2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
続いて、
8区間はシード校と戦えていた!
日本体育大学です
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長い間、連続出場を続けている伝統校ですが、ここのところ厳しい戦いが続いていました。シード権争いに加われず、繰り上げスタートの憂き目にもあっていました。
今年度は、関東ICハーフでエースの藤本選手が優勝しましたが、その後に故障。エースを欠いた全日本予選は、予選落ち。ボーダーラインから、差がありました。
夏を明けて、箱根予選でも、エントリーに藤本選手の名前がありませんでした。もしかすると連続出場が途切れるのでは…、そんな声も囁かれました。
そんな中、チームは逞しかったです。10㎞までは出場圏外でしたが、15㎞で10位に浮上すると、残り6.195㎞は全校1番の早さで駆け抜けました。結果、危なげない5位通過、鬼の集団走でしっかりと連続出場を繋ぎました。
その後、藤本選手が戦線復帰、ルーキーの台頭や中距離ブロックからの新戦力も話題に。にわかにレギュラー争いが激しくなった中での、76回目の箱根路を迎えました。
17位日本体育大学11時間06分32秒
往路18位5時間36分33秒・復路11位5時間29分59秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 9位 | 山崎 丞① | 63分08秒 | 9位 | 0:24 |
2区(23.1㎞) | 12位 | 藤本珠輝④ | 68分11秒 | 12位 | 1:55 |
3区(21.4㎞) | 10位 | 漆畑徳輝③ | 62分36秒 | 11位 | 2:40 |
4区(20.9㎞) | 20位 | 分須尊紀② | 66分06秒 | 16位 | 7:36 |
5区(20.8㎞) | 19位 | 吉冨純也③ | 76分32秒 | 18位 | 13:23 |
6区(20.8㎞) | 11位 | 内山俊一③ | 59分53秒 | 18位 | 14:54 |
7区(21.3㎞) | 11位 | 名村樹哉④ | 64分03秒 | 17位 | 15:39 |
8区(21.4㎞) | 12位 | 廣澤優斗④ | 65分29秒 | 16位 | 16:31 |
9区(23.1㎞) | 14位 | 盛本聖也④ | 69分50秒 | 16位 | 17:55 |
10区(23.0㎞) | 14位 | 大森椋太③ | 70分44秒 | 17位 | 19:21 |
1区山崎選手…日体大期待のエース候補の1年生。箱根予選の残り6.195㎞は全選手でもトップレベルの上がり。その後、1万m28分半ばを出して走力アップを示していました。5区山登りに興味を示していましたが、チーム事情で1区に回りました。
スローとなった大集団の中で、しっかり脚を溜めます。明大・駒大が飛び出して、3位集団となった後も、残り1㎞までその集団に付けます。最後に少し遅れを取るも、トップと24秒差の区間9位。上位で戦える位置で、2区エースにタスキを繋ぎます。
2区藤本選手…日体大頼りの大エース4年藤本選手。2年連続エース区間2区ですね。昨年は1区の出遅れの中、冷静に走って67分台にまとめたのが印象的。今年は、故障明け間に合わせた中ですが、他校のエースと勝負できる形でした。
序盤から、激しい順位争いの中に揉まれながら、横浜駅前では東国大や城西大のランナーと三つ巴の11位争いの展開。その後も、他校のエースとの争い、
終盤は、日体大と国士大に前にいかれるも、城西を振り切り、明大を交わす。そして、落ちてきた順大と上がってきた東海大と激しいバトル。混戦の中、総合12位で中継。個人としても68分10秒でまとめました。
3区漆畑選手…この区間は、多くの駅伝ファン予想外だったのではないでしょうか。3年漆畑選手。前回7区を走るも区間下位、今年度は箱根予選のエントリーに名前がありませんでした。その後トラックでいい結果を出していましたが、往路3区当日変更で入るのは予想外でした。
それでも、入ったからには調子が上がっていたということ。スピードランナーが揃った中、区間中位の走り。その後、定点間一桁の場面もあり、上位の流れに食らいついていきます。ラストスパートもまとめて62分36秒の区間10位。接戦の中、総合11位と流れの中でリレーします。
4区分須選手…4区には2年連続となる2年分須選手が出走。前回もまずまずまとめていただけに主力候補となっていました。ただ、今期は箱根予選を初め、うまくいかないレースがあったのが、気になっていました。
スタートしてすぐ、東国大の留学生に抜かれたのはともかく、前のチームとも少しずつ離れていく展開。中盤以降は、大きくペースダウンしてしまい、次第に順位ダウン。16位まで下がっての襷リレー。個人タイムは66分オーバー。前回より2分半以上遅れるタイムとなってしまいました。
5区吉冨選手…5区山登りも2年連続となる3年吉冨選手が出走。今年は試合にあまり出場していませんでしたが、その中で山登りに絞って、エントリーされました。
区間中位のペースの入り、前を追っていく姿勢を見ていました。でしたが、徐々に区間順位が下がっていきます。終盤はジョギングに近いペースに…。76分半は、前回より2分かかってしまいました。最終的に往路18位。3区までシード権争い上だっただけに、勿体ない2区間になりました。
6区内山選手…復路は一斉スタート。前回は、現4年盛本選手が走るも、リズムに乗れず大きく出遅れました。今回選ばれたのは、3年内山選手。事前の記録会にはあまり出場していなかったのですが、密かに練習を積んでいました。
比較的早いペースで進む一斉集団の流れについていき、小涌園で区間6位の走り。途中ペースを落としかけますが、最後の平地で追い上げ、59分53秒の区間11位。前が点々と見える17番目での襷リレーで、流れの中で襷リレーします。
7区名村選手…ここから4年生リレーとなります。7区には、2年時の10区以来となる名村選手が出走。箱根路は2回目ですが、箱根予選は毎年確実に力になっていて、長い距離の経験は豊富な選手でした。
ほぼ同時スタートの山学大の選手と並走しながら、前を追います。二宮の地点では、前にいた大東大に追いつき3人で14番目の争いで通過。その後もペースを保って争い、山学大に次いで15番目でリレー。個人でも区間11位64分03秒と、まずまずのタイムでまとめます。
8区廣澤選手…4年時の秋まで中距離ブロックから移籍してきた廣澤選手が8区へ。もともと箱根駅伝を目指していましたが、日体大入学時にレベルの高さを感じ中距離の道を歩んでいました。でしたが、3年時秋に1万m28分台突入。コーチの後押しもあり、再度箱根駅伝を目指しました。
箱根予選では、スピードを生かすため、集団走ではなく、個人走でチーム2番手。往路候補にも挙がったほどですが、最終的に後半遊行坂があるスタミナ区間の8区になりました。
すぐに大東・山学大と並走に。序盤は区間下位でしたが、徐々に順位アップ。遊行寺坂までに大東大を突き放し、さらに落ちてきた東海大を交わして13番目の争いへ。山学大には遅れるも、14番目リレー。65分29秒の区間12位と流れの中で好走。総合順位も16位に上げました。
9区盛本選手…今年の日体大の主力選手。箱根予選は4年連続出場していて、今回はチームトップの力走で、チームを出場に導きました。一方、箱根路は前回の6区が初。区間下位に終わったリベンジを誓いましたが、最終的に復路のエース区間9区に回りました。
序盤はすぐ前にいた山学大に追いつき併走へ。途中で振り切ると、徐々に区間順位浮上。区間14位でしたが、69分50秒。横浜駅前以降は、一桁順位の走りでまとめ、見た目13番目の位置をキープしてリレー。一斉組では、トップに立ちます。
10区大森選手…アンカーは3年大森選手。2年時の全日本駅伝で出走していて、その後少しずつ走力を伸ばしていていました。見た目で、前とのは3分以上離れていて、どちらかというと追われる展開でした。
見た目13番目を淡々と走りますが、田町地点で区間18位。大東大ら徐々に後方が追い上げてきます。それでも終盤に脚を残していて、懸命に逃げにかかります。大手町、後方が点々と見える中、13番目をキープしてゴール。総合は17位、個人としては区間14位で終えました。
総合17位とはいえ、往路序盤戦えたこと、復路も6区が好走したことにより、一斉スタート組でトップで帰ってこれたのは、ここ数年に比べて戦えたと言えるのではないでしょうか。
特に1区1年生山崎選手が、最終盤まで上位争いの中に残って区間一桁でリレー。2区エース藤本選手が上位争いの中で走れたのは、駅伝ファンも嬉しかったのではないでしょうか。さらに3区漆畑選手が、往路で戦えるまで力をつけていたのも、大きな収穫です。
経験者を投入した4区5区が、前年よりトータル5分ほど遅れてしまったのが誤算でしたが、復路は6区内山選手が好スタートを切り、7区名村8区廣澤9区盛本選手と4年生の頑張りで、一斉スタート組トップに押し上げたのは見事でした。手応えもあるのではないでしょうか。
次の、第100回箱根駅伝で、久々のシード権といきたいですね。
残る今年の箱根メンバー
山崎 丞①28分38秒33
≪23箱1区9位、22予60位、関東IC1500m、21高1区19位、20高1区28位≫
分須尊紀②28分59秒82
≪23箱4区20位、22予138位、関東IC3障2位、箱4区15位、21:全7区12位、予157位≫
大森椋太③29分01秒32
≪23箱10区14位、22予73位、21:全5区16位≫
漆畑徳輝③28分59秒31
≪23箱3区10位、22箱7区19位、21:全3区16位、予120位≫
吉冨純也③29分18秒77
≪23箱5区19位、22箱5区15位≫
内山俊一③30分28秒45≪23箱6区11位≫
残る補欠メンバー
平島龍斗①29分19秒86
≪22予87位、関東IC5千決勝≫
田中槙梧③29分22秒49≪22予80位≫
山下大毅②29分28秒89≪22予99位≫
田島駿介①29分32秒57≪22予86位≫
その他有力選手
高濵大志③28分55秒78
二村昇太朗①29分04秒88
杉本訓也②29分13秒50
水金大亮③29分18秒40
植松孝太②29分21秒86≪22予264位≫
渡野幹大①29分25秒07
溝上賢伸②29分25秒80
纓坂倭人(高岡向陵)≪23全国1区39位、22高校1区30位≫
やはり現1年生に勢いがあるのですよね。特に山崎選手は、秋以降本当に好調ですね。1万m28分38秒ベストを出して、往路1区戦い切りました。箱根本戦の話は、本来通過してからとはいえ、次のエース区間2区候補に挙がってくるのではないでしょうか。
箱根を走ったのは彼一人ですが、箱根予選では平島・田島選手も箱根予選二けた順位で走り切っています。他にも、1万m29分04秒までタイムを伸ばした二村選手もいますので、これから中心格になて行く学年、2年目が楽しみです。
現3年生も戦えるランナー出てきましたね。漆畑選手が急成長して、スピードエース区間ともいえる3区を戦い切りました。山を2年連続になった吉冨選手、山下りワンポイント活躍した内山選手もこの学年です。
他にも箱根アンカーを走った大森選手に、箱根予選二けた順位でゴールした田中選手も力を付けつつありますし、選手が揃ってきていますね。
現2年生がちょっと苦戦気味ですが、1年時から往路4区を走っている分須選手が、足踏みしているところから脱却していけるか。他にも箱根予選走っている山下選手や植松選手、杉本選手も力をつけています。この学年が上がるとぐっと選手層厚くなりそうです。
・1区山崎選手が上位!2区藤本選手が他校とがっぷり四つ
・3区漆畑選手好走で、ここまでシード権争い戦えた!
・経験者を置いた4区5区で落とし穴…往路18位へ
・6区内山選手が好走、7区名村8区廣澤選手が一斉組トップへ浮上
・総合17位も、前年よりた戦える区間多い
・現1年生に勢いあり、一気にチーム力が上がるチャンス!
箱根駅伝は総合17位以上に収穫がありました。1年山崎選手が、1区で戦い切り、区間9位と上位の流れでリレー。怪我明けながら2区に間に合わせた藤本選手が、上位の流れの中で戦い切りました。
さらに大きな収穫が、当日変更3区に入った漆畑選手。まだ大混戦だったシード権争い上位残る好走。ここまでは本当に他校と戦えたのですよね。4区5区連続失速で往路18位となったのが、惜しかった。
そんな中、復路も一斉スタートの中内山選手が区間中位で繋ぐと、7区名村8区廣澤9区盛本選手の4年生3人が、見た目ながらじわじわ順位を上げていき、一斉スタート組トップとなる13番目でリレー。アンカー大森選手も順位を保ちました。
ちょっと、戦える雰囲気が出てきていますよね。そんな中で、山崎選手をはじめとした1年生の世代が非常に勢いがあります。現3年生も戦える選手が出てきていますね。チーム力がぐっと上がるチャンスを迎えているのかなと、外から見ていて感じます。一気に上昇する年度にしていきたいですね。
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