東京五輪2020が熱い!
コロナ禍による制限や無観客であったり、少し寂しさを最初は感じましたが、
各競技で白熱した戦いが繰り広げられていますね。
陸上競技も開幕!
複数の種目で日本記録や、過去最高位更新がありましたね!競歩のメダルはさすがです。
駆け足気味にはなりますが、
男子長距離の東京五輪出場者について、簡単に紹介したいと思います。
今回は、
男子マラソン代表となる中村匠吾選手です。
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【プロフィール】
生年月日:1992年9月16日
出身地:三重県四日市市
出身高校:上野工業高(現:伊賀白鳳高)
出身大学:駒澤大学
現在の所属:富士通
身長:172㎝
体重:55㎏
【自己ベスト】
5000m13分38秒93
10000m28分05秒79
ハーフマラソン1時間1分40秒
30㎞1時間30分11秒
フルマラソン2時間8分16秒
三重県四日市市は、あの瀬古利彦さんと同じ出身地。長距離にゆかりのある地です。
小学5年生の時に、地元三重県四日市市の少年スポーツ団にて陸上部に出会うと、中学校の上がった時、本格的に陸上を始めます。3年生の時に、三重県中学駅伝で区間賞を獲得するなど、早くから才能に目覚めます。
高校は、三重県の陸上強豪校の上野工業高(中村選手卒業直後に伊賀白鳳高と改名)に進学します。一気に全国区となり、高校3年時に全国インターハイで3位入賞(日本人2位)で表彰台に立ちます。
その後の記録会で、当時高校歴代7位となる5000m13分50秒38を記録し、同世代の最高記録保持者になります(その後、駒大で一緒になる村山選手が13分49秒45を記録します)。
暮れの全国高校駅伝ではエース区間1区を任されます。上野工業高の名前では最後の大会であり、気持ちがこもります。ところが、直前で故障してしまいます。
出走をやめることも考えましたが、”最後だからベストオーダーでいきたい”ということで強行出場へ。ですが、本調子には程遠く区間44位のブレーキ。挫折を味わうことになります。
名門駒澤大陸上部の門を叩きますが、高校時代の故障が長引き、前半戦は姿を見せませんでした。秋になって走れるようになり、全日本大学駅伝に出場し、6区を任されます。
トップでタスキを受けて無難に区間3位で走り切り、トップをキープ。優勝に貢献します。ただ、この時期は故障が続き、なかなか安定して試合に出ることはできず。1年時は箱根駅伝を走ることができませんでした。
2年時も中々試合に出場することはできず、出雲・全日本駅伝は欠場。その後、何とか故障が癒え、1か月の調整で箱根駅伝3区出走にこぎつけます。強い向かい風が吹く中、短い調整期間とは思えない走りを披露します。
後方から追い上げてきた早大大迫選手(同じく東京五輪2020マラソン代表)を、強烈なラストスパートで振り切っています。MGCでくしくも、大迫選手でラスト勝負で振り切った形になりましたが、実は大学時代にも似たようなことがあるんですね。
3年時になってついに軌道に乗ってきます。関東インカレ2部1万mで優勝、日本選手権1万mで5位入賞、ユニバーハーフマラソンで3位に入ります。そして、三大駅伝の時期へ。
出雲駅伝1区を任され、中盤以降強烈なスパートで区間賞!全日本大学駅伝も1区、のちにマラソン日本記録を樹立する東洋大設楽選手が仕掛けますが動じず、終盤のスパートで逆に突き放して区間賞!チームの優勝に大きく貢献しました。
いずれも残り3㎞付近で一度目のスパート、ラスト1㎞を切ってからの二度目のスパートをかけています。MGCでも見せた二段スパートは、この頃から確立されたような気がします。期待が高まった箱根駅伝は、直前で軽い故障したこともあり、スパートが持たず区間2位となります。
一転、4年時は故障に悩まされ、出雲駅伝は欠場します。全日本大学駅伝は4区で出場。序盤慎重に走って徐々にペースを上げて区間賞を獲得。箱根駅伝は2年連続1区を任されます。
中盤から、青学・東洋・明大・駒大と、戦前から4強といわれたチームが抜け出す展開。中村選手は途中で後れを取ります。今年の調子では苦しいかと思われました。
ですが、見せ場はここから。体勢を立て直しトップ集団に追いつくと、残り3㎞で一度目のスパート!食らいついてきた青学大の選手も、残り1㎞を切ってからの、2度目のスパートで突き放し、区間賞!
このシーンは、箱根駅伝の中でも名シーンとして残っているものです。なお、中村選手は、三大駅伝全てで1区区間賞を獲得する快挙も成し遂げています。
大学卒業後は、富士通に入社。直後に、大学時代更新する機会がなかった5000mのベストを13分43秒41に更新。最初のニューイヤー駅伝2016では、1区を担当し区間6位。世界ハーフなど、日本代表のい経験を積んでいきます。
2018年3月びわ湖毎日でマラソン初挑戦!そしていきなり可能性を感じました。気温が20度近くなる、春としては酷暑の条件でした。27㎞付近で先頭集団から脱落するも、
その後失速していった日本人ランナーを少しずつ追い抜き、37㎞地点で日本人トップに!すでに始まっていたMGC出場権が目前になりました。ですが、暑さでペースが上がり切らず、2時間11分以内で獲得できるMGC出場権は、厳しくなりました。
それを知った中村選手は「ここまで来て、MGC権利を得ないわけにいかない」と切り替えます。1㎞3分10秒以上まで落ちていたペースを、40㎞過ぎてから3分切るペースにアップ!駅伝のように、前にいた海外選手を交わしながらゴール。2時間10分51秒のタイムながらMGC出場権を獲得しました。
その後、海外のレースで2時間8分16秒まで自己ベストを更新。一つ自身をつけた状態で、MGCのレースに臨みます。
レースは、設楽選手が飛び出す展開。第2集団で力を温存していきます。37㎞付近で捉えて、トップ集団となると、39㎞過ぎ上り坂の途中で猛烈なスパート!一気に単独先頭に立ちます。
これに大迫・服部選手が追いすがり、特に大迫選手は41㎞過ぎに並ばれます。ここでもう一度スパート。ロードで再三見せる二段スパートは、MGCでも活きました。見事に、トップで東京五輪2020内定を射止めました。
今年のニューイヤー駅伝では、エース区間の4区を任され区間2位好走。5月の札幌マラソンフェスティバルは右足甲の痛みで欠場も、順調に仕上がっているそうです。
駒澤大時代から見せるロードレースでの終盤のスパート、さらにMGC出場権を獲得したびわ湖毎日やMGCなど暑い条件で上位にきているレースが多いのは、期待が高まってしまいますね。
今年の箱根駅伝で復活優勝を果たした駒澤大ですが、意外にも駒大出身者では、初めてのオリンピック代表だそう。プレッシャーだけでなく、自信を持って挑んでもらえればと思いますね。