出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。
各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。
そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
一駅伝ファンとして、戦力分析をしていきます。
続いて、
集団走の鬼!逆転で連続出場繋いだ伝統校!日本体育大・専修大・国士舘大の3校になります。
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75年連続75回目の出場がかかっていた日本体育大。前回の箱根駅伝は、大きな見せ場を中々作ることができないまま、総合17位。繰り上げスタートにもあうなど、苦しい時期が続いています。
そんな日体大に追い打ちをかけたのが、4年生エース藤本選手の故障。エース抜きにして挑んだ全日本予選は、ボーダー争いに絡めず敗戦。箱根予選でも、エントリーされず、ギリギリの戦いになるのでは…そんな下馬評の中の箱根予選会でした。
5位日本体育大学10時間43分34秒
START-5km | 5-10km | 10-15km | 15km-FINISH |
78位盛本④15分00秒 | 46位盛本④29分54秒 | 40位盛本④44分55秒 | 28位盛本④63分21秒 |
78位廣澤④15分00秒 | 59位廣澤④29分56秒 | 61位廣澤④45分17秒 | 42位廣澤④63分53秒 |
170位分須②15分13秒 | 134位分須②30分25秒 | 129位名村④46分00秒 | 60位山崎①64分05秒 |
170位松浦④15分13秒 | 134位松浦④30分25秒 | 130位山崎①46分01秒 | 70位名村④64分20秒 |
184位山崎①15分14秒 | 138位山崎①30分26秒 | 130位大森③46分01秒 | 73位大森③64分26秒 |
184位田島①15分14秒 | 138位大森③30分26秒 | 130位田中③46分01秒 | 80位田中③64分29秒 |
184位平島①15分14秒 | 138位田中③30分26秒 | 130位田島①46分01秒 | 86位田島①64分33秒 |
184位植松②15分14秒 | 138位田島①30分26秒 | 130位平島①46分01秒 | 87位平島①64分35秒 |
197位名村④15分15秒 | 138位平島①30分26秒 | 130位分須②46分01秒 | 99位山下②64分42秒 |
197位大森③15分15秒 | 138位山下②30分26秒 | 130位松浦②46分01秒 | 138位分須②65分10秒 |
197位田中③15分15秒 | 138位植松②30分26秒 | 141位山下②46分02秒 | 167位松浦④65分37秒 |
197位山下②15分15秒 | 149位名村④30分27秒 | 149位植松②46分03秒 | 264位植松②66分56秒 |
上10名計:18位2:31:52 | 13位5:03:16 | 10位7:38:19 | 5位10:43:34 |
LAP | 9位2:31:24 | 8位2:35:03 | 1位3:05:15 |
日体大は、非常に硬く集団走で箱根予選会の突破にこぎつけていました。今回もその作戦で、エース藤本選手は、レース直前に「60分ペース走だ」と声をかけて、緊張をほぐしていたくらいです。
5㎞の地点で、4年生主力の盛本選手に、スピードある同じ4年廣澤選手が15分00秒の78位で通過。それ以外は180位前後で15分15秒程の集団走でした。2年生主力の分須選手と4年生松浦選手が引っ張る形。これに名村・山崎選手らがついていっていました。
10㎞で、日本人集団も縦長になってきて、盛本選手が学内トップに立ち46位29分54秒、盛本選手も61位29分56秒とまずまずの通過でした。それ以外は、分須・松浦選手らに引っ張られながら、30分25秒程。順位は130位付近に浮上。ここは少しペースアップしていますね。
とはいえ、まだ総合は13位。例年10㎞地点では結構安全圏に近い位置にいることが多いので、戦力的には楽ではなかったのは伺えます。玉城監督も、やはり内心穏やかではなかったそうです。
そして15㎞でついにギリギリ圏内に付ける総合10位に浮上します。内容を見てみると、順位的にはほとんど動きがなかったのですよね。40位盛本選手44分55秒、61位廣澤選手45分17秒はそれぞれの集団での走り。
大集団は、46分ほどの130位付近と少し浮上していますが、10-15kmは本当に息をひそめている形で流れの中にいました。4年生主力の名村選手が、前に出てきたくらいですかね。遅れている選手も皆無、うまく流れていっていますね。
そして公園内のラスト6.0975㎞で大捲りします。まず学内トップを走っていた盛本選手、2番手の廣澤選手が、それぞれ順位をあげていき、28位63分21秒と42位63分53秒でゴールします。
その上げた2名に、大集団から余力を残していた選手が大きく追い上げていました。1年生山崎選手が、70人ゴボウ抜きで60位64分05秒と好記録を出しています。高校時代からスピードは育んでいましたが、これは本当にうまく足を溜めましたね。
続いて、64分20秒~64分42秒までに、4番手から9番手が雪崩れ込みます。4年名村選手、3年大森・田中選手、1年田島・平島選手、2年山下選手。しかもこの6名が、70位から99位。15㎞で130位付近だったのだから、全員がゴボウ抜き!これは集団層の鬼だった。
10番手は主力の分須選手がやや遅れて138位65分10秒、引っ張っていた松浦選手が転倒の影響もあり、11番手167位65分37秒でゴール。見事な導きでした。気象条件が良くない中、15㎞まで無理せず、公園内のアップダウンに、うまく余力を残していました。ここは、連続出場を続ける執念を見ました。
とはいえ、集団走が、うまくまとまったという事で、本戦出場校の中では、決して評価が高い方ではないですかね…。往路を誰で組めばいいか、昨年繰り上げとなった復路と、戦うには課題が多いように見えます。もう一度、戦力を確認してみます。
エースの強さ
2区を走るだろうエースは強いですね。箱根予選欠場していた4年藤本選手が、先日の日体大記録会で大復活!引っ張る場面もありながら、28分19秒の好走を見せていました。
前回も出遅れていた中、しっかり挽回する走りを見せていましたので、スタートラインに立てれば、十分爆走してくれるでしょう!とはいえ、駅伝ファンとして上位で襷を受けるシーンを見たい。
その往路を固めるメンバーですが、ここにきて出てきましたね。箱根予選でかなりの上りを見せていた1年山崎選手が、やはり調子よく、先日の記録会で28分38秒の好走。箱根予選好走の廣澤選手のどちらかが、1区や3区を担えればいいですね。
それと、前回4区で粘りの走りを見せていた2年分須選手も、世田谷ハーフで64分23秒と、調子が上向き気味。1区好走して、藤本選手での激走があれば、4区終了時でのシード権内というの見えてくるはず。いい流れを作りたい。
山登り・山下り
山登りは2人経験者がいます。前々回の村越選手と、前回の吉冨選手。とはいえ2人とも区間二けたに留まり、あまり試合に出ていない。そして、希望者も現時点ではいない??ようでさてどうするか。3障もやっていて走力のある分須選手あたりどうか??
山下りは、前任者の盛本選手が、箱根予選でチームトップに。往路候補も出てきているので、もう一度6区でリベンジという事も出来ます。最も、平地走力が勿体ないので、3区にしてもいいです。
山下りの希望者は出てきていて、その中で最も走力があるのが、1年の田島選手。箱根予選でもチームトップ10に入るなど、距離にも対応してきています。盛本選手を平地にすることもできますので、区間の幅が増しますね。
選手層の厚さ
復路は結構な争いになってきますね。現時点では、やはり4年名村・松浦選手あたりが中心になってきますかね。長距離レース経験も多いこの2んで、できれば9区10区あたり任せられれば、いいオーダーになるのではないでしょうか。
7区8区あたりは、前回経験者の漆畑・九嶋選手がいます。前回区間下位のリベンジを狙うでしょう。勢いでは上回る選手も出てきていて、3年田中・大森選手がぐっと伸びてきて、箱根予選で64分台。十分候補に挙がるでしょう。
若手でも、2年山下選手や、1年生の平島選手が順調に上がってきています。6区の目途が立っていれば、昨年のようなことはならず、戦えるはずです。
日体大は、まずはエース藤本選手が復活したので、戦える布陣を取れるようになりましたね。願わくば、昨年のように、挽回ではなく、上位で戦い稼ぐ藤本選手で。
候補は出てきていて、スピードのある4年廣澤選手に、箱根予選トップの盛本選手、さらに1年生の山崎選手が成長してきています。彼らが上位陣に食いつき、往路戦えればと思います。
復路も、名村・松浦選手、昨年の経験者に、大森・平島選手ら成長しつつある選手も出てきています。戦えるメンバーは増えてきています。
問題は、昨年うまくいかなかった山登り・山下り区間ですね。昨年も山下りで後れを取って、流れを失ってしまいました。この区間で順位を上げるくらいの活躍があれば、シード権獲得も狙えるかもしれません。
前々回の97回大会で、7年ぶりの箱根駅伝復帰、10番目ギリギリで掴み取った。箱根本戦は、断トツの最下位に。前回の98回大会は、初めて留学生選手を獲得するなど動き、2年連続の出場となりました。
ただ、本戦は木村選手の1区4位の活躍があるも、3区で最下位に落ちる急降下。その後も終始最下位争いとなってしまいました。今回こそ、本戦を戦うことを見据えての予選会になりました。
8位専修大学10時間46分56秒
START-5km | 5-10km | 10-15km | 15km-FINISH |
30位木村③14分53秒 | 10位木村③29分27秒 | 10位木村③44分21秒 | 8位木村③62分32秒 |
30位ダンカン①14分53秒 | 23位ダンカン①29分37秒 | 26位ダンカン①44分52秒 | 23位ダンカン①63分14秒 |
151位高瀨④15分11秒 | 119位高瀨④30分21秒 | 94位高瀨④45分44秒 | 64位高瀨④64分10秒 |
151位野下③15分11秒 | 126位成島④30分23秒 | 114位野下③45分58秒 | 91位野下③64分39秒 |
151位成島④15分11秒 | 149位野下③30分27秒 | 141位成島④46分02秒 | 103位水谷③64分43秒 |
151位冨永④15分11秒 | 214位水谷③30分38秒 | 157位水谷③46分06秒 | 119位成島④64分51秒 |
151位山城③15分11秒 | 214位千代島②30分38秒 | 157位千代島②46分06秒 | 122位千代島②64分55秒 |
266位水谷③15分20秒 | 214位粟江③30分38秒 | 177位粟江③46分08秒 | 173位粟江③65分41秒 |
266位千代島②15分20秒 | 229位吉岡④30分40秒 | 230位冨永④46分37秒 | 182位冨永④65分44秒 |
266位粟江③15分20秒 | 234位冨永④30分41秒 | 235位吉岡④46分40秒 | 228位吉岡④66分27秒 |
266位吉岡④15分20秒 | 237位山村③30分44秒 | 278位山村③47分08秒 | 293位山村③67分26秒 |
266位山村③15分20秒 | 239位山城③30分45秒 | 307位山城③47分22秒 | 325位山城③68分00秒 |
上10名計:16位2:31:41 | 14位5:03:30 | 12位7:38:34 | 8位10:46:56 |
LAP | 12位2:31:49 | 9位2:35:04 | 3位3:08:22 |
エースの木村・ダンカン選手が、上位のグループでフリー走。残りは2グループに分かれていて、主力の高瀨選手が、野下・成島・冨永・山城選手を引っ張り150位付近15分11秒で5㎞通過。さらに主力の一角水谷選手が、千代島・粟江・吉岡・山村選手を引っ張って250位付近の15分20秒で通過しています。
10㎞では、木村選手が日本人先頭グループにつけて10位29分27秒と稼ぎに行きます。ダンカン選手はその後ろのグループで23位29分37秒。長谷川監督によると、本来は逆の構想だったそうですが、木村選手の調子が良かったということなのでしょう。
続く集団走が…10㎞地点でかなりバラけているのですね。髙瀨選手が少し抜け出しかけた形か119位30分21秒で通過。成島・野下選手が30分20秒台で通過。続いて後方の集団だった水谷・千代島・粟江選手が210位付近30分38秒。吉岡・冨永選手らが30分40秒台で通過。ここで総合14位、これは…やっぱり想定だったのかな??
15㎞地点では、木村選手が概ね好調で10位44分21秒、ダンカン選手は26位44分52秒。稼ぐ2人は先ほどのグループについています。主力の高瀨選手がじりじり浮上して94位45分44秒、野下選手が114位45分58秒で続いて、4番手までが46分以内。
続いて、4選手が秒差で続いてて、成島・水谷・千代島・粟江選手が、46分一桁の150前後。このあたりはかなりまだ集団で固まっている形で、ここからどうにでもなりそうな形。少し差があいて、富永・吉岡選手らが点々ときて、46分半ばで230位付近で総合10位。稼いでいる選手が少なく、下位もやや遅れ気味。少しずつ順位は上げていましたが、ここで総合12位でした。
この報を受けて、ギアチェンジしたのが、日本人トップ集団で走っていた木村選手。18㎞付近で抜け出して、日本人単独トップへ!脚はつりそうだったそうですが、そうも言ってられないとのことだったとか。18.4㎞で一気に総合10位に浮上しましたが、そのまま他の留学生と争いながらペースをキープ。
最終的に、個人8位62分32秒、日本人トップのビッグパフォーマンス!1年生の時も日本人トップで専大を箱根復活に導いた木村選手が、さらに大きな成長を遂げましたね。ダンカン選手も63分14秒の23位で、次のグループの真っただ中では、ゴールします。
続いて、もう一人の主力格、髙瀨選手が15㎞から30人抜き!64位まで浮上して64分10秒でゴール。さらに、野下選手が頑張って91位64分39秒でゴール。毎年確実に成長している水谷選手が、50人以上抜いて103位64分43秒で続きました。ボーダーで来てて、主力がぐっと引き上げているのは大きいですね。
さらに、2年ぶり復活の成島選手が64分51秒の119位、千代島選手が64分55秒の122位と差ほど離れずにフィニッシュ。65分以内に7名が入っていたのは、大きい。しかも、最後の最後に大きく順位をあげてのゴールしていますね。
8番手からは離れましたが、それでも15㎞からの位置はキープ。粟江選手が173位65分41秒、9番手冨永選手は踏ん張って182位65分44秒と順位アップ、10番手は3年連続予選出走の吉岡選手が228位66分27秒で入りました。
木村選手が稼いだだけでなく、15㎞以降に大きく順位を上げた選手も多く、15㎞以降は3番目に早いタイム、総合も8位まで上がり、最後は盤石の通過といったところでした。
これで3年連続で通過、順位こそ10位・9位・8位と少しずつ上がってきている形ですが、主力選手は強くなってきていますので、駅伝はうまくいけば流れに乗れるはずなんですよね。もう一度戦力分析しながら、専大の戦力分析をします。
エースの強さ
エースは、ハマったら強いのですよね。今年は、3年木村選手が箱根予選で個人トップ!さらに前年の1区4位の勝負根性も兼ね備えています。箱根予選で、15㎞以降のアップダウンをあれだけの走りをしたのですから、今年は2区で充分に区間上位を狙っていける選手です。
さらに少しずつ安定感が出てきたダンカン選手。前回の3区は脚を痛めた影響もあり、全く自分の走りができませんでした。今回こそ、往路で、できれば2区や3区あたりで他校の主力と勝負したいところだ。
そして前回の箱根予選で日本人3番手で、通過に貢献した髙瀨選手。これまでの箱根は1区や2区と重鎮を担ったものの区間下位でした。箱根予選は万全ではなかったですが、後方を引っ張り、全日本駅伝では2区で戦い抜きました。上り調子で、箱根駅伝を迎えそうで、過去2年とは見違える走りを、見せてくれそうだ。
基本的にはこの3名が、箱根1区2区3区を今回も担いそうだ。もう一つの往路区間は、前回も4区を務めている水谷選手が第一候補に挙がるでしょう。前回は最下位で襷を受けながら、ある程度ペースをキープして一つ順位を上げています。箱根予選も、しっかり昨年より順位をあげていました。このあたり、全員好調なら、しっかりシード権ラインには絡んでいけるはずだ。
山登り・山下り
山登りと山下りは、経験者がいるんですよね。山登りは、過去2年連続で野下選手が務めています。過去2年は区間20位と区間19位と、上り適性の前に、走力面で跳ね返されている形でしたが、今年の箱根予選は100位以内とかなり走力面の向上があり、今回は流れに乗って繋げそう。
なお、今回は他にも候補が出てきていて、まずは今年の激坂王で10位55分00秒で走り切った4年冨永選手。さらに1年福田選手も、56分以内にまとめているのですね。福田選手は直近1万m29分39秒ベスト、冨永選手も29分41秒でベスト。調子を上げています。このあたり、競えるのはいいですね。
山下りは、2大会前60分少しで走っている4年南選手がいます。ここにきて試合出場し、1万m29分17秒と大幅自己ベストを出して絶好調です。十分に上積みが望めそう。さらに箱根予選出走している粟江選手も6区希望ですね。1万m29分28秒まであげています。往路・山とも総合力厚くなっています。
選手層の厚さ
少しずつ戦えるようになってきていますね。前々回復路を走っている4年成島選手が、今年復活していて、箱根予選チーム6番手でゴール。さらに2年千代島選手が続いて7番手でゴール。個人順位も120位付近にまとめています。調整次第では十分に勝負できるはずです。
記録会では、他の選手も調子が上がってきていて、前回アンカーの中山選手が29分21秒と成長を見せています。4年生さいぢょで最後を狙う小島・寺井選手も29分台、また1年生が先の福田選手ともにここにきて浮上。新井・手塚選手が29分20秒台にベストを更新しています。山候補に挙げた冨永選手らも8区あたり回るかもしれません。
そして、トラックの記録は、主力級の田島選手も忘れてはいけない存在。11月に5千m14分10秒、1万m29分10秒と立て続けに自己ベストを更新。ロードの対応が間に合えば、勝負をかけて7区に投入してくることは充分にあるでしょう。間違いなく、過去2年より上がってきていると思います。
エース選手は、強いはずなんですよね。今回日本人トップの木村選手に、前回日本人3番手たの髙瀨選手がいて、さらに留学生のダンカン選手の3本柱は、他校の主力とも十分戦えています。故障が多かったりして少し安定感に不安がありますが、今回は箱根予選後の試合出場は控えてますかね。その中で、髙瀨選手が全日本駅伝で、いい経験を積めたのもプラスになってきそう。
さらに山登り・山下りも経験者が成長してきているのですよね。過去2年連続山登りの野下選手が、箱根予選でチーム4番手の好走。また、2大会前に山下りをしている南選手が29分17秒好走。このあたりも十分過去の大会よりいい成績を収められるのではないでしょうか。
他の平地区間も、安定の水谷選手に、箱根予選好走の成島・千代島選手ら。4年生最後を狙う小島・冨永選手に、1年生であがってきた福田・新井・手塚選手ら候補が、レギュラー争いをしのぎを削っていますね。これに、前回7区好走の国増選手が間に合えば…心強いですかね。過去2年最下位ですが、今回はそんなことにならないはず。どこまで上がるか楽しみなチームになってきています。
前回の箱根駅伝は、当時の4年生の主力選手の頑張りもあり、途中までシード権争いに絡みながら、総合15位。最下位付近に沈むことが多かったチームに、大きな勇気をもたらしました。
そこから主力がごっそり卒業した状態で、新チームが始動しましたが、いい影響をもたらしていました。ルーキー中心に自己ベストが出ると、全日本予選はボーダーに絡む善戦。箱根予選前の記録会もまずまず。戦力ダウンはありつつも、機運は高まっていました。
10位国士舘大学10時間48分55秒
START-5km | 5-10km | 10-15km | 15km-FINISH |
7位カマウ②14分51秒 | 8位カマウ②29分22秒 | 17位カマウ②44分32秒 | 22位カマウ②63分14秒 |
63位綱島④14分58秒 | 59位綱島④29分56秒 | 68位綱島④45分19秒 | 57位綱島④64分04秒 |
227位清水④15分17秒 | 169位清水④30分32秒 | 122位清水④45分59秒 | 93位清水④64分40秒 |
227位山本龍③15分17秒 | 169位山本龍③30分32秒 | 122位川勝①45分59秒 | 106位川勝①64分44秒 |
227位西田②15分17秒 | 169位西田②30分32秒 | 122位西田②45分59秒 | 108位山本龍③64分45秒 |
227位山本雷③15分17秒 | 169位山本雷③30分32秒 | 122位渡辺②45分59秒 | 116位西田②64分51秒 |
227位福井④15分17秒 | 169位渡辺②30分32秒 | 130位山本龍③46分01秒 | 117位山本雷③64分51秒 |
227位望月④15分17秒 | 169位福井④30分32秒 | 141位山本雷③46分02秒 | 163位渡辺②65分32秒 |
242位川勝①15分18秒 | 183位川勝①30分33秒 | 193位瀬川①46分16秒 | 200位鈴木②66分00秒 |
242位渡辺②15分18秒 | 183位瀬川①30分33秒 | 200位鈴木②46分20秒 | 212位福井④66分14秒 |
242位瀬川①15分18秒 | 202位鈴木②30分37秒 | 209位福井④46分23秒 | 259位瀬川①66分52秒 |
254位鈴木②15分19秒 | 202位望月④30分37秒 | 262位望月④46分58秒 | 280位望月④67分12秒 |
上10名計:21位2:32:07 | 15位5:03:36 | 11位7:38:26 | 10位10:48:55 |
LAP | 11位2:31:29 | 6位2:34:50 | 7位3:10:29 |
最初の5㎞、新エース2年カマウ選手が先頭集団につく7位14分51秒、ついで日本人エースの4年綱島選手が63位14分58秒で通過。そのほかは全員集団で230位付近の15分17秒あたり。実質3番手以降が200位台ですので、この時点では総合21位でした。
10㎞地点では、カマウ選手が上位グループの中で、8位29分22秒。綱島選手も1㎞3分ペースで進む集団を選択し、59位29分56秒の通過。エース選手はひとまず順調でしたね。
その他の大集団は、1㎞3分03秒のペースを刻みながら、じりじりと浮上。清水・山本龍選手ら箱根経験者を中心に、170位付近の30分32秒で通過。後ろ2名が4秒程遅れてますが、10番手は200位以内に収まっている形。とはいえ、まだ総合15位でした。
15㎞勝負をかけていきたいところでしたが、カマウ選手が、日本人集団からじわじわ後退。17位44分32秒で通過。海外ハーフ好走経験がありますが、湿度の高い日本独特の気候の対応に苦慮したとか。綱島選手も68位45分19秒あたり。この2人以外の上がりも必要な状況でした。
集団は少しずつ零れる選手が出ながら、清水・川勝・西田・渡辺選手が122位45分59秒で通過。秒差で山本龍・山本雷選手が続き、150位以内に8番手までは上がってきました。少し離れて、瀬川・鈴木選手が10番手。11番手福井選手も秒差、前回10区の望月選手はちょっと付けなくなっていました。
大集団で順位を上げていった選手も多いので、10-15㎞間は6位と上昇していました。総合順位も11位と何とか浮上していました。とはいえ、エースは上がり切らず、チーム10番手付近は集団に付けない状況。実際、18.4㎞地点では、専大に逆転され、総合12位にダウン。ギリギリの戦いでした。
フィニッシュ、カマウ・綱島選手は何とか順位をキープして、22位63分14秒、57位64分04秒。思い通りとまではいかずとも、ひとまずは稼ぎました。
3番手の集団は、懸命に順位を上げていて、清水選手が93位64分40秒で100以内まで浮上してきました。そこから秒差で、川勝・山本龍・西田・山本雷選手が続々とゴール。120位以内&65分以内で7番手は入ってきました。
続いて、終盤は苦しくなった渡辺選手が163位65分32秒で何とかゴール。これで8番手。9番10番は、鈴木・福井選手が、15㎞からの位置を保って200位66分00秒、212位66分14秒でゴールしました。
上げた選手も多く、15㎞以降も7番目の走り。最後急落した神大や中学大を交わしていき、最後の10枠目を勝ち取りました。
見事に連続出場を繋いだ国士舘大。とはいえ、最下位通過ということもあり、戦力的には楽ではないのですよね。昨年の総合15位、さらにシード権獲得となると、高い壁なのは承知。とはいえ、最近は最下位通過でも、力の差がなくなってきているのも事実です。もう一度、国士舘大の戦力分析をしてみます。
エースの強さ
今年から新エースとなっているのが2年生カマウ選手ですね。各主要大会上位にはきていますが、中々他校日本人エース選手にも競り負けていることも多かったです。とはいえ、世田谷ハーフでは、青学大勢を振り切って62分台で優勝!日本の湿度の高い気候に苦しんでいたみたいですが、それが伸び悩んでた原因なら、箱根駅伝は関係なさそう!?2区で本来の走りができるかもしれません。
続いて、日本人エースの4年綱島選手ですね。前回の箱根9区で区間6位好走してから、一気に覚醒しましたね。1万m記録挑戦会で、ついに1万m28分台となり、往路で戦える可能性を示しました。カマウ選手を活かせるよう、1区を務めることになるかな?
残る往路区間、箱根予選で上位に食い込んだ清水・川勝選手は勿論ですが、ここにきてチーム有数のスピードランナー山本龍選手の状態が上向き。1万mベストを29分00秒まで縮めてきました。国士大課題の箱根3区あたり務めることが出来れば。往路で戦える可能性が出てきます。
山登り・山下り
国士大の計算が立っているのが山なんですよね。山登り・山下りともに前任者が健在です。特に5区候補の山本雷選手が、平地の走力も向上し箱根予選通過に貢献。激坂王でも、昨年よりタイムを短縮していて、自信を得ているでしょう。区間一桁も射程範囲に入ってくるかもしれません。
6区山下りは、ずっと準備をしていて、前回の箱根でついに出走となった福井選手がいます。前回は59分前半に留まりましたが、今回は58分台を狙っていくでしょう。最も、箱根予選、その後1万m記録会と、もう少しの走りが続いているのが気になりますが…。
もしかすると、6区はトラックで好調の2年中島選手の可能性もあります。1万m29分10秒台の走力はあり、関東ICでもトラックで戦っています。ロードの対応が間に合えば、彼の勢いある走りで下ることもありそうです。
選手層の厚さ
復路は現状色々なオーダーが考えられそうですね。先の往路争いで、清水・川勝選手のどちらかが、復路に回ってくるでしょうか。これに箱根予選で好走した西田・渡辺選手あたりが候補になってきますかね。渡辺選手は、5区山登り2番手に上がっていますので、8区もあるかな。
箱根予選はうまくいかなかったものの、望月選手が巻き返してきて1万m29分23秒。同じく4年生の福士選手も一定の安定感がありますかね。他にトラックで好調な2年鈴木選手が1万m29分28秒とまとめていて、徐々に存在感を増してきています。
1年生も先の川勝選手に、瀬川・勝部選手といったところが徐々に走力上がってきています。出走候補はかなり増えてきましたね。1年生は、春即戦力になりかけていた岩下選手もいるはずですが、間に合えばいいですね。
国士舘大が、一番自信を持って配置できるのは、山区間ですかね。前回ある程度まとめることができた山本雷&福井選手が、箱根予選でチーム10番手以内で走り切り、戦力になっています。この区間にいい位置で繋ぎたいですよね。
その往路、カマウ選手が徐々に日本のレースに対応して、本領発揮し始めています。気候が問題だったなら箱根の頃は非常に調子が上がるはずです。これに、前回9区好走の綱島選手に、往路経験のある山本龍選手らが、1万mベストを出すなど好調。彼らで上位に食い下がることができれば、いい流れで山に入れます。
その他の区間は、清水・望月選手など経験者や、箱根予選好走した渡辺・西田選手ら、好調の1年生川勝・瀬川選手らでのメンバー争いになっていますかね。チーム力は少しずつ上がってきています。まずは、昨年同様に、しっかり往路で突進して、粘りある駅伝にしたいところです。
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