード選手の台頭がありました。最後の5000mは鬼塚選手が意地のスパートで4位確保、故障があった關選手は上位に入れませんでした。
【日本学生個人】
1500m
2位小松陽平③3分52秒25
13位市村朋樹①3分57秒94
5000m
2組
1位東 優太④14分06秒95★
2位市村朋樹①14分08秒20★
3位名取燎太②14分09秒13
7位西田壮志②14分16秒23
10位田中康靖①14分20秒48
3組
4位中島怜利③13分54秒52
6位高田凜太郎③13分57秒73★
10位松尾淳之介③14分00秒08
11位郡司陽大③14分05秒86
20位小松陽平③14分20秒29
21位本間敬大①14分22秒81
3000m障害
1位須崎乃亥①8分52秒28
中堅・若手の活躍がありましたね。1500mは小松選手が2位に。少しずつアベレージが上がってきていますね。5000mは2組で上位を独占!4年東選手が、ルーキー市村選手や復帰レースとなった名取選手を上回りトップ!ここでも4年生のサプライズがありました。3組では山下りで有名な中島選手が13分台で4位へ、駅伝で平地区間を走っている高田・松尾選手を上回ったのは一つ自信になりそうです。
~今季前半戦ランキングまとめ~
3000m
鬼塚翔太③7分57秒56 5/20
阪口竜平③8分02秒79 5/20
館澤亨次③8分06秒19 7/8
郡司陽大③8分09秒60 7/8
松尾淳之介③8分11秒74 4/29
5000m
三上嵩斗④13分53秒03 5/5
鬼塚翔太③13分53秒28 7/7
中島怜利③13分53秒93 6/2
松尾淳之介③13分54秒65 7/11
阪口竜平③13分56秒12 5/5
高田凜太郎③13分57秒73 6/16
小松陽平③13分59秒51 7/4
東 優太④14分01秒25 7/4
市村朋樹①14分08秒20 6/16
名取燎太②14分09秒13 6/16
10000m
西田壮志②29分07秒46 4/21
鬼塚翔太③29分14秒35 5/24
高田凜太郎③29分16秒15 4/21
松尾淳之介③29分16秒70 7/15
湯澤 舜④29分19秒94 7/15
小松陽平③29分26秒47 7/15
郡司陽大③29分26秒72 7/15
湊谷春紀④30分03秒94 4/21
ハーフ
郡司陽大③63分23秒 5/13
湊谷春紀④64分11秒 4/8
湯澤 舜④64分17秒 4/8
西田壮志②64分26秒 4/8
中島怜利③64分51秒 7/22
スピードキングの東海大らしく3000mもランキングにしています。ここはやはり鬼塚・阪口・館澤選手が速いですね。鬼塚選手はチーム2人目となる7分台の記録をマーク、阪口選手・館澤選手もなかなか。郡司選手も8分10秒を切ったのはびっくり!出雲のメンバー候補には上がってくるでしょうか?
それより長い距離では5000mはやはり全体的に高いですね。意外なのは今のところトップは三上選手、中島・松尾選手らロードのイメージがある選手もチームトップ10に入る記録を出しているところ。スピードエースたちはちょっと苦戦してしまったのかなという印象です。10000mは今のところ28分台はでておらず、山登りにかける西田選手の29分07秒の好記録がベストとなっています。
ハーフは大きく陣容が変わって、焼津・関東ICハーフのメンバーとなった湊谷・湯澤・西田選手が2戦連続しっかり戦ったのは強く印象に残っています。その他では郡司選手が5月ハーフで63分23秒の好記録、最近では中島選手が65分を切るタイムを残しています。箱根で絶対力になるはずです。
秋シーズンに向けて
超強力世代の3年生がやはり多くなりますかね。試合復帰できた西川選手も強力なはず。4年はしっかり固める所は固め得られるような選手が揃っていますかね。2年生は西田選手以外はちょっとまだ安定できないでしょうか。塩澤・名取選手が安定してくると、3年生がさらに締まってくるかもしれません。1年生は市村選手が今のところ引っ張っていますかね。
また、このメンバー以外にも多くのランナーがいるのですよね。3年生世代中心の一人の羽生選手もいますし、叩き上げ4年組もまだ入ってくる余地あり。他にも2年生を中心に1万29分30秒前後のベストのランナーは複数人います。選手層がもっと分厚くなるかもしれません。
前半戦を見てのオーダー予想
もう出雲に関しては、何としても連覇ですよね。館澤選手の1500m連覇以外ではちょっと勢いが少なかったスピードエースたちですが、ここは譲れないところ。調子の読めない選手も一部いるので、昨年の優勝メンバーを少し入れ替えて、つなぎ区間を超強力にしてあります。いけるのかな?
全日本以降へ『ポイント』:ロード&安定感高選手の起用は…
さて、それより長い距離の駅伝が昨年勝てなかったのですよね。全日本は昨年はほんと惜しかったので何とか手繰り寄せたい。前半に長い距離が少なくなったのは、スピード型の主力選手には朗報なのでしょうか?それとも稼ぐチャンスが少なくなったのか??箱根は今のところは3位争いチームの中の有力チームというところ。山登りの西田選手に目途が立ったのはかなり大きく、中島選手合わせて5区6区の山が攻める区間になりそうなのは、大きくプラスなところでしょう。
もう一つポイントすると選手の起用方法でしょうか。今までは故障がない限りは鬼塚・關・阪口・館澤選手は必ず出走でしたたが、自己ベストは及ばずも駅伝に強く意識を置いている選手も多くいます。3年生は中島選手や郡司・高田・西川選手はかなり頼りになりますし、湯澤選手ら4年生にも駅伝ではもっと頼ってもいいのかもしれません。
これだけ選手層が厚いのですから、”箱根専用機”を育成することはとても大事になるはずです。基本的にはトラック&スピード強化の方針は変わらない感じですし、箱根駅伝のおかげで彼らを獲得できた面がありますし、難しいところがあります。それでも、もっといろんな戦略を練るほうが、”5冠”を達成するにはキーになる、そんな気はしています。