第95回箱根駅伝5区です。
東洋大が2年連続往路優勝へ向けて突き進む
後ろ、東海大他山に自信ある選手が大きく追い上げにかかる中、
王者、青学大に更なる誤算が…
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トップ東洋は前回も往路優勝のゴールテープを切っている田中選手。前回より走力アップした上、前回よりも貯金がある中でのスタートだ。差が開いた東海青学は攻めるポイント。2年かけて準備した西田選手と、前回痙攣しながらも区間5位で走った竹石選手でどこまで上がるか。
また、過去最高往路6位の國學院は、その6位でエース浦野選手に、自信ある順大山田、法大青木選手がほぼ同時スタートは気になるところ。他もめまぐるしく動きそうな展開でした。
青木(94回)11分04秒
國學浦野選手がまずは平地で1番!東海西田選手が2番、東洋青学もまずまず
トップ東洋田中選手は入りは11分02秒、11番手ですが前回より7秒早い。見ていても昨年より蹴りが力強くなっている印象です。2位追い上げる東海西田選手が速く、最初の3.6㎞で17秒も詰める健闘ぶり。噂通り強そうな感じだ。
注目の3位青学竹石選手は1㎞3分01秒。函嶺洞門での12分02秒はトップと同タイムで、前回と比較して6秒程遅いところ。このあたりはゆったり走行しているように見えました。ここからあげてくると思われました。
早かったのが、國學院浦野選手。ハーフ61分台平地でエース区間を戦える選手ですが、平地はやはり抜けていました。入りは1㎞2分53秒。もう20秒先に中継所を飛び出していた帝京小野寺選手を交わして5位に浮上。ここから本格的な上りが楽しみでした。
前回より20秒早い突込みの法大青木選手、自分のペース順大山田選手
11位争いは山の担い手の法大青木・順大山田選手がほぼ同時スタートでどうなるかと思われましたが、函嶺洞門では青木選手が24秒もリードしている展開に。
青木選手は前回は11分04秒で通過していますが、今回は10分44秒と相当の突込みを見せていました。走力もあがって自信もあったか、それともシード権外だったからでしょうか。早くも東国加藤選手の背後に迫りました。
つかなかった順大山田選手は、ここまで17番手でちょっとびっくりしましたが、11分09秒のタイムは全く同じ。3度目の挑戦ということで、もう自分のするレーススタイルがある感じですね。本格的な登りの前から動きがありました。
今井(81回)(22分28秒)、青木(94回)11分59秒(23分03秒)
東海西田選手快調!青学竹石に異変!駒大伊東に交わされ…
まずトップ東洋田中選手はやはり走力アップ。この定点間だけでも29秒も上回っていて順調に上る。ただ、追う側がそれよりも速いペース。東海西田選手が2分08秒までつめてきて、7㎞で40秒も詰めた計算。机上では芦ノ湖では40秒にまでなりそうですが、果たしてどうなるか。
その後ろ、青学竹石選手が気がかりになった。登りに入っても力強さがないなぁと思っていたら、6.0㎞駒大伊東選手に追い付かれ、あっという間に引き離されてしまう。そして上りに入ってもハイペースの國學浦野選手にも捉えられるところでした。完全にブレーキ気味になっていました。
この定点間トップ青木選手早くも4人抜き、実力者も交わす
その後方では法大青木選手が再度のごぼう抜きを見せていました。東国加藤選手をパスすると、6㎞地点で3年連続5区の拓大戸部選手をとらえます。戸部選手も前回より相当早いタイムで駆け抜けていますが、青木選手がそれ以上に上回りました。
さらに代役で5区務めている中大岩原選手も定点直前でかわし、8位浮上。早くも4人抜きとなっています。更に前方は明大酒井選手が見えてきていて、更にあがっていきそうな感じです。
下位では日大鈴木、日体室伏選手が健闘
他、あまりテレビで映らない部分でも結構5区で動きがありました。この定点間では、日大鈴木選手と日体室伏選手が9番目のタイムで走破。日大鈴木選手は今回の5区で唯一の1年生。やはり適性があっての起用だったでしょうか。早大大木選手を交わして14位に浮上する健闘を見せています。
日体室伏選手は4年生。5区は3年ぶり2回目、昨年の小町選手も同じような起用だったでしょうか。今年は不調が長引き初の駅伝でしたが、やはり力はついています。総合18位は変わらずも、場所によっては国士鼡田選手が見える位置にまできています。少しでも浮上したい。
今井(81回)16分46秒、青木(94回)17分29秒(40分32秒)
東海西田選手快調でこの定点間トップ!一気に追い上げにかかる。
この定点間はまた違う選手が一番早いタイムで走破。今度は2位を走行中の東海西田選手が素晴らしいタイムで走破しています。東洋田中選手も前回よりかなりタイムをあげているのに、小涌園で通算1分05秒詰めています。
通算でも國學浦野選手と3秒差の区間2位で区間賞争いです。青木選手、やはりあげてきた山田選手、そして戸部選手ら多くの経験者を抜いてトップ。一番傾斜がきつい宮ノ下を含めた定点で一番良かったのは素晴らしいです(なお初代山の神はそれよりも44秒早いタイムで走破…やっぱり人間ではない)
青学竹石選手が一番苦しんだ定点間、21番目のタイム
上位がこれだけいい走りをすると、ますます苦しいのが青学竹石選手。宮ノ下の直後、10㎞で両脚が痙攣したとのことですが、この定点間は21番目となってしまいました。
トップとの差も小涌園でトップと5分08秒、連覇に黄色信号がと灯ります。更にだいぶ離れていたはずの法大青木選手らも背後に。自信があった区間でまさかの受難となっています。
復活注目の中学高砂、山の大東担う佐藤選手が健闘
後ろの順位変動も大変ですね。その中良かったのが、中学高砂選手。エース候補でしたがレースは、一昨年の全日本以来、1年2ヵ月ぶり。故障が続き、本格的な練習は僅か2か月という状況でしたが、さすがの走り。早大大木選手を振り切り、じわりと浮上。ペースが落ちた中大岩原選手の背後に迫る12位に。やはり強力な戦力だ。
そして下位にもっと凄い選手がいました。大東佐藤選手がこの定点間5番目のタイム!通算でも区間7位となってきました。見た目では上武橋立選手を交わし20番目へ。総合成績も連合よりも上回り、山学まであと7秒。まもなく最下位脱出しそうなところでした。苦しむライトグリーンに、『山の大東』が後押ししそうです。
今井(81回)14分26秒、青木(94回)15分26秒(55分58秒)
この間田中選手が快走、詰めさせず!駒大伊東もエース相手に奮闘!
ここまで測るごとに詰まっていた東洋と東海の差があまり詰まらなかった。「おや?」と思った方も多かったと思います。定点間のタイムを見てびっくり!トップ東洋田中選手が2番目にいいタイムで走破。それは詰まらないはず。
東海だけでなく、小涌園の手前、9.3㎞の宮ノ下から東海や國學、法大らとほとんど詰まらず、むしろ開いています。宮ノ下超えてからギアを入れ替える作戦だったのでしょうか。
また、駒大伊東選手が頑張ってますね。宮ノ下で追いついてきた國學浦野選手に一歩も引かない走り。5区は希望していたものの、当初は別の選手が走る予定。直前にその選手が体調不良になり、5区に抜擢。大八木監督も不安があった中での起用でしたが、これは見事に駒大の主力として活躍。しっかりと3位争いをしています。
順大山田選手がこの定点間2年連続トップ!法大青木選手は息切れ
そして見事な走りを見せたのが順大山田選手。この定点間トップのタイムで、青学竹石選手まで抜いて11位から7位へ進出。調べると実は前年もこの定点間トップ。そして昨年よりも8秒上積みしているところ、さすがの走りでした。
法大青木選手はここ少し息切れし、前回の自分よりも下回ったポイント。ここは一度離された拓大戸部選手が再度追い上げています。戸部選手は3年連続とはいえ前回74分台。そう考えるとかなりの力走と言えますね。
11位と12位の差が一気に開く
芦ノ湖のゴールでは11位と12位の差がかなり開いていましたが、ここで一気につきましたね。11位浮上の高砂選手がしっかりペースを刻む一方、岩原選手が非常に苦しい走りであっという間に差がつきました。
追い抜くチャンスの13位日大鈴木、14位早大大木選手あたりもあまりペースがあがっておらず、伝統校3校がシード権獲得に向けて正念場となっていました。
青木(94回)8分56秒(64分54秒)
東海西田3㎞で一気に26秒詰める!東洋田中は実はこの間ブレーキ
詰まらなくなった差が、下りでまた一気に詰まりました。なんと26秒詰まり1分18秒差。15㎞地点で両角監督「お前は下りが得意」と声をかけていましたが、しっかり走っていますね。
ただ、理由はそれだけでなく、実は田中選手がうまく切り替えができていなかったのか、18番目のタイム。昨年より8秒遅く、ここは唯一前回を上回れなったところだ。このあたり復路微妙な影響があったかも…
国学浦野選手下りで抜け出す!そして青学が謎の息吹き替えし?
3位争いは下りで決着が付き、國學浦野選手が大きく加速!8分34秒の最速タイムで駆け下り、粘る駒大伊東選手を一気に突き放しました。5位争いも法大
青木選手がもう一度あげていて、このままいきそうです。
さて、びっくりした場面です。青学竹石選手が下りに入って激走!2番目の好タイムで駆け下り、順大山田選手を交わして7位。6位拓大戸部選手が目の前に迫っています。
ここであげられるということは、やはり登りで筋肉が使えていなかったということでしょうか?下りでは体力が余っていて動かせたということでしょうか。もどかしさはなくなった印象でした。
中学高砂選手10位目前、国士鼡田選手が昨年から大幅アップ!
後ろでは11位走行の中学・高砂選手がさらにペースアップ。前の帝京小野寺、明大酒井選手が苦しんでいて、眼前にシード権ラインが迫っています。気が付けばシード権の中央学院大…テレビでは映らない名場面です。
また、2年連続5区の国士大鼡田選手がペースアップ!前回下りで失速したところ、29秒も上げています。全体でも8番目のタイム。東国加藤、早大大木選手を交わして14位浮上。久々に国士大の順位を浮上させました。
今井(81回)(69分12秒)、青木(94回)6分50秒(71分44秒)
国学浦野選手唯一の70分台区間新!往路3位はチーム最高
まずはこちらから取り上げましょう。國學浦野選手は最後の平地部分も、やはりと言う感じでトップタイム。70分54秒と、前回の区間記録を50秒も更新する区間新記録!81回大会以前の区間記録と合わせても、歴代3位のタイムに相当します。
往路3位は国学院大史上過去最高順位を大きく更新!”あの4強”の争いに敢然と割って入っての3位は本当に価値が高いです。また前田監督が大八木監督のチームを激戦の末上回ったのもポイントですね。
ちなみに浦野選手は本当は2区エース区間で勝負したかったそうですが、今年はチーム事情にしたがったとか。なお今回往路3位のメンバーは全員残るのですが…どうしますかね?
東洋・東海が順調、青学は非常にきわどい位置に
さて往路優勝・総合優勝争いです。東洋田中選手は最後はもう一度上げて、しっかり流れはキープしたまま2連覇のゴールへ。今回は73分前半がターゲットだったところ、72分台がでたのは予想以上にうまく走れたところでしょうか。
そして1分14秒後に東海西田選手がゴール。高校時代から上りが強いとの噂に、何とか両角監督が勧誘した選手。2年かけて準備し、71分前半のタイムは招き入れた甲斐があったと思います。大きく勢いづいて初の総合優勝に向けて復路を戦います。
先の3位國學4位駒大を交わして、5位法大青木選手が2年連続の5位でゴール。最終的に7人抜き、前回の自分も上回っていてしっかり成長しましたね。そして混戦の6位争いは、青学竹石選手が懸命の巻き返しで駆け込みました。
トップとのタイム差は5分30秒差。5連覇は非常に厳しくなりましたが、柱がまた何人も残っている復路、全く諦めきれる差ではないところがまた、駅伝ファンが一途に注目する展開になりそうでした。
中学大10位浮上!帝京・明大が勿体ない失速
7位順大8位拓大は山の担い手でしっかり浮上。そこから1分半離れて、9位帝京小野寺選手がやってきました。4区で5位浮上、小野寺選手に密かに好走を期待していた駅伝ファンもいたと思いますが、初の大学駅伝はやや厳しいレース。4つ順位を落としました。
直後、懸命のラストスパートで最後まで追い上げてきたのが3人抜きで10位浮上した中学高砂選手。やっぱり走りにセンスある選手。故障に気を付けて、最終学年でもうひと暴れしてほしいと切に思う選手です。
そのあと、苦し気にやってきたのが明大酒井選手。酒井選手も長い故障から急仕上げ。入学時から目標の5区ついに出走、前半はいい出だしでしたが下り以降力尽きた格好だ。それでも往路11位、久々のシード権に望みは繋がりました。
城西服部選手懸命に追い上げ、大東佐藤・筑波相馬キレたラスト!
そこから結局2分前後離れた12位以降のチーム。12位中大岩原、13位日大鈴木、14位国士鼡田、15位早大大木選手が点々とゴール。そして何とか追い上げた16位日体室伏選手もそれほど差がなくゴール。なおここでトップとの差10分02秒で、日体大から明日は復路一斉スタートということになりました。
そのあと東国加藤選手に神大小笠原選手がゴール。両者とも77分台のタイムで苦い箱根路に。神大は2年連続5区区間最下位となり、鬼門の区間となってしまいました。
次にやってきたのが城西服部選手。彼も注目の出走者でしたが、残念ながら前回のように大きな走りとはいかず。その中で、前回失速した芦之湯以降をまとめあげ、区間10位と持ち直しました。
このあとの大東佐藤選手が素晴らしい走り。区間一桁で推移し続け、ラストの平地は2番目相当のタイム。区間7位でまとめて、ついに総合でも最下位脱出!復路に勇気を与えました。
続いて上武・橋本選手がゴール、その次の連合の筑波相馬選手が後半ビルドアップ。貧血明けなど調整が必ずしもうまくいかなかったこともあり、後半勝負に徹したそうで、その中で区間13位相当は山の適性が高かった選手。チームで本戦に出られる機会はあるか。
最後のランナーになったのは山学・久保選手。前回も候補に挙がりながら、血液系の病気で断念。2年越しの出場、総合は最下位に落としましたが、無事にまとめ切りました。
これに浦野・西田選手がいますからね。気象条件も良かったですが、活躍した選手が例年以上に多かったと思います。
優勝争いは基本、東洋VS東海、青学大は非常に厳しくなった中どう戦っていくか。シード権争いは基本、11位以内のチームで10枠を争う展開。離れた12位以降に古豪が多く、意地を見せられるかが注目になりました。