大学長距離&駅伝2020-2021新シーズン…開幕していますが、
新型コロナウイルスの影響で、多くの春のトラックの主要大会や記録会が、
中止及び延期になってしまいま、寂しい限りです。
その中で、各チーム見えないところで、走力アップの鍛錬、
そして箱根駅伝2021へ向けて、まい進しています。
今一度、各チームの、学年別の主力選手や駅伝成績や新入生情報のまとめ、
チーム全体の特長や戦力分析、そして…区間オーダー予想的なものもやってみたいと思います。
続いて、
若手に芽が出た昨年末、新監督ですくすく育つか!?大東文化大学
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この世代の入部時は話題になりましたね。奈良元監督の息子さんの入部、只熊OBの息子さんもおられましたし、一学年上は大久保OBの息子さんの入部もありました。他にもこの世代は有力候補の入部がありました。当時はシード権争いできるチーム力があり、また一段大東大が盛り上がる機運になればと思っていました。
ただ、現実はそうはいかず、年々成績が低下。最終学年は予選通過できませんでいた。一因に4年生が思い通りの走りができなかった点もあり、悔しい最終学年になってしまいました。4年間を振り返ってみます。
※関東インカレは、1部1年、2部2年、1部3年4年
川澄克弥13分55秒25/28分37秒20/63分14秒
高3:14分19秒86/全国5区4位、高校1区11位、国体5千12位
大1:箱根4区17位、全日本4区20位、予選39位、全日予選補欠
大2:箱根3区12位、全日本1区20位、予選21位、全日予選2組2位、関東IChalf
大3:箱根2区22位、予選39位、全日予選4組14位、関東IC1万5位half11位
大4:予選252位、全日予選4組23位、関東IC5千17位1万
進路:カネボウ
川澄選手は即戦力として本当に期待が高かったですね。国体、それから全国的な駅伝でエース区間で戦っていた選手。持ちタイムの14分19秒以上に力があるのではないかとも思われました。
大学は春はじっくりという形でしたが、秋になってぐっと力を付けてきて箱根予選は個人39位と躍進、1万mも29分11秒と結果を出し、ルーキーとして非常に好成績でした。ただ、駅伝はうまくいかず全日本は4区20位、箱根も同じ4区で区間17位。ここはチーム順位も一桁から二けたに下げる悔しいリレーとなります。
2年目になってからは主力の一員となってきます。関東インカレハーフに出走すると、全日本予選は2組2位はさすがの走りで通過に貢献。箱根予選は個人21位で順位を上げました。全日本本戦はチーム課題だった1区で苦しい走りでしたが、箱根3区は下位の流れの中で区間12位と踏ん張る走りでした。
ここから一気に覚醒してきます。2月熊日30㎞マラソンで90分48秒の好記録で走破して注目を集めます。春関東インカレ1万5位入賞は、1部の中でのもので大きく話題になりましたね。全日本予選も最終組の中で戦い抜きます。秋が楽しみになりました。
ただ、ここからやや不安定になったかなぁ…。予選39位はまずまずも春の勢いからするともう少し。ここから状態を上げ学連記録会で1万m28分37秒の自己ベスト!任された箱根エース区間2区は、1区の躓きの流れを引きずったのもありますが、区間最下位は自分の走りができなかったでしょうか。
4年目は関東インカレ5千1万出場も昨年ほどはいかず。全日本予選4組は23位はもう少しでしたでしょうか。それでも秋口に29分19秒と上昇気配がありましたが…箱根予選はまさかの252位と大失速。悔やまれる最後の箱根予選でしたね…。
それでも試行錯誤の中、12月に5千13分55秒の自己ベストはほっとする成績だったでしょうか。心機一転、名門カネボウで頑張ってほしいですね。
奈良凌介14分05秒59/28分53秒96/63分09秒
高3:14分17秒65/全国5区10位、高校1区14位
大1:箱根5区19位、全日本2区16位、予選73位、全日予選4組34位
大2:箱根4区16位、全日本5区10位、予選55位、全日予選3組12位、関東IC5千
大3:箱根4区5位、予選52位、全日予選4組18位、関東IC5千17位1万12位
大4:予選180位、全日予選3組4位、関東IChalf
進路:ヤクルト
監督の息子さんということで、実力以上に注目が集まりましたよね。最も高校時代の実績も、5千14分17秒、駅伝もエース区間で区間10位台で戦っていましたので、川澄選手と共に即戦力として高い期待がありましたよね。
最初の主要大会はいきなり全日本予選4組。ここは父親としてもちょっと期待を込めましたかね?さすがに個人34位となりましたが、通過に貢献。箱根予選もチーム10番手で走り切っています。
駅伝もいきなり主要区間抜擢されます。全日本2区は、下位の流れもあり区間16位。話題になったのは箱根駅伝で、父親が4年連続走った5区山登り挑戦で親子鷹に。レースは果敢に突っ込んだものの、最終的に区間19位とブレーキに。山登りはこれが最後になりましたかね。
2年目からは徐々に総力的にも安定してきます。5千14分05秒のベストを出すと、全日本予選は3組12位のまずまずの成績で通過に貢献。箱根予選は55位で前年より浮上、全日本駅伝も繋ぎながら5区10位とまずまず。ただ、箱根はレースに乗れていなかった事もあり4区16位と伸び切らない走りとなりました。
良かったのは3年目ですね。関東インカレは1部で5千1万どちらにも出場。入賞は届かずも10位台の成績で安定しています。全日本予選4組は18位。通過ボーダーライン上で、やや硬い走りながら、他校の主力選手と戦い抜いています。
3度目の箱根予選は52位とベストもやや低調でしたが、その後学連記録会で28分53秒の自己ベストを出します。箱根駅伝は2年連続4区。最下位でタスキを受けるも区間5位の好走で、見た目2人抜き。駅伝ファンを沸かせたシーンとなりました。
一方、彼も最終学年は悔しい走りとなりましたかね。全日本予選は3組に回り個人4位とさすがの成績。秋口の1万もチームを引っ張りながら29分19秒とまずまずだったのですが…、箱根予選は180位に沈んでしまい、予選落ちの一因に…。
そんな中、年末の大会で5千14分08秒と自己ベストに迫る走りを披露。実業団ヤクルトでもっともっと伸びていくはずです。
佐藤弘規14分32秒68/29分52秒76/64分06秒
高3:14分43秒61
大1:
大2:箱根補欠、予選193位
大3:箱根5区7位、予選68位、全日予選補欠
大4:予選211位、全日予選補欠、関東IChalf11位
上記2名が突出している中、佐藤選手がロードで頼りになる存在になりましたね。高校時代14分43秒の選手でしたが、1年目12月に14分32秒の自己ベスト。さらに2年の9月には1万mで30分17秒の記録をだします。この結果から初めて主要大会箱根予選エントリーされます。
当日出走メンバーに選ばれますが、この時は個人193位の走り。チーム内トップ10には入れませんでした。箱根駅伝も16人のエントリーまでになりました。それでも走力は確実にアップしていきます。
3年目は全日本予選のメンバーに選ばれるなど成長。箱根予選は68位で、昨年から大幅にジャンプアップし一気に主力メンバーになります。ロードでの堅実さが評価され、箱根は5区山登り抜擢。最下位争いの中から、区間7位の健闘で順位をあげています。一躍光りましたね。
躍進に注目が集まった4年目、春先は初挑戦の関東インカレ1部ハーフで、11位に入る等活躍がありました。ただ、そこから調子が落ちましたかね。秋口の1万m31分オーバーすると、箱根予選も上がり切らず211位に。ロードでいい走りをするだけに、最終学年惜しまれる成績でした。
豊田紘大14分17秒87/29分35秒35/66分29秒
高3:14分50秒52
大1:
大2:
大3:箱根補欠
大4:予選158位、全日予選1組31位
豊田選手は最終学年で飛躍した選手ですね。高校時代の5千mベストは14分50秒、1年12月で14分38秒を記録しています。2年目は1万mも伸びてきて、同じく12月に30分14秒までの伸ばしてきます。
3年目5千14分22秒まで短縮したあたりから存在感も出てきましたかね。学連記録会で1万m29分53秒の記録をマークすると、初めて箱根駅伝16人の登録メンバーに選ばれました。
最終学年は伸びましたね。全日本予選に初挑戦し1組31位の結果を出すと、夏に飛躍。5千14分17秒・1万29分35秒のタイムを出して箱根予選初出走を勝ち取ります。
結果個人158位は決して目立ちませんが、実は総崩れした4年生の中でトップの成績でした。ロードは苦手な印象でしたが、最終学年いい条件でのハーフマラソンが見たかったです。
浅野有紀14分29秒23/30分03秒56/65分11秒
高3:14分43秒06
大1:
大2:
大3:関東IC1500m
大4:全日予選2組21位
浅野選手はトラックから最後は長い距離まで伸ばしてきていますね。高校時代は14分43秒のタイム。1年目12月に14分31秒と短縮します。2年目は少し伸び悩みましたが、それでも5千14分29秒・1万30分36秒の自己ベストをマークしています。
3年目は1500mにも挑戦し、関東インカレに出場しています。1部昇格しているときですので、スピードはついていましたね。長い距離にも繋がったのか、秋には学連記録会で1万m30分27秒、12月には30分03秒まで縮めます。次年度の戦力候補にあがるように。
4年目の春は、得意のスピードに磨きをかけていました。4月上旬の関東私学六大学では1500mで5位に入ると、5月の記録会で3分51秒69の記録を出します。
そのあと、全日本予選のエントリーに入ったのはびっくり!さらに出走し2組21位とまずまずの成績を残して長距離でも頑張りました。箱根予選こそエントリーに入れませんでしたが、上尾ハーフで65分11秒の好走。予選敗退が決まってからもしっかりと練習を継続出来た結果ですね。
谷川恒太14分45秒25
高3:14分59秒64
大1:
大2:関東IC3障
大3:関東IC3障
大4:
もう一人トラックで活躍した選手がいますね。谷川選手が関東インカレ3障で、2年時・3年時2年連続で出走しています。また、2年時の学生個人選手権で9分07秒59の自己ベストをマーク。これが1部昇格した3年時の関東インカレ出場に繋がっています。ただ、出場はそれ以降遠ざかっています。
大東大も、前年度は激震が走ったのですよね。夏合宿の時点で、関係者内でも厳しいのでは、という評価があったものの、予選18位と大敗するとは思わなかったです。当時の卒業生が総崩れし、下級生の育成が間に合わないのWパンチを食らった結果だった。
この責任もあり、今年の1月に10年以上チームを率いた奈良監督が退任。馬場周太コーチが臨時監督代行、4月から正式に監督就任となっています。チームの選手層は以前薄い方ですが、上がってきている選手もいるので、戦える布陣にできそうか分析して観たい。
三ツ星翔④29分29秒19≪19:予82位、箱7区8位、18:箱10区19位、17:予130位≫
吉井龍太郎④29分30秒28≪20:箱8区9位相当、19:予55位≫
稻留涼斗④30分26秒42≪19:予259位≫
土本剣太郎④30分53秒51
武田将樹④31分25秒74
部員名簿の更新と共に「うーむ」となってしまったのが4年生。箱根駅伝で山を経験している選手、1万m30分一桁台ながら、箱根予選を100位少しで走り切ったことのある選手などが退部していました。本人の次の人生を応援するしかないのですが、戦力的にはちょっと痛手かなぁ…。
残っている選手のうち頼りになりそうな選手は2名います。一人は今年の箱根駅伝連合で出走した吉井選手。箱根予選・本戦ともに安定したロード力を見せて、昨年の一番の成長株の選手だ。経験で言えば、2度箱根を走って区間一桁の経験もある三ツ星選手もいます。彼らは走力と共に精神面でも支柱になりそうです。
あとは実力が離れますが、箱根予選を経験している稻留選手、1500m主戦場から、昨年秋一気に距離対応を図った土本選手らがどこまで伸ばしてこれるかでしょうか。数は少なくなりましたが、何とかまとまりたい。
片根洋平③28分49秒33≪19:予97位、箱8区20位≫
服部奏斗③29分59秒29≪19:予204位≫
山内洸士郎③30分20秒47
佐藤 陸③30分27秒90
藤崎将匡③30分33秒34
北川慎一郎③30分44秒99
船倉悠希③30分55秒98
この世代が力になるとぐっと戦力が厚くなってきますね。唯一の箱根経験者である片根選手が1万m28分49秒を記録して飛躍してきています。とにかくまずは彼が中心選手になるのではと思います。
その他の選手が今年どこまで伸びてくるか。一度は1万m29分台を記録している服部選手、箱根のエントリーに入ったことのある佐藤選手、持ちタイム的には前後している山内・藤崎選手らが力になれるかどうか。この世代の選手層が厚くなれば戦いが楽になります。
倉田 蓮②29分13秒24≪19:予130位≫
井田 春②29分15秒51≪19:予282位≫
大野陽人②29分19秒67
蟹江翔太②29分21秒17≪19:予199位≫
金田龍心②29分56秒06≪19:予263位≫
谷口辰煕②30分15秒82
塩田祥梧②30分29秒09
木山 凌②30分37秒20
小林裕輝②30分40秒73
この世代が今年どこまで主要大会で通用するようになるか楽しみなのですよね。前年度の箱根予選4名出走し、最高位は130位。200位台の選手もいました。ちょっと壁に跳ね返されたのですが、その後の記録会で1万m29分台が続出して、育成は順調に進んでいることを感じました。
一番手は倉田選手で予選でも一番良かったですし、その後の1万mも29分13秒のベストを出してこの世代トップを引っ張っていきます。さらに井田・大野・蟹江選手も1万m29分10秒~20秒台をマークし、どんどんランナーが台頭してきています。
他にも金田選手が29分台、谷口・塩田選手らも30分台前半は出してきました。大東大は4年間かけてじっくり育成する傾向がありましたが、この世代は例年以上に早い段階で主力になりそうな選手が多いですね。
1万m上位10人平均:21位29分26秒2
10000mの平均タイムはギリギリのところにあるとい感じですかね。下級生の台頭はありましたが、29分半ばの持ちタイムの三ツ星・吉井選手がロード型というのが一つ救いでしょう。これよりハーフの平均が65分台。トップの選手が64分半ば、さらに64分台の選手が2人いなくなり…となってますね。
データはあくまで参考ですが、ロード巧者が少なくなったというところ。箱根駅伝早期復活のへの道はそう甘くはないといったデータでしょうか。
伊東正悟(湘南工科大附)14分17秒61/29分49秒89
菊地駿介(仙台育英)14分18秒56≪19:高校4区4位≫
久保田徹(聖望学園)14分18秒56/29分38秒31
佐竹勇樹(比叡山)14分26秒31≪20:全国5区26位≫
敦賀優雅(青森山田)14分36秒35≪20:全国4区22位、19:高校6区29位≫
5千m上位5名平均:17位14分23秒4
松村晴生(水城)14分37秒45≪19:高校7区10位≫
長島玲音(瓊浦)14分46秒84
森 洸晴(九州国際大付属)14分55秒65
山本柊介(八代東)14分56秒47
鷹谷雅久(岡山商大附)15分00秒45
尾田祟侑(八頭)15分15秒86
その中でスカウトはまずまずでしょうか。上位5名平均タイムこそ14分23秒の17位ですが、14分10秒台後半の選手が3名獲得できました。持ちタイムトップの14分17秒の伊東選手は1万mも29分49秒で走破経験あり、ほぼ同じくらいの久保田選手は29分38秒。29分台経験者2名いるのはいいですね。
さらに実績という事では、仙台育英高校出身の菊池選手が高校駅伝4区4位の好走経験があります。彼ら3人が即戦力になってくれると、チームにとっては非常に助かります。
4番手から少しタイム的には落ちますが、佐竹・敦賀・松村選手は、全国的な駅伝で戦っている経験がありますし、思ったよりも早い台頭があるかもしれません。結構、若手にスポットライトが当たるチームだなと思います。
箱根:倉田②-片根③-伊東①-三ツ星④-吉井④ 菊地①-井田②-大野②-蟹江②-佐藤③
ロード力のある4年生三ツ星・吉井選手は大事になる4区5区。その他は3年生以下で固めています。序盤区間は現状では3年片根・2年倉田選手が候補になってきます。あとは2年生が中心、場合によっては1年生でも主要区間を担ってもらう場面もあるのかなぁと思っています。
箱根予選に関しては、昨年が失敗レースで参考になりづらいのが予想屋としては難しいところですかね…。多くが占めるだろう3年生・2年生の選手がどこまで対応できるようになっているでしょうか。
三ツ星・吉井・片根・倉田選手は63分台は最低限出したい。このほかの選手で65分を切ってくる選手がどのくらい出てくるでしょうか。稻留・土本選手ら4年生の意地、佐藤・服部選手の復調、大野・蟹江選手ら2年生の成長、ルーキーも対応できるかもしれません。伸びしろはある選手が多いのは面白いところです。
大学チームにおいては、基本的に上級生が頭数が多くなってくるのが多いのですが、今年の大東文化大はあまり当てはまらないと思った方が良さそうですね。
29分前半~30分切をマークしている2年生が4名倉田・井田・大野・蟹江選手がいます。1年生は29分台を持っている伊東・久保田選手に、高校駅伝で実績がある菊地選手ら、この他にもこれから伸びそうな選手が多くて箱根予選では結構な人数の出走もありそうです。
エース選手は3年片根選手、これにロード型の4年生三ツ星・吉井選手が続いてまとめ役は彼らということになるでしょうか。3年生が実質主力が片根選手一人、一度は記録を出している佐藤・服部選手の復調が待たれます。
4年生は主力になると見られた選手たちがいなくなり、やや痛いですが、このチームで頑張るとまとまった最終学年の結束力を観たいところ。持ちタイム上はギリギリのラインですので、彼らは非常に大事になります。伸びかけた下級生が飛躍できるようなチームになれば、早い返り咲きも見えてくるはずです。