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[20年前を振り返る]第73回箱根駅伝-1区を見てみよう!-

さて、記録会が少なくなってきましたので、少しずつ企画を開始していきます。
まずは過去の箱根駅伝を振り返る企画です。
tube的に82回・83回から始めることも最後まで迷いましたが、
中継点ごとの記録が残っている最古の大会である第73回大会から始めていきます。
今までと同じように定点ごとにタイムを取っていきます。

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さて、いきなりですがお知らせです。
この記事はまだ未完成です。
本格的に箱根駅伝を見始める前の大会なので、
正直記憶は非常に曖昧です。
なので、皆さんの情報により加筆・修正していく予定です!
(加筆は赤文字修正は青文字)
第73回大会をよく覚えておられる方、是非ともコメント(や情報提供)してもらえれば助かりますm(_ _)m

ページコンテンツ

第73回(1997年)箱根駅伝1区走者経歴

私も含めて当時の大会を知らない方も大勢追われると思いますので、それぞれの区の最初に、走者の持ちタイムと前年(1996年)の主要大会の成績を付記します。
・持ちタイム参考サイト(Saijo’s:http://hakonesaijo.sakura.ne.jp/73hakmain.htm)
・大会参考サイト(箱根駅伝記録館:http://www13.plala.or.jp/hakone-kiroku/、箱根駅伝の記録:http://www13.plala.or.jp/jwmiurat/)
順番は上位9チーム(日体大まで)は第72回大会箱根駅伝の順位・下位6チーム(神大から)は予選会の順位
名前・学年 大学名 持ちタイム・主な戦歴
久保田瑞穂② 中大 61分15秒(20㎞)、全1区4位、出1区2位 
梅木蔵雄③ 早大 29分38秒、全4区3位、箱1区9位 
内山孝之④ 順大 30分05秒、全2区9位、出5区7位、関1部ハーフ2位、箱10区3位 
吉田正幸③ 東海 29分10秒、全1区10位 
萩原英之② 大東 29分10秒、出2区6位、箱8区6位 
小林哲也④ 法大 29分41秒、出1区1位 
野口憲司④ 亜大 29分15秒、全4区8位、出3区2位、箱7区4位 
保坂祐介③ 農大 29分09秒 
菊池 忍③ 日体 29分48秒、出1区7位 
高津智一③ 神大 29分14秒、全1区3位、予9位、関2部5千5位、箱3区1位 
S.ワチーラ② 山学 29分09秒、全4区1位、予8位、日5千3位1万5位、関1部1万6位 
藤田幸則③ 駒大 29分19秒、全1区12位、予10位、箱10区14位 
永井謙二④ 東洋 29分02秒 
藤原正昭③ 専大 29分05秒、出5区2位、予17位、関2部5千8位、箱9区8位 
松本 剛③ 拓大 29分21秒、予68位、関2部千五8位 
全…全日本大学駅駅伝、出…出雲駅伝、予…箱根駅伝予選会、
日…日本IC、関…関東IC、箱…72回大会成績/なお、すべて前の年の成績
 連覇を狙う中大はチームで安定したスターター久保田選手、往路3連覇を狙う早大も2年連続1区となる梅木選手と万全な選手を起用していますね。また、予選から優勝を狙う神大も前回3区区間賞の高津選手、山学は4人目の留学生のワチーラ選手が入りました。戦前に言われていた4強は力を入れてきていますね。他にもインカレや箱根予選でしっかり成績を残した選手が入っていて、レベルの高い選手が集まったと思います。
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田町4.7㎞

選手名 大学名 タイム
1位 ワチーラ 山学 13分52秒
1位 久保田 中大 13分52秒
1位 高津 神大 13分52秒
1位 荻原 大東 13分52秒
5位 梅木 早大 13分53秒
5位 永井 東洋 13分53秒
5位 藤田 駒大 13分53秒
5位 内山 順大 13分53秒
5位 野口 亜大 13分53秒
5位 菊地 日体 13分53秒
5位 藤原 専大 13分53秒
5位 吉田 東海 13分53秒
5位 保坂 農大 13分53秒
5位 松本 拓大 13分53秒
5位 小林 法大 13分53秒
 数年前から飛び出す選手がいる影響もあり、かなりハイペースで進むことが多かった1区ですが、この年は比較的スローな展開。最もこれは高温と強風の影響が大きい。風は77回大会と89回大会の記憶がありますが、この年が一番すさまじかったとかなんとか。ひとまず田町の地点では遅れだす選手はおらず、一団で進んでいっています。

蒲田14.5㎞ー4.7㎞=9.8㎞

名前 大学 タイム トップ差
1位  ワチーラ  山学  29分45秒  ① 
2位  永井  東洋  30分00秒  ②  0:16 
8位  高津  神大  30分01秒  ②  0:16 
8位  荻原  大東  30分01秒  ②  0:16 
2位  藤田  駒大  30分00秒  ②  0:16 
2位  内山  順大  30分00秒  ②  0:16 
2位  梅木  早大  30分00秒  ②  0:16 
2位  野口  亜大  30分00秒  ②  0:16 
2位  保坂  農大  30分00秒  ②  0:16 
8位  久保田  中大  30分01秒  ②  0:16 
11位  藤原  専大  30分30秒  ⑪  0:46 
12位  菊地  日体  30分57秒  ⑫  1:13 
13位  吉田  東海  30分58秒  ⑬  1:14 
14位  松本  拓大  31分18秒  ⑭  1:34 
15位  小林  法大  31分56秒  ⑮  2:12 
 レースは蒲田までに動きを見せる。まず山学・ワチーラが飛び出しを見せる。インカレではまだ入賞どまりだったが駅伝デビューの全日本では4区区間賞。しっかりと稼ぐ役割を担えるか!?この時点で100mほどの差をつけています。なお、記憶が確かなら早大・梅木選手も一時単独2位に浮上し、ワチーラ選手を追う動きもあったが時期に吸収されていたと思います。ひとまず山学が一歩リードとなっています。
 また、1㎞3分を超えるペースながら既に遅れる選手が出始めており、専大・藤原選手、日体・菊地選手、東海・吉田選手、拓大・松本、法大・小林選手が遅れています。小林選手の遅れが急で既にトップから2分オーバー。出雲1区区間賞(当時は主要区間ではなかったかも?)の選手なのでちょっと驚き。決してハイペースではない中、かなり縦長の展開になっていると言えます。

鶴見中継所21.3㎞-14.5㎞=6.8㎞

名前 大学 タイム トップ差
1位  梅木  早大  21分04秒  ① 
2位  萩原  大東  21分06秒  ②  0:02 
3位  高津  神大  21分07秒  ③  0:03 
4位  永井  東洋  21分13秒  ④  0:09 
5位  久保田  中大  21分24秒  ⑤  0:20 
6位  藤田  駒大  21分25秒  ⑥  0:21 
7位  内山  順大  21分52秒  ⑦  0:48 
8位  野口  亜大  21分55秒  ⑧  0:51 
9位  ワチーラ  山学  22分08秒  ⑨  0:55 
10位  保坂  農大  22分55秒  ⑩  1:51 
11位  菊地  日体  22分57秒  ⑪  2:50 
13位  藤原  専大  23分26秒  ⑫  2:52 
12位  吉田  東海  23分16秒  ⑬  3:10 
14位  松本  拓大  23分54秒  ⑭  4:08 
15位  小林  法大  24分41秒  ⑮  5:33 
 ワチーラ選手の勢いは続かず六郷橋手前で追いつかれます。この時点で集団は早大・梅木、大東・萩原、神大・高津、東洋・永井、中大・久保田、駒大・藤田選手の6名に絞られていましたが、ワチーラ選手はそこからも遅れるちょっと苦しい展開に…。18.2㎞で亜大・野口選手と並び7位争い、後ろから順大・内山選手が追ってくる展開に実は走行中に脚を痛めたそうで、その影響も多分にあったそう。山学としては思惑が外れた形となった。
 トップ争いは徐々に絞られていき、残り1㎞を切って萩原・高津・梅木の3選手の争いになり、20.86㎞地点でスパートをかけた梅木選手が逃げ切り、早大が先頭でタスキを渡します。中学時代に5千15分イーブンをマークし逸材と言われていた梅木選手がこの頃から再び伸び始めたように思います。2位の萩原選手が大健闘、3位高津選手はさすがの安定感という感じでたかね。
 わずかな差で4位から6位もなだれ込みます。ほぼ主要大会の実績が無かった永井選手が4位大健闘、中大・久保田選手も大きくは離されずに踏みとどまり、チームとして伸び始めていた駒大もその直後はいい位置だろう。少し空いてから順大・内山選手と亜大・野口選手が競い合うようにやってきて、その後ろにまで落ちてしまったワチーラ選手が9位。ただタイム差的には55秒差はまだまだ挽回可能な位置でしょうか。
 ここからはやや差が離れ1分後に農大・保坂選手、さらに1分空いて日体・菊地、専大・藤原選手、さらに13位東海・吉田選手が通過するころにはトップ通過から3分10秒。このあたり向かい風時の特徴、遅れ始めたら一気に差が離れる状態が表れているか。4分を超えたところで14位拓大・松本選手がリレー、スピードはあるが予選68位が実力だとしたら精いっぱいの走りだったかも?
 最下位の小林選手はそこから1分半近くも後れを取ってしまった。個人タイムが70分を超えてしまい非常に厳しいレースとなってしまいました。もともと800m・1500mを得意としたスピードランナーでしたが、この条件下では持っているものを活かせなかったかもしれません。

 全体的には1位から6位が21秒、9位まで55秒までと上位は接戦でしたが、そこから後ろは零れ落ちてしまった感じですかね。それぞれの争いを見ながらまた来週次の区間を書いていきます。

コメント

  1. ベル より:

    レース詳細を書いてくださりありがとうございます。お陰さまで、色々と思い出すことがありました。
    その昔は早稲田は1区が強かったんですよね。80年代後半から90年代半ばまでで1区で区間賞取ったのが、池田、武井×2、櫛部、渡辺、梅木。日テレのテレビ中継が始まった頃は早稲田がトップに立っている映像をよく見たものです。往路優勝するものの、復路は・・・が多かったわけですが。

  2. たび より:

    いつも楽しく拝見しています。
    良い企画ですね!当時の記憶はほとんど無いので、新鮮に感じます。2区以降も楽しみにしています!

  3. クマ より:

    法政の小林選手に関しては、
    元々800m中学歴代10位(達成当時歴代3位、96年当時でも7位)の記録、大学卒業後も1500m日本選手権で何度も入賞してるので、中距離向きの選手だったのかもしれませんね。
    出雲では現在とは違い、1区6.0km、2区7.7km、3区5.3km、第4区5.3km、5区7.0km、6区11.3kmだったので、この程度の距離では適正はあったんだろうと思いますが、如何せん距離の長い箱根でかつ強い向かい風だと厳しかったんでしょう(とはいうものの20kmの距離ではチーム3番手でしたが)。
    出雲駅伝中止で三大駅伝出走が幻に終わった東洋の齋藤真也選手や
    同じく800m中学歴代5位の記録を持ちながらも、71回箱根では6区の山下りでトップでスタートしながらも山梨学院の藤脇友介選手に宮ノ下で1分47秒差をあっさりと逆転され、小田原では逆に1分38秒差を付けられた足立俊治選手を思い出します。

  4. クロノブルー より:

    山学ファンには申し訳ないんですが、ワチーラ選手って「全然ダメ」って印象が強くて、このレースのせいなんですよね。
    前年までのマヤカ選手を見てて「留学生って凄いな」というイメージがあったのに、この凡走。
    そしてなにより2区の選手にとても注目してましたので。理由は2区で説明があるでしょう(笑)。
    あと、早稲田はこの梅木選手の頃からだんだん弱くなってしまって、次の空山選手の頃が悲惨でしたね・・・。
    そして駒澤大学が2区の選手を中心にだんだん上がってくるのを感じたのを覚えています。

  5. hakonankit より:

    >ベルさん
    確かに早大の1区は凄かったですね67回~70回大会と4年連続で早大の選手が区間記録を更新する走りでしたよね。当時はスポーツ推薦の枠が今よりも少なかったので、なかなか総合力で勝負するのは難しかったので往路からどんどん投入していったのだと思っています。

  6. hakonankit より:

    >たびさん
    私も無い記憶を無理やりひねり出しています(笑) ひとまず第73回大会箱根駅伝を楽しんでもらえればと思います。

  7. hakonankit より:

    >クマさん
    当時は全体的に今より選手層が薄かったですし、高校時代中距離専門だった選手が、箱根駅伝を走る機会は今より多かったと思います。長い距離の持ちタイムは良くても、条件が良くないとどうしても厳しい走りになることも多かったのかもしれません。
    早大の足立選手も当時は1年生でしたし、準備期間としてはかなり短かったのかなと思います。

  8. hakonankit より:

    >クロノブルーさん
    確かに留学生はあのくらい(オツオチ・マヤカ)で走るが普通というのが強く頭に刻み込まれてしまっていましたからねー。ただ、ワチーラ選手は山学大の留学生で唯一箱根駅伝での区間賞がなく、ちょっと苦手としていたのは確かかも…。
    早大は黄金時代が過ぎてちょっとずつジリ貧になっていく最中ですかね…。そして台頭してきたのがおっしゃる通り駒大!72回予選から見るといろいろなドラマがありますよ。

  9. 匿名 より:

    この大会は戦前から4強対決と言われていたが実際には走る前から既に勝負はついていた。
    【中大:総合4位】
    2枚看板の榎木が坐骨神経痛の影響で1年通して不調でチーム自体も怪我人や不調者が多くてピリッとせず。
    それを考えれば往路2位は大健闘の部類(木下監督曰く「往路は100点満点の出来」)だったが復路は逆に大きく崩れて順位を落とす。
    【早大:総合5位】
    元々選手層が薄く苦戦が予想されていた中でエースの小林が12月に肝機能障害を患って5区を回避する事態に。
    それでも往路は何とか上位で繋ぐも復路で選手層の薄さを露呈して順位を落とす。
    小林は7区で区間賞を獲るがおそらく本来であれば走ることすら難しい体調だったと思われる。
    【山学大:総合2位】
    中大と早大の台所事情から戦力的には唯一神大に対抗できると見られていたがチームにインフルエンザが蔓延して窮地に。
    それでも何とか調整して往路は健闘するも5区の前回経験者が怪我上がりのぶっつけ本番だったこともあって大ブレーキ。
    復路は古田の区間新などで総合2位まで追い上げるが総合優勝した神大には大差を付けられる。
    【神大:総合1位】
    前回の教訓を糧に4強の中で唯一完璧なチーム状態で大会を迎えて誰一人ミスをすることなく戦前の予想通りに初優勝を飾る。
    往路の5人がそれぞれのコメントで10m以上の向かい風をポジティブに捉えて走っていたことが印象的だった。
    あと1区のワチーラが後半一気に遅れたのは故障していた右足の痛みが再発したのが原因。
    レース後もその翌日もまともに歩くことすらできない状態だった。
    ちなみにこの大会は往路は10m以上の向かい風で復路は逆に3~5mぐらいの追い風だった。
    そのため復路では区間新が3つ誕生してさらに駒澤(復路は全員が区間2位)が順大の持つ復路記録を9年振りに更新した。
    このレースは前年に途中棄権した山学大の中村と神大の高嶋の復活ランも注目を集めていた。