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【拓殖大学】箱根駅伝2019から2020へ~新チーム戦力分析と新入生情報、箱根のまとめも!

第95回箱根駅伝2019が終わり、卒業生の進路、新入生の情報が発表され、

なにより、在校生が次の箱根駅伝2020に向けて動き出しています。

箱根駅伝2019の簡単な振り返りと、箱根駅伝2020への現時点での戦力分析をしていきたいと思います。

今回は大学です

拓殖大学駅伝長距離の箱根駅伝2019と卒業生・箱根駅伝2020へ戦力分析と新入生情報まとめ!

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拓殖大学の【箱根駅伝2019まとめ】

9位拓殖大学11:09:10
1区赤﨑 暁③18位64分26秒[18]1:51
2区W.D.タソ④6位67分47秒[12]2:07
3区馬場祐輔④8位63分10秒[10]2:46
4区石川佳樹②13位64分13秒[9]5:57
5区戸部凌佑④6位72分32秒[8]5:37
往路8位5:32:08

6区硴野魁星④18位61分06秒[9]8:31
7区吉原遼太郎②17位65分32秒[9]10:18
8区白髪大輝④14位67分02秒[10]13:27
9区清水崚汰②14位71分41秒[10]15:32
10区松岡涼真②5位71分41秒[9]17:01
復路15位5:37:02

1区赤崎選手…単独走より競り合う方が走りやすいということでの1区起用となりましたが、残念ながら勝負所まで付けませんでした。また次の大きな試合でリベンジができれば。

2区デレセ選手…4年連続華の2区を務めたエースでキャプテンですね。とにかく突っ込んでいき、権太坂付近は苦しみました。ただ、ラスト3㎞で巻き返したのは本当に意地だったのかなと。懸命に4年間役割を全うしたと思います。

3区馬場選手…4年連続の箱根路。山を走ったり1区に回ったり、最後はエース級揃った3区。1万mベストより早いタイムで突っ込んで順位を上げにかかりましたね。レベル高い中、総合10位まで押し戻しました。

4区石川選手…前回裏の7区で好走したのですが、その好走経験が活きたかもしれませんね。相手が数段強くなっている中、一つポジションアップ。しっかり流れを繋ぎました。

5区戸部選手…彼も4年連続の箱根路。3人が往路に入ったのですね。そして3年連続5区山登り、過去区間中位でしたが、区間6位で72分半ばは過去最高成績。6位が目の前に見える往路8位でゴールに飛び込みました。

6区硴野選手…まさかの失速でした。前回の6区を含め、過去2度の駅伝ではいずれも好走していた硴野選手の最後の駅伝は何とも悔しい走りに。

前に青学大目掛け勝負をかけるも、下りに入って両足が痙攣。前回よりも1分以上タイムを落としてしまいました。一気に抜け出したかったところ、シード権争いに戻りました。

7区吉原選手…ここから重苦しい、岡田監督「胃が痛い展開」になりました。吉原選手は65分半ばでまとめましたが、今年は本当に高速化。区間順位は17番と少し厳しい結果に。

ただ、この区間10位と11位のチームの選手もあまり伸びなかったので、何とか総合9位はキープしました。

8区白髪選手…2年連続8区を務める事になった白髪選手。前回失速したのでリベンジも兼ねます。逃げにかかりますが、中盤から伸びを欠いてしまいました。一つ順位を下げ、ついにシード権ギリギリの10位へ。

その中で、昨年よりはいいタイムで走り切ったので、11位のチーム背中は遠くに離しました。

9区清水選手…スピードのイメージもあった清水選手の9区起用はびっくりしましたが、精いっぱい走り切りましたかね。中盤以降に11位・12位集団のチームに追い上げられますが、ラスト3㎞は拓大の選手らしくスパート。何とか流れはキープしてアンカーに繋げます。

10区松岡(個人的MIP)選手…ここは大きなポイントでしたね。73歳名将岡田監督、最後の采配、最後の最後に秘密兵器を残していました。

テレビでは再三再四1万mの持ちタイムが30分台で最下位と紹介されていましたが、上尾ハーフ63分台で長距離ロードで伸びてきていた選手。11位争いの早大ファンからすると、”不気味な選手残しているな”と思っていました(褒め言葉)

その松岡選手。後ろの追撃を許すどころか、前の中央学院大をじりじりと追い詰める走り。残り5㎞で追いついて、残り3㎞を切ってから突き放す見事な走りで9位へ浮上し、シード権確保へ。

しかも全日本大学駅伝の推薦を逆転で勝ち取る殊勝な走り。今回は往路復路とも出足でこける苦しい駅伝でしたが、底力を見せた戦いでした。

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2019年主な卒業生と進路

W.D.タソ④28分14秒49≪19:箱2区6位、18:出3区1位、箱2区5位、17:予50位、箱2区2位、16:全2区3位、予6位、箱2区11位、15:予2位≫ ⇒ ひらまつ病院
馬場祐輔④28分43秒72≪19:箱3区8位、18:出1区5位、箱1区13位、17:予41位、箱6区7位、16:全1区14位、予111位、箱5区15位、15:予45位≫ ⇒ 小森コーポレーション
硴野魁星④28分55秒30≪19:箱6区18位、18:出2区3位、箱6区7位、17:予135位≫
白髪大輝④29分33秒57≪19:箱8区14位、18:箱8区18位、17:予91位≫ ⇒ 東工大大学院(競技継続未定)
戸部凌佑④29分34秒46≪19:箱5区6位、18:出4区10位、箱5区11位、17:予15位、箱5区11位、16:箱7区15位、15:予63位≫
峠 亮平④30分10秒03
五十嵐大己④30分19秒39
鈴見侑大④half64分29秒≪17:予98位、16:予162位≫
今滝春彦④half65分04秒≪17:箱3区20位≫
長田悠太郎④half65分38秒
坂本 翼④half66分44秒

濃い世代でしたよ。箱根駅伝4年連続出場者が3名も出るってなかなかないと思います。今回は40回目の出場で史上初2年連続シード権を獲得しましたが、チームに強力な柱が複数人いたことが、とても大きかったのではないでしょうか。

その中で中心だったのはワークナー選手です。入学時から決して強かったわけではなかったのですが、岡田監督の指導と本人の努力が結びつき、1年の秋には対応、予選で個人2位で走ると、いきなり華の2区デビューを飾ります。

この時は区間11位と悔しさを味わいますが、翌年は区間2位とリベンジ。その後4年連続出走し、非常に安定した走りを披露。インカレでも入賞していましたね。最後と年に主将を任されたのは、”まさか”でしたが、見事大役を果たし切りました。東京オリンピックを目指すのと、ひらまつ病院のNY駅伝を支えてもらえれば!

馬場・戸部選手もずっと活躍いていましたね。馬場選手は1万mの記録が伸びるのが速かった。その中で1年時は山登り、2年時は山下り、その後1区専任、最後はスピードを活かせる3区。色んな区間を乗り切ってフル活動していました。

戸部選手は7区でデビューし、その後は3年連続山登り。最後の年は苦手な下り部分も克服し、有終の美を飾りました。

また3年生になってから主力となった選手では、硴野選手と白髪選手がいました。硴野選手は3年時に山下りでびっくり好走!出雲でもチームを勢いづける走りをしました。白髪選手は拓大史上初の理工学部の箱根ランナー、一人旅の多い8区で2年連続で担っています。

他にも記録面で主力に迫った選手も多いですね。五十嵐選手は最後の最後までメンバー争いに絡みました。また、鈴見選手が2度箱根予選出走。今滝選手が箱根に一度登場しています。多くの選手が成長していますね。

拓殖大学の【箱根駅伝2020】へ向けて~平均タイム・新入生情報など!

3年生以下の持ちタイム上位16名

5000m持ちタイム 1万m持ちタイム ハーフ持ちタイム
赤﨑 暁③14分24秒84
楠本幸太郎③14分25秒47
佐藤広夢①14分27秒90
松下 良③14分28秒58
田宮怜於①14分30秒52
清松拓真②14分34秒16
玉澤拓海③14分37秒59
児玉陸斗①14分38秒34
清水崚汰②14分39秒26
合田 椋①14分40秒95
赤﨑 暁③28分53秒89
吉原遼太郎②29分15秒12
石川佳樹②29分16秒75
清水崚汰②29分44秒01
清松拓真②29分47秒74
中井槙吾③29分48秒91
楠本幸太郎③29分55秒58
桐山 剛①30分03秒15
田宮怜於①30分05秒20
玉澤拓海③30分12秒70
赤﨑 暁③63分07秒
松岡涼真②63分47秒
吉原遼太郎②64分07秒
清水崚汰②64分09秒
中井槙吾③64分12秒
楠本幸太郎③64分41秒
石川佳樹②64分41秒
竹蓋草太①65分01秒
藤井拓実③65分12秒
清松拓真②65分25秒
10名平均:㉘14分32秒7 10名平均:㉑29分42秒3 10名平均:⑰64分26秒2
中井槙吾③14分42秒12
桐山 剛①14分42秒68
松岡涼真②14分42秒85
倉野恭佑①14分43秒70
石川佳樹②14分44秒12
藤井拓実③14分45秒94
澤田大輝①30分15秒87
土井春樹③30分19秒34
松岡涼真②30分25秒80
加藤優陽②30分26秒49
桑原良樹③30分28秒26
青柳拓郎②30分28秒42
青柳拓郎②65分34秒
澤田大輝①65分34秒
佐藤広夢①65分38秒
加藤優陽②65分51秒
田宮怜於①66分02秒
竹内健太①66分15秒
16名平均:㉗14分36秒8 16名平均:㉑29分57秒9 16名平均:⑮64分57秒2

※ハーフは日本学生ハーフ後にもう一度更新します。

主力がごっそりといなくなっていますので、平均タイムは大きく落ちてしまっています。5000mはこれまでほとんど強化していなかったこともあり、14分30秒台の数値で28番目。

ただ、昨年秋に記録ラッシュに沸いていた1万mとハーフでも21番・17番ということで、シード校の中では一番厳しい数値に。

ただ、全体的に下級生が数値を押し上げている形。1万mでは新3年でトップ10に入る選手が吉原選手ら大勢います。

ハーフではまだ大学駅伝出走の無い新2年の世代が、16番目以内にかなり入っています。これからの伸び代という面では、結構楽しめそうなチーム構成になっていると思います。

3年生以下の主力選手

赤﨑 暁③28分53秒89≪19:箱1区18位、18:出6区9位、箱3区10位、17:予19位、箱10区12位、16:全5区11位、予72位≫
楠本幸太郎③29分55秒58
中井槙吾②29分48秒91≪18:箱9区7位、17:予64位≫
玉澤拓海③30分12秒70
藤井拓実③half65分12秒≪17:予198位、16:予313位≫

吉原遼太郎②29分15秒12≪19:箱7区17位、18:出5区8位≫
石川佳樹②29分16秒75≪19:箱4区13位、18:箱7区9位≫
清水崚汰②29分44秒01≪19:箱9区14位、17:予184位≫
清松拓真②29分47秒74
松岡涼真②30分25秒80≪19:箱10区5位≫
青柳拓郎②30分28秒42
加藤優陽②half65分51秒

桐山 剛①30分03秒15
田宮怜於①30分05秒20
澤田大輝①30分15秒87
佐藤広夢①half65分38秒
竹蓋草太①half65分01秒

新4年は育成の拓大にしては珍しく頭数は少ないのかな?赤崎選手が目立ってますが、長距離離脱となっている中井選手が復調してほしいところ。楠本・藤井選手らも、これから上がってくることができるでしょうか。

新3年が人材豊富。今年の箱根は4人も出走したのですよね。2年連続出走で唯一往路の石川選手、それぞれ7区9区10区担当の吉原・清水・松岡選手。松岡選手は、今後ロードで注目ですね。また、中距離から懸命に距離対応を図る清松選手も、もう少しで出てくるかもしれません。

新2年も面白いのですよね。今年はさすがに4年生世代が強力だったこともあり、駅伝では走れませんでしたが、今年はチャンスですよね。ハーフで結果を残した竹蓋・佐藤選手に、1万mで30分少しの桐山・田宮・澤田選手らがどこまで上がれるか注目です。

新入生情報

名前(高校名)5000m持ちタイム≪この1年の主要大会成績≫
工藤 翼(花崎徳栄)14分29秒12
吉村 陸(島田)14分31秒56
江口清洋(大牟田)14分36秒97≪18:高校2区30位≫
城 拓磨(熊本工)14分37秒66
佐々木虎太郎(市立船橋)14分39秒56
新入生上位5名平均: ㉑14分34秒9
鈴木啓磨(市立船橋)14分44秒91
後藤拓磨(大分東明)14分46秒74≪18:高校6区20位≫

高くはないですが、拓大にしては持ちタイム平均がいいような感じがします。最高は花崎徳栄・工藤選手の14分29秒12ですが、吉村・江口・城・佐々木選手と14分30秒台が4人もいるのは、ここ数年からすると、非常に良い数値だと思います。

全国舞台の経験者はさすがに少ないですが、高校駅伝で繋ぎ区間を走ったのは数名います。拓大はあまり高校時代の実績は当てにならないチームなので、ここからどのくらい伸びるのか、今回も注目です。

拓殖大学【箱根駅伝2020へ向けて】戦力分析・展望

岡田監督が退任、山下拓郎監督へ

まず大きなニュースとして、9年間にもわたりチームを率いた岡田監督が勇退されますね。現在73歳です。遅くとも2020年までにはと思っていたところ、今回2年連続シード権を獲得したところで、一区切りというところです。亜大時代から長い間学生の指導、本当にお疲れ様です。

新監督は、亜大時代の岡田監督のもと、箱根駅伝優勝メンバーとなった山下拓郎さんが率います。数年前からコーチとして岡田監督のもとでされていました。岡田監督も1年間は拓殖大に残るそうなので、引継ぎとしてはスムーズにできそうで、良かったと思います。

シード権厳しい、往路選手・山と課題が山積み

さて、山下監督の船出ですが…現時点の展望では、非常に厳しい戦力…と言わざるを得ないですかね。今回4年生が5人も出走、しかも2区3区5区6区、往路の主要区間と山の連続出走者がいなくなってしまいます。簡単には育成で埋まらないところです。

スタミナ型の拓殖大ですが、それでもここのところは2区である程度流れができて、往路で好位置につけて、復路で踏ん張っていた印象があります。留学生を再び入れるのかどうかでまた変わるかもですが、戦い方はこれまでとも変わってくるかもしれません。

三大駅伝は出場権確保、新3年・2年が活性化が鍵

一つ有利になる点は、10区で松岡選手が頑張って順位をあげてくれたので、全日本大学駅伝の推薦をゲットした点。苦手な全日本予選に挑まずに済むので、駅伝に向けての練習時間が、以前より確保できるのですよね。少しでも、予選校からアドバンテージになればと思います。

チーム全体の明るい材料としては、新3年・2年が非常に波に乗っている点でしょうか。3年生は駅伝経験者が石川・松岡選手ら4名、彼らが往路を担えるような力をつけることができるかどうか一つ注目点。

山はまだ分からないのですが、理想的には新2年・新1年から任せられる選手がいれば、平地が強力になるし、しばらく固定できます。伸び盛りの彼らの活躍で、少し停滞気味の新4年にもいい刺激になればと。非常に新しいメンバーで、山下監督の初年度の展望に期待です。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。