箱根駅伝2018(第94回)を振り返る【5区編】

続いて5区です。2分以上空いたトップ東洋の差を、青学の秘密兵器が激しく追い込みます!そのほか、山の職人が続々と登場しました。

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5区

○青学の秘密兵器・竹石選手が東洋大との差を一気に詰めていく!
○拓大往路最高位!昨年予選落ちの城西大も躍進!
○更に真の山のヒーロー!法大・青木選手が区間賞&9人抜き!
○順大と中央学大は何とか取り戻す
○神大…箱根の山に泣く

箱根湯本2.5㎞

定順 名前(大学) 定点間タイム 総合トップ差
12位 田中(東洋) 11分09秒
3位  竹石(青学)  10分56秒  ②1:50 
17位  荻野(神大)  11分15秒  ③2:45 
2位  安井(早大)  10分48秒  ④3:47 
9位 戸部(拓大) 11分02秒 ⑤4:00
5位 松尾(東海)  11分00秒  ⑥4:48 
14位 大坪(駒大) 11分13秒 ⑦5:25
11位 畝(中大) 11分05秒 ⑧5:31
1位  服部(城西)  10分42秒  ⑨5:38 
19位  河野(國學)  11分17秒  ⑩5:52 
4位  平田(帝京)  10分58秒  ⑪6:14 
5位  小町(日体)  11分00秒  ⑫6:35 
14位 上田(山学) 11分13秒 ⑬6:56
10位 青木(法大) 11分04秒 ⑭7:04
12位 山田(順大) 11分09秒 ⑮7:11
7位  細谷(中学)  11分01秒  ⑯8:05 
16位  藤岡(大東)  11分14秒  ⑰8:46 
7位  濱登(東国)  11分01秒  ⑱11:08 
20位  関(上武)  11分18秒  ⑲12:07
17位  鼡田(国士)  11分15秒  ⑳12:17 
20.5  田島(関学)  11分31秒  20.5)18:09 

えー…正直タイムからすると距離がおかしいですよね(汗 公式が箱根湯本2.5㎞、函嶺洞門の3.6㎞のミスかな??青学・竹石選手の通過時に表記が1分50秒差と出ていますし、3.6㎞のちょっと手前くらいでの計測が正確でしょうかね。

それはさておき、本格的な山が始まる前ですが、東洋VS青学は青学・竹石選手がじりっと詰め寄りました。13秒詰まり1分50秒差。ひとまず全日本6区でいい走りをした竹石選手に勢いがある感じだ。

他、良いタイムで入っているのは前回区間4位の早大・安い選手。300mもいかないうちに拓大・戸部選手を捉えてすぐに突き放していた。定点では2番目のタイムで一気に詰めにかかる。

また、城西・服部選手がタイムトップ通過!早くも國學・河野選手を交わし、9位にあげる。本格的な登りに入ってどうなるかが注目された。他、山登りの職人たちの中では中学・細谷選手が8番目の入り。彼は前回はここまで最下位に近いタイムだったので、かなり早いという感じがした。なお3㎞は9分17秒、川崎監督が「追い風だ、勝負は小涌園から」と声を変えられていたが、前回区間3位で出走者の中では最も実績のある追い上げに注目が集まっていた。

大平台7.0㎞-箱根湯本2.5㎞=4.5㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差
14位 田中(東洋) 12分45秒 ⑭23:54
5位  竹石(青学)  12分16秒  ⑤23:12  ②1:21 
15位  荻野(神大)  12分48秒  ⑯24:03  ③2:48 
4位  安井(早大)  12分15秒  ②23:03  ④3:17 
10位 戸部(拓大) 12分37秒 ⑩23:39 ⑤3:52
10位 松尾(東海) 12分37秒 ⑨23:37 ⑥4:40
3位  服部(城西)  12分07秒  ①22:49  ⑦5:00 
8位  畝(中大)  12分26秒  ⑧23:31  ⑧5:12 
12位 大坪(駒大) 12分39秒 ⑬23:52 ⑨5:19
2位  小町(日体)  12分05秒  ④23:05  ⑩5:56 
17位  河野(國學) 12分58秒  ⑱24:15  ⑪6:05 
13位 平田(帝京) 12分41秒 ⑩23:39 ⑫6:10
1位  青木(法大)  11分59秒  ②23:03  ⑬6:18 
6位  山田(順大)  12分20秒  ⑦23:29  ⑭6:46 
19位  上田(山学)  13分13秒  ⑲24:27  ⑮7:26 
7位  細谷(中学)  12分23秒  ⑥23:24  ⑯7:43 
20位  藤岡(大東)  13分17秒  ⑳24:31  ⑰9:19 
18位  濱登(東国)  12分59秒  ⑮24:00  ⑱11:22 
9位 鼡田(国士) 12分27秒 ⑫23:42 ⑲11:59
16位  関(上武)  12分56秒  ⑰24:14  ⑳12:18 
18.5  田島(関学)  13分00秒  20.5)24:31  20.5)18:25

本格的な登りが始まったが、竹石選手がますます元気になってきた。田中選手の5㎞が16分25秒に対し、竹石選手が15分57秒。5㎞で28秒つまり、1分35秒差となった。このまま詰められればかなり接戦の往路優勝争いとなる。原監督は戦前「5区が楽しみ」と発言されていましたが、やはり自信を持っての起用だったようだ。もっとも竹石選手はフワフワした感じで早く入ってしまったと反省していましたが…

4位の安井選手もいい走りをキープ。前回はこのあたりで苦戦してしまい、往路優勝を逃したことを悔やみましたが、うまく改善したようだ。4.8㎞地点で18秒差にあけた拓大はあまり見えなくなり、むしろ前ペースがあがっていない神大・荻野選手がもうすぐ見えてきそうな差になってきた。

さて一気に注目が集まってきたのが城西・服部選手だ。この定点間で駒大・大坪、中大・畝選手を交わして7位に浮上。早くも3人抜き、個人総合では区間2位タイの安井選手に14秒リード、力強いストライドで駆け上っていく。なお、全く触れられていないが、この定点間で一番良い走りをしたのは法大・青木選手。急落した山学・上田選手を交わしていき、山の職人の順大・山田選手を寄せ付けない走りだ。

急落した上田選手は後に痛々しい映像が映りますが、かなり早い段階で両脚が痙攣してしまったそうですね。5区予定の選手が病気でエントリーできず、調子が上がり切らない中での5区起用となりましたが、やはり非常に苦しい走りとなっている。

なお、本格的な登りに入って苦しい走りになった選手は他にもいて、実績が少なかった大東・藤岡選手、実力者だが後ろの位置の濱登選手がきつい。その後ろ、国士・鼡田選手が大健闘で9番手。久々に前を追いかけそうな気配だ。後ろの上武・関選手と関学・田島選手はまずは自分の走りをしているという感じか。

小涌園前11.7㎞-大平台7.0㎞=4.7㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差
10位 田中(東洋) 18:22 ⑫42:16
7位  竹石(青学) 18:03  ⑦41:15  ②1:02
5位  安井(早大) 17:50  ④40:53  ③2:45
20位  荻野(神大) 19:14  ⑱43:17  ④3:40
8位  戸部(拓大) 18:15  ⑧41:54  ⑤3:45
4位  服部(城西) 17:45  ②40:34  ⑥4:23
11位 松尾(東海) 18:24 ⑨42:01 ⑦4:42
1位  小町(日体) 17:29  ②40:34  ⑧5:18
11位 畝(中大) 18:33 ⑪42:04 ⑨5:23
1位  青木(法大) 17:29  ①40:32  ⑩5:25
16位  大坪(駒大) 18:51  ⑭42:43 ⑪5:48
3位  山田(順大) 17:43  ⑤41:12  ⑫6:07
14位 平田(帝京) 18:43 ⑬42:22 ⑬6:31
17位  河野(國學) 19:00  ⑰43:15  ⑭6:43
6位  細谷(中学) 17:50  ⑥41:14  ⑮7:11
18位  上田(山学) 19:04  ⑲43:31  ⑯8:08
19位  藤岡(大東) 19:08  ⑳43:39  ⑰10:05
15位 濱登(東国) 18:48 ⑮42:48 ⑱11:48
9位 鼡田(国士) 18:21 ⑩42:03 ⑲11:58
13位 関(上武) 18:40 ⑯42:54 ⑳12:36
18.5  田島(連合) 19:05  19.5)43:36  20.5)19:08

じわじわと青学が追い上げる。東洋・田中選手は20㎞の経験が無い中、懸命の山登りだが、まずは青学が攻性に転じている。驚いたのは宮ノ下で差が1分05秒となっていた。7.0㎞の大平台から一気に2.3㎞で16秒縮まっていた。大迫さんは「上半身の使い方が神野君に似てる」と言うと一色さんは「体の使い方が神野君に似ている、脚の動きもスムーズで登りに適した走り」と褒められていた。一瞬もしかするとかなり早い段階で追いつくかとも思った。

ただ、瀬古さんは「1分は詰まる、その先がどうなるか」という見通しを立てておられた。実際、11.9㎞の小涌園では1分02秒差でしばらくほとんど詰まらなかった。東洋大も往路優勝を考えると、後半に体力を残していることを考えられた。実績は少ないながらも、逞しい太ももの筋肉が後半に威力を発揮するのかもと思う。ここまで予想以上の東洋旋風が非常に不気味だ。

さて、その後ろ3位荻野選手のペースが上がらない。宮ノ下で安井選手が数秒差に迫っていたが、2.5㎞後の小涌園前は既に55秒突き放されていて、後ろペースを上げてきた拓大・戸部選手が迫っていた。テレビはあまり触れていなかったが、さすがにおかしいと感じた箱根ファンは多くなってきただろう。何かしらの原因で練習通りのフォームにならず、既にふくらはぎがパンパンの状態になっていたそう。ついに定点間最下位のタイムとなってしまい非常に苦しい状況となっている。

その後ろがどんどんあがってきている。戸部選手の後ろ、服部選手が東海・松尾選手を交わし6位へ浮上。東海も代役とはいえロードに強い選手を抜擢したものの、ここまでは中々上がってこない感じだ。9.8㎞地点で交わして、すでに19秒差となった。なお、スルーされたがいい走りをしていたのは日体・小町、法大・青木選手でこの定点間2人でトップ。畝・大坪選手ら次々に交わしていく。

また、順大・山田選手も元気になってきてこの定点間3番目。序盤は目立たず心配されたが、走りながら調子を取り戻してきたようだ。帝京の主力・平田選手や苦戦が続く國學・河野選手を宮ノ下過ぎで交わし、前を追撃中だ。その後ろ細谷選手が序盤飛ばしたからか、昨年ほどの威力ではないものの追ってきている感じだ。後ろの山学・大東は一気に苦しい位置になってきた。

そこから離れて18位争いが意外と白熱。濱登選手が活ききれない中、鼡田・関選手がいいペースをキープ。じわじわ追い上げる形となっている。国士・上武が引き離されっぱなしにならなさそうなのはほっとしたところだった。

芦之湯15.8㎞ー小涌園前11.7㎞=4.1㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差
9位 田中(東洋) 15分55秒 ⑩58:11
5位  竹石(青学) 15分36秒  ⑦56:51  ②0:43
6位  安井(早大) 15分37秒  ⑤56:30  ③2:27
7位  戸部(拓大) 15分44秒  ⑧57:38  ④3:34
4位  服部(城西) 15分32秒  ②56:06  ⑤4:00
3位  青木(法大) 15分26秒  ①55:58  ⑥4:56
8位 小町(日体) 15分49秒 ③56:23 ⑦4:57
13位 松尾(東海) 16分16秒 ⑪58:17 ⑧5:03
20位  荻野(神大) 17分31秒  ⑳60:48  ⑨5:16
1位  山田(順大) 15分17秒  ④56:29  ⑩5:29
11位 畝(中大) 16分04秒 ⑨58:08 ⑪5:32
2位  細谷(中学) 15分19秒  ⑥56:53  ⑫6:35
10位 平田(帝京) 15分59秒 ⑫58:21 ⑫6:35
17位  大坪(駒大) 16分43秒  ⑯59:26  ⑭6:36
18位  河野(國學) 16分46秒  ⑰60:01  ⑮7:34
19位  上田(山学) 16分47秒  ⑱60:18  ⑯9:00
16位  藤岡(大東) 16分41秒  ⑲60:20  ⑰10:51
15位  濱登(東国) 16分28秒  ⑮59:16  ⑱12:21
14位 鼡田(国士) 16分26秒 ⑬58:29 ⑲12:29
12位 関(上武) 16分15秒 ⑭59:09 ⑳12:56
17 田島(関学) 16分43秒  18.5)60:19  20.5)19:56

堅実なペースで上ってきた田中選手がいよいよ終盤の下りへ。例年これ以降に大きく差がつくことがあるが果たしてどうなるか。青学・竹石選手も再び元気になってきてさらにまた20秒短縮。芦之湯の直線でついに視界に捉えた。再び往路優勝争いが白熱しそうだ。

なおこのあたり上位に挙がってきた選手はみんな好走。安井・戸部選手、更に大きく注目を受け続ける服部選手、そして小町、松尾選手を交わし、個人タイムトップにあがってきている青木選手が6位まで。青木選手は14位でスタートしているはずなのでなんとここまで8人抜きということになる。さすがにそろそろ注目を…と思ったものの、テレビでしっかり映るのはもう少し先だ。

逆に上位に名前がなくなった選手がいる。荻野選手だ。先ほどは拓大に4位を譲りそうだ…というところだったが、もう9位にまで転落。更にペースが落ちてしまい、すでに1㎞4分30秒近くかかってしまっている。関東IC1部2部3障の優勝者(1部青木選手・2部荻野選手)がこういう格好で好対照になるとは…。予想できなかった。

その直後に通過した順大・山田選手がこの間は最もタイムがよく、また細谷選手もここにきて一気に元気に。それぞれ15位と16位の位置から10位と12位、かなりの追い上げだ。下りの走り次第では一気にシード権内まで上がりそうな勢いとなってきた。

元箱根18.7㎞ー芦之湯15.8㎞=2.9㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差
8位  田中(東洋) 9分06秒  ⑨67:17 
4位  竹石(青学) 8分57秒  ⑦65:48  ②0:34
1位  安井(早大) 8分43秒  ②65:13  ③2:04
12位 戸部(拓大) 9分24秒 ⑧67:02 ④3:52
17位  服部(城西) 9分35秒  ⑤65:41  ⑤4:29
3位  青木(法大) 8分56秒  ①64:54  ⑥4:46
7位  松尾(東海) 9分05秒  ⑫67:22  ⑦5:02
11位 小町(日体) 9分20秒 ⑥65:43 ⑧5:11
6位  山田(順大) 8分59秒  ④65:28  ⑨5:22
9位 畝(中大) 9分10秒 ⑪67:18 ⑩5:36
2位  細谷(中学) 8分53秒  ③65:26  ⑪6:22
4位  平田(帝京) 8分57秒  ⑩67:18  ⑫6:26
20位  荻野(神大) 10分22秒  ⑳71:10  ⑬6:32
18位  大坪(駒大) 9分41秒  ⑯69:07  ⑭7:11
19位  河野(國學) 9分44秒  ⑱69:45  ⑮8:12
15位  上田(山学) 9分28秒  ⑲69:46  ⑯9:22
10位 藤岡(大東) 9分12秒 ⑳69:32 ⑰10:57
14位 濱登(東国) 9分26秒 ⑭68:42 ⑱12:41
13位 鼡田(国士) 9分25秒 ⑬67:54 ⑲12:48
16位  関(上武) 9分34秒 ⑮68:43  ⑳13:24
19.5  田島(関学) 9分51秒  19.5)70:10  20.5)20:41

ここで大きなアクシデントが起こる。さあ、これからだという青学・竹石選手が16.0㎞地点で給水をもらった時、走りがちょっとおかしくなった。後ろの方に手をやり合図を送ると、急に立ち止まったのだ。脚を延ばす仕草をして再び立ち止まった。

原監督は「5区が楽しみ」と言いつつこうも言われていた。「脚が痙攣癖があるのでそれだけが懸念」と話されていたそうですが、現実となってしまった。実はその手前から少し蛇行する場面もあったそうで、脚にアクシデントが起きそうだ感じはあったそうだ。竹石選手本人は「序盤飛ばし過ぎたのが原因」と後に述懐されていたが、この時はどうなることかと思われた。

ただ、そんな中、なんと定点間は4番。田中選手が粘りを見せていた中で更に34秒。カーブの中一瞬後ろ姿が映る場面もあったくらいだった。痙攣癖があることで、不安要素にもなったが、逆に落ち着いて対処していたともいえる。中々の強心臓だ。

なお定点間トップは3位を走っている安井選手。トップ争いや後ろの順位変動に気を取られ孤独な3位となっているが、登りよりも自信があるという下りで一気に詰めにかかる。実は下りに入る直前で脚がつりかけたそうだが、ここは主将の意地だったか。気づけば2分04秒差まで追い上げ、早大ファンながら早大の躍進(いや、逆襲か)を予感できなかったのは本当に申し訳ないと思ったところだ。

下りでまた様相が変わるのではと思っていたのだが、見ているといろいろと面白い。相変わらずいいのは法大・青木選手と中学・細谷選手。細谷選手はついに11位に浮上した。また松尾選手が何とかペースを上げ定点間7番。細谷選手に食らいつく形で平田選手が定点間4番。帝京も主力置いた中苦しい戦いだったがこれは少し巻き返しになりそうか。後方で大東・藤岡選手もここは健闘していて次につながりそうか。

逆にさらに落ちてしまった選手もいる。荻野選手は仕方ないにして、大坪・河野選手が非常に苦しい走りに。共に4区でいい流れになりかけた中、非常に痛手となる走りだ。最下位の関学・田島選手も下りは非常に厳しい形となった。

他、テレビで腰を抑えたり非常に苦しそうだった山学・上田選手は、高校時代の盟友西山選手から給水を受けて力をもらったか、何とか踏みとどまる走りに代わっている。ここからでも何とか復路に向けて前を追い上げたいところだ。

芦ノ湖FINISH20.8㎞ー元箱根18.7㎞=2.1㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差
5位  田中(東洋) 6分59秒  ⑨74:16 
6位  竹石(青学) 7分01秒  ⑤72:49  ②0:36
2位  安井(早大) 6分51秒  ②72:04  ③1:56
19位  戸部(拓大) 7分43秒  ⑪74:45  ④4:36
1位  青木(法大) 6分50秒  ①71:44  ⑤4:37
13位 服部(城西) 7分20秒 ⑦73:01 ⑥4:50
8位  小町(日体) 7分06秒  ⑤72:49  ⑦5:18
7位  山田(順大) 7分02秒  ④72:30  ⑧5:25
18位  松尾(東海) 7分37秒  ⑫74:59  ⑨5:40
10位 畝(中大) 7分12秒 ⑩74:30 ⑩5:49
2位  細谷(中学) 6分51秒  ③72:17  ⑪6:14
2位  平田(帝京) 6分51秒  ⑧74:09  ⑫6:18
13位 大坪(駒大) 7分20秒 ⑯76:27 ⑬7:32
12位 河野(國學) 7分16秒 ⑱77:01 ⑭8:29
20位  荻野(神大) 10分02秒  ⑳81:12  ⑮9:35
11位 上田(山学) 7分15秒 ⑱77:01 ⑯9:38
9位 藤岡(大東) 7分11秒 ⑰76:43 ⑰11:09
13位 鼡田(国士) 7分20秒 ⑬75:14 ⑱13:09
17位  濱登(東国) 7分34秒  ⑮76:16  ⑲13:16
16位  関(上武) 7分28秒  ⑭76:11  ⑳13:53
8.5 田島(関学) 7分09秒 19.5)77:19 20.5)20:51

いよいよ往路ゴールとなった。そしてどうやら東洋・田中選手が逃げ切りそうだ。竹石選手が19.4㎞地点でもう一度立ち止まるなど脚の状態が思わしくないこともあるが、単純にラストは田中選手が非常にいい走りをしていた。個人順位も最後9番目まであがり、見事にまとめ上げた。東洋大は『ひたむきで実直な努力の積み重ね』で箱根を戦っています。そこで夏合宿Aチームで練習し続けた田中選手の渾身の走りだった。1年生3人という布陣の往路優勝、見事でした!

その僅か36秒差で青学・竹石選手がやってきた。終盤にヒヤッとしたものの、さすが前回出走者をエントリーから外した男だと思った。2分以上あった差をしっかり視界に捉える位置にまであげてきた。連覇を目指す中、初めて追い上げる復路にはなったが、分厚い選手層を誇る青学ならかなりの勝算が獲れる位置だった。

そのあとも歓喜といっていいゴールが続く。3位は予想付かなかった早大が1分56秒差。4位以下は2分40秒も突き放す力走。個人でも前回より2分早く走ると公言通りだった。4位は拓大は往路最高位の6位を2つも更新!戸部選手が最後かなり苦しくなったものの、何とか守り切った。

その直後に法大・青木選手が飛び込んできた。20.2㎞で服部選手を捉えて、最後は戸部選手に並びかける形となった。14位から9人抜きの力走でラストの定点間は再びトップ!ダメ押しで71分44秒の区間賞に!本人は平地区間で勝負がしたかったそうですが、坪田監督より他に適任者がいないからという形での5区出走。73分くらいで、という中での71分台は本当に凄い。昨年以上の躍進の格好だ。

躍進と言えば城西大もそうだろう。城西大は昨年は予選落ちだったのだ。そんな中服部選手が一時5位、終盤は脚が痙攣した影響もあり失速するもそれでも4人抜きの往路6位。非常にスムーズな駅伝だったという印象だ。

その後も続々とゴールを迎える年ぶりの山登りで好走した日体大が往路7位。前回出走者の調子上がらず急遽の出走の中、見事なリベンジだった。また、苦しい区間が多かった順大が山田選手が7人抜きの好走で8位へ。前回失速した終盤もまとめあげ、力がついているところをみせた。その後ろ苦し気にやってきたのは東海・松尾選手。昨年ほどではなかったものの、やはり20㎞の箱根では東海大は威力を発揮しにくいという感じになってしまった。東海大の中でロード型と言える選手で順位を落としたのが難しいところだ。

続いて、シード権が気になる10位でやってきたのは中大・畝選手。山の職人続々登場で2つ順位を落としたものの堅実に走り切った印象だ。2年ぶりの復帰で存在感を見せた格好だ。ただ、シード権の本番はこれから。11位12位にラスト激しく競り合いながらやってきた中学・細谷、帝京・平田選手が僅差でやってきた。復路が強そうなチームがこの位置なのはシード争いのチームにとっては非常に脅威になりそうな感じだ。

続く13位以降はやや差があいてしまった。駒大・大坪選手が7位から13位に下げてやってきた。いや、それ以上に10位から1分40秒以上離れてしまったのが痛い。登りで乗れないまま下りで苦しくなってしまった。主力は残ってはいるものの、復路で早く流れを取り戻せるかが気になった。その後ろ、5つ順位を落としてしまった國學・河野選手。2区で失速しながらも躍進しかけたが、國學院にとっては縁がある14位となり、惜しいレースとなってしまった。シード権争いとしてはここまでだろうか。

その後ろ、ようやく神大・荻野選手がやってきた。3位から15位へ、最後の平地は1㎞5分近くかかるジョギング並みのペースとまで脚が動かなくなってしまったが、何とか辿り着いて見せた。実は神大は主力選手の2人が故障がちで復路の編成が決まらなかったそうで、大後監督はそちらに注力していたそう。その代わり荻野選手を初め往路の選手のフォローが手薄になったそうだが…さすがに5区終了時でシード権が絶望的な位置となるとは箱根は本当に別物だった。荻野選手は今はつらいと思いますが、自分の得意種目で元気な姿を見たいところだ。

その直後はラスト2㎞は懸命に意地を見せた山学・上田選手。最も、こちらも往路勝負をかけたうえでの16位ということで、復路も厳しい戦いになりそうな感じがした。なお、ここまでが復路時差スタート、以降は10分以降の差となった。

17位は単独走を続けた大東・藤岡選手。下り以降はしっかり走れたことは次に繋がりそうでしょうか。また挑戦する機会はあるか。18位争いがやはり白熱して、国士・鼡田選手が東国・濱登選手を終盤に交わして18位でゴール。順位を上げたことは前回より大きく前進か。19位東国は消化不良気味だが、復路に駒は残っているチーム、切り替えたい。最下位の上武大も関選手が何とか前が見える位置にこらえ、一つでも上を目指していける態勢となった。

ラスト、7分以上差が開いてしまったが、関学・田島選手が懸命のスパート。実は彼も連合で補欠だったが、5区予定の選手が怪我をして出番が回ってきた。やはり登り・下りとも苦しく準備不足となったが、最後の平地は9番目相当で最後まで諦めない走りだった。また、関東学院大が箱根でチームを繋ぐ日を心待ちにしたい。

全体的には、昨年よりも接戦が多い中、かなり戦前の予想と違い目まぐるしい往路となりましたかね。優勝争いはやっぱり青学が強い中、東洋大の大躍進で往路の4連覇は阻止する形となった。復路も見応えがあるレースが見れそうだった。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

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