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【筑波大学】2018-2019大学駅伝シーズンの展望~スピード選手揃え全日本予選常連へ、そして本戦復帰は…

続いて、

1500m・全日予選進出の成果と長い距離への課題が残った昨年度、更に一歩前進となるか

筑波大学

卒業生特集

筑波大の箱根プロジェクトが本格始動し始めたのは、彼らが高校3年生の時ですね。更に2年時に弘山勉さんが母校のコーチに就任しています。紆余曲折ありながら、濃密な学生生活になったのでは…と思います!

※関東ICは1部

 森田佳祐(1万m:29分26秒11、1500m:3分43秒01) 進路:小森コーポレーション
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       215位 1500m9位  
2年       299位 5千  
3年       257位 5千  
4年       254位/4組38位 1500m4位,5千  

この年はある程度実績がある選手が2名入部していました。まず森田選手はスピードの素質が高いランナーでしたね。最初の関東ICでいきなり1500m9位と入賞まであと一歩の成績を残しています。1万mも30分半ばで走り、箱根予選でもメンバーに選ばれチーム5番手の215位で走り切っています。

その後もスピードランナーとして成長していきますね。5000mで記録が伸び始め、2年時以降の関東ICは5000mで出場、入賞とまではいかなかったものの、3年の冬には13分51秒と大学記録を残し、4年春に織田記念に挑戦しています。

そして3年ぶりに出場した関東IC1500mは見事に4位入賞!その後、7月には3分43秒01と日本全体で上位のタイムに!長らく低迷をしていた筑波大中長距離で復活の狼煙ともいえる成績でした。

長距離の対応にはやや苦労していましたが、1万29分26秒を出し、久々の全日本予選出場に貢献、1500mとの両立がある中、最終組に出場。箱根予選も4年連続出場し、最終学年は1年時のタイムを上回った中、チーム10番手。箱根復帰へ、確かな前進がありました。そして、筑波大久々の実業団ランナーへ…

 河野 誉(1万m:29分59秒17)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       256位    
2年       185位    
3年       167位 ハーフ  
4年       203位/2組23位 ハーフ  

そして、比較的長い距離が得意だったのは河野選手ですね。名門の小林高校出身で、都道府県対抗駅伝でトップ争いした姿が映っています。大学でも2年時から少しずつ頭角を現し、予選でチーム3番手位の成績を残すと、その後の1万記録会で29分59秒のベストを出します。

そのあとは関東ICハーフに出場するなど主力として引っ張りますね。ただ、3年予選が終わった後は状態が思わしくなく不本意な成績が続いてしまいました。そんな中、初出場となった全日本予選は2組で23位でまとめ、最上級生として意地を見せていました。

 武田勇美(1万m:30分05秒21)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       385位    
2年       316位    
3年       348位    
4年       225位/2組38位 ハーフ  

そして、その他は一般入試の叩き上げ組となるのですが、その中で最も伸びたのは武田選手でした。高校時代5000m15分40秒のタイムの中、1年時から箱根予選に出走。毎年着実に積み上げて4年連続出走。1年時はチーム12番手385位の67:27でしたが、大きくチーム力があがっていく中、4年時にチーム7番手の225位62:50までタイムを伸ばしています。なお5000mは14分35秒と1分以上更新しています。

最大のハイライトは3年時の冬の1万記録会ですね。チームメイトに懸命に食らいつき30分05秒までタイムを伸ばし、全日本予選出場に大きく前進させました。そして関東ICハーフ出走(しかも1部)、全日本予選出場と、大学駅伝界から遠く遠ざかっている大学では中々出場できない舞台に立つことができました。

最近は有力選手の入部も少しはある筑波大ですが、まだまだ選手層が薄い以上、叩き上げ組の育成はとても重要です。間違いなく一つの指針になるはずです。

(参照サイト:https://readyfor.jp/projects/TsukubaUnivHakone-EKIDEN/announcements/60262)

その他、
中川 凛31分28秒18…4年・2年箱根予選エントリー
高石陽平…3年箱根予選エントリー
井口 謙…4年関東IC3障出場

でした。

新チーム戦力分析

【新2年以上1万m上位10人】
相馬崇史②29分27秒77≪17:予69位≫
小林航央④29分49秒25≪17:予311位、15:予293位≫
池田 親③29分49秒54≪17:予125位、16:予231位≫
金丸逸樹③29分58秒14≪17:予228位、16:予122位≫
児玉朋大②30分05秒45≪17:予249位≫
村上 諄④30分09秒66≪17:予200位、16:予242位、15:予238位≫
川瀬宙夢④30分10秒70≪17:予217位、16:予186位≫
藤田黎士③30分13秒17≪17:予334位、16:予366位≫
西 研人②30分13秒85≪17:予181位≫
大土手嵩②30分14秒20
新2年以上1万m上位10人平均:27位30分01秒1

【その他、有力選手】
尾原健太②31分21秒22
相沢拓実③31分27秒06
齋藤零司③31分28秒43
渡辺珠生②31分31秒59
猿橋拓己②32分11秒07
才記壮人(M2)29分13秒68
吉成祐人(D1)29分44秒91

【新入生】
杉山魁声①14分35秒25
幟立晃汰①14分42秒58≪17:高3区40位≫
田中蒼大①14分48秒90
伊藤太貴①14分50秒65

河合俊太朗①14分50秒73≪17:高2区30位≫
井内優輔①14分54秒78≪18:全国1区47位≫

【今から考える大学駅伝オーダー予想】
全日予選:才記・相馬/吉成・池田/小林・児玉/金丸・村上

昨年は特にトラックで大きく歴史を動かしましたね。1500mで筑波大の選手がインカレの決勝で優勝争いをする。そして院生と力を合わせて14年ぶりに全日本予選の出場権を得ました。さすがに予選での戦いは厳しかったですが、大きくベストを更新する選手も複数いました。半面、ロードは全体的に苦戦でしたが、それでも総合10時間20分台前半まで短縮しました。筑波大にとっては大きく前進した年でしたね。

新チームはさらに加速させたいですね。エースは2年相馬選手。箱根は怪我でお預けとなりましたが、ロードに高い潜在能力を持つ選手です。順調なら大きく飛躍する一年になるはずです。他、池田選手が少しずつ軌道に乗ってきていますし、前々回学生連合に選ばれた金丸選手も少しずつ戻ってきています。

トラックに目を向けると2017年1500mランキングトップの小林選手が最終学年での更なる伸びが楽しみですし、医学部生で3障を中心にしながら多くの競技でベストを更新する4年川瀬選手、5000m14分10秒台を持つ3年藤田選手、1万の記録を伸ばしつつある児玉・西・大土手選手が飛躍なるか注目です。新入生も杉山選手ら今年も14分台のランナーが楽しみです。

ひとまずは早めに全日本予選に集中できるようにしていってほしいです。というのも、現時点では箱根よりも全日本本戦出場の方が僅かながら可能性あると思います。昨年、全日予選本番で自己ベストを出した才記・吉成選手が今年も在籍。余裕をもって調整できればちょっと面白い。箱根予選はまだ厳しい印象ですが、選手層が薄いので、1500m3障を中心にしている選手を、何とか61分台でまとめられるような準備ができればいいですね。今年もまた面白い1年になればと思います。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。