第89回箱根駅伝2013の定点間別の振り返りです。
ついにアンカーの10区
強風で荒れた大会も最後の区間。優勝、シード、そして一つでも上の順位を狙う争いで最後に笑ったのは…。
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【第89回箱根駅伝2013】10区定点間分析
10区定点間分析①:鶴見中継所~蒲田
蒲田6㎞
○数字は総合順位、[]数字は通過順位4位谷永(日体)18分08秒①6位冨岡(東洋)18分12秒②3:52(3分02秒0)3位後藤田(駒大)18分04秒③6:201位熊崎(帝京)17分45秒④7:44(2分57秒5)6位田口(早大)18分12秒④7:44
2位北(明大)18分01秒⑥8:47(3分00秒2)
5位堀(順大)18分09秒⑦9:57
16位出岐(青学)18分32秒⑧10:54(3分05秒3)
18位高梨(法大)18分48秒⑨11:18(3分08秒0)10位井上(神大)18分24秒⑯22:26[10]12:38
8位山田(中学)18分14秒⑩13:13[11]13:13塩谷(中大)18分28秒[12]14:0715位山本(選抜)18分31秒⑪14:07[12]14:07
9位福沢(山学)18分21秒⑫14:14[14]14:14(3分03秒5)
二平(城西)18分33秒[15]14:3512位花田(農大)18分26秒⑰24:47[16]15:38
12位植木(大東)18分26秒⑬15:38[16]15:38
14位岡本(國學)18分27秒⑭18:26[16]15:3816位竹ノ内(日大)18分32秒⑮20:27[19]16:11
11位大西(上武)18分25秒⑱27:30[20]19:43
ついに最終区。トップの日体・谷永選手は、2年前もアンカーを走った事があり、あの4人のシード争いを制しているランナーである。それとは違いトップで逃げる展開だが、悠々と走っている。2位の東洋・冨岡選手は最初で最後の大学駅伝だ。
それより早い入りをみせているのは3位あたりの選手達。3年連続アンカーの駒大・後藤田選手。それと先ほどの区間でブレーキのあった明大の北選手がも突っ込んでいる。ただ、それより早いのは帝京・熊崎選手。そこそこの入りをみせていた早大・田口選手との27秒差を一気に埋め、ここまではダントツで早い。
シード争いは10位中学・山田選手が、11位選抜・山本選手と12位山学・福沢選手から逃げられるかという所に焦点が当たっているが、今の所ジリジリ引き離している。また、注目ランナーの青学・出岐選手だが、前の順大・堀選手に差を開けられる展開となっている。
10区定点間分析②:蒲田~新八ッ山橋
新八ッ山橋13.6㎞-6km=7.6km5位谷永(日体)23分02秒①(3分01秒8)9位冨岡(東洋)23分15秒②4:05(3分03秒5)3位後藤田(駒大)22分45秒③6:031位田口(早大)22分44秒④7:261位熊崎(帝京)22分44秒⑤7:26(2分59秒5)
4位北(明大)22分55秒⑥8:40
13位堀(順大)23分27秒⑦10:22(3分05秒1)16位高梨(法大)23分49秒⑧12:05(3分08秒0)
17位出岐(青学)24分18秒⑨12:10(3分11秒8)10位井上(神大)23分17秒⑯22:41[10]12:53
11位山田(中学)23分21秒⑩13:32[11]13:32
6位福沢(山学)23分06秒⑪14:18[12]14:18二平(城西)23分24秒[13]14:5718位山本(選抜)24分33秒⑫15:38[14]15:38(3分13秒8)塩谷(中大)24分34秒[14]15:38
7位花田(農大)23分12秒⑰24:57[16]15:48
7位植木(大東)23分12秒⑬15:48[16]15:48
15位岡本(國學)23分33秒⑭18:57[18]16:09
12位竹ノ内(日大)23分25秒⑮20:53[19]16:37
114位大西(上武)23分32秒⑱28:00[20]20:13
少しずつレースが動き出し始めましたが、この間トップタイムは4位争いの帝京・熊崎、早大・田口選手。後にいろんな意味で名物になりますが、ここでは本来の意味で激しいバトルになっていた模様。
また、シード権争いは山学・福沢選手が11位に浮上。本人「オーバーペース覚悟」で10位中学・山田選手を追いかけ始めた。その差は46秒となった。
逆に選抜・山本選手がダントツ最下位のタイムでいきなり脱落。これまた本調子には遠い中大・塩谷選手と並走なわけだが、城西・二平選手に交わされ、さらに農大・花田、大東・植木選手が迫っている。
心配なのはブービーのタイムで青学・出岐選手が苦しんでいること。これまた決して速いペースではない法大・高梨選手に交わされてしまっている。シードラインとは2分以上前だが、このままだとちょっと嫌な感じもするペースだ。
10区定点間分析③:新八ッ山橋~田町
田町16.4㎞-新八ッ山橋13.6㎞=2.8km4位谷永(日体)9分41秒①(3分27秒5)
5位冨岡(東洋)9分46秒②4:101位後藤田(駒大)9分34秒③5:56(3分25秒0)
2位熊崎(帝京)9分38秒④7:23
2位田口(早大)9分38秒④7:23
12位北(明大)9分55秒⑥8:5410位堀(順大)9分54秒⑦10:35
11位出岐(青学)9分54秒⑧12:2315位高梨(法大)10分04秒⑨12:288位井上(神大)9分48秒⑯22:48[10]13:00
9位山田(中学)9分53秒⑩13:44[11]13:44(3分31秒8)
6位福沢(山学)9分45秒⑪14:22[12]14:22二平(城西)9分58秒[13]15:14
7位花田(農大)9分45秒⑰25:01[14]15:52
17位植木(大東)10分07秒⑫16:14[15]16:14
塩谷(中大)10分32秒[16]16:29
16位岡本(國學)10分05秒⑭19:21[17]16:33
18位山本(選抜)10分36秒⑬16:33[17]16:33(3分47秒1)14位竹ノ内(日大)10分01秒⑮21:13[19]16:57
13位大西(上武)10分00秒⑱28:19[20]29:32(3分34秒3)
この定点間だけ距離表示がおかしい気がしますが…まあいいや。タイム差自体は間違ってないはずだ。ここは駒大・後藤田選手が初めてトップのタイムに。過去2年より一段高いレースをみせている。明大・北選手のペースが落ち始め、復路優勝はほぼ手中に入った。後は個人記録で16秒負けている帝京・熊崎選手を逆転できるかどうか。
それと、青学・出岐選手が意地を見せて法大・高梨選手を抜き返して8位へ。その後ろ全日本で厳しい結果だった神大・井上選手が健闘をみせ見え隠れしている。また2年連続アンカーの農大・花田選手も結構いいペースなようだ。シード争いは福沢選手が前を更につめ38秒差。ただ、中学・山田選手も区間中位はキープしている感じだ。
10区定点間分析④:田町~御成門
御成門18.1㎞-田町16.4km=1.7km5位谷永(日体)5分15秒①(3分05秒3)1位冨岡(東洋)5分12秒②4:07(3分03秒5)4位後藤田(駒大)5分14秒③5:55
2位熊崎(帝京)5分13秒④7:21
2位田口(早大)5分13秒④7:21
11位北(明大)5分23秒⑥9:029位堀(順大)5分22秒⑦10:42(3分09秒4)
9位出岐(青学)5分22秒⑧12:3014位高梨(法大)5分26秒⑨12:3913位井上(神大)5分25秒⑯22:48[10]13:1011位山田(中学)5分23秒⑩13:44[11]13:527位福沢(山学)5分19秒⑪14:22[12]14:26二平(城西)5分22秒[13]15:21
6位花田(農大)5分18秒⑰25:01[14]15:55
17位植木(大東)5分38秒⑫16:14[15]16:3214位岡本(國學)5分26秒⑭19:21[16]16:44塩谷(中大)5分44秒[17]16:5818位山本(選抜)5分41⑬16:33[18]16:59(3分20秒6)
8位竹ノ内(日大)5分21秒⑮21:13[19]17:03
16位大西(上武)5分31⑱28:19[20]20:48(3分14秒7)
10区に入ってから少しずつ開いていた1位と2位との差がここで初めて詰まった。東洋・冨岡選手がこの間トップのタイム。既に差は4分以上開いているが、昨年覇者の意地をみせたい。他、上位陣はほぼ変わらないタイム。現在のトップ5がそのまま入っている。
それと10位と11位の差は34秒。山学・福沢選手が詰めてはいるが、追いつくには更なるペースアップが必要か。それとここに来て元気になったのが日大・竹ノ内選手。走行は19番目だが、全くペースの上がらない中大・塩谷選手と選抜・山本選手の背後に来た。他、途中まで区間中位だった大東・植木、上武・大西選手が苦しくなってきた。
10区定点間分析⑤:御成門~馬場先門
馬場先門20.1km-御成門18.1㎞=2km
1位谷永(日体)6分06秒①(3分02秒0)7位冨岡(東洋)6分17秒②4:18
2位後藤田(駒大)6分09秒③5:588位熊崎(帝京)6分18秒④7:33
8位田口(早大)6分18秒④7:3318位北(明大)6分43秒⑥9:39(3分21秒5)11位堀(順大)6分21秒⑦10:57(3分07秒0)
2位出岐(青学)6分09秒⑧12:3512位高梨(法大)6分22秒⑨12:5514位井上(神大)6分23秒⑯23:15[10]13:275位山田(中学)6分15秒⑩14:01[11]14:01(3分05秒0)
4位福沢(山学)6分13秒⑪14:33[12]14:33
二平(城西)6分21秒[13]15:3612位花田(農大)6分22秒⑰25:20[14]16:1116位植木(大東)6分29秒⑫16:55[15]16:55(3分14秒5)10位岡本(國學)6分19秒⑭19:45[16]16:57
6位竹ノ内(日大)6分16秒⑮21:29[17]17:13
17位山本(選抜)6分35秒⑬17:28[18]17:28(3分17秒5)
塩谷(中大)6分36秒[18]17:28
15位大西(上武)6分25秒⑱28:48[20]21:01
今度は日体・谷永選手がトップ。日体大の復路の各選手は終盤の定点間でトップ付近のタイムにつけることが多いですね。理想的な逃げ方です。それと、出岐選手が少し戻ったか、一旦3分10秒台に落ちたラップが3分少しに。計算してここは驚いた所だ。
シード争いは11位山学・福沢選手が力を振り絞ってペースアップ。だが、10位中学・山田選手も浮上。抜かれない自信はあったが、後ろが詰まっていると聞かされて必死だったと後に述懐しているがこのあたりだろうか。
区間賞争いはまだ帝京・熊崎選手がトップだが、このあたりから牽制が始まったか。貯金が8秒になった。他、明大・北選手が急落し始めた。
10区定点間分析⑥馬場先門~大手町FINISH
大手町23.1㎞-馬場先門20.1㎞=3km3位谷永(日体)9分04秒①13位冨岡(東洋)9分40秒②4:54(3分13秒3)2位後藤田(駒大)9分03秒③5:57
14位熊崎(帝京)9分44秒④8:13
14位田口(早大)9分44秒⑤8:137位堀(順大)9分24秒⑥11:1718位北(明大)11分13秒⑦11:48(3分44秒3)1位出岐(青学)9分02秒⑧12:33(3分00秒7)
6位高梨(法大)9分23秒⑨13:14
4位山田(中学)9分11秒⑩14:08(3分03秒7)16位井上(神大)9分59⑯24:10[11]14:22(3分19秒7)8位福沢(山学)9分29秒⑪14:58[12]14:58(3分09秒7)二平(城西)9分30秒[13]16:0210位花田(農大)9分31秒⑰25:47[14]16:38
5位岡本(國學)9分21秒⑭20:02[15]17:14(3分07秒0)
8位植木(大東)9分29秒⑫17:20[16]17:20
11位竹ノ内(日大)9分32秒⑮21:57[17]17:41塩谷(中大)9分44秒[18]18:0817位山本(選抜)10分00秒⑬18:24[19]18:24
12位大西(上武)9分34秒⑱29:18[20]21:31
出岐選手、最後に意地を見せていたんだ…。ラスト3kmは出岐選手らしさがほんのわずか戻っていたのか。実業団で再び勇姿を見たい。今はじっくり直して欲しい。
そんな話題から入りましたが、日体・谷永選手が最後まで安定した走りで総合優勝のゴールテープを切りました。往路終了時、総合優勝できると思っていたのはこの谷永選手以外あまりいなかったようですが、
誰一人ブレーキ無く、7区以降は全部区間2位。最後に力尽きた東洋・冨岡選手との差は4分54秒差に開いていた。完勝だった。
その後3位に駒大・後藤田選手。4位争いが牽制したこともあったが、最終的に区間賞を獲得し有終の美。また復路全体で区間賞3つに復路優勝。何時の間にか東洋の背後1分差にまで追い上げていた。最後に何とか意地を見せた格好だ。
続いて6位には最後に順大・堀選手が浮上。2年連続でのシード獲得、そして復路での順位アップと力が戻りつつあることを示した。逆に一時2位も見えた明大だが、北選手がアクシデント気味でゴール。順調に箱根の順位を上げて言った明大が初めて壁に当たった感じだ。来年どうなるか。
また、先の出岐選手に続き、法大・高梨選手がゴール。往路の成績を見ても成田監督はシードを獲得する自信はなかったそうだが、復路はブレーキは無し。高梨選手もラストでペースをあげる走りをみせ、7年ぶりシード獲得。久々に意外性の法大をみた。
シード争いは、ラスト5番目の走りをみせた中学・山田選手が、最後落ちてきた神大・井上選手を交わしつつ10位でフィニッシュ。11位山学・福沢選手から50秒差で辛くも逃げきった。こちらは4年ぶりである。
その後は復路頑張った城西大のアンカー二平選手と農大・花田選手。最後にペースを上げ、一旦引き離された大東・植木選手を捉えた國學・岡本選手がゴール。3年連続シードはならなかったが、安定したところはみせた。
次に日大・竹ノ内選手。2年前ほどは落ちなかっただろうか。彼自身も区間10位だ。その後、ずるずる下がった中大・塩谷と選抜・山本選手、しんがりに今年もシード争いに加われなかった上武・大西選手が続き、これで全ランナーがフィニッシュ。
しかし、まだ触れていないところがある。敢えて最後に持って来ましたが、復路の瞬間最高視聴率を記録した4位争い。画面から見ても分かりましたが、本当に牽制してましたねwそれ以上に話題になったのは帝京・熊崎選手のチラ見。やや前に出て最後の400mくらいで数十回も早大・田口選手をチラチラ(つられて田口選手も振り返ったのに吹いたw)。
この超牽制が動いたのはラスト100m。ほぼ同時にダッシュをかけた感じだが、刹那帝京・熊崎選手の方が動き出すのが早かったか。最終的にその差が勝負を分けたように見えた。
この牽制で帝京・熊崎選手は区間賞を逃したものの、帝京大13年ぶりの総合4位をもたらした。強風の中、日体大・帝京大など予選組みの躍進や中大・城西の棄権という暗い面、様々な形をみせて第89回箱根駅伝は終了した。
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