2019年の前半シーズンが終了。各大学、夏合宿となっていきますね。
その間に、有力校の現状の戦力分析や、秋の大学駅伝の区間オーダー予想などをしていきたいと思います。
前回箱根駅伝9位の拓殖大学は、連続シード権へ向けて盛り返していけるでしょうか。
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10000m持ちタイムトップ10
※関東インカレ2部10000m
赤﨑 暁④28分53秒89≪19:箱1区18位、18:出6区9位、箱3区10位、17:予19位、箱10区12位、16:全5区11位、予72位≫関東IC1万m、5千m
吉原遼太郎③29分15秒12≪19:箱7区17位、18:出5区8位≫関東IC1万m
石川佳樹③29分16秒75≪19:箱4区13位、18:箱7区9位≫関東IC1500m6位、5千
ラジニ レメティキ①29分20秒48★関東IC1万m5千8位
清水崚汰③29分44秒01≪19:箱9区14位、17:予184位≫
中井槙吾④29分46秒75★≪18:箱9区7位、17:予64位≫
清松拓真③29分47秒74関東IC1500m
楠本幸太郎④29分55秒58関東ICハーフ
桐山 剛②30分03秒15
工藤 翼①30分04秒59
その他、有力選手
玉澤拓海④30分12秒70関東IC1500m
高橋達彦②30分14秒76★
澤田大輝②30分15秒87
前田晃伸③30分21秒20★
松岡涼真③30分25秒80≪19:箱10区5位≫
関根大地①30分43秒58★
竹蓋草太②half64分40秒関東ICハーフ
江口清洋①関東IC3障
佐々木虎太郎①関東IC3障
拓殖大は、今年の箱根駅伝でチーム初の2年連続シード権獲得。貢献した世代が抜けて、更にベテラン監督の退任も重なり、まさに新しいチームを模索している段階です。新たに来日した留学生のレメティキ選手は、まだ大学陸上界全体としては目立たないものの、レースを追うごとに着実にレベルアップして、秋には楽しみな存在です。
日本人は、下級生の頃からチームを引っ張る4年赤崎選手、箱根駅伝を走った3年石川・清水・吉原・松岡選手らが中心。インカレでは石川選手が元気でした。4年では、長い故障から復調しつつある中井選手、最後の大学駅伝を狙う楠本選手あたりも主力候補。
下級生は育成で育つつあり、関東ICハーフでは2年生の竹蓋選手が健闘、1年生江口・佐々木選手が3障で懸命に戦った。他2年生も1万m30分前半まで走力を伸ばしており、夏の充実さでは覚醒する可能性もありますね。
レメティキ選手は、3月の時点で既に拓殖大陸上部に所属し、早くから順応しようとしていたと思います。5000m持ちタイム13分35秒にちょっと驚きましたが、関東インカレのあたりまではまだそこまで目立たなかったですかね。
それでも2種目の5000mで8位入賞し、得点を獲得します。そして7月士別ハーフで、63分少しのタイムで優勝!決して気象条件が良くなかった中で、これはちょっとびっくりしましたね。だんだん慣れてきてたからか、それともロードの方がいいのかは分かりませんが、磨けば光る存在かもしれませんよ?順調なら、エース区間いきなり任せても良さそうです。
亜大⇒拓大で監督をされていた岡田さんが退任、そして亜大岡田監督時代に、総合優勝に大きく貢献した山下監督が着任されています。岡田さんも1年ほどは面倒を見る形でしたかね。岡田監督はかなり走り込みでロード力に磨きを入れる方(ここ最近は拓大の選手でトラックのタイムが伸びる選手も多かったですが)で有名でした。ひとまずは、その方針も継続でしょうか?
春の成果としては、主力石川選手の1500m入賞が一番、竹蓋選手のハーフの健闘もありました。赤崎、清水、吉原選手あたりはもう少しといったところでしたがでしょうか。また夏前は珍しく全日本駅伝予選がない年で、どうするかと思われましたが、あまり試合には出てこず、走り込み中心になった感じですかね。
最近では、黒姫駅伝に参戦、新戦力候補を試している様子もありました。選手層の面では現状決して厚いチームではなく、連続シード権獲得はやや厳しいのではという声も上がっているかなぁ…。その中で、ここからの戦いに注目です。
まず出雲駅伝です。初めての駅伝になるレメティキ選手は、まずは1区でデビューさせるのが良いかなと思います。ヨーイドンですし、特に出雲駅伝の1区はエース級の選手を置くチームが多いですので、走力的にも対応できるのは彼かなと。いいデビューになればと。
2区はスピード的には石川選手。拓大の中では1500mをやれるなどスピードがありますので、うまく流れを引き継げれば。3区と6区の主要区間には順当なら赤崎・清水選手あたりになるでしょうか。往路経験者の赤崎選手、復路経験者の清水選手。新しい経験をさせるので、逆もありかな?
4区と5区は主力候補の選手を並べて、勝負をしに行ってもいいのですが…距離が短いですので、若手や新戦力を置いてもいいかもしれません。スピードランナーの清松選手やルーキーを置いてみてもいいかもしれません。どこまで粘れるでしょうか。
まずレメティキ選手の起用方針から。出雲で1区を経験させたということで、今度は2区以降の区間に置きたい。出入りの激しい2区で追いかけたりするのがどこまでできるかというところ。箱根駅伝2区想定で、7区以降も考えましたが、拓大はスピードランナーがやや少ないチームなので、前半に置いて流れを掴むのも兼ねています。
そして1区は石川選手。スピードもあるほうなので、何とか対応できればと思っています。3区と4区は駅伝経験のある清水・吉原選手で耐える事ができればと思っての起用。ここを凌げば、4年生に渡すことが出来ます。
5区に出走すれば初駅伝となる楠本選手。前年度はトラック・ハーフでいいところまでいきましたが惜しくも出走メンバーに届かなかった選手。そろそろデビューできるはず。6区は、登場すれば2年箱根以来となる中井選手。1年以上のブランクのすえ、記録会に復帰。箱根前に一度駅伝を走れれば。
7区はシード権争いに向けて勝負区間。1年時から駅伝を走っている赤崎選手を7区。スピードも少しずつついてきていて、箱根3区の好走もありますね。他校のエースと勝負出来れば。8区はロードで伸び盛りの竹蓋選手。初駅伝でアンカーは荷が重いですが、自分の走りができればと思います。
6区(20.8km)江口清洋①※山下り
7区(21.3km)楠本幸太郎④
8区(21.4㎞)松岡涼真③
9区(23.1㎞)中井槙吾④
10区(23.0㎞)吉原遼太郎③
さて、3年連続シード権を狙っていける体制になっていくかどうか。1区は年々力をつけてきている石川選手。順調なら対応可能な力をつけていると思いますがどうでしょうか。2区は夏前にハーフマラソンで結果を出したレメティキ選手。この時期に走れるなら、68分きりまでなら望めるかもしれません。これなら上位の流れに乗っていけるかも?
そして3区に4年生赤崎選手を惜しげもなく投入。2大会前も同じ展開で、流れを加速させています。その時以上の走りができればついていけるはず。4区は、前回9区で粘った清水選手をこちらへ。これまでの主要区間の経験が生きれば。
山は、上り下りともにスペシャリストが卒業してしまい、予想が難しいですし、拓殖大として中々しんどいところ。下級生で対応できる選手がいればと思い、長い距離得意な竹蓋選手と3障の脚力がある江口選手で予想しておきます。ここでシードラインから離されずに入れるかどうか。
7区からも安定した上級生を起用できればと思います。大事な7区は4年楠本選手。毎年少しずつ積み上げてきている選手。復路にはもってこいなのではと感じます。8区には前回アンカーでいい走りをした松岡選手を、少し早めに。中盤以降の伸びが遊行寺坂に活きれば。
9区は満を持して中井選手!2大会前、拓大らしく後半伸びる走りで区間一桁。シード権獲得に大きく貢献しています。いいところにいればキーになれるはず。10区は、前回7区の吉原選手。今は少し調子を落としていますが、走力はついていきています。しっかりと襷を運んでくれれば。
どうでしょうか。戦える人数はギリギリ揃っていますかね。山をどうするかなどは分かりませんが、3年連続シード権は狙える範囲にはあるかもしれません。レメティキ選手など攻める区間がしっかりあれば、ここ2年の拓大に近い姿が見られる可能性はありそうです。