第95回箱根駅伝2019が終わり、卒業生の進路、新入生の情報が発表され、
なにより、在校生が次の箱根駅伝2020に向けて動き出しています。
…というか新年度に入ってますね。
箱根駅伝2019の簡単な振り返りと、箱根駅伝2020への現時点での戦力分析をしていきたいと思います。
今回は大東文化大学です
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19位大東文化大学11:19:48
1区新井康平④22位71分15秒[22]8:40
2区川澄克弥③22位71分22秒[22]12:31
3区齋藤 諒④15位64分34秒[22]14:34
4区奈良凌介③5位63分14秒[22]16:46
5区佐藤弘規③7位72分42秒[21]16:36
往路21位5:43:07
6区藤岡謙蔵②10位59分56秒[20]18:20
7区三ツ星翔②8位64分33秒[19]19:08
8区片根洋平①20位67分43秒[19]22:57
9区谷川貴俊④13位71分33秒[19]24:54
10区中神文弘④12位72分57秒[19]27:39
復路14位5:36:41
1区新井選手…うーん、レース開始直後に転倒とは…最終学年3回目の1区で期するものがあった中、無念の思いで走っていたと思います。ひとまず襷を届けただけで十分です。駅伝ファンとしては、いずれまた本来の走りが見れるようになるまで願うだけです。
2区川澄選手…初の華の2区、完全単独走は厳しいものとなりました。終始ペースをあげることはできず、最終的に区間最下位。繰り上げスタートにもあってしまいました。昨年冬に見せていたロードの強さを、次の箱根駅伝で見たいです。
3区齋藤選手…このあたりから少しずつ大東大の選手が、本来の走りができるようになってきましたかね。4年斎藤選手が、全体的に早いペースの中で64分半ばで踏みとどまりました。結構速い段階で前のチームが視界に入る位置に押し上げたナイスランでした。
4区奈良選手…2年連続の4区でしたが、素晴らしい快走でした!2度目の繰り上げもチラ付く中、見た目で2チームを捉えて、繰り上げ回避。個人では区間3位を争っての区間5位!一気に勢いを取り戻す走り、大東大の追い上げが始まります。
5区佐藤選手(個人的MIP)…そして”山の大東大”も今回は下位争いの中で威力を発揮しました。元々4年生の選手が走る予定で佐藤選手は8区予定。1週間前に、予定選手の故障で急きょ走る事が決まりました。
一定のペースで推すのが得意だという佐藤選手、長い登りでこそ光る走り。今回は例年以上に5区に強豪選手が集結していた中、72分台で区間7位。総合で最下位を脱出して往路を終えました。
6区藤岡選手…前回山登りの5区を担当。ですが終盤の下りの部分で良かったのですよね。走力も非常についてきた中、山下りの6区抜擢。一斉スタート組の中でもいい走り、大混戦の中でリレーすることができました。
7区三ツ星選手…今期の成長株。箱根予選は欠場していましたが、本戦には間に合わせてきました。大きい集団に早い段階で追いつくと、終盤まで食らいつきました。全体としても区間8位の力走、総合順位も19位まであげてきました
8区片根選手…空いた8区に、何人か秋に台頭していたルーキーの中から、片根選手が抜擢されました。ですが、ここは箱根の洗礼を浴びる格好になりましたかね。遊行寺坂からのペースアップに対応できませんでした。ロード力はある選手なので来年リベンジです。
9区谷川選手…終盤は4年生ですね。谷川選手は3年連続9区でロードで威力を発揮する選手。序盤がスローペースで少し心配でしたが、ラスト3㎞大きく追い上げ区間13位。全体的に高速レースの中、意地を見せた格好になりました。
10区中神選手…久々の大学駅伝でしたね。1年時の箱根で旧4区を担当していました。そのあと、伸びたりまた後退したり…繰り返していましたが最後に10区を掴み取りました。区間12位はうまくまとめ切ったのではという印象です。
彼らが入学した時は、箱根駅伝シード校でした。とはいえ、市田兄弟らの世代が抜けた直後のチーム、戦力的には厳しい状況でした。そんな中、新井・大久保・中神選手の3名が、1年時から大学駅伝を出走します。ただ3名はそれぞれ紆余曲折ある4年間になります。
2年時以降は箱根予選で上位通過し、シード権内を再び目指せるチームになっていきました。その2年時に大東してきたのが谷川選手。3年連続で復路の重鎮9区を担当するなど長い距離で威力を発揮しましたね。区間6位が最高成績、安川電機でまた伸びてほしいです。
また、斎藤選手も年々走力が増していきました。3年時から駅伝で起用されるようになり、最終学年の箱根駅伝は往路起用でした。最終学年で主将となった奈須選手は、個人的には3年時の全日本予選での好走が記憶に残っています。チームを支えていた印象です。
さて、1年時に駅伝を走った3選手に話は戻ります。一番出走回数が多かったのは新井選手。やや不安定な面もありながら、チームにとって数少ないスピードランナーで、最終的に箱根駅伝には3度1区で出場しています。最後大学駅伝初の区間一桁を目指しましたが、上記のような結果に。まずはまたレースに戻れればと思います。
中神選手は、2年時以降は伸び悩み苦戦していました。メンバー選考には絡んでくるのですが、出走メンバーには至らず。4年時の箱根予選も走れませんでいた。それでも最後まで諦めなかった結果、アンカーの座を射止めました。
大久保選手は1年時から出雲・全日本出走、箱根も父と同じ5区山登りの予定でしたが怪我で断念。その後は試合に出れない時期もありました。4年次に復活を遂げ、箱根予選で二けた順位に。もう一度山登りを希望しますが、最後も故障に泣きました。コモディイイダでもう少し競技を続行します。
この他では、山崎選手が2度箱根予選会を出走、二けた順位に入った事もあります。また、最後の年は平内選手も予選のメンバーに選ばれていました。
※2019年4月22日現在
5000m持ちタイム | 10000m持ちタイム | ハーフ持ちタイム |
川澄克弥④13分57秒71 奈良凌介④14分05秒59 服部奏斗②14分11秒98 片根洋平②14分16秒03 豊田紘大④14分22秒80 三ツ星翔③14分23秒63 大野陽人①14分26秒64 金田龍心①14分27秒39 井田 春①14分28秒41 浅野有紀④14分29秒23 |
川澄克弥④28分37秒20 奈良凌介④28分53秒96 片根洋平②29分23秒23 佐藤弘規④29分52秒76 豊田紘大④29分53秒40 三ツ星翔③29分55秒77 服部奏斗②29分59秒29 阿比留魁③30分02秒47 浅野有紀④30分03秒56 土井壮一郎③30分05秒86 |
奈良凌介④63分09秒 川澄克弥④63分14秒 佐藤弘規④64分06秒 藤岡謙蔵③64分10秒 三ツ星翔③64分36秒 阿比留魁③64分45秒 佐藤 陸②65分50秒 片根洋平②65分03秒 服部奏斗②66分00秒 吉井龍太郎③66分31秒 |
上位10人平均:14分18秒9 | 上位10人平均:19位29分40秒7 | 上位10人平均:20位64分38秒4 |
倉田 連①14分31秒80 山内洸士郎②14分32秒19 佐藤弘規④14分32秒68 飯嶌健斗④14分34秒77 北川慎一郎②14分36秒12 吉井龍太郎③14分39秒29 |
藤岡謙蔵③30分16秒59 佐藤 陸②30分27秒90 飯嶌健斗④30分28秒56 吉井龍太郎③30分28秒67 稻留涼斗③30分36秒65 只熊健太④30分44秒72 |
浅野有紀④67分10秒 只熊健太④67分52秒 稻留涼斗③68分22秒 豊田紘大④68分41秒 土本剣太郎③68分46秒 武田将樹③68分55秒 |
5000m、10000mは19位。ハーフは20位、データ上は箱根駅伝に何とか出場はできるかどうか。箱根の好走者は残っていますが、決して楽な戦力ではないですかね。
どの種目も川澄・奈良選手の4年生2人が抜けていて、チームの中心核です。あとは10000mで2年片根選手がいい記録を持っていますが、30分前後となっています。選手層は薄い方で、特にハーフは10番手以降は、66分半ば以上と、箱根予選通過に向けてはやや不安な材料ですかね?
ただ、長い距離は毎年確実に伸ばしていて、ある程度学年順になっていますので、まだまだ全体的に伸びる余地はありそうでしょうか?5000mを見るとトップ10位内にルーキーが3人、14分20秒台の選手を複数確保できました。若いメンバーの底上げも早くから行えるかもしれませんね。
川澄克弥④28分37秒20≪19:箱2区22位、18:予39位、箱3区12位、17:全1区20位、予21位、箱4区17位、16:全4区20位、予39位≫
奈良凌介④28分53秒96≪19:箱4区5位、18:予52位、箱4区16位、17:全5区10位、予55位、箱5区19位、16:全2区16位、予73位≫
佐藤弘規④29分52秒76≪19:箱5区7位、18:予68位、17:予193位≫
豊田紘大④29分53秒40
浅野有紀④30分03秒56
飯嶌健斗④30分28秒56
只熊健太④30分44秒72
三ツ星翔③29分55秒77≪19:箱7区8位、18:箱10区19位、17:予130位≫
阿比留魁③30分02秒47≪18:予114位≫
土井壮一郎③30分05秒86
藤岡謙蔵③30分16秒59≪19:箱6区10位、18:予73位、箱5区17位≫
吉井龍太郎③30分28秒67
片根洋平②29分23秒23≪19:箱8区20位≫
服部奏斗②29分59秒29≪18:予204位≫
佐藤 陸②30分27秒90
4年生の世代は奈良・川澄選手が元々力的に抜けていて、故に期待がとても高かったですね。ずっと往路で起用され続けています。この2人の負担が心配でしたが、佐藤選手がこの1年でぐっと逞しくなりました。もう1人2人レギュラーを狙える選手が出てくるかどうか。
3年生がこの1年でぐっと上がってきましたね。元々スカウトとしては失敗と言われていましたが、1年時に箱根で起用された三ツ星・藤岡選手がぐっと走力を付けて、今年6区7区で好走しています。他、阿比留・吉井選手らも今年勝負所でしょう。
2年生は大東大としては比較的早くから台頭していますね。元々走力が高い片根選手は箱根で起用されています。スピードある服部選手は箱根予選に登場、佐藤選手もじわじわあがってきています。もう少しで主要大会で成果を上げられるところまできていますね。
平均タイムは決して高くはないですが、例年以上に濃いメンツが集まっていると思います。3障でIH決勝に進出している大野選手は勿論、高校駅伝アンカーで区間賞を飾り、優勝のゴールテープを切っている井田選手。同じく7区で10位の金田選手といった全国舞台経験者が入ってきています。
これに持ちタイム上はほとんど変わらない倉田選手に、持ちタイムは14分40秒台ながら、高校駅伝を出走し、ある程度結果を出している木山・塩田選手も、これから面白い存在でしょうかね。
私立六大学などで既に、大学デビュー戦をしている選手もいますね。結果はそれぞれだったと思いますが、ここから大きな上昇曲線を描く選手が現れるか注目です。
昨年度の収穫は、主力と中堅選手に大きな成長が見られたことですね。前半戦シーズンは、関東ICなどで川澄選手が引っ張り、箱根駅伝では奈良選手が快走を見せました。
また佐藤弘・藤岡・三ツ星選手が箱根で区間10位以内の成績を残したことも大きな収穫でした。毎年確実に走力を上げてくる大東大の育成力を考えると、5人は柱が新チームにはいると思ってもいいでしょう。
さて、その次となったときにちょっと差があるのかなぁ?新2年の世代は比較的早く長い距離に順応しかけているので面白いのですが、まだこれから。10番手前後はシード校や他予選で戦うチームの中でもまだ不透明かなぁ?このあたりが気になるところです。
総合力アップの鍵となるのは、まずは先ほど挙げた新2年の学年。片根・佐藤陸・服部選手が、今季どのくらい成長できるかどうか。持ちタイムは確実にあげてきているので、主要大会で起用したい。全日本予選で、他校と戦う姿が見られれば面白いです。
また、新3年も頭数がじわじわ増えてきています。先の藤岡・三ツ星選手だけでなく、阿比留・吉井選手あたりが持ちタイムあがってきて、レギュラー入りしていくチャンスです。
箱根駅伝で言われる「4・3・2・1・理論」からすると、前年度の箱根駅伝では大東大はまさにそれでしたが、今年はいい意味で下の学年の名前が多くなれば、活気づきそうな気がします。勿論、新4年の4人目が出てくるかもですし、1年生にも大きなチャンスがありますので、思い切って狙っていってほしいです。
もちろん、箱根駅伝に出るには予選会を突破しなければなりません。現状では、予選突破圏内にはいるけど、主力が欠けると一気に危なくなってくる…というところです。
全日本を含めて予選会は比較的得意だと思っていましたが、昨シーズンはどちらも計算からは悪い意味で離れた結果になってしまったのも、ちょっと気にかかるところかな?直前の調整面、うまく修正できれば。
突破さえできれば面白いですよ。主要区間は計算できますし、山は登りも下りも得意な選手が台頭してきていて、今年もっと走力を挙げてくるはず。箱根で+αが出せるチーム、平地でもしっかり戦えれば、要注意の存在になってくるはずです。