【関東学生連合・その他】2018-2019大学駅伝シーズンの展望~個性豊かな卒業生と、上がってくる平均タイム

この特集は最後になります。

95回記念大会も結成に!あの選手の集大成が見られるのか!?

関東学生連合

卒業生特集

ここ2年間関東学生連合が下位だったこともあり、戦績的にはあまり目立ちませんでしたが、実はかなり独特の陸上人生を送っている選手が出走しています。

 芝浦工業大・矢澤健太(1万m:29分57秒99)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       197位    
2年       267位    
3年       207位  ハーフ  
4年 1区21位参     88位 ハーフ14位  

箱根本番でとてもクローズアップされた選手。急きょの出番での箱根1区の力走は記憶に新しいです。

高校時代まで剣道部所属ですが走るのは自信があり、大学入学と同時に陸上部挑戦、6月に走った初の5000mは16分12秒でした。今回の箱根出走者で最も実績が少なかった選手です。もっとも、すぐに15分05秒を出し、箱根予選で200位以内に入っているので並のセンスでは無かったですね。

その後少しずつベストタイムを縮めると、3年上尾ハーフで65分台をマークし、本格的に連合選出が視野に入ってきます。4年春には1万m30分04秒をマーク、関東ICハーフでは14位の成績を残し、自信を深めます。

迎えた箱根予選、大幅ベストとなる88位61分04秒で学生連合で9番目のタイムでメンバー入りを果たします!しかし、今回は11月の1万m合計タイムで出走メンバーを決めることになります。初の29分台を出しますが、僅か0.58秒差で11番手に下がってしまい、箱根路が遠ざかります。

それでも補欠1番手ではあり、どこの区間でも対応する準備を進めていました。そして年末、1区予定の選手が体調を崩し、芝浦工業大として初めて箱根路を駆け抜けるランナーに!他校がエース級を配置する中、6㎞過ぎで遅れたのは仕方ない。ここから粘り64分台でまとめきったのは力を出し切ったと思います。仕事柄、もしかするとまた名前を見る機会はあるかもしれません。

 日本薬科大・桜庭宏暢(1万m:29分31秒79) 進路:セキノ興産
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       188位    
2年 補欠     153位 ハーフ  
3年 6区20位相     87位 ハーフ  
4年       145位 5千、1万  

こちらは前回の連合で、日本薬科大の選手として初めて箱根路を駈けた選手ですね。もっとも彼も紆余曲折あった選手です。

高校時代から箱根駅伝を目標にしていましたが、結果を残せず、どこの大学からも声はかかりませんでした。諦めて、自衛隊入りしていましたが、その際に当時強化1年目だった日本薬科大から推薦状が届いたそうです。再び箱根への想いが沸いてきて、進学を決意しました。そこから箱根まで行くんですが、人生分からないものですね。

1年目からチームトップの成績&関東ICハーフの標準を切る成績をマークすると、2年時にギリギリながら連合選出、3年目はさらに力を付けて連合内11番目の成績で選出されます。ただ、当時の規定はエントリー2回まで、そして当日の出走メンバーは箱根予選の成績をもとにするので、最後のチャンスですが実質出場は厳しいものでした。

そんな中、当時の連合の監督が「出走メンバーは11月の1万mの記録のみで決める」と宣言。その11月の大会で30秒以上ベストを更新し見事10番手でゴール!自力で逆転出場をつかみ取ります!

箱根本番は6区20位相当、上りが得意とのことでしたが、チーム事情で山下りとなったのが響いたでしょうか。それでも、チームに確かな足跡を残しました。その後は関東ICトラック挑戦、そして実業団への道も開けています。

 平成国際大・後藤蓮也(1万m:30分00秒61)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年            
2年            
3年            
4年 補欠     120位    

4年目で開花した選手ですね。それまでは主要大会はおろか、箱根予選でエントリーに入ったこともありませんでした。4年秋に1万30分00秒の大幅ベストを出すと、箱根予選120位と力走しメンバー入り!13番手から大逆転の出走の可能性を残しての11月記録会でしたが、序盤に転倒。レースを続ける事ができなかったのが悔やまれます。それでも、最後まで諦めない事が大事なことを伝えてくれた選手です。

 駿河台大・河口昂平(1万m:30分22秒14)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       283位    
2年       175位 3障   
3年       230位    
4年 補欠     142位 ハーフ  

駿河台大の河口選手は、高校時代から5千m14分半ばのタイムを持っていて、新興校の中では有力選手でした。2年目に少しずつ伸びてきて箱根予選175位の成績を残します。その後、足踏み時期もありましたが、4年目にベストを出し、16番目ながら連合に選出されています。

 流通経済大・福留大樹(1万m:29分27秒45)
学年 箱根 全日本 出雲 予選(箱/全) 関東IC 他主要大会
1年       354位    
2年       229位    
3年 補欠     153位    
4年       170位 5千、1万  

福留選手は小林高出身の14分台ランナーですね。下級生の頃は中々試合で見れませんでしたが、3年春に5千m14分19秒と記録を伸ばすと、箱根予選でも大幅ベストで16番目で連合に選出されます。

この年は1万mで仕切り直しの年。ここで29分27秒の大幅ベストで9番目のタイムを残し、8区内定します!ただ、その後大きく状態を落としてしまし、最終的に出走できなかったのが悔やまれますね…。4年目は関東IC・箱根予選共に主力として引っ張る姿が見られました。

その他

◆関東IC入賞&上位者
駒山魁都(日薬大)…4年1500m3位
風戸啓希(一橋大)…4年1500m12位
小髙真基(桜美林)…4年ハーフ16位
小野隼太(茨城大)…4年3障12位 ※院へ
ラザラス モタンヤ(桜美林)…3年1500m1位5千15位、1年1500m1位
滝口 諒(平成国大)…2年1500m11位

桜美林大の1人目の留学生モタンヤ選手もいましたね。1500mで2度関東IC優勝しています。連合ということでは、小高選手に注目が集まったのですが、残念ながら4年秋に状態を合わせることができませんでした。

親崎達朗(駿河台大)29分26秒17
吉田和也(平国大)29分44秒12
高橋 宗(日薬大)29分51秒71

あとは1万29分台を記録した選手です。それぞれ4年、2年、3年の時にマークしています。

連合候補・戦力分析

【エース/連合有力選手】
近藤秀一(東大④)29分13秒71≪17:予20位、16:予58位、15:予73位≫
吉里 駿(駿河台大②)29分20秒92≪17:予213位≫
地福詩音(流経大④)29分36秒27≪17:予169位≫
小美濃駿(平国大④)29分36秒52≪17:予158位、16:予293位≫
西村 茂(流経大③)29分38秒43
鈴木悠太(平国大④)29分41秒28≪17:予149位≫
関口大樹(関学大③)29分42秒46≪17:予189位、16:予200位≫
菊地海斗(流経大③)29分43秒95≪17:予157位≫
池田 親(筑波大③)29分49秒54≪17:予125位≫
大倉秀太(日薬大②)29分54秒05
今川深透(日薬大②29分54秒06≪17:予226位≫
下田季矢(武蔵学②)30分10秒60≪17:予146位≫
西沢晃佑(駿河台大④)30分12秒16≪16:予284位、15:予186位≫
山内郁人(明学大④)30分24秒40≪17:予204位、16:予234位、15:予326位≫
森 駿太(桜美林大④)30分45秒74≪17:予211位≫
村上 滋(東経大③)30分57秒12≪17:予216位、16:予301位≫
【留学生・既出走】
サイモン カリウキ(日薬大④)27分53秒50≪17:予3位、16:予5位、15:予164位≫
レダマ キサイヤ(桜美林大③)28分08秒06≪17:予1位、16:予2位≫
タイタス ワンブア(武蔵学③)28分28秒91≪17:予6位、16:予236位≫

藤井亮矢(武蔵学③)29分30秒31≪17:予364位、17:箱7区16位相当、16:予42位≫
田島 光(関学大④)29分37秒79≪18:箱5区21位相当、17:予136位、16:予142位≫
溜池勇太(日薬大③)29分40秒75≪18:箱9区13位相当、17:予84位、16:予221位≫
根岸祐太(慶大④)29分45秒90≪18:箱8区20位相当、17:予76位、16:予219位、15:予256位≫
田部幹也(桜美林大④)29分46秒26≪18:箱3区21位相当、17:予56位、16:予178位、15:予242位≫

【新入生】
ブヌカ ジェームス(駿河台大①)13分38秒76
小野友生(慶大①)14分20秒57≪17:IH1500m8位≫
石井闘志(流経大①)14分36秒55
脇本 岳(武蔵学大①)14分41秒31
竹上世那(流経大①)14分42秒62≪18:全国1区42位、17:高1区25位≫
阪本大貴(駿河台大①)14分43秒28
佐藤琥稀(平国大①)14分43秒31
倉野恭佑(駿河台大①)14分43秒70
厚浦大地(関学大①)14分44秒40
田尻 健(駿河台大①)14分44秒74
友村俊介(武蔵学大①)14分48秒90

連合チームが2年連続で下位に沈み、更に単独枠が増え、更なる戦力低下が懸念される中、今回も連合チームは組ませてもらえることになり、まだまだ多くのランナーに箱根出走のチャンスがあります。

箱根予選や最近の成績で候補者を並べてみました。走れそうで走れない東大・近藤選手が成績としてはずば抜けていますが、他にも面白い選手がいますね。駿河台大はスピードランナー吉里選手とスタミナタイプの西澤選手と2人面白そうな選手がいます。初の留学生獲得もしていますし、チームとして今年は注目となっています。

他、平成国際大・流通経済大・日本薬科大は複数1万29分台が出ていますし、武蔵野学院大もトラックで結果が出て、1万mの平均タイムはどこも上がってきていますね。ここから夏に伸ばせるところはどこになるでしょうか。

新入生では慶大がIH決勝進出者を獲得、他、14分40秒台あたりの選手にも箱根未出場のチームに進む選手も多くなっています。どのような4年間になるか??他、関東IC・箱根予選での留学生の対決にも注目が集まりますし、すでに箱根本戦を経験している選手たちも、陸上人生を満喫できるようにしてくれればなと思います。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。