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【箱根駅伝2023(第99回)】9区を定点別に振り返る~20㎞までは青学岸本、ラスト3㎞は!?

そろそろ箱根駅伝2023の余韻が冷めつつありますかね。

レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。

続いて、
復路のエース区間!長丁場の9区

定点間分析をしながら、振り返ります!

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【箱根駅伝2023】9区定点間分析

まずは出走者を持ちタイムと、過去の実績とともに見てみます。

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9区走者走順&実績

1位駒大・山野 力④28分32秒71≪22全3区5位、出4区2位、関東IChalf4位、箱9区4位、21箱9区6位≫
2位1:05中大・湯浅 仁③28分47秒81≪22全7区10位、関東IC1万m9位、箱9区3位、21予74位≫
3位6:35國學・坂本健悟④28分54秒53≪22全6区6位、関東IChalf10位、21全6区7位≫
4位6:36早大・菖蒲敦司③28分58秒10≪22全6区15位、予257位、関東IC1500m3位・3障1位、21全4区5位、出1区2位≫
5位6:46法大・中園慎太郎④28分32秒89≪22箱7区8位、21:箱10区15位、20:予158位、箱8区18位≫
6位6:50順大・藤原優希③29分27秒90
7位6:50創価・緒方貴典④28分42秒44≪21:出1区11位≫
8位7:32青学・岸本大紀④28分20秒29≪22全5区4位、関東IC1万m2位、箱7区1位、21:全3区3位、20:箱2区5位、19:全2区5位、出2区1位≫
9位9:24明大・下條乃將④28分47秒86≪22予62位、箱5区18位≫
10位9:46城西・平林 樹②28分57秒48≪22予79位、21:予198位≫
11位10:19東洋・梅崎 蓮②29分18秒70≪22全7区7位、関東IChalf2位、箱7区11位、21全5区4位≫
12位11:04東国・村松敬哲③29分18秒27≪22全7区12位、出6区7位、箱8区6位≫
13位13:28[13]12:59山学・髙木翔瑛③29分13秒61
16位16:31[14]13:08日体・盛本聖也④29分02秒98≪22予28位、6区20位、21:全2区16位、予42位、20:予280位、19:予66位≫
14位13:42[15]13:42帝京・末次海斗③29分31秒83≪22出6区9位、全予2組4位≫
17位16:52[16]14:01大東・大谷章宏②28分49秒42≪22全8区9位、予121位、全予2組6位、21予213位≫
15位14:19[17]14:19東海・竹村拓真④28分54秒56≪22全8区9位、関東IChalf4位、箱9区8位、21:全8区14位、箱10区8位≫
19位20:12[18]14:31立大・中山凛斗③28分50秒52≪22予45位、21予34位、箱4区18位相当、20:予90位≫
20位21:31[19]16:06専大・南 里樹④29分17秒13≪21:箱6区16位≫
18位18:16[20]18:10国士・福井大夢④29分17秒51≪22予212位、箱6区13位、21:予96位、20:予152位≫
(21)24:01[21]20:00筑波・皆川和範③29分27秒23≪22予63位、21予59位、20予145位≫

 首位固めと行きたい駒澤大は、3年連続9区となる山野主将をエントリー。前回区間5位好走、その後60分40秒のハーフマラソン記録を出したのは、駅伝ファンの目に焼き付いているだろう。出雲・全日本も出走して優勝に貢献している。

 追う中央大湯浅選手も、前回9区を走り区間3位の好走。単純に前回の比較なら、僅かだが湯浅選手が上回っているデータあり。とはいえ、勢いは山野選手のような気がした。

 まだ僅差の3位争いは、手堅いタイプと思われる國學坂本・順大藤原・創価緒方選手に、トラックのスピードが高い法大中園・早大菖蒲選手がほぼ同時スタートでどうなるか。なお中園選手は、1年時から8区・10区・7区・9区と復路平地すべて異なる区間出走となる。

 これを、青学大は、エース区間2区を走れる力のある、駅伝男4年岸本選手を、この区間に温存。6区の失速で、流れを失っていたが、ここで核の違いを見せてくるのか。

 シード権争いは、9位明大下條選手は、淡々と刻めるタイプ。城西大は、勢いのある2年平林選手を投入。勢いに乗ってきた東洋大は、エース候補の2年梅崎選手、東国大は今期の成長株村松選手で巻き返していく。

 それ以降も、まだ有力選手多し。日体大は、箱根予選チームトップの盛本選手を、9区に温存。東海大は、関東ICハーフ入賞の竹村選手、55年ぶりの出場で繰り上げ回避を狙う立教大は、唯一の経験者中山選手で勝負に出る。それぞれの位置で、復路エース区間の戦いが始まった。

定点間分析①:戸塚中継所~権太坂

レース展開

2㎞3位争い、國學坂本・早大菖蒲選手に、順大藤原・法大中園選手が追いつき4人の集団

3㎞駒大山野選手8分19秒と早いペースで通過
5㎞駒大山野選手14分07秒 区間記録を14秒上回る
大八木監督「落ち着いていこう」とはいえ、余裕を持って走っているような?
中大との差は1分30秒程に広がっている

3.8㎞創価緒方選手も、3位争いに追いついて5チームの争い

6.5㎞:9位明大下條選手に、10位城西平林選手が2秒差に
7㎞:下條選手の背後に平林選手ピタリつく

7㎞:3位の5名の集団に、青学岸本選手が15秒まで詰めてきている

7.7㎞権太坂

区間記録:98回中村(青学)22分15秒

2位山野(駒大)22分19秒①
10位湯浅(中大)22分45秒②1:31
4位緒方(創価)22分37秒③7:08
13位菖蒲(早大)22分51秒③7:08
8位中園(法大)22分41秒③7:08
14位坂本(國學)22分52秒③7:08
4位藤原(順大)22分37秒③7:08
1位岸本(青学)22分02秒⑧7:15
15位下條(明大)22分53秒⑨9:58
3位平林(城西)22分31秒⑨9:58
4位梅崎(東洋)22分37秒⑪10:37
11位村松(東国)22分49秒⑫11:34
18位盛本(日体)23分09秒⑯17:21[13]13:58
20位髙木(山学)23分18秒⑭14:27[13]13:58
11位末次(帝京)22分49秒⑬14:12[15]14:12
16位大谷(大東)22分57秒⑰17:30[16]14:39
7位竹村(東海)22分39秒⑮14:39[16]14:39
9位中山(立大)22分44秒⑲20:37[18]14:56
21位南(専大)23分32秒⑳22:44[19]17:19
19位福井(国士)23分15秒⑱19:12[20]19:06
17位皆川(筑波)23分04秒(21)24:46[21]20:45

駒大山野選手が区間新ペースで突っ込み、差を広げる
 駒大山野選手のペースが速い。9区は序盤アップダウンを繰り返すコースになっているが。3㎞8分19秒、5㎞14分07秒の報。区間記録を14秒上回るペースで走っていた。長い距離が強いのは、周知のとおりも、この入りは駅伝ファンもびっくりしたのではないか。

 大八木監督さえも、5㎞の声掛けで「落ち着いていこう」と話すくらい。この入りに、この地点で中大湯浅選手との差は1分30秒程に広がった。この差なら、直線でもほぼ見えないほど。ここにきて、ようやく駒大の優勝が見えてきたか。

 とはいえ、5㎞を過ぎて山野選手のペースは落ち着いてきたか、7.7㎞権太坂に22分19秒は、区間記録から4秒遅れた程となった。とはいえやはり中大との差は1分31秒と、安全圏だ。

3位集団4名に、区間新ペースで青学岸本選手が突っ込んでくる
 3位争いはやはり固まった。国学坂本・早大菖蒲選手の争いに、早い段階で法大中園選手が追いつき、2㎞地点で10秒ほど離れていた創価緒方・順大藤原選手が追いつき、4人の集団に。

 走る前に、色々シュミレーションすると思われますが、9区出走の選手が、どこまで集団走を想定してトレーニングしているのか…。追いついてきた創価緒方・順大藤原選手が自然と早くなり定点間4番の22分37秒。この僅かな突っ込みがどうなるか気になった。

 これを猛然と追い上げるのが、青学岸本選手。3位とは約1分ほどの差があったはずだが、7㎞の地点で15秒差の報。権太坂定点ではもう追いつきそうな7秒差に迫ってきていた。

 それもそのはず、定点間22分02秒と、区間記録より13秒早いペース。やはり1年時からエース区間2区を任された経験のある彼の持っている走力そのものが違うといった方がいいか。記録と順位アップ面が気になった。

9位に城西平林選手が追いつき、10位東洋梅崎選手が区間上位で追う
 シード権争いもまた動きがありそうだ。9位明大下條選手が、1㎞3分を少し切るペースで淡々と刻んでいるところ、7㎞地点で22秒後方だった、

 城西平林選手が追いついてくる。22分31秒定点間3番目の早いペース。逃げながら前を追った結果だろうか。11位で追いかける東洋梅崎選手まずまずのペース、22分37秒定点間4番目のタイムは、彼の実力ならオーバーペースではないはずだ。その差は39秒差となった。

 その後方、東国村松選手もイーブンペースで来ているが、前の東洋大とはほぼ1分差に。何とか追いかけていきたいところだ。

東海竹村・立大中山選手が早い入りで追いかけていく
 後方は13番目から18番目は1分以内の僅差。山学髙木選手に、日体盛本選手が追いつくが、比較的スロー。じりじりと15番目帝京大末次選手が詰めていく展開。総合も山学大を交わして13位にまた浮上してきた。

 後ろが早くて、大東大谷選手に追いついた東海竹村選手が定点間7番目の22分39秒と早い入り。前回経験者が意地を見せる形。追いかけた立大中山選手も9番目と早い入り。箱根予選後に怪我したものの、ロード巧者の選手、前を追いかけていける展開だ。

 これ以降は繰り上げが気になるところ。ある程度余裕がある専大南選手が、ここまで定点最下位で見た目17分19秒差に。国士大福井選手は19分オーバー。ともに山下り経験者だが、後方単独走、ちょっとスピードに乗れない感じだ。

定点間分析②:権太坂~横浜駅前

レース展開

山野選手、区間記録を意識してか、時計を見る回数が多い

8.4㎞青学岸本選手が、集団を一気に抜き去って、単独3位へ
集団は創価緒方選手が呼応しようとする
9.4㎞岸本選手の、1秒差で5人の集団

10㎞山野選手29分15秒 区間記録から15秒遅れる
給水では、水を頭からかけていた

10.7㎞青学岸本選手単独3位 原監督「区間記録よりいいぞ」
4位集団は3秒差創価法大早大國學、ここから順大藤原選手が遅れだした

11km保土ヶ谷橋
①山野(駒大)
②1:28湯浅(中大)
③6:47岸本(青学)
④6:50緒方(創価)中園(法大)菖蒲(早大)坂本(國學)
⑧6:57藤原(順大)
⑨10:03平林(城西)
⑩10:05下條(明大)
⑪10:29梅崎(東洋)
⑫11:29村松(東国)
[13]13:58盛本(日体)
[14]14:11髙木(山学)
[15]14:13末次(帝京)
[16]14:35大谷(大東)竹村(東海)
[18]14:52中山(立大)
[19]17:45南(専大)
[20]19:37福井(国士)
[21]20:49皆川(筑波)

参照動画

11.8㎞:10位明大下條選手と、11位東洋梅崎選手との差が20秒に

13km駒大山野選手38分05秒、この1㎞3分05秒

13.1㎞:東洋梅崎選手10位浮上、明大下條選手を一気に抜いていく

14.7㎞駒大山野選手は円選手から給水、青学岸本選手は宮坂選手から給水

14.5㎞横浜駅前
(定点間6.8㎞)

区間記録:中村(青学)19分28秒<41分43秒>

8位山野(駒大)20分01秒<2>42分20秒①
9位湯浅(中大)20分03秒<11>42分48秒②1:33
1位岸本(青学)19分25秒<1>41分27秒③6:39
2位中園(法大)19分43秒<4>42分24秒④6:50
2位菖蒲(早大)19分43秒<6>42分34秒④6:50
2位緒方(創価)19分43秒<2>42分20秒④6:50
2位坂本(國學)19分43秒<7>42分35秒④6:50
12位藤原(順大)20分12秒<12>42分49秒⑧7:19
13位平林(城西)20分13秒<8>42分44秒⑨10:10
6位梅崎(東洋)19分47秒<4>42分24秒⑩10:23
19位下條(明大)20分42秒<17>43分35秒⑪10:39
7位村松(東国)19分56秒<9>42分45秒⑫11:29
15位盛本(日体)20分14秒<16>43分23秒⑯17:34[13]14:11
16位末次(帝京)20分16秒<15>43分05秒⑬14:27[14]14:27
18位髙木(山学)20分30秒<18>43分48秒⑮14:56[14]14:27
10位竹村(東海)20分07秒<10>42分46秒⑭14:45[16]14:45
11位大谷(大東)20分07秒<14>43分04秒⑰17:36[16]14:45
14位中山(立大)20分13秒<13>42分57秒⑱20:49[18]15:08
20位南(専大)21分13秒<19>44分45秒⑳23:56[19]18:31
21位福井(国士)21分39秒<20>44分54秒⑲20:50[20]20:44
17位皆川(筑波)20分26秒(17)43分30秒(21)25:11[21]21:10

一気に追い抜いた青学岸本選手、集団も呼応し定点2位
 3位争いすぐに動きがあった。定点の映像を流している最中の8.4㎞、もうすでに集団5人を置き去りにして、単独3位に青学大岸本選手が上がっていた。

 「後ろに付こうなどということは、毛頭思わなかった」といい貫録の5人抜きだった。以前区間記録ペースはキープ。この定点間も19分25秒の好タイム。1㎞2分50秒で刻んでいる計算だ。区間記録を16秒上回っている。

 なお抜かれた集団も、実は抵抗。創価大緒方選手を中心に呼応し、11㎞付近までは3秒差で食らいついていた。横浜駅前でも、まだ11秒差で続いている。

 途中でついていけなくなった順大藤原選手を除き、法大中園・早大菖蒲・創価緒方・國學坂本選手の4名が、定点間2番となる19分43秒の好タイムで通過。まだまだ3位争いは熾烈な展開となっている。

東洋梅崎選手が10位に浮上!急降下の明大下條選手を交わす
 シード権争いは急を告げていた。まず、11㎞地点で9位争いに動きがった。城西平林選手のペースに、明大下條選手がついていけなくなる。平林選手は、この定点間は少しペースを落として、1㎞3分を少し切るくらい。20分13秒の定点間13番だった。

 併走となり、リズムが狂ったのか下條選手が非常に苦しくなり、離れ始めてから一気に遅れてしまった。こうなると、区間上位のタイムで追いかけている東洋梅崎選手が急激に迫ってくる。

 13.1㎞でついに追いつくと、一気に追い抜いて行った。定点間では、梅崎選手が19分47秒の6番目で、下條選手が20分42秒の19番目。ペースが違い過ぎた。横浜駅前で、その差が16秒。残り8㎞以上、どこまで凌げるか非常に気がかりだ。

定点間分析③:横浜駅前~生麦

レース展開
17㎞2位中大湯浅選手50分22秒で通過 ほんの僅か見えるか

17.9km子安入江橋
①山野(駒大)
②1:34湯浅(中大)
③6:34岸本(青学)
④6:46緒方(創価)
⑤6:50中園(法大)
⑥7:02坂本(國學)菖蒲(早大)
⑧7:54藤原(順大)
⑨10:26平林(城西)
⑩10:30梅崎(東洋)
⑪10:54下條(明大)
⑫11:34村松(東国)
[13]14:26盛本(日体)
[14]14:52末次(帝京)
[15]14:56髙木(山学)
[16]14:58?大谷(大東)竹村(東海)
[18]15:22中山(立大)
[19]19:16南(専大)
[20]21:32皆川(筑波)
[21]22:02福井(国士)

参照サイト

20㎞:1位駒大山野選手と2位中大湯浅選手との差が1分31秒

20㎞単独3位青学岸本選手走行
原監督「中村の記録を抜いて、区間記録を出して卒業しよう」
後方見えるのは、創価緒方・法大中園選手のみか

20.2㎞生麦
(定点間5.7㎞)

区間記録:98回中村(青学)16分58秒<58分41秒>

5位山野(駒大)17分25秒<4>59分45秒①
4位湯浅(中大)17分23秒<6>60分11秒②1:31
1位岸本(青学)17分09秒<1>58分36秒③6:23
2位緒方(創価)17分18秒<2>58分38秒④6:43
2位中園(法大)17分18秒<3>59分42秒④6:43
12位坂本(國學)17分41秒<8>60分16秒⑥7:06
14位菖蒲(早大)17分45秒<9>60分19秒⑦7:10
20位藤原(順大)18分18秒<12>60分38秒⑧8:12
11位平林(城西)17分40秒<10>60分24秒⑨10:25
6位梅崎(東洋)17分27秒<5>59分51秒⑨10:25
17位下條(明大)18分00秒<17>61分35秒⑪11:14
7位村松(東国)17分28秒<7>60分13秒⑫11:32
8位盛本(日体)17分37秒<14>61分00秒⑯17:46[13]14:23
9位竹村(東海)17分39秒<11>60分25秒⑬14:59[14]14:59
16位末次(帝京)17分57秒<15>61分02秒⑭14:59[14]14:59
9位大谷(大東)17分39秒<13>60分43秒⑰17:50[14]14:59
18位髙木(山学)18分12秒<18>62分00秒⑮15:43[17]15:14
12位中山(立大)17分41秒<12>60分38秒⑱21:05[18]15:24
19位南(専大)18分32秒<19>63分17秒⑳25:03[19]19:38
15位皆川(筑波)17分50秒(17)61分20秒(21)25:36[20]21:35
21位福井(国士)19分27秒<20>64分21秒⑲22:52[21]22:46

駒大・中大はほぼ同ペース 青学岸本選手は定点間トップも…?
 トップ駒大山野選手は、さすがに区間記録ペースからは落として走行。それでも、この定点間は17分25秒。1㎞3分~3分03秒程のペースはキープ。全体としても20.2㎞59分45秒は区間4番ということで、やはり実力者。安定して推移していく。

 中大湯浅選手も、ほぼ同じくらいのペースか。権太坂・横浜駅前・生麦定点でも1分30秒程。最初の5㎞で山野選手が飛ばして、安全圏に逃げ込んだのが効いたでしょうか。前回ほどの中間走の伸びとはいかない形だ。とはいえ、ペースはキープしている

 そこから約5分ほど遅れて3位争い。青学岸本選手が、しっかり走りこの定点間も全体トップとなる17分09秒。とはいえ、前回より気象条件は良くない。前回の中村選手の16分58秒程とはいかず。まだ区間記録を上回っているものの、5秒差。区間記録が出るかどうかになってきた。

激しい4位争い!創価緒方・法大中園選手が連続で定点間2番!
 4位争いはついに縦長になった。創価緒方選手の勢いが衰えず、青学大岸本選手追走。単独4位に立って追いかけ17分18秒と定点間2番目!まだ岸本選手を20秒差と見える範囲にとどめる。箱根初出走だが、ロード巧者は駅伝ファンには知られていた。やはり強い、と思った人も多かったか。

 これに食いつく法大中園選手も定点間2番目。一旦離れて単独5位となったが、生麦の地点で、もう一度追いつく粘りを見せている。4年連続異区間での復路平地出走は中々ないのではないでしょうか。1万m28分30秒台のスピードもつけて、満を持しての9区出走。やはり彼も実力者だ。

 6位争いはこの25秒程後ろ。全日本6区で対決していた國學坂本選手と、早大菖蒲選手が、それよりはタイムを落として争っているところ。坂本選手はロードで毎度安定した選手、むしろ昨年も走ってもおかしくなかったくらいだった。

 菖蒲選手はトラックで強い選手。ただ、秋口に新型コロナにかかり、箱根予選・全日本出走したものの、スタミナ練習不足を露呈。9区エントリーは、当て馬ではとも思われたところ、ここまで区間中位。そういや、早大はここ最近はスピード型を、この9区に充てることが多い。ある程度計算があったか。

 横浜駅前で、それより先に下がっていた順大藤原選手は、ここは完全にペースダウン。定点間20番目の18分18秒と、1㎞3分10秒ペースとなってしまった。ペースを刻む練習はしてきたそうですが、最初に突っ込んで、前に追いつき、その後もペースが安定しなかった。展開の不運に泣く形になった。この4位争いも様々な動きがあったのだ。

東海竹村選手健闘、日体盛本&大東大谷選手も巻き返す
 後方の争いは、ちょくちょく動きがあった。日体大の実力者盛本選手が、山学大髙木選手を突き放し、単独13番目に浮上。この定点間は8番目となる17分37秒の健闘で、抜け出した。

 この後ろが混戦になり、11㎞過ぎに山学髙木選手に、帝京末次選手が追いつき併走。17㎞あたりで末次選手が突き放して14番目に浮上する。この争いに、東海竹村・大東大谷選手が追いついてきたのだ。

 結果、生麦では東海竹村・帝京末次・大東大谷選手の3人が15番目争いで並走となった。竹村・大谷選手は、この定点間9番目の健闘。東海大は、総合でも2つ順位をあげた。ここは意地を見せる。

 山学大は箱根予選走っていなかった髙木選手が、実力的に苦しかったか。13番目から17番目にダウン。この10秒後に、18番目立大中山選手が迫っているというところ。このあたり争いはまだまだ続きそうだ。

専大南選手、ペースを上げられるか 国士大は苦しく
 この後方は差が開いた。専大南選手が、定点間は19番目前後の走り。広い肩幅を揺らしながら走るも、ペースは上がり切らず。生麦の定点で19分38秒となった。ラスト3㎞で切り替えられないと、ギリギリ繋がらない計算だが、果たしてどうか。

 国士大福井選手は、全く自分のペースがつかめず、権太坂以降は連続で定点間最下位。既に繰り上げとなっている、連合の筑波大皆川選手にも交わされて、見た目最下位へ。2チームの繰り上げはほぼ確定、3チームとなるかどうかとなった。

定点間分析④:生麦~鶴見中継所

レース展開
20.8㎞、10位の姿が見えなくなってきた11位明大下條選手、12位東国が後方見える
22.1㎞、11位東国大村松選手浮上、12位明大下條選手後退

23.1㎞鶴見中継所
(定点間2.9㎞)

区間記録:98回中村(青学)8分34秒<67分15秒>

1位山野(駒大)8分41秒<3>68分26秒①
2位湯浅(中大)8分43秒<6>68分54秒②1:33
7位岸本(青学)8分51秒<1>67分27秒③6:33
3位緒方(創価)8分45秒<2>68分23秒④6:47
15位中園(法大)9分04秒<5>68分46秒⑤7:06
8位菖蒲(早大)8分53秒<9>69分12秒⑥7:22
13位坂本(國學)8分58秒<10>69分14秒⑦7:23
17位藤原(順大)9分12秒<16>70分19秒⑧8:43
3位梅崎(東洋)8分45秒<4>68分36秒⑨10:29
5位平林(城西)8分47秒<8>69分11秒⑩10:31
9位村松(東国)8分54秒<7>69分07秒⑪11:45
19位下條(明大)9分18秒<17>70分53秒⑫11:51
6位盛本(日体)8分50秒<14>69分50秒⑯17:55[13]14:32
11位末次(帝京)8分55秒<15>69分57秒⑬15:13[14]15:13
12位竹村(東海)8分56秒<11>69分21秒⑭15:14[15]15:14
14位大谷(大東)9分03秒<13>69分46秒⑰18:12[16]15:21
16位中山(立大)9分06秒<12>69分44秒⑱21:30[17]15:49
19位髙木(山学)9分18秒<18>71分18秒⑮16:20[18]15:51
18位南(専大)9分15秒<19>72分32秒⑳25:37[19]20:12
9位皆川(筑波)8分54秒(16)70分14秒(21)25:49[20]21:48
21位福井(国士)10分05秒<20>74分26秒⑲24:16[21]24:10

溜めていた!駒大山野選手・中大湯浅選手が定点間1位2位!
 生放送を見ていた時は、駒大山野選手が堂々のトップ中継!昨年を上回る68分26秒の見事な走り。中大湯浅選手が1分33秒差。見えない相手を追いかける難しい展開ながら、途中から互角の走りを見せていた…という形だった。

 それが定点間を分析して驚いた。なんと山野選手が8分41秒で全選手トップ!湯浅選手が8分43秒で全選手2番目!ラスト3㎞は、上位2チームが、溜めていた脚を爆発させていた。

 山野選手は一秒でも差を広げてアンカーへ、湯浅選手は一秒でも縮めてアンカーへ。少し差が空いた中、両者が同じ作戦をとっていたのだ。この発見は、駅伝ファンとして、ちょっと嬉しいところでもある。

青学岸本選手歴代2番目の好タイム!創価緒方選手も区間2位!
 続いて注目だった青学大岸本選手の区間記録。20㎞で原監督から「区間記録保持者となって卒業しよう」の声掛けに、懸命に脚を動かしたものの、最後の定点間は8分51秒。

 区間記録よりは12秒遅れる67分27秒で襷リレー。ここは、前回の中村選手の切り替え、8分34秒のスピードが凄まじかったというところだ。とはいえ、前回王者の意地を見せる5人抜き!表彰台3位に戻したのはさすがといった形だ。

 この岸本選手を、終盤に追い詰めたのが創価大緒方選手。ずっと定点間2番目3番目をキープする走り、最後の3㎞も3番目のタイムで上がってきて、青学大と14秒差に追い上げての総合4位リレー。

 準優勝した2大会前の時に、当時実績が少なかった中で16人のメンバー入り。秘密兵器じゃないかと言われ続けていて、箱根駅伝は最後の学年で復路エース区間ついに登場。68分23秒区間2位、中々カッコいい最終走だった。

 続いて、最後3㎞はやや苦しくなったものの、68分46秒の区間5位で走り切った法大中園選手が総合5位。最後のスパートは、さすがのものがあった早大菖蒲選手が総合6位、1秒差で國學坂本選手が総合7位でリレー。3位から7位は、まだ50秒差。まだ入れ替わる可能性はあった。

 総合8位に落ちた順大藤原選手はそこから1分20秒差。ちょっと開いてしまったものの、順大は10区に強い選手を置いているので、総合8位のままで終わるかどうかは、なんとも言えなかった。

東洋梅崎選手区間4位好走!一気に9位まで浮上
 その2分弱後ろがシード権争い。東洋大梅崎選手が強かった。20㎞までに城西平林選手にも追いついて9位争いに浮上。そのまま最後の3㎞も3番目のタイムで駆け抜けて、68分36秒の区間4位!総合9位中継。

 かなりプレッシャーがかかる位置で襷をもらったものの、将来のエース候補として箱根2区候補にもあがった選手。自信を持って、攻略したような印象だ。やっと東洋大がシード権内に浮上した。

 続いた、城西大平林選手も、東洋大に食らいついて2秒差で中継。城西大は、5年ぶりシード権獲得のビッグチャンス。見事にボーダーライン上の争いに勝ち続けてアンカーに入った。

 11位は少し開いた。明大下條選手がペースを上げれず、22.1㎞で粘っていた東国大村松選手が浮上。69分07秒の区間7位とまずまずの走りで、城西大とは1分14秒差。ギリギリ可能性を残してアンカーへ。

 そこから6秒遅れて、総合12位で明大下條選手。ここは勿体ない失速となってしまった。すぐ前にチームがいる状況なのが、救いでしょうか。1分20秒差、3年ぶりシード権がかかる。

日体盛本・筑波皆川選手健闘…専大は12秒届かず繰り上げ
 その次の争いは、見た目14分以上となってから続々とやってきた。終盤に巻き返した日体盛本選手が、13番目で中継。最後の定点間は6番目とまずまず。69分台では走り切った。昨年の6区最下位とはまた違う姿だった。

 そのあと、生麦で並走となっていた3選手が続々と飛び込んだ。帝京末次選手が14番目、追い上げを見せた東海竹村選手が1秒差で15番目。この2チームは時差スタートなので、1秒差で総合13位と14位。続いて16番目大東大谷選手がリレーした。

 続いて、やはり最後に逆転した立大中山選手が、17番目でリレー。見た目15分49秒差で、繰り上げには結構余裕があった。中山選手も区間12位、ひとまず2大会前の連合4区の時より成長した姿を見せた。

 山学大は、18番目でリレー。3区と9区に主力以外の選手を置いたことで、順位を下げてしまったものの、往路復路のバランスは取れて、過去2年憂き目にあっていた繰り上げは充分に回避。総合15位も、過去2年より上だ。それぞれの成長がある。

 この次が問題だった。専大南選手が懸命にやってくるが、残り1.5㎞で19分58秒の差。くしくもトップ駒大山野選手が素晴らしい切り替えてで定点間トップで走り切ったため、一気に差が開き、残念ながら繰り上げスタート。

 12秒間に合わなかった。髙瀨・木村選手に、水谷・田島選手も走れなかった専大。懸命に選手をやりくりしていたが、今回は報われなかった。

 20番目は、最後の定点間は9番目で走り切り、70分14秒とまずまずのタイムでまとめた筑波大皆川選手。連合としては1区と5区と9区、この3区間がまずまずといったところ。最後に、国士大福井選手が見た目24分差となって到達。この区間は、良かった選手とそうでなかった選手と結構差がつきましたかね。

9区まとめ

・駒大山野選手入りの5㎞とラスト3㎞まとめて差を広げる!
・青学岸本選手が区間新まであと一歩も!5人抜きで3位中継!
・創価緒方&法大中園選手も見事な走りで、4位5位浮上!
・東洋梅崎選手、区間4位力走で11位から9位へ浮上!
・10位城西大と、11位東国大12位明大が1分以上の差に
・55年ぶり出場立教大&山学大久々に繰り上げ回避
・12秒間に合わなかった専大含め3チームが繰り上げ

 駒大の主将・山野選手が貫録の走り。3年連続出走と、ハーフ60分台の走力をしっかり発揮。最初の5㎞を区間記録を意識して突っ込んだのが結果的に利いて、一気に2位中大湯浅選手との差が1分半以上の差になった。

 途中きつくなってからは、残り3㎞までしっかり脚を溜めて、ダメ押しの定点間トップのタイム!全体でも区間2位でまとめて、中大の付け込む隙を、全く与えない見事な走り。4区間通して少しずつ差を広げていく。タイム差以上の横綱相撲であった。

 また、3位争いが非常に印象に残り、役者の青学岸本選手が、5人の集団を一気に追い抜いたところは、箱根王者の意地を見せた格好だった。区間記録には僅かに及ばなかったものの、4年生として仕事果たした形だ。

 この岸本選手を追随した創価緒方・法大中園選手も見事な走り。緒方選手は区間2位の力走で、3位が見える位置に。中園選手は、4年間復路を務めて、尻上がりに区間順位を上げていく見事な成長だった。

 シード権争いは、東洋大の主力梅崎選手が、このあたりの争いでは力が抜けていた。11位で襷をもらいながらも、非常に安定したラップを刻んで、一気に9位に浮上。今年は苦しんだが、やはり上位常連のチームだ。

 10位に5年ぶりシード権獲得のチャンス城西大、1分16秒差で4年連続シード権がかかる東国大、1分20秒差で3年ぶりシード権がかかる明治大。やや決着がつきかけたが、まだワンチャンスあるところか。

 一斉組は、6区7区でしっかり乗れたチームは、抜きつ抜かれつ固まってやってきて、日体大を中心に見た目15分前後になだれ込んだ。55年ぶり出場の立大に、ここのところ繰り上げにずっとあっていた山学大も通過。18チームがある程度レースに参加した形だ。

 ここから零れてしまった国士大・専大・学生連合の3チームが繰り上げに。これも一つの経験と思うしかないか。様々な思いを胸にアンカーにタスキを託しました。