少し遅くなりましたが、
各大学の大学駅伝2019-2020シーズンの振り返りと、卒業生の特集を行っていきます。
戦力ダウンささやかれた中、山下監督1年目は健闘か拓殖大学
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9位拓殖大学2:14:18
1区(8.0㎞)3位赤﨑 暁④24分22秒[3]1分19秒差
2区(5.8㎞)20位高橋達彦②17分54秒[15]1分42秒差
3区(8.5㎞)5位ラジニ レメティキ①24分08秒[12]1分45秒差
4区(6.2㎞)8位竹蓋草太②18分13秒[10]2分28秒差
5区(6.4㎞)9位佐々木虎太郎①18分49秒[9]3分14秒差
6区(10.2㎞)10位中井槙吾④30分48秒[9]4分20秒差
秋の記録会で拓殖大に2本柱が確立。レメティキ・赤崎選手が1万mで記録を出して、一気に他校のエースと戦える存在に。戦力的には厳しいと言われた中、光が見えて迎えた大学駅伝初戦です。
1区起用の赤崎選手が起用に応えて区間3位。超牽制となった2位集団を終盤動かしてのことで、しっかり力がついていると実感が持てる成績。ただ2区初駅伝の高橋選手が失敗レースの区間20位。15位まで下降します。
3区は初駅伝となるレメティキ選手。区間5位ながら、下位の流れに惑わされず設定どおりには走れていたようで、ひとまず及第点の成績。総合12位まで浮上します。
4区5区が収穫。ともに初駅伝の竹蓋・佐々木選手が区間一桁で走り切り、2人で総合9位まで浮上。アンカーは久々の駅伝の中井選手が9位を守ってのゴールでした。
16位拓殖大学5:24:06
1区(9.5㎞)21位竹蓋草太②28分40秒[19]0:51
2区(11.1㎞)3位ラジニ レメティキ①31分46秒[13]0:49
3区(11.9㎞)3位赤﨑 暁④33分57秒[6]1:05
4区(11.8㎞)14位佐々木虎太郎①35分13秒[9]2:11
5区(12.4㎞)15位吉原遼太郎③37分44秒[10]2:46
6区(12.8㎞)18位高橋達彦②39分40秒[12]5:00
7区(17.6㎞)19位清水崚汰③55分32秒[16]7:05
8区(19.7㎞)17位中井槙吾④61分34秒[16]10:51
前回の箱根駅伝の結果により推薦されていた全日本大学駅伝の出場権。2本柱以外がどれくらい踏ん張れるかがシード権に向けて大事な点でしたが、課題が浮き彫りになりkました。
1区は出雲で踏ん張った竹蓋選手が抜擢されますが、力不足の形で区間21位に。トップと51秒差が救いでしたでしょうか。2本柱が2区3区に入り、2区レメティキ選手が前回よりリミッター外れたか区間3位で8人抜き、3区赤崎選手も区亜3位で7人抜きの好走。一気に6位に浮上しシード権内に入ってきます。
ただ、甘くなかったですね。4区佐々木選手が他校の主力についていけず9位に後退。5区は復調してきた吉原選手が区間15位と踏ん張れず10位へ。6区は出雲のリベンジを期す髙橋選手でしたが区間18位と今回も失速。総合12位まで落ちます。
負の連鎖は続き、7区に主力の一角清水選手が投入されるも区間19位と非常に苦しい走り。一気に関東地区最下位に転落。8区中井選手も追い上げられず総合16位。箱根に向けてかなり厳しい結果を突き付けられました。
13位拓殖大学11:04:27(往路10位5:29:08、復路17位5:35:20)
1区17位竹蓋草太②63分40秒[17]2:27
2区2位ラジニ レメティキ①66分18秒[11]1:24
3区9位赤﨑 暁④62分53秒[11]4:06
4区14位吉原遼太郎③63分21秒[10]5:36
5区11位石川佳樹③72分56秒[10]7:52
6区18位玉澤拓海④60分27秒[11]10:01
7区10位兒玉陸斗②64分28秒[12]11:06
8区14位佐々木虎太郎①67分07秒[12]13:48
9区12位中井槙吾④70分25秒[12]16:00
10区20位清水崚汰③72分51秒[13]19:04
上尾ハーフでレメティキ・赤崎選手が61分台の大記録!2選手がとびぬけているだけに、どれくらい他の選手があがってこれるかというところ。主力の石川選手が間に合い、他の何人かの選手も記録会で結果を残し、初の3年連続シード権へ向けて懸命に戦える体制を整えました。
1区竹蓋選手…全日本に引き続き1区を担当。予想以上ののハイペースに途中からはついていけませんでしたが、63分台は現状の力を出し切れたといえるのでは。前を狙っていける位置に踏みとどまったのは良かったです。
2区レメティキ選手…17位の下位でタスキをもらいましたが、冷静に前を追い上げていく姿が印象的でした。じわりじわり順位を上げていき、6人抜きで総合11位。さらに66分18秒と歴代上位のタイムで区間2位タイ!しかもまだ1年生です。
本当に夏を超えてから一気に強くなりましたよね。練習法を変えたのもあるそうですが、凄い潜在能力です。出雲・全日本駅伝で駅伝を経験できたのも大きいでしょう。今後次第では、区間記録更新も夢ではないかも、そう思うほどの走りでした。
3区赤崎選手…さて、2本柱2人目の赤崎選手。この赤崎選手で一気に上位戦線まで加わりたかったのですが…。本調子では望めなかったようで区間9位。総合順位は11位とあげることができなかったのは誤算だったか。この地点ではこの後厳しい戦いになるのではとも思われました。
4区吉原選手…それここから粘るのですよね。昨年7区を走っている吉原選手が4区へ。ただ、今期はベストを更新していない中で準エース区間はどうかと思われました。それが区間14位ながらも総合10位に浮上。流れを継続させたまま、山に繋ぎます。
5区石川選手…3年連続の箱根駅伝…間に合いましたね。拓大の出雲・全日本の不振は彼が怪我でいなかった影響もありました。上尾ハーフを挟んでいきなり山登り5区出走でしたが、72分台の区間11位はしっかりまとめきったと言えます。後ろは詰められましたが、逃げ切って往路10位でのゴールでした。
6区玉澤選手…4年目最初で最後のチャンスを掴んだ玉澤選手。高校時代の持ちタイム伸び率ナンバーワンでもあります。ただ、結果は悔しい区間18位。序盤追いつかれた東洋今西選手についていったのを悔やんでいました。それでもまだ総合11位でギリギリ狙える位置でした。
7区兒玉選手…初駅伝ですね。出雲・全日本出走は無かったですが、トラックのタイムはチーム内でも上位でした。区間2位の早大の選手に交わされてしまいますが、懸命に前を追いかけ区間10位。流れを考えると上々の走りだったと思います。これは主力以外では一番の収穫だったかもしれません。
8区佐々木選手…1年生ですが、3度目の大学駅伝ですね。拓大内で評価高いのでしょうね。ほぼ1人で前を追いかける難しい展開。区間14位となりますが、総合10位との差は僅かに詰めて終盤の長距離区間に、シード権に望みを繋げます。
9区中井選手…2年ぶり2度目の9区。2年前は区間7位と好走しています。その時よりも早いペースで前を追いかけて70分中盤の粘りの走り。力は出しましたかね。ただ、10位争いが区間上位で行われたため、実質シード権は苦しくなりましたかね…。
10区清水選手…前回9区を走っている清水選手を10区へスライド。ただ、全日本失速したように今季は必ずしもよくありませんでした。箱根本戦も調子は上がり切っておらず無念の区間最下位。総合順位も一つ落として13位でのゴールとなりました。
この4年間で全日本駅伝2度出場、箱根駅伝のシード権初の2年連続獲得と拓殖大の最高成績を経験しているのですよね。原動力は一つ上の学年かもしれませんが、過去最速の日本人ランナーはこの世代から生まれました。
ここ4年間とその1年前のチーム記録
高3:箱根16位、予選6位、全日予選16位
大1:箱根14位、全日本8位、予選7位、全日予選4位
大2:箱根8位、予選5位、全日予選15位
大3:箱根9位、全日予選9位、出雲4位
大4:箱根13位、全日本16位、出雲9位
※関東インカレは2部
赤﨑 暁14分11秒62/28分27秒90/61分46秒
高3:14分24秒84/都道府県4区10位
大1:箱根10区12位、全日本5区11位、予選72位、全日予選2組35位
大2:箱根3区10位、予選19位、全日予選補欠、関東IChalf
大3:箱根1区18位、出雲6区9位、全日予選3組13位、関東IChalf
大4:箱根3区9位、全日本3区3位、出雲1区3位、関東IC5千1万
進路:九電工
高校時代の持ちタイムは14分24秒、この世代最速で、拓殖大にしてはかなり走力の高い選手を獲得しています。
戦力になるのも早く、全日本予選・箱根予選ともに出走、箱根予選は72位の好走を見せています。トラックも1万m29分55秒を記録しています。全日本駅伝で駅伝デビューし、箱根駅伝にも出場。いきなりアンカーを任されたのは、長い距離に早く順応したからでしょうか。一人旅で区間12位のまずまずの走りでした。
2年時からは関東インカレにも出場し始めますね。春先は状態がいつもあがりきらないか、入賞からは遠い成績でした。3年時の全日本予選の3組13位がまずまずの成績でしょうか。赤崎選手はやはりロードシーズンにぐっとあがりますね。
びっくりが2年時の箱根予選で個人19位の好走。一気に主力選手になると、箱根駅伝はスピード区間の3区。上位の流れに乗り区間10位と粘りの走り。4年ぶりシード権獲得に貢献します。
3年時は1万28分53秒の記録を出し、主要区間に抜擢。出雲駅伝はアンカーで4位のゴールテープを切ります。箱根駅伝は単独走に不安があるということで1区起用。ただ、途中からペースの上がるレースについていけず区間18位に。チーム結果9位に留まった一因となってしまいました。
さて飛躍したのが4年目の秋です。1万m28分27秒を記録すると、出雲駅伝で1区区間3位。スロー展開からの叩き合い、うまく上位に入りました。全日本駅伝は3区を担当。前を追いかける展開で存分に力を発揮して区間3位。チームの順位を引き上げました。
上尾ハーフで61分46秒で山下監督「見た中で最速」と誉め言葉。最後の箱根は3区。どこまでチームの順位を引き上げるか期待がかかりましたが、本調子ではなく区間中位に。ただ、都道府県対抗駅伝でまた調子を上げてきていましたね。九電工の前に、NYCハーフもあります。これからもっと活躍する選手です。
中井槙吾14分42秒12/29分46秒75/63分23秒
高3:14分53秒29
大1:予選165位、
大2:箱根9区7位、予選64位、全日予選2組29位、関東IChalf
大3:全日予選2組14位、関東IChalf11位
大4:箱根9区12位、全日本8区17位、出雲6区10位
進路:セキノ興産
中井選手は長い距離になるほど強かったでですね。高校時代は14分53秒の持ちタイムながら、箱根予選165位の健闘、ハーフで64分37秒のタイムを残していて、将来が期待されていました。
2年になって徐々に開花。全日本予選2組29位と粘ると、その後1万29分48秒を記録します。ロードはさらに強く、箱根予選64位と前年から100以上浮上、箱根駅伝は9区を任されると区間7位の好走。チームの4年ぶりのシード権獲得をほぼ決定づける好走でした。
3年春が絶好調。関東インカレハーフで11位に入ると、全日本予選は2年連続2組で登場。組14位と前回よりも成績をアップさせていました。ところが夏を超えて中井選手の名前が主要大会に出てきません。故障で長期離脱でした。チームが結果を残す中、寂しかったのではと思います。
4年目の春先にも試合に出場せず、心配されましたが、夏前に試合復帰。ハーフマラソンに出場、トラックで1万29分46秒のベストを出して主力に戻ってきます。出雲・全日本ともにアンカーを担当、チームの戦力低下がある中、長距離区間を支えます。
上尾ハーフで63分23秒と好記録。箱根は2大会ぶりの出場で9区でした。高速化している中、区間順位は12位でしたが、シード権に向けて懸命の追走が印象的でした。実業団のセキノ興産でもう一花咲かせてほしいですね。
玉澤拓海14分37秒59/29分38秒87/65分39秒
高3:16分51秒83
大1:
大2:
大3:
大4:箱根6区18位、全日本補欠、関東IC1500m
成長率ナンバーワンにあげられていた選手。今年の箱根駅伝出走者で、高校時代ベスト16分51秒83は最も遅い記録です。これで出場にこぎつけるのですから、凄いですね。
このブログでは、記録会の大学別結果も載せていますが、記録上位選手のみなので下級生の頃の結果は乗っていません。このブログでは、3年春に1500m3分58秒を記録したのが残っています。そして3年秋に1万30分12秒、5千14分37秒のベスト記録、ハーフも66分29秒まで記録を伸ばしていますね。記録上、3年になって一気に伸びてきています。
4年生は関東インカレ1500mで出場!タイム基準のある関東インカレの出場も記録物ですよね。4年の秋はロードのレギュラー争いも参戦、全日本駅伝の補欠に選ばられると、11月には1万m29分38秒の好記録をマークします。
山下監督に山下りの適性を見出され、山下り6区で最初で最後の箱根路のチャンスを掴みます。区間18位の結果は悔しいものとなりましたが、無名ランナーからの成長、一つ大きな足跡を残しました。都道府県対抗駅伝岩手代表に選ばれたのも誇りかな。
楠本幸太郎14分25秒47/29分55秒58/64分41秒
高3:14分53秒78
大1:全日予選補欠
大2:
大3:箱根補欠、全日予選補欠
大4:関東IChalf
楠本選手は、1年時の全日本予選の時にエントリーに選ばれていて、早い段階でレギュラー争いに参戦していた選手。3年時に一気に成長し、5千14分25秒、1万29分55秒、ハーフ64分41秒のベスト記録をマーク、箱根にも初めてメンバー入りを果たして、一気にレギュラーに近づきました。
4年時には関東インカレハーフに出走、ここからというところでしたが…部内争いが激しかったですかね。自身も4年秋1万30分23秒、上尾66分02秒にとどまり残念ながらメンバーには選ばれませんでした。
藤井拓実14分45秒94/30分02秒04/64分27秒
高3:14分55秒
大1:箱根補欠、全日本補欠、予選313位、全日予選補欠
大2:箱根補欠、予選198位
大3:全日予選補欠
大4:
1年時に何度もメンバーに選ばれているのですよね。全日本予選・本戦、箱根本戦の補欠の一人。箱根予選に唯一出走し、失速してしまいましたが、上尾ハーフ65分12秒を記録していて、今後が楽しみになりました。
2年時も箱根予選に出走し予選198位。箱根も補欠に入ります。3年時は全日本予選補欠に入りましたが、このあたりで足踏み。試合に出場できなかった時期もありました。
そんな中、4年秋再び伸びてきて、上尾ハーフで64分27秒のベスト。箱根メンバーには選ばれませんでしたが、その後の記録会で30分02秒の大幅ベスト。記録で大きくチームを盛り立てました。
土井春樹15分01秒34/30分19秒34/66分48秒
高3:15分01秒34
大1:
大2:箱根予選補欠
大3:
大4:
土井選手は2年時に一度箱根予選のメンバーに選ばれているのですよね。1マン30分19秒を記録して一番勢いがあったときです。ハーフは3年時の66分48秒が最高ですかね。最終学年も記録会に出ていましたが、2年時ほどの記録は出せず、エントリーには選ばれませんでした。
松下 良14分28秒58/30分31秒22/66分42秒
高3:14分28秒58/高校5区3位
大1:全日本補欠、関東IC3障
大2:
大3:
大4:
赤崎選手のほかにもう一人有力ルーキーいました。松下選手は14分28秒、高校駅伝5区3位の実績がありました。関東インカレ3障で出場し、全日本本戦で補欠に選ばれていました。
ここから伸び悩んで4年時には部員名簿に名前がなくなっていて無念。長い距離は2年時上尾ハーフ66分42秒が最高記録でした。
飯塚 匠14分57秒71/30分39秒41/66分33秒
高3:
大1:
大2:
大3:
大4:
進路:セキノ興産
4年間エントリーなかった選手で、一人実業団で続ける選手がいます。飯塚選手はセキノ興産で実業団で競技を継続します。
3年時学生ハーフ67分52秒、4年時上尾66分33秒。さらに12月の記録会で30分39秒まで伸ばしています。走力はまだまだですが、これからさらに伸びるのか注目です。
他、桑原選手が4年終盤までエントリー争いに参戦、西山選手が12月に5千大幅ベスト。それぞれ競技生活を全うしています。