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第75回箱根駅伝1999【1区を振り返ってみる】

今年も20年前の箱根駅伝を振り返る企画をやっていきます。

今回は第75回箱根駅伝1999となります。

いつも通り各区定点間分析をしていきます。

まずは1区です

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第75回箱根駅伝1999【1区定点間分析】

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1区走者

小松直人③(神大)
西田隆維③(駒大)
宮原充普③(山学)
久保田瑞穂④(中大)
岩水嘉孝①(順大)
郷原 剛④(早大)
巽 浩二③(日大)
東 勝博④(拓大)
真名子圭②(大東)

高橋尚孝④(東海)
吉冨武宏③(帝京)
沢柳厚志④(東洋)
井上 太③(中学)
佐藤洋平②(日体)
徳本一善①(法大)

こう見ると役者が揃っていますね。3連覇を狙う神大は小松選手、初優勝を狙う駒大は西田選手と充実した3年生がいます。また順大は将来のエース候補岩水選手、躍進候補の拓大は前回2位の東選手。中大も3年連続1区安定の久保田選手で上位を狙っていきます。また覚醒前の徳本選手もいますね。

田町4.7㎞

1位東(拓大)13分59秒
1位郷原(早大)13分59秒
1位高橋(東海)13分59秒
1位沢柳(東洋)13分59秒
1位真名子(大東)13分59秒
6位西田(駒大)14分00秒
6位小松(神大)14分00秒
6位久保田(中大)14分00秒
6位徳本(法大)14分00秒
6位宮原(山学)14分00秒
11位巽(日大)14分01秒
11位井上(中学)14分01秒
11位岩水(順大)14分01秒
14位佐藤(日体)14分02秒
14位吉冨(帝京)14分02秒

序盤は比較的落ち着いていたのですよね。しいて言えば。拓大東選手、それから早大郷原選手が積極的に前にいた記憶があります。

東選手は、昨年ハイペースの中区間2位。郷原選手は、早大のメンバーの中では一番調子がいいということでの起用、前のほうで様子をうかがっています。

蒲田15.2㎞~田町4.7㎞=10.5㎞

5位高橋(東海)32分04秒<1>46分03秒
5位郷原(早大)32分04秒<1>46分03秒
2位西田(駒大)32分03秒<1>46分03秒
2位宮原(山学)32分03秒<1>46分03秒
2位久保田(中大)32分03秒<1>46分03秒
10位東(拓大)32分05秒<6>46分04秒
10位真名子(大東)32分05秒<6>46分04秒
1位佐藤(日体)32分02秒<6>46分04秒
5位小松(神大)32分04秒<6>46分04秒
10位沢柳(東洋)32分05秒<6>46分04秒
5位巽(日大)32分04秒<11>46分05秒
10位徳本(法大)32分05秒<11>46分05秒
5位井上(中学)32分04秒<11>46分05秒
10位岩水(順大)32分05秒<14>46分06秒
15位吉冨(帝京)32分10秒<15>46分12秒⑮0:09

全体としてのペースは落ち付いていて、1㎞3分を少し超えるペースとなりました。積極的に前の方にいるのは東海・高橋選手、早大・郷原選手もずっと前。さらに駒大・西田、山学・宮原、中大・久保田選手ら優勝を狙えるチームが前の方に位置し始め、臨戦態勢となりました。

そんな中、2年連続2度目の出場の帝京・吉冨選手が後退。4㎞あたりから汗がかなり気になっていたが最初に遅れ始めました。予選を走っていない選手を起用に踏み込んだが、ここはうまくいかなかったか。

なお、蒲田の踏切の直後、定点では中盤に位置している大東・真名子選手もこの直後に後退。ちょっと厳しい出だしとなりそうな気配だ。

鶴見中継所21.3㎞~蒲田15.2㎞=6.1㎞

1位東(拓大)17分57秒<1>64分01秒
2位小松(神大)18分00秒<2>64分04秒②0:03
3位西田(駒大)18分01秒<2>64分04秒③0:03
4位高橋(東海)18分03秒<4>64分06秒④0:05
5位久保田(中大)18分06秒<5>64分09秒⑤0:08
6位佐藤(日体)18分11秒<6>64分15秒⑥0:14
7位巽(日大)18分13秒<7>64分18秒⑦0:17
8位岩水(順大)18分17秒<8>64分23秒⑧0:22
9位宮原(山学)18分31秒<9>64分34秒⑨0:33
10位徳本(法大)18分37秒<10>64分42秒⑩0:41
11位郷原(早大)18分43秒<11>64分46秒⑪0:45
12位井上(中学)18分49秒<12>64分54秒⑫0:49
13位沢柳(東洋)18分56秒<13>65分00秒⑬0:59
14位真名子(大東)19分20秒<14>65分24秒⑭1:23
15位吉冨(帝京)19分33秒<15>65分45秒⑮1:44

さて、13人の大集団が大きく動いたのが、17.3㎞地点六郷橋登りの僅か手前。東海高橋選手がスパートして隊列が縦に長くなる。17.5㎞の上り坂では。高橋選手が一旦引いて、中大久保田選手が押し出される形で前に。

この頃には1位から13位まで20m以上差がついてきていた。つまりもう集団というより、ついていけなくなった選手が出てき始めたところだ。3人ははっきり遅れ始めていて、11位法大徳本、12位早大郷原、13位東洋沢柳選手となっていた。ずっと前にいた郷原選手は力を使ったのだろうか。ぐっと後ろに下がった。

さらに、山学宮原選手あたりもやや離れ始め、これに中学井上選手が食いつこうとする形。順大岩水選手は何とかついていて集団は8人で18㎞へ。

18.4㎞駒大西田選手が前に出てきて、じんわりとスパートをかける。初優勝のかかる大事な1区勝負に出てきた。これに日大・巽、順大・岩水選手がついていけず後退。集団は6人に。岩水選手の後ろは、9位宮原選手だが30m以上後方。井上選手はつけず、徳本選手に交わされ後ろへ。

西田選手がずっと引っ張り続ける。18㎞~19㎞は2分51秒だったそうだが、このペースに日体佐藤選手がついていけず単独6位へ。集団は5人になった。

そして19.8㎞西田選手が2度目のスパート!これで一気に飛び出るかと思いきや、拓大東選手だけが食らいつく。さすが前回区間2位の実力者だ。なお、駒大と拓大どちらも1区鶴見中継所トップ通過なら初めてとのこと。

20.3㎞、もう残り1㎞というところ。東選手が西田選手の横に付いた。そして20.8㎞、東選手がスパートをかける。西田選手が苦しそうな表情で襷を早くもとるシーン。解説者は、先ほど西田選手が無理をしたのではないかとのことだったが、東選手に勢いが出てきた。

東選手がそのまま鶴見中継所へ。前回も区間2位躍進だったが、今年は区間賞。やはりこの第75回箱根駅伝で一気に躍進しそうとこの時点では思われた。

2位は駒大西田選手に、最後神大小松選手が並びかける形でリレー。初優勝を狙う駒大、3連覇を目指す神大はいい立ち上がりだ。4位東海は、予選トップ通過の勢いままにかなりいい位置。5位中大久保田選手が3年連続1区5位でのスタートとなった。ここまで10秒以内。

6位日体佐藤、7位日大巽、8位順大岩水もそれほど差が無く続き、ここまで22秒。後のエースとなる順大岩水選手の最初の箱根路はこの成績だ。9位山学宮原選手はやや遅れてしまったが33秒差。2区のエース選手次第ではまだ十分優勝争いに戻ってこれる位置だ。

10位は40秒以上離れた。1年生法大徳本選手が懸命にやって来た。まだ1500mを主戦場にしていた頃だったが何とか対応してきていた。次早大郷原選手11位は、絶好調だった選手での位置でやや誤算だったとか(それでも高校時代は800m主戦場だった選手、良く対応したのではあるが…)

後ろ12位中学井上、13位東洋沢柳選手は苦しい立ち上がり。両校とも箱根予選でチームトップの選手を起用してやや出遅れたのは、やや先が思いやられるか。

遅れたのは14位大東真名子選手、のちに区間記録を出す選手ですがここはうまく対応できなかった。最下位で六郷橋の時点で状態がぶれていた帝京吉冨選手は、むしろ良く粘ったでしょうか。1分44秒は、まだ選手間の実力差がある時代、非常に僅差の勝負でした。


1区は勢いある拓大、そして優勝候補の神大と駒大は非常にいい位置でリレー、山学は少し遅れたものの、視界に入る範囲の差。エースの力量が試される2区となりそうだった。