参照サイト:マラソングランドチャンピオンシップOfficial Site
気が付けば、マラソングランドチャンピオンシップ:通称MGCが、もうまもなく迫ってきていますね。
この大会で、上位2名の東京オリンピックマラソン代表内定、3人目は日本記録相当の記録が、今後のマラソンで出ない限りは内定と、非常に重要な大会となります。
ここでは、男子のマラソンの部に出場する選手を紹介していきます。
続いて、近年の箱根駅伝のスター選手たち:神野大地・堀尾謙介・鈴木健吾・一色恭志(欠場発表)の紹介です。
一色選手は欠場が発表されていますが、メッセージも込めています。
MGC出場選手紹介①【大迫 傑・設楽悠太・井上大仁・服部勇馬】
MGC出場選手紹介②【山本憲二・佐藤悠基・中村匠吾・今井正人】
MGC出場選手紹介③【中本健太郎・岡本直己・園田 隼・山本浩之】
MGC出場選手紹介④【木滑 良・宮脇千博・岩田勇治・上門大祐・橋本 崚】
MGC出場選手紹介⑤【大塚祥平・高久 龍・竹ノ内佳樹・福田 穣・谷川智浩】
ページコンテンツ
自己ベスト
5000m13分56秒05
10000m28分17秒54
ハーフマラソン1時間1分04秒
フルマラソン2時間10分18秒
お茶の間的には、3年時の箱根駅伝山登りで話題になった選手。高校時代は、3年時に都道府県対抗駅伝で5区4位の好成績。青学大に入学してからは長い距離を中心に台頭、2年時出雲駅伝アンカーで大学駅伝デビューすると、箱根駅伝では華の2区を担当しているのですよね。やはり長いロードが若い頃から強かった印象です。
3年生になってからぐっと走力が増し、関東インカレハーフ2部優勝、全日本大学駅伝アンカーで区間3位の好成績。このあたりは玄人好みでしたかね。箱根前に、上りの適性が判明し、山登り5区に抜擢。すると、序盤から驚異的なペースで飛ばし、76分15秒と参考ながら大幅な区間新記録をマーク!青学大の往路初優勝と総合初優勝に大きく貢献。時の人となりました。
4年時は、疲労骨折など怪我が相次いで苦しいシーズンとなりましたが、僅か1か月の調整機関で、再度の山登りに挑戦。昨年より3分以上タイムを落としながらも79分台で区間2位、2年連続の往路優勝に貢献します。なお、在学中にハーフマラソン61分台、クロスカントリー日本選手権2位に入り、兵での実績も持って、強豪コニカミノルタに入社します。
早い段階から東京オリンピックでのマラソン挑戦を表明し、入社1年目に30㎞ロードを経験。2年目満を持して福岡国際マラソンでマラソンに参戦。本人納得いかないも2時間12分台で一定の素質は示しています。2度目となった東京マラソン2018で、終盤に腹痛で苦しむも2時間10分19秒と大幅な自己ベストを出します。
ただ、このままでは東京五輪で戦えないと、2018年4月30日をもって、プロランナーへ転向。何度もケニアに合宿を敢行、またレース中に度々起こる腹痛へのアプローチも様々試すも、中々結果がでず。苦しい時期が続きます。
5度目のマラソンとなった東京マラソン2019、確実にタイムを狙うため第2集団で待機。それも16㎞で遅れてしまい、これまでかと思われました。ただ、大幅なペースダウンはせず、尻上がりに順位アップ。腹痛にもなることなく、粘り切り2時間11分05秒。ワイルドカード(上位タイム2戦平均2時間11分00秒)でMGC出場権を決めました。
プロ転向当初、失敗続きだったこともあり、一時期酷評される事もありましたが、独自強化が一つ実を結びました。マラソンを始めてそんなに年月が経っているわけではありませんが、かなり濃密だったのでは…と思います。MGC前のケニア合宿も順調にこなせたようで。ついに会心のレースが見られるかもしれません。
自己ベスト
5000m13分33秒51
10000m28分34秒54
ハーフマラソン1時間1分57秒
フルマラソン2時間10分21秒
中学時代は全日中出場、高校時代はIH出場や高校駅伝エース区間1区で13位とまずまずの成績。当時、戦力が落ちつつあった中央大では、非常に期待された存在でした。2年時になってから台頭してきて、箱根予選にも対応。チームが予選落ちの悲しみに暮れる中、選抜にて箱根駅伝2区を経験します。
3年時になってからは、完全に主力に成長。箱根予選でも復活の3位通過に大きく貢献。2度目となった華の2区でも堂々と他校の主力に台頭します。4年次は春こそ苦しみますが、秋に大きく成長。箱根予選でハーフ61分台の好タイムをマーク、さらに5000mで13分33秒と2018年の日本人学生1位となるタイムを叩き出します。
箱根駅伝は3年連続華の2区を担当。1区の選手の好走もあり、東洋大の選手と終始トップ争い。183㎝の長身の黒縁のメガネの姿が印象に残った駅伝ファンも多かったのではないでしょうか。このあたりまでは、ハーフも走れるスピードランナーという印象でした。
中央大卒業直前、東京マラソン2019で初マラソンに挑戦。第2集団でレースを進めて、今の時点でどのくらいまでついていけるのだろうか、という視点で見ていましたが、驚きの走りを見せます。
30㎞までしっかりつくと、そのあたりから集団の主導権を握りしめます。3月ですが季節外れの寒さで、多くのランナーがエネルギーを消耗し、急失速する中、どんどん順位を上げていきます。そしていつの間にか日本人トップに!2時間10分21秒のタイムでMGC出場権を見事に獲得します。
その後、トヨタ自動車に入社。NY駅伝で優勝争いする強豪チーム、チームメイトにもMGCで強力なライバルもいますから、いい刺激になっているのではないでしょうか。MGCファイナリストとしては最年少、マラソン経験も最小の1度で臨むことになります。2度目非常に重要な大会でどのような走りを見せるか非常に気になる存在です。
自己ベスト
5000m13分57秒88
10000m28分30秒16
ハーフマラソン1時間1分36秒
フルマラソン2時間10分21秒
高校時代、2年生まで無名の存在も、3年時インターハイ5000mで10位に入り、陸上関係者を驚かせた選手。なお、神奈川大の大後監督は、1年時からマークしていて、既に神奈川大進学が決まっていたというのはコアな駅伝ファンはご存じだろう。
大学時代は、1年時から駅伝でレギュラー入り、2年時には箱根予選20㎞で59分台を出すまで成長し華の2区を初経験します。3年時には早くも駅伝主将に任命、箱根予選で日本人トップの58分台をマーク。そして2度目の華の2区、権太坂の下りで先頭集団から抜け出し、トップを疾走したのは、多くの駅伝ファン印象に残っているシーン。67分17秒の好タイムをマークします。
4年時もユニバーハーフに出場する活躍。一時、疲労がたまったため、出雲駅伝を欠場してしまいますが、全日本アンカーに合わせてきていました。チームが頑張り、7区まで2位でトップが見える位置をキープ。スタート後わずか数キロでトップに立つと、そのまま伊勢路のゴールテープへ。20年ぶり神奈川大の優勝に貢献し、一躍時の人となります。
東京マラソン2018に出場すると決めていた、箱根駅伝2018は、昨年のタイムこそ越えられなかったものの、2年連続67分半切。狙ったレースで一定の安定感を示しました。続けて出場した初マラソン、第2集団で35㎞まではそれほど苦しい顔は見せずに飄々とした走り。
このままいけるかと思われましたが、さすがにここからは身体が動かず、2時間10分21秒。それでも高いポテンシャルを感じさせました。ただ、実業団に入る段階で故障。マラソンどころか試合に出られない日々が続きました。
12月にやっと試合復帰し、NY駅伝に向けて調整。ところが、脚に違和感が出てきたということで欠場を余儀なくされます。3月新潟ハーフで63分台で走りましたが、MGCに関しては厳しいのではと思われました。
それでもチャンスはあるということで4月末ハンブルクマラソンに挑戦。ワイルドカードで2時間11分39秒以内を出す必要がありました。そのレース終盤近くまで日本人集団に食らいつくと、最後も懸命の力走。2時間11分36秒、ギリギリでワイルドカードでのMGC出場権を取得。そして、男子勢最後のMGC出場権獲得となりました。
マラソンとしてのポテンシャルはやはり高いのでしょうね。初マラソン前の大学4年時も好不調があり、2度目のマラソンの間には故障離脱があったにも関わらず、最低限にまとめてきました。その後は充実した練習が積めているようです。思わぬ好走があるかもしれません。
自己ベスト
5000m13分39秒65
10000m28分23秒40
ハーフマラソン1時間2分09秒
フルマラソン2時間9分43秒
高校時代から有名な選手でした。1年2年時は仙台育英高、3年時は豊川高校で全国高校駅伝を経験。3年時は豊川高校の初出場初優勝を経験しています。大学は選手が充実し始めていた青山学院大へ進学します。
1年時から三大駅伝すべてを経験。全日本・箱根駅伝と1区での好走が光りました。2年時は優勝候補の一つに挙げられた中、トップ争いの中で花の2区で襷をもらうと、67分台の好走でトップ争いをキープ。後にチームメイトが逆転し、初優勝を経験します。
その後日本学生ハーで優勝し、名実ともに日本学生長距離界を代表する選手に。3年時の箱根駅伝も華の2区に登場し67分台。トップで襷をもらいトップ中継。往復完全優勝に貢献します。その直後に、原監督が「適性ある」というマラソンにも挑戦。日本人3番手の2時間11分45秒で走り切ります。
4年時は、チームが最も充実し3冠を狙ったシーズン。一色選手は、出雲6区、全日本8区、箱根2区と最長距離区間ばかりでした。3冠に一番危なかった全日本8区もしっかり逆転優勝。箱根2区は本調子ではなかった中、67分台。日本人として唯一の記録でした。
ここまで順調でしたが、卒業直前のびわ湖毎日マラソンは25㎞途中棄権。ここから若干歯車が狂い始めます。好記録続出の東京マラソン2018こそ2時間9分43秒に入りましたが、日本人上位あるいはワイルドカードが手に入る2時間12分17秒に中々手が届きません。
東京マラソン2019は、35㎞超えるまでほぼ大丈夫だろうというタイムでしたが、寒さで急失速。僅か4秒届かない2時間12分21秒で力尽き倒れこみました。もう挑戦は終了したと思われましたが、中2か月弱でハンブルクマラソンに挑戦。2時間11分23秒でまとめ、執念でMGC出場権を獲得しました。
ただ、ハンブルクマラソン以降試合出場がなかった一色選手。連戦大丈夫だったかなと思っていたのですが、残念ながら欠場が発表されました。
練習の経過を見て決断したそうです。MGC、そして東京五輪が全てではありません。その後、2021年・2023年世界陸上、2024年のパリ五輪と世界大会は続いていきます。
11月3日、GMOアスリーツ初参戦となる東日本実業団で出走あるかもしれませんが、じっくりと心身ともに、リフレッシュしてほしい、一駅伝ファンとしてそう思っています。