【箱根駅伝2025(第101回)】7区を定点別に振り返る~8割でも中盤落ちない駒大佐藤選手

そろそろ箱根駅伝2025(第101回)の余韻が冷めつつありますかね。

レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。

続いては7区

青学のピクニックランを阻止した駒大佐藤選手の驚異的な中間走

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【箱根駅伝2025】7区定点間分析~8割でも中盤落ちない駒大佐藤選手

まずは出走者を持ちタイムと、過去の実績とともに見てみます。

(1)青学・白石光星④28分21秒57≪24全6区2位、関東IC1万11位、22全2区16位≫
(2)3:49中大・岡田開成①28分08秒51≪24全2区6位、予24位、関東IC5千6位、全国5区4位、23IH5千11位≫
(3)4:07駒大・佐藤圭汰③27分28秒50≪24箱3区2位、23全2区1位、出2区1位、日本5千4位、22全2区2位、出2区1位≫
(4)4:27早大・伊藤大志④28分37秒34≪24全4区5位、出2区10位、全予3組9位、関東IC1万11位、23全7区6位、出1区4位、関東IC5千5位、箱5区6位、22全7区5位、予39位、箱5区11位、21:全1区7位、出5区12位≫
(5)6:23創価・織橋 巧②28分41秒25≪24関東IC5千16位、23全1区4位、日本IC5千7位≫
(6)7:16城西・三宅 駿①29分26秒90≪23IH1500m10位≫
(7)8:19國學・辻原 輝②28分27秒93≪24全3区3位、出3区4位、関東IChalf7位、箱4区4位、23関東IC5千11位≫
(8)9:58立大・小倉史也③29分15秒96≪24全5区10位、予68位、23予325位≫
(9)10:01東洋・内堀 勇①29分30秒43≪24関東IC1万、全国1区13位、23IH5千16位≫
(10)10:46東国・冨永昌輝④29分02秒28≪24予224位、関東IC5千、23予85位、22全1区16位、出1区8位、箱7区6位≫
(11)10:47順大・吉岡大翔②28分26秒75≪24予98位、全予3組5位、箱4区8位、23全3区14位、出1区11位、日本IC5千4位、関東IC5千4位≫
(12)10:53帝京・福田 翔④28分56秒88≪24全7区8位、出6区6位、全予1組11位、23全1区9位、予21位、全予1組12位、22出4区9位、全予2組15位≫
(13)10:56中学・坂本 駿③28分46秒71≪24予136位、全予2組9位、関東IChalf、23予205位≫
(14)11:07日体・住原聡太④28分41秒88≪24予85位、関東IC1万9位、箱10区6位、23予109位、全予4組36位≫
(16)15:40<15>12:02神大・新妻玲旺②28分54秒78≪24予251位、全予4組34位、箱7区18位、23関東IC5千≫
(20)19:38<16>12:49専大・具志堅一斗②29分29秒31≪24予89位、全予1組29位、関東IChalf14位、23全予1組27位≫
(18)16:33<17>12:50大東・宮倉騎士②29分25秒74
(17.5)16:33<18>12:51明学・栗原 舜④28分47秒98≪24予63位、23予91位≫
(15)14:28<19>13:04法大・宮岡幸大④28分57秒69≪24出6区10位、全予1組25位、箱1区14位、23箱7区8位≫
(19)17:06<20>14:03日大・長谷川豊樹②29分30秒65
(17)15:49<21>14:47山学・大杉亮太朗①29分35秒93≪24全国5区21位、23高校1区12位≫

 先頭、青学白石選手は箱根初挑戦の4年生。2年時の全日本2区に抜擢されるも失速、それ以降中々レギュラー争いに絡めなかったが、最後這い上がってきた。2位以降は4分前後と離れたが、中大の楽しみなスーパールーキー岡田選手で追いかける。その後ろから、8割の状態で間に合ったという駒大佐藤選手に、早大の4年生エース伊藤選手が走り出す展開。まず前半詰めてくるチームがあるかきになった。

 混戦のシード権争いは、11位に順大の悩めるエース2年吉岡選手が出走し、帝京は、エース格の4年福田選手が控えている。ともに6区で追い上げてきたチーム。8位立大あたりまで見えている展開で追い上げが気になった。

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定点間分析①:小田原中継所~二宮

0.5km:10位順大吉岡選手が東国富永選手を交わして浮上、帝京・中学大らも見えている

2.6km:2位中大岡田選手の後方、3位駒大佐藤選手が猛追 18秒あった差が8秒差へ

4.5km:中大岡田選手の背後に駒大佐藤選手

藤田監督「怪我から復帰間もないからきついかもしれない だけど、お前は力が違うんだ」

5㎞:10位順大吉岡・東国富永選手が14分06秒で通過し区間新ペース。さらに46秒あった立大・東洋との差が7㎞で秒差に!

7㎞:青学白石選手が区間記録ペースで進んでいく

7区7㎞
1位青学白石25
2位駒大佐藤・中大岡田3:56
4位早大伊藤4:58
5位創価織橋6:51
6位城西三宅8:00
7位國學辻原8:27
8位立大小倉10:37
9位東洋内堀10:39
10位順大吉岡・東国冨永10:44
12位帝京福田11:14
13位中学坂本11:25
14位日体住原11:33
<15>神大新妻12:55
<16>法大宮岡・明学栗原13:19
<18>専大具志堅13:30
<19>大東宮倉13:41
<20>日大長谷川15:27
<21>山学大杉15:35

参照サイト

8km:順大吉岡選手ら8位争いに浮上、東国冨永・立大小倉選手は突いているが、東洋内堀選手は遅れ加減

10㎞:青学白石選手28分58秒、区間記録よりは10秒遅れるも、いいリズムはキープしている
10.8km:駒大佐藤選手が10㎞28分21秒の区間新ペース、中大岡田選手を突き放していく

11.1km:8位争い順大吉岡・東国冨永選手、10位争い東洋内堀・立大小倉選手

11.6km二宮
区間記録:96回阿部(明大)33分28秒

6位青学・白石光星④33分52秒(1)
1位駒大・佐藤圭汰③33分01秒(2)3:16
2位中大・岡田開成①33分38秒(3)3:35
11位早大・伊藤大志④34分17秒(4)4:52
8位創価・織橋 巧②34分02秒(5)6:33
5位國學・辻原 輝②33分41秒(6)8:08
17位城西・三宅 駿①34分51秒(7)8:15
4位東国・冨永昌輝④33分39秒(8)10:33
3位順大・吉岡大翔②33分38秒(8)10:33
16位立大・小倉史也③34分49秒(10)10:55
15位東洋・内堀 勇①34分46秒(10)10:55
9位帝京・福田 翔④34分10秒(12)11:11
10位日体・住原聡太④34分13秒(13)11:28
12位中学・坂本 駿③34分26秒(14)11:30
7位法大・宮岡幸大④33分58秒(15)14:34<15>13:10
18位神大・新妻玲旺②35分00秒(16)16:48<15>13:10
14位専大・具志堅一斗②34分44秒(20)20:30<17>13:41
13位明学・栗原 舜④34分42秒(15.5)16:45<17>13:41
20位大東・宮倉騎士②35分30秒(18)18:11<19>14:28
19位山学・大杉亮太朗①35分02秒(17)16:59<20>15:57
21位日大・長谷川豊樹②36分04秒(19)19:18<21>16:15

 先頭、青学白石選手は飛ばしていった。2年時の全日本2区失速から一旦信頼を失ってから、最後の箱根駅伝に間に合った。7㎞では区間記録ペースの報で、実際この時点では駒大佐藤選手からは10秒程詰められただけだった。ただ、ここからはさすがに遅れてきて、定点では区間記録からは24秒遅れの区間6位となっていた。

 さて、追い上げてきたのが駒大佐藤選手。何とか間に合ったというところだったそうだが、走りながら野生の勘を取り戻してく勢いだった。5㎞手前で中大岡田選手に追いつくと10kmまでに突き放す。10㎞28分21秒で通過すると、二宮は33分01秒。区間記録を27秒上回るペースで、大幅に上回っている。突き放した中大岡田選手が区間2位のタイムなので強さが際立つ。後方早大伊藤選手は、本調子ではなかったようで、1分以上離れた。

 創価織橋選手を挟んで、まず6位争い。追い上げを開始した國學院大辻原選手は、二宮までに1分差を逆転して6位浮上。ここは力が違うはずだ。シード権争いは動きがあり、10位争いから順大吉岡選手と食らいついた東国冨永選手がまず抜け出し、区間記録ペースで追い上げ開始。ペースが上がっていない立大小倉・東洋内堀選手を交わして、8位争いに浮上した。10位争いに立大・東洋、後ろ帝京・日体・中学大も見え隠れしていて、どうなっていくかというところだった。

 一斉スタート組は、法大宮岡選手が激走中。19番目で襷を受け取ったが、連合の明学栗原・大東宮倉・専大具志堅選手をまとめて交わしていくと、なんと1分以上前スタートの神大新妻選手に追いつき15番目で一斉スタート組トップに浮上。今年は不調に苦しんでいたが、ここで意地を見せるか。最後方では、山学1年生大杉選手が日大長谷川選手を捉えて20番目に浮上。日大が苦しんでいる。

定点間分析②:二宮~大磯

レース展開

12.6km:東洋内堀選手がスパートで単独10位、立大小倉選手が11位に後退

15㎞:青学白石選手44分14秒 1㎞3分03秒前後のペースに。駒大佐藤選手は2分53秒前後のペースをキープしている。
駒大佐藤選手は、42分43秒 区間新ペースは上回っている。

15㎞:東洋内堀・立大小倉選手の争いに、帝京福田選手が割って入ってくる。後ろ日体住原選手も見えている。

16km:10位争い帝京福田・東洋内堀選手、12位争いが秒差で立大小倉選手に日体住原選手

17km:10位争いに日体住原選手が追いついて帝京・東洋と3人の争い、後ろまだ立大が苦しそうな表情も見えている

18.4㎞大磯(定点間6.8㎞)
区間記録:96回阿部(明大)20分02秒<53分30秒>

11位青学・白石光星④20分35秒[9]54分27秒(1)
1位駒大・佐藤圭汰③19分21秒[1]52分22秒(2)2:02
9位中大・岡田開成①20分32秒[5]54分10秒(3)3:32
10位早大・伊藤大志④20分32秒[11]54分49秒(4)4:49
4位創価・織橋 巧②20分12秒[6]54分14秒(5)6:10
2位國學・辻原 輝②19分52秒[2]53分33秒(6)7:25
13位城西・三宅 駿①20分40秒[14]55分31秒(7)8:20
6位順大・吉岡大翔②20分16秒[3]53分54秒(8)10:14
5位東国・冨永昌輝④20分15秒[4]53分55秒(8)10:14
3位日体・住原聡太④20分03秒[7]54分16秒(10)10:56
12位東洋・内堀 勇①20分36秒[12]55分22秒(10)10:56
8位帝京・福田 翔④20分20秒[10]54分30秒(10)10:56
16位立大・小倉史也③20分57秒[16]55分46秒(13)11:17
18位中学・坂本 駿③21分02秒[13]55分28秒(14)11:57
7位法大・宮岡幸大④20分19秒[8]54分17秒(15)14:18<15>12:54
19位神大・新妻玲旺②21分13秒[18]56分13秒(17)17:26<16>13:48
15位専大・具志堅一斗②20分48秒[15]55分32秒(20)20:43<17>13:54
14位明学・栗原 舜④20分46秒[16.5]55分46秒(15.5)17:14<17.5>14:10
20位大東・宮倉騎士②21分53秒[19]57分23秒(18)19:29<18>15:46
17位山学・大杉亮太朗①20分57秒[17]55分59秒(16)17:21<20>16:19
21位日大・長谷川豊樹②21分54秒[20]57分58秒(19)20:36<19>17:34

 この定点間は、駒大佐藤選手が凄まじい中間走をみせた。青学白石選手がややペースダウンしたのがあるものの、駒大佐藤選手が一気に1分以上差を縮めてきた。この定点間は19分21秒のペースで、区間記録を52秒上回る走り。圧巻の走りとなった。トラックでも世界を狙えるスピードを持っているのですが、ロードのスピード持久力も物凄い、もしかしてロードに特化してもすごい選手になるのかも…。

 他、単独走となっている中で、創価大織橋選手、國學院大辻原選手が定点間上位。辻原選手はさすがの実力者ですが、織橋選手は久々の箱根駅伝。もう一度上位争いに加わる差に詰め寄ることができるか。

 シード権争いは動きがあり、後方から日体住原選手が定点間3番目の素晴らしい走り。帝京福田選手を引き連れながら、10位争いに追いついてきた。この10位争いに東洋内堀選手は残ったものの、立大小倉選手が苦しく脱落。全日本5区好走した選手だが、このスピードはきついか。同じくスタミナ型とみる中学坂本選手もやや遅れを取った。シード権争いが大きく動いた。

定点間分析③:大磯~平塚中継所

残り1㎞:1位青学白石選手から、一瞬2位につけている移動中継車が見える

それでも白石選手は最後切り替えてリレー。63分10秒の個人記録はまずまず。後ろ最後まで追ってきた駒大佐藤選手は60分43秒!なんと阿部選手の記録を1分近く更新、さらにトップとの差は1分40秒、まだ分からなくなった。

 後方、6位國學院辻原選手が、残り200mで襷を落とすアクシデントも順位を上げてリレー。さらに8位争いは順大吉岡選手が東国大を制してリレー。10位は日体大が僅差の争いをここで制している。ただまだ僅差。繰り上げは日大が見た目18分過ぎで渡して回避した。

長門監督「頭から突っ込め、シード権のため、お前がエースの役割を果たせ」

21.3㎞平塚中継所(定点間2.9㎞)
区間記録:96回阿部(明大)8分10秒<61分40秒>

5位青学・白石光星④8分43秒[9]63分10秒(1)
1位駒大・佐藤圭汰③8分21秒[1]60分43秒(2)1:40
14位中大・岡田開成①8分57秒[7]63分07秒(3)3:46
7位早大・伊藤大志④8分47秒[11]63分36秒(4)4:53
13位創価・織橋 巧②8分55秒[8]63分09秒(5)6:22
8位國學・辻原 輝②8分48秒[2]62分21秒(6)7:30
15位城西・三宅 駿①8分58秒[14]64分29秒(7)8:35
2位順大・吉岡大翔②8分27秒[2]62分21秒(8)9:58
3位東国・冨永昌輝④8分35秒[5]62分30秒(9)10:06
4位日体・住原聡太④8分40秒[5]62分56秒(10)10:53
9位帝京・福田 翔④8分49秒[10]63分19秒(11)11:02
11東洋・内堀 勇①8分54秒[12]64分16秒(12)11:07
18位立大・小倉史也③9分08秒[17]64分54秒(13)11:42
16位中学・坂本 駿③9分02秒[15]64分30秒(14)12:16
5位法大・宮岡幸大④8分43秒[6]63分00秒(15)14:18<15>12:54
11位専大・具志堅一斗②8分54秒[13]64分26秒(19)20:54<16>14:05
19位神大・新妻玲旺②9分10秒[18]65分23秒(17)17:53<17>14:15
16位明学・栗原 舜④9分02秒[15.5]64分36秒(15.5)14:18<18>14:17
10位山学・大杉亮太朗①8分49秒[16]64分48秒(16)17:27<19>16:25
21位大東・宮倉騎士②9分26秒[19]66分49秒(18)20:12<20>16:29
20位日大・長谷川豊樹②9分14秒[20]67分12秒(20)21:08<21>18:05

 最後まで強かった駒大佐藤選手。なんと4分以上あった差を1分40秒差まで追い上げる激走。そして、従来の記録を57秒塗り替える60分43秒の区間新記録!ほぼ同距離の箱根3区に近いタイムはしっかりと出してきた。これが世界を目指せる一にいるスピードランナーだ。今回の駒大としても、青学のピクニックランを阻止する、一つ意義のある快走だった。

 そこから中大岡田・早大伊藤・創価織橋・國學辻原選手、さらに城西三宅選手が単独で7位まで通過。その後シード権争い、8位争いは今回は復調の兆しを見せた順大吉岡選手が62分21秒の区間2位好走、これに食らいついた形になった東国冨永選手が62分30秒区間5位。富永選手は2年時の出雲駅伝以来の会心の走りではないだろうか。東国大は再びの浮上となった。

 10位は日体大住原選手がそのまま勢いよく走って総合10位に浮上。日体大は久々にシード権争いだ。じわじわ浮上の帝京大が11位、東洋大内堀選手は秒差で踏ん張った。6区山下りのリザーブエントリーから急遽の出走で、大きく落ちないのが、東洋大の力か。立大・中学大は最後まで苦しみ、ちょっと差がついてしまった。7区もスピードが大事になってきた。

 一斉スタート組は、法大宮岡選手が最後まで勢い衰えず。63分00秒ジャストで区間6位の好走。往路でも良かったかもしれないくらいの勢いだった。さらに16番目に専大具志堅選手が通過、神大新妻・明学栗原選手も交わしていった。区間13位の好走で総合でも最下位脱出、専修大が戦っている。後方、山学1年生大杉選手がまずまず走り19番目浮上、大東宮倉選手を交わしていった。最後に日大長谷川選手が区間最下位と苦しみ、総合も最下位に。既に見た目トップとのタイム差は18分をオーバーしていた。

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hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。