復路も終盤、初優勝が目前に迫ってきた神大は高嶋康司選手にたすきリレー。昨年、4区疲労骨折で途中棄権の屈辱を味わった選手だ。1年たって今度は復路のエース区間を任された。途中棄権と言えばもう一人、順大の浜野健選手も2大会前10区で途中棄権。順大の連続シード権を途絶えさせてしまった。くしくもシード権渦中の9位でタスキを受けた…。
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皆様の情報により、追記は赤文字、修正は青文字で行います。
名前・学年 | 大学名 | 主な戦歴 |
高嶋康司③ | 神大 | 29分14秒、全6区1位、予38位、箱4区棄権 |
高橋宏幸④ | 大東 | 29分38秒、出6区7位、日ハーフ6位、関2部ハーフ7位 |
里内正幸② | 山学 | 29分29秒、全7区3位、予40位、箱1区15位 |
国武良真② | 中大 | 29分17秒 |
荒川 誠③ | 早大 | 29分19秒、全1区18位、出2区11位、日ハーフ2位、関1部ハーフ1位、箱9区4位 |
小沢希久雄④ | 東洋 | 29分19秒、全8区9位、予21位、箱4区13位 |
山下秀人④ | 駒大 | 29分08秒、全8区8位、日ハーフ1位、関2部ハーフ1位、箱2区10位 |
関 厚志③ | 東海 | 29分13秒、全4区6位、出5区5位、関1部3障3位 |
浜野 健④ | 順大 | 29分08秒、全8区3位、出6区3位、日ハーフ4位、関1部ハーフ3位、箱2区13位 |
坂巻圭一④ | 日体 | 30分02秒 |
福永勝彦③ | 専大 | 29分36秒、予27位、出3区5位、箱8区2位 |
菅野邦彰③ | 亜大 | 29分00秒、全2区6位、出6区9位、関2部ハーフ2位、箱2区5位 |
本田義治④ | 農大 | 29分26秒、出1区14位、箱3区9位 |
船木吉如② | 拓大 | 29分58秒 |
荒井伸次③ | 法大 | 29分47秒、出6区11位、関1部ハーフ6位、箱5区11位 |
トップの神大・高嶋選手は初優勝のかかった前回、走行中に疲労骨折を発症してしまい、途中棄権の無念を味わったランナー。悲願の初優勝へ復路の最重要区間を走る。後ろでは2位大東・髙橋選手や5位早大・荒川選手や7位駒大・山下選手らがインカレハーフで実績ある選手が控えるがどうか。後ろでも専大・福永、亜大・菅野選手は前回の箱根での実績の高い選手が出走。個人争いが楽しみ。また、3位山学・里内選手は前回1区ブレーキ、9位順大・浜野選手は2年前の途中棄権のリベンジを狙う…ほかの区間以上にいろんな思いが交錯する区間となった。
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
3位 | 高嶋 | 神大 | 23分10秒 | ||
11位 | 里内 | 山学 | 23分46秒 | ②6:11 | |
12位 | 高橋 | 大東 | 23分52秒 | ③6:12 | |
7位 | 国武 | 中大 | 23分29秒 | ④7:49 | |
6位 | 荒川 | 早大 | 23分28秒 | ⑤8:10 | [5]8:06 |
2位 | 山下 | 駒大 | 23分08秒 | ⑦13:33 | [6]8:32 |
5位 | 福永 | 専大 | 23分26秒 | ⑪22:18 | [7]9:22 |
10位 | 小澤 | 東洋 | 23分45秒 | ⑥11:44 | [8]11:44 |
15位 | 関 | 東海 | 24分29秒 | ⑧16:49 | [9]12:53 |
1位 | 浜野 | 順大 | 22分41秒 | ⑨18:29 | [10]13:41 |
8位 | 船木 | 拓大 | 23分31秒 | ⑭30:25 | [11]14:06 |
13位 | 坂巻 | 日体 | 23分53秒 | ⑪21:49 | [12]14:32 |
9位 | 荒井 | 法大 | 23分41秒 | ⑮33:41 | [13]15:03 |
4位 | 菅野 | 亜大 | 23分17秒 | ⑫27:29 | [14]16:20 |
14位 | 本田 | 農大 | 24分19秒 | ⑬30:13 | [15]17:22 |
高嶋選手は昨年度の駅伝で全日本4区、箱根4区と主要区間を任されていた存在。9区はまさにうってつけだった。余裕をもって走りながらも個人3番。区間記録にも迫る勢いだ。後ろ2位争いの山学・里内、大東・髙橋選手がややけん制したため、その差は6分以上となった。
それ以上に速い入りを見せていたのはまずは駒大の山下選手。関東IC・日本ICハーフ共に優勝を飾っている選手でこの9区は満を持しての出走だ。なんと伝統校の中大と早大の姿が見え隠れする位置に浮上、後ろ一時迫っていた専大・福永選手も離していく。専大としては僅かに残っているシード権に向けて懸命の力走だった。
対象は9位の順大・浜野選手となるわけだが、ものすごい走りとなっている。山下選手らより30秒近く早い入りを見せている。2年前”ひっそり”と途中棄権。昨年華の2区を走るもリベンジ走とまではならなかった。並々ならぬ決意だろう。拓大・船木選手と、総合10位の日体・坂巻選手はあっという間に逆転し、シード権確保に向けて邁進する形となる。この勢いが続くか注目された。
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
4位 | 高嶋 | 神大 | 20分49秒 | ||
8位 | 里内 | 山学 | 21分05秒 | ②6:27 | |
11位 | 高橋 | 大東 | 21分17秒 | ③6:40 | |
7位 | 国武 | 中大 | 21分01秒 | ④8:01 | |
2位 | 山下 | 駒大 | 20分31秒 | ⑦13:15 | [5]8:14 |
10位 | 荒川 | 早大 | 21分13秒 | ⑤8:34 | [6]8:30 |
6位 | 福永 | 専大 | 20分58秒 | ⑪22:27 | [7]9:31 |
12位 | 小澤 | 東洋 | 21分24秒 | ⑥12:19 | [8]12:19 |
1位 | 浜野 | 順大 | 20分27秒 | ⑨18:07 | [9]13:19 |
13位 | 関 | 東海 | 21分29秒 | ⑧17:29 | [10]13:33 |
9位 | 船木 | 拓大 | 21分11秒 | ⑬30:47 | [11]14:28 |
5位 | 坂巻 | 日体 | 20分57秒 | ⑩21:57 | [12]14:40 |
14位 | 荒井 | 法大 | 21分54秒 | ⑮34:46 | [13]16:08 |
3位 | 菅野 | 亜大 | 20分40秒 | ⑫27:20 | [14]16:11 |
15位 | 本田 | 農大 | 22分08秒 | ⑭31:32 | [15]18:41 |
高嶋選手がトップを行く。前回は大会前1か月前から足に痛みを感じていたが、走行中は痛みを感じず。当日エントリー変更なし。ところが朝から痛みが激しさを増してしまっていた。今回はそんなそぶりも見せずトップをすすむ。2位争いは横浜駅前で早くも決着。里内選手がペースアップ。単独2位に浮上、トップとの差は離れたがようやくここに戻れたという感じだ。
その後ろ驚いた。中大・国武選手の後ろ、駒大・山下選手が早大・荒川選手を交わして迫っていた。荒川選手とて、前回区間3位で走った選手だがかなり苦しそうな表情となっていた。復路の駒大の勢いが止まらない!
勢いが止まらないと言えば、浜野選手も区間記録ペースをキープ。スローで入っていた総合8位の東海・関選手も見た目で捉えて、実質38秒差まで迫ってきた。総合10位日体・坂巻選手もこの定点間ではあげてきたが、見た目1分21秒差・総合では3分50秒差では苦しくなってきた。
後ろはそろそろ繰り上げが心配になってきたが、坂巻選手の後ろ、法大・荒井選手は苦しい走りだがまだ4分近く猶予はある。その直後にやってきた亜大・菅野選手は前回は箱根2区5位の選手。走りながらぐんぐん状態を上げてこの定点間は3位!これなら心配なさそう。まずいは見た目15番の農大・本多選手。じりじりペースダウン。猶予も1分19秒しかなくなってしまった。このままでは繰り上げも免れない状況となってしまった。
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
1位 | 高嶋 | 神大 | 26分11秒 | ||
7位 | 里内 | 山学 | 27分15秒 | ②7:31 | |
11位 | 高橋 | 大東 | 27分51秒 | ③8:20 | |
3位 | 山下 | 駒大 | 26分23秒 | ⑥13:27 | [4]8:26 |
6位 | 国武 | 中大 | 27分05秒 | ④8:55 | |
10位 | 荒川 | 早大 | 27分42秒 | ⑤10:05 | [6]10:01 |
9位 | 福永 | 専大 | 27分27秒 | ⑪23:43 | [7]10:47 |
2位 | 浜野 | 順大 | 26分22秒 | ⑨18:18 | [8]13:30 |
13位 | 小澤 | 東洋 | 28分20秒 | ⑦14:28 | |
4位 | 関 | 東海 | 26分38秒 | ⑧17:56 | [10]15:00 |
8位 | 坂巻 | 日体 | 27分19秒 | ⑩23:05 | [11]15:48 |
12位 | 船木 | 拓大 | 27分56秒 | ⑬32:32 | [12]16:13 |
5位 | 菅野 | 亜大 | 26分46秒 | ⑫27:55 | [13]16:46 |
14位 | 荒井 | 法大 | 29分14秒 | ⑮37:49 | [14]19:11 |
15位 | 本田 | 農大 | 29分17秒 | ⑭34:38 | [15]21:47 |
高嶋選手が最後までしっかりした足取りで歩を進める。5月からジョグを開始し、全日本6区区間賞で完全復活していた。当時の区間記録まで17秒に迫る快走だった。初優勝へ向け残り21.3㎞となった。2位に浮上した山学とは7分31秒差だ。
その後ろ、最後までペースを上げられなかった大東・髙橋選手のすぐ後ろ、駒大・山下選手が最後まで勢いよくやってきた。見た目2つ順位を上げる躍進!そして復路順位でもトップに立った。駒大に初の”優勝”の二文字が見えてきた。
早大・荒川選手、専大・福永選手が10分少しの差で中継、その約3分後に姿を見せたのは浜野選手。さすがに最後は苦しくなったが、そのタイムは69分30秒!第59回(1983年)大会、早大・坂口泰氏の69分53秒を14年ぶりに更新。これはとても見事なタイムでした。この後、トヨタ自動車に進み、長く競技生活をされているのも付記します。
その後ろは、少しペースを上げられなかった東洋・小澤選手は見た目と総合順位も一つずつ下げてしまった。とはいえ、見た目は浜野で総合は駒大なので空いてもすごかったが。その後ろは横浜駅前まで個人最下位争いだった東海・関選手が粘りの走りで上位に。総合でも順大を僅かに逃げ切って8位をキープする、見事な走りだった。
11番目では総合10位の日体・坂巻選手がやってきた。後半に粘り、拓大・船木せんしゅをかわしたものの、総合9位とは4分47秒差に。2年連続のシード権は非常に厳しくなった。直後には区間4位の好走をした亜大・菅野選手がやってきた。シード権確保に向けた走りだったが、ちょっと反撃が遅い感じだった。
残り2校、繰り上げの時刻が迫ってくるが、残り1分以上を残して法大・荒井選手がやってきた。個人タイム75分近くかかったがトップから19分11秒差で間に合った。だが、農大・本多選手はさらに失速、復路で唯一の繰り上げスタートとなってしまった。総合も14位に落とした。6区で置いていかれたのが大きく響く形となった。