第95回箱根駅伝2019の各大学のメンバー詳細と
戦力分析、区間オーダー予想を行っています。
東 洋 大 学
前回の箱根は往路に1年生3人起用しながら、4年ぶりに往路優勝!王者に一泡吹かせる大活躍でした。総合でも3年連続総合2位、そして10年連続総合3位以内を保持、長い間、強豪校で居続けてい東洋大ですが、今年こそ王座奪還と行きたい。
前哨戦の出雲駅伝は面白かったですね。エースを並べた前半で出遅れ勝負あったかと思たところから追い上げ、12秒差の総合2位。あと一歩までいきました。一方、故障者が出て後半型のオーダーを組んだ全日本大学駅伝は、総合3位も優勝争いに加われませんでした。それでもここ数年の”箱根力”は確かなものがあります。王者を倒すとすればやはりこの大学でしょうか。
エントリー選手紹介&独断戦力分析
7点:エース区間、山で貯金が望める選手
山本修二④28分50秒64≪18:全7区3位、出3区3位、箱3区1位、17:全4区2位、出3区2位、箱2区11位、16:全8区4位、箱8区9位≫
相澤 晃③28分17秒81≪18:全8区1位、出1区2位、箱2区3位、17:全1区1位、出2区6位、16:全3区4位≫
6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手
5点:エース区間で区間中位以上いける選手
吉川洋次②28分53秒51≪18:出6区1位、箱4区2位、17:全8区4位、出4区4位≫
4点:主要区間で区間上位でいける選手
小笹 椋④29分01秒06≪18:全5区3位、出4区4位、箱10区1位、17:全7区8位、箱7区7位、16:全4区9位、箱4区6位≫
西山和弥②28分35秒72≪18:全2区14位、出2区6位、箱1区1位、17:全3区3位、出1区5位≫
今西駿介③29分17秒37≪18:全3区4位、出5区1位、箱6区5位、17:出5区10位≫
3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手
中村拳梧④29分21秒96
田中龍誠②29分20秒02≪18:箱5区9位≫
田上 健②29分42秒12≪18:全1区11位≫
鈴木宗孝①29分17秒89≪18:全6区5位≫
2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手
大澤 駿②29分16秒92
浅井峻雅②29分35秒05≪18:全4区7位、箱8区7位、17:全6区16位≫
1点:繋ぎの区間で耐えられる選手
土壁和希③29分46秒26
大森龍之介②29分19秒93
野口英希②29分45秒11
0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数
小室 翼③30分18秒46≪18:日本IC3障3位、関東IC3障2位≫
上位10人合計:43点
(参考:30点前後でシード争い、40点以上で優勝争い)
・前回2位メンバー8人残る!
上級生の柱が、駅伝シーズン好調ですね。前回箱根2区を任された3年相澤選手は、1万m28分前半のスピードもつきました。出雲1区はやや勝負を焦りましたが、全日本8区は身体にアクシデントがあった中、しっかり区間賞を獲得しました。前回67分10秒台でしたので、66分台を視野にしていますが、前回同様大きく流れを作りたい。
もう一人の柱が4年山本選手。前回は驚きの3区采配でしたが、王者得意の3区で流れを止め、的中したのですよね。大学駅伝初の区間賞も獲得し、自信を深めたところです。その後疲労骨折があり長期離脱がありましたが、前哨戦はエース区間を疾走していて、箱根に向けて調子は上がっているはずです。
これに2年生の柱が調子が上がっているかどうか。前回4区でトップを確立した吉川選手は、出雲も王者を最後まで追い上げる走りを披露。やや故障が多い選手ですが、箱根に向けてエントリーに入ってきました。駅伝ファン気になる西山選手は、12月頭に1万28分台と復調傾向。前回同様1区か、それか勝負区間へ投入になるのでしょうか。1年生鈴木選手は全日本6区で無難にデビュー。上尾ハーフ62分台とやはり能力は高そうです。
その他の主力選手も上級生が多いですね。4年小笹選手は全日本駅伝では前を追い上げる走り!高いスピード持久力がついています。箱根も出場すれば4年連続出場になります。3年今西選手は前回の山下りから一気に実力をつけ、平地の主要区間で走る実力をつけました。また、駅伝出場有りませんが4年中村選手が63分台!これは復路でいい戦力になりそうです。
これに2年生の突き上げが大きいです。前回山登りの田中選手は平地の走力も上げ、73分台くらいは計算できそうでしょうか。これに日本平桜マラソンで上回った野口選手らと競っているはず。また、全日本1区抜擢された田上選手も駅伝に強そうです。3度駅伝出走の浅井選手も距離が伸びていいタイプですし、大澤選手もタイムを上げています。さらに、大器の大森選手がここに来て順調。オーダーに入ってくるのかどうか??
他では3年小室選手が箱根エントリー抜擢。3障で日本学生トップレベルの成績を誇りますが、直前ハーフで結果を残しました。どこか標準を絞るのか。また3年土壁選手も2年連続エントリーは山下り準備でしょうかね。こう見ると前回メンバーは8人!昨年のように王者の前にいって、総合優勝を狙うオーダーを探っていきたい。
最終!区間エントリー予想
1区鈴木宗孝①
2区相澤 晃③
3区山本修二④
4区小笹 椋④
5区田中龍誠②
6区今西駿介③
7区西山和弥②
8区吉川洋次②
9区中村拳梧④
10区野口英希②
・往路優勝しつつ、7区8区にコマを残せるか。
総合優勝をするには、王者を前に行かせては非常に厳しくなります。前回同様往路優勝したうえで、復路にもコマを残す必要があります。酒井監督も「7区8区は強化」したいそうで、主力選手投入も予想されます。
柱は複数揃っている東洋大ですが、選手層の厚さという点では、やや見劣りするのは確か。攻める区間を明確して考えていく必要があるのは確かでしょうかね。やや不調の柱をどこに配置するかもポイントです。
1区鈴木選手…スターターは悩みますね。復調途上の西山選手は一番合っていますし、復路にコマを残すために、そのほかの選手も名前が上がりましたね。全日本1区の田上選手、ここに来て急上昇中の大森選手の名前もあがりましたが…。
自分は1年鈴木選手にします。全日本や上尾ハーフの成績からすると、ひとまず流れに乗って走ることはできそうに見えましたし、持っている走力は高いかなと思います。うまく集団に潜り込んで前と僅差で繋げれば。
2区相澤選手…ここ前回と同じでいいですかね。前回2区区間3位、全日本8区1位と長いロードで強さを見せる相澤選手が適任なのでしょう。アップダウンもおそらくいけるっぽい。前回は大きく流れに乗った中での走りでしたが、今回は自ら作ることが求められる展開かな?その中でしっかりトップ付近に付けたいところです。
3区山本選手…主力全員が万全なら山登り5区も考えたのですが、今回も3区で単独トップに立つ役割をと思っています。タイムとしては前回並みがターゲットでしょうか。兄弟が複数回箱根を走る中、初めて父親も見に来るということで気合も入っているはず。少しでも引き離すことができれば。
4区小笹選手…そして旧4区を3年前に経験している4年小笹主将を再び4区へ。全日本では劣勢の状態でガンガン前を捉えていく走りを見せました。こういう走りができるなら、小笹選手を準エース区間となった4区でも起用ができるはずです。しっかりと流れをキープして山へ入りたい。
5区田中選手…前回も5区を走って区間9位でまとめて往路優勝のテープを切っています。平地の走力もぐっとあがってきていますので、見違える走りになっているかもしれません。目標としては73分切りというところになるでしょうか。区間5位あたりまでにまとめられれば、もう一度往路優勝を狙えるはずです。
6区今西選手…勝負の復路3区間になります。前回力負けとなった6区に再び今西選手を起用。平地で悪い流れを変えるくらい力が漲ってきていますが、希望は6区だそうですね。それならば、58分半あたりはターゲットにしたいところ。王者の強みをそれほど大きな差にならないようにできれば。
7区西山選手…大勝負を駆ける区間ですね。多分、王者は区間記録保持者を持ってくるはずです。そうなるとそこそこの好走くらいではかなり突き放される区間になります。復調途上の西山選手を一か八か持ってきましょう。状態が上向きなら63分きりは目標にできる走力はあります。力みすぎず、自分の力を出し切ることができれば。
8区吉川選手…もう一つ攻める区間を作ります。王者は前回まで3年連続の出走者が抜けているので、穴になるかもしれない区間です。ここにロード職人の吉川選手を投入します。上りも得意と言うのは無しですし、気象条件が良ければ、区間記録もターゲットにできるのではないでしょうか?ここが最後の攻める区間。これで前に立てていなければ仕方ないかな?
9区中村選手…10区候補の一人…と思っていたのですが、世田谷ハーフで青学のレギュラー争いの中にまじって63分台を出したということで、評価がぐんと上がりましたね。それなら9区で70分きりも十分狙える走力がついているのではないでしょうか。4年目で最初で最後の大学駅伝、満を持して出走してほしい。
10区野口選手…最後の区間は調子の上がっている選手ですかね。残っている2年生の誰かでしょうか。実戦で23.4㎞を走っている野口選手を抜擢します。川越ハーフでもやはり長い距離に強いところを見せましたし、候補になってくるはずです。
もし土壁選手が山下り6区58分台で走れるようなら、今西選手を平地に回して選手層を厚くすることもできますかね。その時は1区西山、7区今西選手でいいのかな?1年鈴木選手は10区に回すかどうか。柱は複数いますので、オーダーを組むうえで、色々考えることはありますかね。
とにかく、前哨戦では今一つでも、箱根駅伝で10人きっちり走らせる力は、本当に素晴らしいところがあります。11年連続3位以内、4年連続の2位は射程圏内。ここのところ届いていない総合優勝へ、5年ぶり5回目の歓喜に沸く瞬間へ、牙を研ぎ澄ませているはずです。