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箱根駅伝2023に向けて【法政大・帝京大】~出雲駅伝の振り返りとともに

出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。

各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。

そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。

続いて、出雲駅伝から直行で箱根駅伝に向かう法政大学帝京大学です。

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【法政大学】箱根駅伝2023へ向けて

 今年の箱根駅伝で、3年ぶりシード権獲得。その勢いで全日本大学駅伝復帰して、三大駅伝出場といきたかっただすが、全日予選にチーム状況が整わず、予選敗退。出雲駅伝と箱根駅伝と2大駅伝となった、今年の秋。

 その出雲駅伝を前に、故障者が戻り、チーム状況は急上昇!上位予想に名前は上がらずも、戦える状態になっていました。

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出雲駅伝振り返り

7位法政大学2:11:54

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップとの差
1区8.0㎞ 6位 松本康汰④ 22分55秒 6位 0:23差
2区5.8㎞ 9位 松永 怜③ 16分08秒 8位 0:55差
3区8.5㎞ 4位 内田隼太④ 23分56秒 7位 1:01差
4区6.2㎞ 4位 扇  育④ 18分27秒 6位 1:19差
5区6.4㎞ 3位 小泉 樹② 19分15秒 5位 1:30差
6区10.2㎞ 10位 稲毛祟斗③ 31分13秒 7位 3:22差

1区松本選手…法政大チーム有数のスピードランナーですね。大学駅伝は、2年の箱根駅伝以来でした。9月の記録会で1万m28分台と復活して、満を持して出雲駅伝1区の役目をもらっていました。序盤から予想以上ハイペースになる中、しっかり大周田の中で推移。残り1㎞手前までついていき、トップと23秒差の区間6位。まずまず役割を果たす成績でした。

2区松永選手…今年の関東IC5千mが印象的ですね。残り2周で単独先頭に立つ、スパート、大幅に自己ベスト更新で6位入賞から、一気に全国区となった松永選手。スピードランナーが集まった2区の中で初駅伝。やや力負けした形になりましたが、他校が前後する中で、8位でリレーしました。

3区内田選手…4年生エース内田選手。スターターから初めて外れました。怪我で大学の台頭は遅れましたが、3年生に主力になってから、一気に上昇曲線を描いている中でした。同時スタートの創価大の留学生の選手は見送りますが、東国大丹所選手と一緒に併走しながら、関学大を抜いて7位争いを展開します。

 終盤のスパート争いで、7位争いを制して順位を上げるのは、さすがスピードランナーという走り。國學院大前の争いを視界に捉えながら襷リレー。個人順位は区間4位!今回、3区にエースランナーが大集結していたのですが、見事な走り!内田選手の成長が予想以上ですね。

4区扇選手…ここから、2区間突風に近い向かい風でした。配されたのは、4年生で初駅伝となる扇選手。高校時代に5千m14分一桁を出して期待されて入部。故障に苦しみましたが、9月に1万m29分07秒。ついに戦力として目途が立っていました。向かい風単独走になりましたが、しっかりペースをキープ。終盤に落ちてきた創価大に追いつく形でリレー。区間4位と上々のデビューを飾ります。

5区小泉選手…前年ルーキーながらブレイク。将来のエース候補の選手です。今年の箱根後に故障しましたが、秋になってようやく状態が上向き、起用となりました。創価大と競り合いながら、どんどん前の集団を追っていきます。創価大を突き放し、順大を交わすと、その前青学大に5秒差まで迫って総合5位中継!個人としても区間3位、やっぱり力あるなと感じますね。

6区稲毛選手…なお、法大は出雲駅伝の過去最高順位は7位。総合5位で、アンカー稲毛選手はタスキを受けていました。直前で、1万m29分09秒のベストを出していましたが、格上の選手が前後していました。すぐに順大の選手と5位争い並走になりますが、5㎞過ぎのアップダウンから苦しくなりました。最後は、何とか過去最高タイの7位を確保してのゴール。とはいえ、一つ存在感を示した出雲駅伝となりました。

箱根駅伝2023へ【エース・山・選手層】

 序盤のスピード区間を凌いで、エース内田選手で流れを作って、一時上位に割って入る。たられば言っても仕方ないのですが、全日本大学駅伝に出場していたら、十分シード権争い以上できたのではないか、そのくらいのチーム力があったと感じます。

 次の箱根駅伝も上位候補にこそ、名前が挙がっていませんが、十分ダークホース候補になっていきそうです。もう一度戦力分析します。

エースの強さ

 エースは、4年生内田選手になっていきそうですね。スピードランナーでしたが、先週1万m28分16秒と大幅ベストで、法大記録に迫りました。続いて練習の一環で出場した上尾ハーフで62分12秒と充実の一途。上りの面で不安要素はありますが、走力と爆発力でいけるか。

 勿論、他の選手も2区や往路を担うだろう選手がいます。内田選手と一緒に連戦していた松永・小泉選手もおそらく2区候補ということになってくるのでしょうか。松永選手は1万m28分34秒記録、ハーフは練習の一環とは言え、チーム最高となる62分03秒。あとはアップダウンに合うかどうかというところだ。

 それよりは記録上は大人しいものの、小泉選手も1万m28分50秒ベスト。そして何より駅伝の安定感や経験値ということでは、2人を上回る実績があります。前回の3区でも好成績を出しています。誰がチーム内競争を制しても、いい成績を残しそうです。

 それと、周囲を固める区間がどうなるか。この3名は勿論、出雲駅伝1区でまとめていた松本選手が、そのまま1区にきてもいいかもしれません。彼に目途が立てば、2区3区4区と一気に攻勢をかけられます。あとは、過去2度4区を走り、どちらも区間8位でまとめている河田選手の動向も気になります。

山登り・山下り

 山は比較的自信がある方ではないでしょうか。前回6区山下りで区間2位の好走をした武田選手がまだ2年生なんですよね。下りの勾配が一番激しい部分は彼が一番だったくらい。9月に1万m29分25秒のベストを出して、平地の走力は上がってきています。2年連続出走なら、彼の個人タイムには大いに注目です。

 山登りは、前回は2人候補に挙がっていたのですよね。細迫・稲毛選手。前回は練習が継続できていた細迫選手が出走。終盤に、低体温症に陥り勿体ないレースとなりましたが、それまでは区間一桁のペース。上りの適性は抜群です。今年は出遅れ気味も、11月日体大で1万m29分半ば。十分2年連続出走はあります。

 稲毛選手は、前回は故障上がりで8区に回っています。その後波に乗ってきて、出雲駅伝でアンカーを走るまでになりました。この流れだと彼が5区の可能性がありますが、復路9区にも適性があるという話も聞いています。このあたり、情報待ちですかね。

 とはいえ、結構自信を持って挑めそうな気がします。

選手層の厚さ

 復路の出走争いがにわかに激しくなっています。まずは出走すれば4年連続出走となる中園選手、同3年連続出走となる川上選手の4年生が中心になってきます。しかも両者ともずっと復路なんですよね。中園選手は、世田谷ハーフ64分12秒でチームトップ。川上選手は練習の一環で上尾ハーフ63分44秒。レギュラーは譲るつもりはありません。

 これに上尾ハーフで、62分28秒急成長の2年宮岡選手、前年全日本6区好走している宗像選手が世田谷ハーフで64分27秒と調子を上げてきています。これで埋まるのですがまだまだランナーはいます。

 前回の箱根予選で好走している高須賀選手がレース復帰で、世田谷ハーフ65分切り。清水・山本選手ら新戦力も同レースで同じくらいのタイム。これに、河田選手に、先の上り候補の稲毛・細迫選手もどちらかが回ってくる可能性もあります。

 そして忘れちゃいけない4年生になってついに戦力として計算できるようになった扇選手も、おそらくこの区間のどちらかでしょうか。この争いはかなり激しいと思います。前回、シード権争いで粘りに粘った時よりも、総合力は高くなっていると感じますね。

まとめ

・内田&松永&小泉選手の熱い箱根2区争い
・武田選手の山下りと、稲毛&細迫選手の山登り争い
・復路は中園&川上選手ら経験者に、扇選手ら新戦力の争い

 こう見ると、中々のレベルでそれぞれ争いしていますよ。スピード抜群の内田選手に、今年大きく飛躍した松永選手に、駅伝の安定感魅力の小泉選手の、往路2区争い。おそらく往路全体的に、彼らが走る公算でしょう。他校のエース選手と通用する選手となっているかどうか。

 山も、前回好走した武田選手に、細迫・稲毛選手と言った候補がいて、他校のアドバンテージが獲れるかもしれません。復路は、堅実な走りをしそうな選手がじわじわ増えてきていますね。

 中園・川上選手が、走力や経験値ということでかなり有利ですが、往路の人材によっては松本・河田選手と言った往路経験者が回ってくる可能性はありますし、宮岡・扇選手ら新戦力候補も、かなりいい成績を残しています。

 全日本に出場ならなかったことが、ここにきて、プラスに好転しているような感じさえします。こういう時に、”意外性な法政大”で、上位に食い込んでくるんですよね。事前に上がっている上位校を、どこまで食うことができるか楽しみです。

【帝京大学】箱根駅伝2023へ向けて

 帝京大は、今年の箱根駅伝往路で2位で大躍進!総合でも粘り切って、シード権を獲得しました。その時の主力選手がかなり卒業して、今年はまだ育成しながら耐える年度と予想されました。

 全日本予選は、健闘するも、届かず予選落ち。出雲駅伝と、箱根駅伝の2大駅伝となりました。その出雲駅伝では、主力の小野・西脇選手を欠いてしまう事態に…。若手や初駅伝の選手を中心の起用となりましたが、やはり苦しむ結果になりました。

出雲駅伝振り返り

11位帝京大学2:15:40

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップとの差
1区8.0㎞ 15位 藤本雄大① 24分06秒 15位 1:34差
2区5.8㎞ 11位 吉岡尚紀④ 16分15秒 13位 2:13差
3区8.5㎞ 10位 福島渉太② 24分59秒 13位 3:22差
4区6.2㎞ 9位 福田 翔② 18分57秒 11位 4:10差
5区6.4㎞ 11位 山中博生② 20分16秒 11位 5:22差
6区10.2㎞ 9位 末次海斗③ 31分07秒 11位 7:08差

1区藤本選手…1年生藤本選手を抜擢しました。大学入学して、春に1万m29分33秒。全日本予選1組に抜擢、直近の記録会5千mでも、チームトップ14分17秒ベストでした。しかし、いきなりハイペースになった1区に、苦戦。中盤までに付けなくなり、10位付近のチームと30秒以上遅れる区間15位のリレーとなってしまいました。

2区吉岡選手…4年生で初の大学駅伝抜擢となった吉岡選手。直近の記録会で14分23秒の5番手に入っていました。スピードランナーが揃った2区の中では、持ちタイムは高くはなかったものの、堅実に追い上げていきます。ほぼ同時スタートの関西大を引き離し、第一工科・北海道選抜を交わし13位に浮上。前にも立命館大らが迫っているところまであげました。区間11位は、持ちタイムの順からすると走れています。

3区福島選手…今回のメンバーで唯一の大学駅伝経験者。昨年度に1万m28分台を記録し、箱根7区を出走しています。怪我もありましたが、出雲エントリーには間に合わせました。ここからテレビに映っていないので、記録からの想像になりますが、すぐ前にいた立命山田選手と並走。途中で環太平洋大林元選手を捉えて3人の並走。最後のスパート争いで遅れて、順位は上げられないまま13位リレー。区間10位で関東の面目は保ったかな?

4区福田選手…初出場の2年福田選手。とはいえ、全日本予選2組に選ばれていたり、今期の主力の一角になっていました。向かい風の中でしたが、一気に環太平洋大と立命館大を捉えて11位に浮上、そこから単独走で推移。区間9位は持ちタイムからするとまずまずか。前の東洋大・関西学院大から1分少しのところに位置します。

5区山中選手…直前の記録会で、チーム6番手に入り、出雲駅伝出走メンバーに割って入ってきた山中選手。単独走の中、前を追っていきますが、1分以上前を並走している東洋・関学大を中々追い上げることはできず。総合11位のまま、区間11位での襷リレーとなりました。

6区末次選手…前回の箱根駅伝で、走ることはなかったものの、長い距離で定評があった選手。全日予選では、2組個人4位と予選落ちしたチームの中で一番の好走がありました。単独走の中、懸命に前を追っていきますが、前の関西学院大を大きく追い上げることはできませんでした。区間10位と粘りますが、総合11位のままのゴールとなりました。

箱根駅伝2023へ【エース・山・選手層】

 主力を全く起用しなかった中、1区がハイペースになったので、全く流れに乗ることができなかったかなという印象です。とはいえ、これで帝京大の戦力を吐かれているわけではありません。

 小野・西脇・北野選手ら主力選手は、翌週のレガシーハーフに出場。本戦を見据えていました。その後の記録会でも、自己ベストを出している選手はいて、虎視眈々と仕上げています。ここでまとめなおしましょう。

エースの強さ

 まずは3年小野選手になってくるのでしょう。今年の箱根高速1区に、食いついて区間一桁。今期も関東IC1万m・全日本予選と、概ね順調に推移、他校のエースと戦っています。次回の箱根駅伝は2区か、それとももう一度流れを作るために1区になるか??

 これに4年北野3年西脇選手を入れて、3本柱ということになるのでしょう。北野選手は、今年の箱根6区山下り後、ハーフ62分台ベスト。一時戦線離脱していますが、レガシーハーフで戦列復帰しています。西脇選手は、学生ハーフで上位入賞の実力者。その後調子を落としていますが、上尾ハーフ63分05秒と復調、必ず必要な選手です。まずは彼らで、激しい往路を戦っていく事になりそうです。

 残りの往路1枠がどうなるか。一番候補なのは、昨年当時1年生ながら全日本7区を走り、今年秋に1万m28分台を出している2年小林選手でしょうか。彼が本格化すると、往路が埋まってきますかね。

 長い距離に強いと言われている末次選手、準主力とみる福島選手、レガシーハーフに出走して、その後1万m29分00秒47自己ベストを出していた、ルーキー柴戸選手あたりも面白い選手。今年のように上位を争うように、うまくもっていけるか??

山登り・山下り

 山登りは非常に強い前任者が卒業、山下りは北野選手が往路予想ですので、ここは現時点では、予想が難しい区間ですね。

 その中で、5区山登りに関しては、過去陸マガ増刊号では、4年山田・新井選手が希望していたことがありました。過去、彼らがエントリーに入ってきたことがありましたので、候補の一人になっていてもおかしくはないでしょう。上尾ハーフでは山田選手63分09秒、新井選手63分34秒、どちらも順調です。

 山下りは、現状分かりませんね。日本IC3障優勝していた大吉選手や、同じく3障で活躍していた1年生山口選手あたりに適性あったりしないかなぁ?山口選手は、記録挑戦会で1万m29分49秒ベストを出していました。

 最も、帝京大中野監督は、基本的に準備をしないという作戦をとることが多いです。練習の流れの中で、適性がある選手を入れていくかもしれませんね。個人的には、帝京大としては1年生が順調に長い距離に順応していると思うので、適性ある選手がいれば入れればと思ったりしています。

選手層の厚さ

 ここにきて、レギュラー争いが激しくなってきましたね。基本的には、出雲駅伝主要区間を出走している、藤本・福島・末次選手が中心になってくると思っています。ですが、記録会の結果だけを見ると、彼らを上回ってレギュラー獲ってもおかしくない選手が出てきています。

 同じく出雲駅伝に出走している中で、上尾ハーフで吉岡選手が63分14秒で最初で最後の箱根駅伝に近づきました。福田選手も63分29秒とまずまずの結果。出雲メンバーなんだかんだ強いですね。

 そして、1年生の距離対応が早い!何度も名前が出ている柴戸・藤本選手以外にも、尾崎選手と島田選手が63分半ばに入ってきています。十分箱根復路候補に挙がってくるでしょう。

 他には、トラックで、前半戦ブレイクしかけた4年大花選手、関東IC5千出走していた林選手は、記録挑戦会で29分39秒の自己ベストをマーク。徐々に選手層は厚くなってきています。

まとめ

・小野&北野&西脇&小林選手らで往路をどう繋ぐ
・出雲駅伝出走メンバーが概ね順調、総合力アップ
・前任者が抜けている山は、誰が繋ぐ?

 今年は決して目立った成績を上げていなかった帝京大ですが、やはり虎視眈々と仕上げてきているなという印象もありますね。

 往路メンバーの多くが卒業してしまったのは痛手ではありますが、唯一の往路経験者小野選手が堅実に推移。これに、北野・西脇・小林選手あたりが育ってきて、彼らがまず往路を担っていくことになるのかなという印象です。

 総合力という面では、はっきりいって昨年以上の印象もあります。出雲を出走したメンバーがしっかり成長していますね。福島選手や末次選手以外に、吉岡・福田選手も十分目途が立っている成績。

 1年生が例年以上に仕上がっていて、柴戸・藤本・尾崎選手ら、上級生とそん色のない成績を、記録会で残しています。彼らの活躍も、大いにチームに刺激を与えると思います。

 あとはやはり前述の通り、往路がどこまで戦えるよう仕上がるかということと、前任者が抜けた山ですかね。例年それほど得意とする区間ではないので、それまでにある程度好位置につけたいところ。

 とはいえ、しぶとい走りをするのも帝京大の特徴。諦めない走りで、連続シード権を伸ばしていきたいところです。