いよいよドーハ世界陸上2019が始まりますね。
箱根駅伝ファンとしては、男子長距離の派遣人数が少なかったのが残念ですが、
男子マラソンの3人代表者(川内優輝・二岡康平・山岸宏貴選手)は、全員が箱根駅伝出身者です。
男子マラソンが始まるまでに3選手、改めて紹介したいと思います。
まずは山岸宏貴選手(GMOアスリーツ)です。
陸上歴を中心にまとめました。
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【長距離自己ベスト】
5000m13分56秒97
10000m28分40秒50
ハーフマラソン1時間2分51秒
マラソン2時間10分14秒
山岸選手は陸上選手としては、大学時代にぐっと頭角を現してきたのですよね。2010年4月に上武大学に進学。当時は、まだ箱根駅伝出場2度でしたが、花田勝彦監督を中心として、シード権獲得に向け、上り調子になっていた頃です。
高校時代はあまり実績が高くはなかった山岸選手ですが、入学して直に長い距離にも対応。1年目から箱根駅伝予選会を走り、62分36秒のチーム10番手とまずまずの成績を残します。この時は駅伝の出走機会はありませんでした。
2年目で一気に主力入り。6月全日本大学駅伝の予選会で3組10位の好成績で、全日本大学駅伝初出場に貢献すると、箱根駅伝予選会でも前回より1分短縮する61分41秒。確実に成長します。
本戦では、いい流れの中で襷をもらった全日本大学駅伝5区で、区間5位の好走。流れに乗ったチームは初出場・初シード権。大きくチームに貢献します。一転、注目校として迎えた箱根駅伝は3区区間18位。序盤に留学生2人に抜かれるなど、苦しい走りとなってしまいました。初箱根は苦いデビューでした。
3年時も確実に成長。箱根予選会は今回も1分近くこうする60分49秒。全日本大学駅伝は3区区間7位としっかり乗り切ります。上武大の中では結構スピードもあった方です。箱根駅伝は前回と同じ3区を任されますが、チームが序盤から遅れたこともあり区間15位にとどまります。
一気に伸びたのは最終学年、この年はユニバーシアードのハーフマラソン代表の座を射止め、4位という戦火を上げます。箱根駅伝予選会は調整が難しい中、60分27秒と過去最高の成績を収めます。
最後の箱根駅伝は第90回記念大会、初めて1区を任されます。この年の1区は駅伝長距離ファンなら思い出すでしょう。早大・大迫選手や駒大・中村選手など、後にマラソンでMGC出場権を争うほどの強豪ランナーと対決します。
序盤から非常にハイペースになる難しい展開の中、かなり長い間第一集団に食らいつきます。最後まで崩れることなく区間10位は好走と言える結果です。2区以降もチームが健闘し、初めて往路の終盤までシード権争いに加わりました。チームにしっかり勢いを付けました。
2014年4月に日立物流に入社。スピードがあるチームで、NY駅伝でも度々入賞争いに顔を出す強豪チームです。そんなチームに置いて、ルーキー時代からNY駅伝の最長距離区間4区を任されます。そこでもしっかりとした成績を残します。確実に長距離ロードで強くなっていましたね。
その直後の延岡西日本マラソンで初マラソンを経験。その時は2時間13分54秒とまずまずの好走をします。半年後のシドニーマラソンで2時間12分48秒の自己ベスト。連続して安定した成績を残します。
東京マラソン2016で満を持して、五輪に挑戦。早いペースについていきますが、やはりそう簡単ではなく、2時間12分27秒。自己ベストを出しますが、少し悔しい成績となります。
そんな中、上武大時代に監督を務めた花田勝彦監督が、新たに立ち上がったGMOアスリーツの監督に赴任します。花田監督の下で、マラソン中心に活躍したいとの思いもあり、2016年4月に、GMOアスリーツに移籍します。
しばらく2時間12分台の成績が続きますが、東京マラソン2018でついにその壁を突破。2時間10分14秒の自己ベストを出します。その年の12月に行われた福岡国際マラソンでは、そのキロ億には及ばずも2時間10分42秒の好記録を継続。ワイルドカードによるMGC出場権を獲得します。
そんな中、山岸選手はドーハ世界陸上のマラソン代表を希望。上武大出身者、そして花田勝彦監督の教え子で初めて世界大会代表選手となります。かつて、世界大会出場を誇る花田監督の念願がかないました。
2019年3月に結婚、私生活も充実している中、春になって何度かレースに出場、5月GGNを最後にマラソン練習に専念しています。その成果が楽しみですね。