続いて4区です
トップ東洋大は1年生ながら長い距離に自信を持つ吉川洋次①、青学大はスピードのある梶谷瑠哉③選手を起用して追い上げを図ります。
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○東洋・吉川選手が快走!青学大との差を2分以上に!
○神大・大塚選手が区間賞&区間新!3位を奪い返す
○國學・土方&城西・金子選手快走でシード権内へ
○逆に山学と順大が大きく順位ダウン
順位 | 名前(大学) | 定点間タイム | 総順・トップ差 |
1位 | 吉川(東洋) | 25:59 | |
5位 | 梶谷(青学) | 26:26 | ②1:13 |
2位 | 大塚(神大) | 26:09 | ③2:50 |
11位 | 石田(早大) | 26:39 | ④3:18 |
5位 | 西(拓大) | 26:26 | ⑤3:39 |
13位 | 春日(東海) | 26:43 | ⑥4:05 |
14位 | 苗村(中大) | 26:55 | ⑦4:49 |
15位 | 難波(順大) | 26:57 | ⑧5:09 |
19位 | 川口(山学) | 27:23 | ⑧5:09 |
10位 | 高本(駒大) | 26:31 | ⑧5:09 |
8位 | 金子(城西) | 26:28 | ⑪5:54 |
7位 | 竹下(帝京) | 26:27 | ⑪5:54 |
3位 | 富安(日体) | 26:20 | ⑪5:54 |
4位 | 土方(國學) | 26:23 | ⑪5:54 |
9位 | 松澤(法大) | 26:30 | ⑮5:58 |
17位 | 奈良(大東) | 27:15 | ⑯7:32 |
16位 | 髙橋(中学) | 26:58 | ⑰7:47 |
20位 | 大森(上武) | 27:39 | ⑱9:02 |
11位 | 鈴木(東国) | 26:39 | ⑲10:04 |
18位 | 藤江(国士) | 27:20 | ⑲10:04 |
16.5 | 中島(明大) | 27:07 | (20.5)16:22 |
4区は橋もあり細かなアップダウンがあり、走るには結構テクニックが必要な区間とされる。トップの東洋・吉川選手は1年生ながら、単独走がしっかりでき、上り坂が強いと言われている。後ろ青学・梶谷選手は実力のあるランナー、3㎞8分41秒で中々のペースでしたが、中継所の46秒差は、7㎞過ぎでは50秒、二宮の定点では1分13秒と、じわじわ差を広がってきた。
特に中盤になって急に広がった印象だ。瀬古さんも「2分まで広がりそうですね」と話してたが、これはどうやら東洋大が流れを掴んでいきそうだ。気が付けば吉川選手が定点で一番早いタイムだ。
3位は先ほど早大が逆転しましたが、0.8㎞地点の映像では神大・大塚選手が早大・石田選手を逆転、3㎞までに突き放し、3.5㎞地点で7秒差となった。そのまま二宮までには28秒差までに広がった。石田選手がやや表情が険しそうだ。後5㎞14分48秒で通過した拓大・西選手に勢いがあり、中継所で34秒あった差が21秒差となった。後ろ東海・春日選手でさえも引き離す好走だ。
少し間が空いて7位に順位を上げた中大・苗村選手がやってきた。中継所で前位にいた山学・川口選手を追い抜いていた。その川口選手は駒大・高本、順大・難波選手に追いつかれるやや苦しい展開だ。
その後ろが固まっている。中継所11位から15位の5チームが8秒差だったがやはり集団。城西・金子、帝京・竹下、國學・土方、法大・松澤、日体・冨安選手が固まっていた。二宮の定点では4人が残っていて、法大・松澤選手が僅かながら遅れていた。全員区間一桁でレベルの高い中、松澤選手の実績からするとこれは仕方ないことで、このあとどのくらい粘れるかがポイントだ。
16位以降はここまでペースが上がっていない選手が多いが、東国・鈴木選手が好走。個人11番手の走りで40秒あった国士・藤江選手との差を埋めて前に出た。1区15㎞から単独チーム最下位から脱した形。国士大としてはこれ以上遅れは取りたくないところだ。
順位 | 名前(大学) | 定点間タイム | 総合個人 | 総順・トップ差 |
3位 | 吉川(東洋) | 26分10秒 | ①52:09 | ① |
9位 | 梶谷(青学) | 26分38秒 | ⑨53:04 | ②1:41 |
1位 | 大塚(神大) | 26分03秒 | ②52:12 | ③2:43 |
14位 | 石田(早大) | 26分51秒 | ⑫53:30 | ④3:59 |
7位 | 西(拓大) | 26分30秒 | ⑦52:56 | ④3:59 |
12位 | 春日(東海) | 26分45秒 | ⑩53:28 | ⑥4:40 |
4位 | 高本(駒大) | 26分14秒 | ⑤52:45 | ⑦5:13 |
11位 | 苗村(中大) | 26分41秒 | ⑭53:36 | ⑧5:20 |
2位 | 土方(國學) | 26分07秒 | ③52:30 | ⑨5:51 |
5位 | 金子(城西) | 26分14秒 | ④52:42 | ⑩5:58 |
6位 | 竹下(帝京) | 26分20秒 | ⑥52:47 | ⑪6:04 |
17位 | 難波(順大) | 27分23秒 | ⑰54:20 | ⑫6:22 |
10位 | 冨安(日体) | 26分39秒 | ⑧52:59 | ⑬6:23 |
18位 | 川口(山学) | 27分26秒 | ⑱54:49 | ⑭6:25 |
16位 | 松澤(法大) | 27分10秒 | ⑮53:40 | ⑮6:58 |
8位 | 髙橋(中学) | 26分32秒 | ⑫53:30 | ⑯8:09 |
15位 | 奈良(大東) | 27分02秒 | ⑯54:17 | ⑰8:24 |
13位 | 鈴木(東国) | 26分50秒 | ⑪53:19 | ⑱10:44 |
20位 | 大森(上武) | 28分08秒 | ⑳55:47 | ⑲11:00 |
19位 | 藤江(国士) | 27分38秒 | ⑲54:58 | ⑳11:32 |
16.5 | 中島(明大) | 27分14秒 | 17.5)54:21 | 20.5)17:26 |
トップ争いは、吉川選手の淡々とした走りの中でのクレーバーさが際立ってきた。一色さんは「一番なのが気持ちよく走りやすい」と話し、大迫さんは「凄い堂々そていて、ゾーンに入っている感じでは」と表現されていましたが、ここでもまだ個人トップのタイムをキープして通過。
後ろ青学・梶谷選手はかなり厳しい表情で汗も非常に気になる状態だった。出雲駅伝で人生で初めて脱水症状になり、「5㎞以降は覚えていない」ということがあった。定点間9位でちょっと心配な走りになってるのも気になった。原監督は「後ろよりも前、最後5㎞絞り出していくぞ」と声をかけた。残り3㎞余りで1分41秒差となったがどうなるか。
なお、実はこの定点間吉川選手は3番目。1番早いのは単独3位を確保した大塚選手。10㎞29分30秒で通過後、大後監督は前の青学との差(1分36秒差)を伝えておられたが、小田原本町で1分02秒差に。優勝をあきらめない懸命な走りが続く。
2番目はなんと國學・土方選手。14.8㎞地点で金子・竹下選手と一緒に、川口・難波選手を追い抜いた後の映像が映し出されたが、本町では単独で9位に浮上。2区間連続で大幅に順位を上げる形となる。川口・難波選手が苦しく、金子・竹下選手、更に冨安選手にも追いつかれる形に。共に山経験者が5区に控えるだけに何とか粘りたいところですがどうか。
他にも順位変動があり、拓大・西選手がついに早大・石田選手を捉え4位タイに。拓大は90回大会の往路6位が最高だが、それよりも前だ。西主将が拓大が経験したことのない位置へ引っ張り上げる。石田選手が10㎞30分06秒で通過後、伸び切らず後退。相楽監督に「後半の10㎞巻き返すぞ」と言われたが、序盤大塚選手のハイペースに狂わされた格好だ。
また、16㎞過ぎに駒大・高本選手が中大・苗村選手を捉えて単独7位へ。高本選手はキャプテン。3年時の出雲以来の出場ながら、これは素晴らしい走りとなった。苗村選手も2年前のチームとしての唯一の駅伝経験者として懸命な走りが続く。
下位では中学・髙橋選手が大東・奈良選手を捉えて16位へ浮上。単独走が続く中、一人でペースを保ち、この定点間8位へ浮上。出雲・全日本も安定感がありましたが、良い意味で1年生らしからぬ走りとなっている。
順位 | 名前(大学) | 定点間タイム | 総合個人 | 総順・トップ差 |
3位 | 吉川(東洋) | 10:13 | ②62:22 | ① |
15位 | 梶谷(青学) | 10:35 | ⑨63:39 | ②2:03 |
2位 | 大塚(神大) | 10:09 | ①62:21 | ③2:39 |
7位 | 西(拓大) | 10:21 | ⑥63:17 | ④4:07 |
8位 | 石田(早大) | 10:22 | ⑪63:52 | ⑤4:08 |
11位 | 春日(東海) | 10:30 | ⑫63:58 | ⑥4:57 |
6位 | 高本(駒大) | 10:21 | ⑤63:06 | ⑦5:21 |
10位 | 苗村(中大) | 10:28 | ⑬64:04 | ⑧5:35 |
1位 | 土方(國學) | 10:06 | ③62:36 | ⑨5:44 |
5位 | 金子(城西) | 10:20 | ④63:02 | ⑩6:05 |
13位 | 竹下(帝京) | 10:34 | ⑦63:21 | ⑪6:25 |
14位 | 冨安(日体) | 10:34 | ⑧63:34 | ⑫6:44 |
16位 | 川口(山学) | 10:40 | ⑱65:30 | ⑬6:52 |
9位 | 松澤(法大) | 10:24 | ⑬64:04 | ⑭7:09 |
19位 | 難波(順大) | 11:02 | ⑰65:22 | ⑮7:11 |
4位 | 髙橋(中学) | 10:17 | ⑩63:47 | ⑯8:13 |
12位 | 奈良(大東) | 10:30 | ⑯64:48 | ⑰8:41 |
17位 | 鈴木(東国) | 10:45 | ⑮64:14 | ⑱11:16 |
20位 | 大森(上武) | 11:11 | ⑳66:58 | ⑲11:58 |
18位 | 藤江(国士) | 10:51 | ⑲65:50 | ⑳12:10 |
14 | 中島(明大) | 10:34 | 16.5)64:56 | 20.5)17:48 |
トップ・吉川選手が最後までしっかりしたペースを刻み、トップで中継。62分22秒の好タイムで前回できたばかりの区間記録を大きく上回った。トップを走っていたとはいえ、ここまで高いレベルで安定したペースを刻めるとは本当に驚きました。
2位梶谷選手は最後は喘ぐように苦しくなり、残りはブレーキになりかけるちょっと危ない走りだった。原監督の「まだ往路逆転できるんだぞ!」の檄を受けるも、トップとの差は2分03秒まで開いてしまい、かなり逃げられてしまった。梶谷選手本人は三大駅伝全て走ったものの、おそらく3回とも消化不良だったはず。ラストイヤーで活躍する姿を見たいところだ。
そのあと、36秒差まで最後に迫った神大・大塚選手が駆け込んできた。個人タイムは62分21秒で吉川選手を1秒上回り、再び区間新を知らせるチャイムが鳴った。その後数選手が前回の記録を上回るが、大塚選手の記録を上回る選手は現れなかった。区間賞のインタビューではやり言葉の「神大いやほい」をしっかりぶっこんできたところはさすがだった。ここまでは前回を含め過去10数年を上回る成績だったのですが…
次の4位争いが激しかった。18.3㎞地点で西選手がスパート、一時5m程差がついたが、石田選手もここは追いついてきた。ラストの争いでは石田選手が体一つ前に出るなどかなりの競り合いに。最後はトラックのスピードのある西選手が上回る格好になったが、わずか1秒差の争い。4年生同士の意地のバトルに拍手を送りたい。こういう走りをする選手がいるとチームとしては勢いが出てきます。
6位は終始単独走となった東海・春日選手がリレー。5区予定も9月に怪我をして4区にコンバートとなったが、区間12位、もう少し勢いをもたらすのは難しかった感じか。7位は最後までしっかりとペースを刻んだ高本選手がだいぶ迫っていた。練習用ユニで走ったのは後に判明して、本人も冷や汗かいていたようですが、それよりも監督者に乗っている大八木監督に深々とお辞儀していたこともとても印象深かったですね。苦しいことが多かった4年間でしたが、最後の大学駅伝は主将の意地でしたね。後ろ、苗村選手も抜かれてからは大きく離されずに粘りました。
その直後、激しい争いから抜け出した土方選手が飛び込んできてびっくり!最後の定点間は最速タイムで追い上げてきた。1年生の序盤、主要大会に強いと言われていましたが、久々に会心の走りだったのではないでしょうか。5区の選手とぶつかってしまったのはヒヤリとしたものの、5人抜きで一気にチームをシード権内に浮上させる活躍でした。
続いてやってきた10位の城西・金子選手も見事な走りで順位アップ。距離が長くなるごとに伸びのある走りができる選手ですが、こちらもしっかり活かしましたね。1区が思ったより早いペースで苦しくなったそうですが、結果的にこの采配は的中。5区に自信があり、櫛部監督から「お前でいい位置で付ければ往路一桁でいける」と言われたのもモチベーションに繋がったそうだ。それぞれ区間3位4位で素晴らしい走りだった。
11位帝京・竹下選手、12位日体・富安選手もそれよりは遅れたが区間一桁で走り切りまずまずの結果だったでしょうか。竹下選手も並走の得意というのも生きたでしょうし、冨安選手は3つポジションをあげ、うまく山に繋げられたでしょう。山は共に主要選手を入れているがどうなるか。
そのあとに順位を落とした川口選手ら。難波選手は松澤選手に最後で交わされるなど苦しかった。川口選手は箱根予選が終わった後に伸びてきた選手ですが4区はまだ荷が重かったでしょうか。本当は4区上田5区久保選手の予定が、久保選手が病気になり変更となったがほろ苦いデビューに。難波選手は秋口に非常に好調だったのですが、続かなかった。とはいえ最後3㎞はかなり苦しくなってしまい、15位まで後退。山登りに自信がある中、粘りたかったが無念の結果となった。
そこから1分経過したところ、中学・髙橋選手が飛び込んできた。なんと最後の定点間は4番目。この低い位置から見事な走りだったでしょうか。この後の5区で大きくポジションをあげますが、最終的にシード権をギリギリで確保できたのは、この高橋選手が流れを変えたことが遠因だ。次年度はエース区間を奪うのではないか、そう思わせる走りだった。
そのあとの大東・奈良選手までがまだ中位を狙えるタイム差だったが、18位以降は開いてしまった。その中で東国・鈴木選手が何とか区間15位で走り、最下位から2つポジションをアップ。最後は苦しかったがさすが2年前の好走者だ。そのあと共に苦しかった上武・大森、国士・藤江選手。特に大森選手はロードが得意な選手なだけに67分近かったのは悔しいところかなと…。昨年より厳しい位置で山に入っていった。
そのあと5分半離れて、連合チームの明大・中島選手。ギリギリ65分を切るタイムで区間17位相当。個人的にはこれはうまく走れたと思う。これだけ断トツの最下位の中で何とかまとめたのは強豪チームの主力だからこそ。来年はチームで上位で戦う姿を見たいと思いました。
全体的にはトップ東洋はとても順調。連続1年生の中、対2分差が果たしてどうなるか。また、戦前から噂されている山の職人たちが比較的前後に僅差でチームがいるところが多く、今年も大きな順位変動が起きそうな予感がした。