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【青山学院大学】第98回箱根駅伝2022振り返りから、次年度へ向けて

2月中は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。

順番は総合順位順から変えます。

続いて、
2年ぶり6度目の総合優勝!
青山学院大学です。

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【青山学院大学】箱根駅伝2022振り返りから、次年度へ向けて

 出雲・全日本・箱根と距離が長くなり、区間が増えるにつれ、青学大の持ち味が出るという原監督の離される通りの三大駅伝の結果でした。出雲駅伝は1区区間賞スタート、その後流れに乗った東国大は逃げられたものの、3チームによる2位争いは制しました。

 全日本駅伝は、2区と6区の二つの区間で区間二けたのブレーキがあったものの、区間賞の区間も複数、アンカー決戦に持ち込んでの2位。8秒差の敗戦は、悔しさもひとしおでしたが、確実に出雲より戦っていました。

 新たに始まったMARCH対抗戦では1万m28分台続出。選手層の厚みが大幅に増していました。そして、箱根駅伝。29日の区間エントリーでは、主力が当日変更でどこに入るのかな大いに話題に。そして往路当日、一部の主力選手の温存されましたが…

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箱根駅伝2022振り返り

🥇位青山学院大学10時間43分32秒
往路🥇位5時間22分06秒・復路🥇位5時間21分36秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 5位 志貴勇斗② 61分25秒 5位 45秒
2区(23.1㎞) 7位 近藤幸太郎③ 67分09秒 2位 1分02秒
3区(21.4㎞) 🥈位 太田蒼生① 61分00秒 1位 -12秒
4区(20.9㎞) 🥉位 飯田貴之④ 61分46秒 1位 -1分37秒
5区(20.8㎞) 🥉位 若林宏樹① 70分46秒 1位 -2分37秒
6区(20.8㎞) 8位 髙橋勇輝④ 59分03秒 1位 -3分23秒
7区(21.3㎞) 🥇位 岸本大紀③ 62分39秒 1位 -4分51秒
8区(21.4㎞) 🥈位 佐藤一世② 64分49秒 1位 -4分32秒
9区(23.1㎞) 🥇位 中村唯翔③ 67分15秒 1位 -7分56秒
10区(23.0㎞) 🥇位 中倉啓敦③ 67分50秒 1位 -10分51秒

1区志貴選手…1区は2年生志貴選手。全日本大学駅伝で1区を走り、区間4位。チームにいい流れをもたらしていました。ただ、MARCH対抗戦は1万m28分50秒。チーム内では決して目立っていない成績、今回の箱根の1区のメンバーでも、大きく目立つ実績ではありませんでした。

 そんな中でしたが、区間記録近いペースで進む第2集団の中で、しっかり力を蓄えていました。六郷橋の仕掛けにはいち早く反応し、自ら引っ張る場面もありながら、2位から僅差の区間5位。ナイススターターでした。

2区近藤選手…続いてタスキを受けたのは、今年大きく成長したエース近藤選手。春に1万m28分10秒を出すと、日本ICでは5千m優勝します。駅伝シーズンも、出雲駅伝は1区区間賞。全日本駅伝は7区2位ながら、格上と思われた選手と僅差で、他校に脅威な存在と認知されていました。

 華の2区は苦しく、何度も辞めたいと思ったそう。それでも5㎞手前で単独3位に浮上すると、10㎞過ぎには中大を交わして2位へ。後方の留学生の追い上げも凌ぎ切り、単独2位。トップ駒大の1分差が少し気になったものの、青学大としては好スタートでした。

3区太田選手…驚きが3区太田選手。確かに、期待のルーキーの一人、MARCH対抗戦で1万m28分30秒ほどで走っていましたが、出雲・全日本は未エントリー。それでも往路3区。びっくり采配ですが、青学大は過去何度も3区でミラクル(と思う)を采配をしてきていました。

 そして今回は…想像以上のミラクル采配でした。後方東国大の主力選手に追いつかれますが、しっかりと追走。駒大が不調だったこともあり、14㎞過ぎ茅ヶ崎でトップタイに。よくついているなと思っていました。

 びっくりが湘南大橋で自ら仕掛けてトップへ!最終的に、区間2位ながら61分00秒と、日本人区間記録を上回る力走。こんなにも早く青学大がトップに立つとは…驚きでした。

4区飯田選手…5区山登りではないかと言われていましたが、最終的に4区。主将が1年生の間を走る形になりました。1年時から8区・5区・9区と重要区間の担いすべて区間2位。高い安定感を誇っています。全日本駅伝アンカーで8秒競り負ける悔しい経験をしましたが、最後糧になりました。

 序盤から、区間記録ペースで突っ込むと、2位以降を一気に引き離していきました。終盤はやや苦しくなり、最終的に区間3位。とはいえ、4年間見事な安定感を発揮。2位以降との差も1分半ほどに広げていました。

5区若林選手…試合前はざわついた采配でしたね。期待のルーキーの一人で、関東IC、さらに出雲・全日本とも1年生で選ばれていました。とはいえ、失速したレースもあり、大舞台の箱根路不安視されていました。

 最初の平地はスローでしたが、上りに入ってどんどん区間順位が上がっていきました。山登りにしては、力感が少なくゆったりしたフォームでしたが、上りの部分は全選手の中でトップでした。

 最終的に70分台の好タイムで区間3位!見事に往路優勝のゴールテープを切りました。2位のチームには2分半、3位駒大には3分26秒の差がついていました。

6区高橋選手…復路スタートは、4年生髙橋選手。2年連続6区山下りで、前回は区間3位。今年平地の力も伸びて、全日本駅伝では4区区間賞。57分半と区間記録に迫るタイムを目標としていました。

 でしたが、氷点下の気温が影響したのか、昨年のようなパフォーマンスとはいかず。終盤でも区間14位となっていました。それでも最後に意地を見せました。

 ラストの平地の部分は、全選手の中でトップのタイム。個人としても区間8位まで浮上、流れは青学大のままでした。

7区岸本選手…ここからは、温存していたかつての往路経験者のリレーとなります。3年生岸本選手は、1年時に華の2区を任され、混戦の中チームをトップに引き上げました。

 その後、故障で長期離脱。全日本駅伝が久々の駅伝でした。3区でしっかり日本人トップの区間3位を取るのですからさすがの選手。その後、臀部を痛めて11月はノーランだったそうですが、監督の期待は高かった。

 しっかりと、1㎞2分55秒のペースで刻んでいくと、最終的に62分半ばで区間賞。単独走に不安は多少あったものの、それでも押し切るのですからさすがです。

8区佐藤選手…全日本駅伝2年連続5区区間賞、前回の箱根路は4区を走っている主力佐藤選手が8区に回りました。箱根10日に前に熱発したり、本調子ではなかったそうです。

 それでも走るのは、力があるのは勿論ですが、遊行寺の坂の強さだったのでしょう。15㎞付近から、脚に力が入らなくなりながら、遊行寺坂付近は全選手トップのタイム。区間2位で走り切っています。

9区中村選手…そして青学大の真価はここから。前回華の2区を走っている中村選手を9区へ。下りは比較的得意だそうですね。全日本2区で失敗レースでしたが、この時点で復路と監督は思われていたそうで。

 その走りが凄まじかった。区間記録を遥かに上回るペースで推移。それでも無理している感じもありませんでした。最後まで健脚は衰えず、14年前の記録を46秒も更新する67分15秒!MVPに相応しい走りでした。

10区中倉選手…2年連続アンカーとなった中倉選手も逞しくなっていましたね。こちらも中盤以降大幅に区間記録上回るペースで推移。

 最終的に67分50秒で、こちらも従来の記録を50秒更新する区間記録!さらに復路新記録・総合新記録でゴールイン!2位にも10分以上の大差をつけていました。

 そういえば、復路スタート前、原監督は9区10区は区間記録が出るかも、と話されていましたが、圧巻のパフォーマンスでした。

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 春の段階ではエース不在と言われていましたが、3年近藤選手がいつしかエースに、そのあとに続く箱根エントリー全員がエース級になっていましたね。

 非常にチーム内の競争が激化していたので、ピークずれだけ心配でしたが、むしろ青学大が一番良かったかな??

 ばっちり練習が詰めている選手を学年実績関係なく、往路で起用し、不調明けの主力選手を復路に回すなどの采配。1年かけて準備してきたことがでましたね。

次年度に向けて

…豪華ですよ?

残る今年の箱根メンバー
近藤幸太郎③28分10秒50
≪22:箱2区7位、21:全7区2位、出1区1位、日本IC5千m1位、箱7区3位、20:全2区13位≫
若林宏樹①28分27秒72
≪22:箱5区3位、21:全6区12位、出4区6位≫
中村唯翔③28分29秒43
≪22:箱9区1位、21:全2区14位、箱2区14位、20:全3区3位≫
太田蒼生①28分32秒17≪22:箱3区2位≫
岸本大紀③28分32秒33
≪22:箱7区1位、21:全3区3位、20:箱2区5位、19:全2区5位、出2区1位≫
中倉啓敦③28分33秒71≪22:箱10区1位、21:箱10区4位≫
志貴勇斗②28分50秒54≪22:箱1区5位、21:全1区4位≫
佐藤一世②28分50秒56
≪22:箱8区2位、21:全5区1位、出3区3位、関東IC2部1万13位、箱4区4位、20:全5区1位≫

残る補欠メンバー
西久保遼③28分21秒39≪21:関東IC2部half1位≫
宮坂大器③28分34秒23
田中悠登①28分46秒51
関口雄大③28分56秒09
横田俊吾③28分56秒09≪21:出6区3位、関東IC2部half11位≫

その他有力選手
小原 響②28分28秒97
山内健登②28分34秒12≪20:全6区9位≫
鈴木竜太朗②28分43秒24
倉本玄太②28分45秒97
白石光星①28分49秒65
目片将大③28分53秒40
畦地貴斗③28分53秒47
脇田幸太朗③29分03秒66
大澤佑介③29分07秒82
西川魁星③29分12秒95
佐々木塁②29分13秒65
鶴川正也①half62分44秒
喜多村慧①half63分48秒

 総合新記録で優勝し、2位を10分以上突き放したメンバーが8名も残っていますので、現状では青学大1強なんだろうと思います。

 エースの近藤選手は、フルマラソンはお預けもどんどん力をつけています。同学年3年には、岸本選手に、区間記録保持者となった中村・中倉選手がいます。

 2年生には1区職人になりつつある志貴選手に、駅伝頼りになる佐藤選手がいます。1年生はこのまま4年間3区と5区を任せてもいい太田・若林選手がいます。

 補欠も、1万m持ちタイム上は主力とほぼ同じタイム。新主将宮坂選手は駅伝経験こそないものの、先日の別府大分毎日マラソンで2時間12分09秒。箱根補欠の選手がこれだけ走るのですから凄いですよね。

 他にも横田選手は、出雲駅伝アンカー好走。西久保選手は関東ICハーフ優勝経験あり、関口選手はハイテクハーフ優勝で往路でも通用すると太鼓判。こういう選手が漏れていく選手層が恐ろしいです。

 1年生は、ハーフマラソンで2度62分台を出している田中選手に、入学時から主力候補の鶴川選手も怪我から復帰してきています。ほかにもトラックに強い小原・山内選手ら2年生も上がっています。次年度どのくらい平均走力が高いチームになるのやら…?

まとめ

・見事に上位で繋いだ1区志貴2区近藤選手
・今回も3区で新星現れた!太田選手が首位奪取!
・4年連続違う区間ですべて区間3位飯田主将
・まずは若の神?5区若林選手が堅実に往路優勝!
・不調でもしっかり役目を果たす岸本・佐藤選手
・MVP中村選手、中倉選手!区間記録は予告通り
・来年度は、さらなる史上最強チームに…?

 青学大としては、ほとんどやりたいレースができたのではないでしょうか。1区志貴2区近藤選手がしっかり繋ぎ、先手を取れたのは、前回の優勝校駒澤大だけ。それも3区太田選手が、ビッグパフォーマンスで首位奪取。

 あとはほとんど区間で後続の差を広げていく一方。山登り若林選手も見事な走り、復路に回った岸本・佐藤選手も力を発揮しました。そして、MVP獲得9区中村選手に、10区中倉選手が圧巻の区間新記録。一気に総合新記録に持ってきました。

 さらに、ハイテクハーフでは箱根を走れなかったメンバーが複数人62分台、フルマラソンでも補欠メンバーが30㎞付近まで戦っていました。今年度に関しては、個人もそうですし、青学大のマネジメントが凄まじかったなという印象です。

 なお、4年生を中心に、相当な戦力を来年も有していそうです。原監督は、10年以内に「10時間40分切り」と話されていましたが、次年度はいきなりチャンスにも素人目には見えてしまいます。次の進化がまた注目です。


コメント

  1. kaz より:

    かっての東海大みたいにならない様に、内部的な葛藤がない様に。勝亦コーチの指導力に注目している。

    • hakonankit より:

      >kazさん
      学生で毎年選手が入れ替わりますし、中心となった世代が抜けた後は、どこも大変ですよね。だからこそ、色んなドラマが生まれるのでしょう。