【箱根駅伝2018(第94回)】9区の記録・結果を振り返る

続いて9区です。青学大はここから安全運転へ、東洋大は数少ない上級生で意地を見せに行きます。

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第94回箱根駅伝9区

○東洋・小早川選手が4年生の意地!青学大との差を押し返す
○早大・清水選手が長い不調を脱し区間賞!3位の背中を捉える!
○中学大失速で10位転落、粘る順大とシード権アンカー決戦へ

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権太坂7.7㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 総合トップ差 通過トップ差
5位 近藤(青学) 23分32秒 
5位  小早川(東洋) 23分32秒  ②6:15
8位  湊谷(東海) 23分39秒  ③10:47
1位  室伏(日体) 23分04秒  ④11:25
2位  清水(早大) 23分12秒  ④11:25
4位  磯田(法大) 23分25秒  ④11:25
7位  中原(城西) 23分34秒  ⑦12:00
12位 廣(中学) 23分57秒 ⑧13:54
9位 小森(帝京) 23分53秒 ⑨13:59
16位  中井(拓大) 24分04秒  ⑩14:22  
12位 中村(順大) 23分57秒 ⑪15:34
14位 池田(中大) 24分01秒 ⑫17:34
3位  堀合(駒大) 23分23秒  ⑬18:08
9位 大野(神大) 23分53秒 ⑭18:56
11位 熊耳(國學) 23分55秒 ⑮19:10
15位  東国(鈴木) 24分02秒  ⑱22:49 16)19:33
17位  藤田(山学) 24分05秒  ⑯22:20 17)20:33
17位  辻田(国士) 24分05秒  ⑲26:11 18)20:33
17位  松下(上武) 24分05秒  ⑳31:35 19)20:33
17位  谷川(大東) 24分05秒  ⑰22:22 20)20:33
17  溜池(日薬) 24分05秒  20.5)41:28 20.5)20:33

青学大の9区は4年の近藤選手。箱根駅伝のみならず、大学駅伝が初出場の選手だ。3年冬にハーフ62分台を出したものの、この時はPMしていた主力選手の鼓舞があったもの。安定感にやや難があったそうだ。夏には2軍降格してしまい、半ば箱根を諦めた時期もあったそうだが、最後の最後に滑り込んだ。2位東洋・小早川選手は東洋大16人エントリーの中で唯一の4年生、上位2名はともに紆余曲折あった最上級生の争い、権太坂までは互角だった。

その後ろ、東海・湊選手を挟んだ、4位争いが激しい。4.2㎞地点で法大・磯田選手に、日体・室伏選手が早大・清水選手を引き連れながらやってきて3人の争いに。室伏選手が引っ張り、清水・磯田選手はこれについていく格好だ。この3人が権太坂までで非常に速い入り、実績からすると4年ながら初の大学駅伝の磯田選手が健闘か。後ろは城西・中原選手も見え隠れしていて、まだまだ順位変動がありそうだ。

その後ろはもうシード権争いだ。中学・帝京・拓大といった育成の星のチームがギリギリシード権上。伝統校の順大・中村選手が後ろ追いかける。2016年12月右足の親指を痛め、その後治療に専念した時期があると言います。まだ当時無名でしたが、長門監督はずっと気にかけてくれたという。監督が走った9区を直訴したという中村選手が僅かながらシード権との差を詰めて1分12秒差。これまた4年にして初の大学駅伝出場の選手がこのまま詰められるか注目だ。、

12位以降はシード権もなくはないが、繰り上げもちらつく差。その中で全日本6区区間賞と実力のある駒大・堀合選手がさすがに3番目の早い入り。一気に中大・池田選手との差をつめにかかる。また、復路鶴見での繰り上げに縁が深い?神大と國學院大が19分前後と微妙な位置へ。特に神大・大野選手は2年前、5秒届かなかった長い経験がある。悪夢がちらつく中の走りが注目された。

横浜駅前14.5㎞-権太坂7.7㎞=6.8㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差 通過トップ差
13位 近藤(青学) 20分57秒 8)44:29
2位  小早川(東洋)  20分27秒  5)43:59  ②5:45 
8位  湊谷(東海)  20分33秒  6)44:12  ③10:23 
2位  室伏(日体)  20分27秒  1)43:31  ④10:55 
2位  清水(早大)  20分27秒  2)43:39  ④10:55 
2位  磯田(法大)  20分27秒  4)43:52  ④10:55 
12位 中原(城西) 20分56秒 9)44:30 ⑦11:59
7位  中井(拓大)  20分30秒  10)44:34  ⑧13:55 
10位 小森(帝京) 20分53秒 11)44:46 ⑧13:55
14位 廣(中学) 20分58秒 14)44:55 ⑧13:55
11位 中村(順大) 20分54秒 12)44:51 ⑪15:31
1位  堀合(駒大)  20分16秒  3)43:39  ⑫17:27 
9位 池田(中大) 20分51秒 13)44:52 ⑬17:28
6位  大野(神大)  20分29秒  7)44:22  ⑭18:28 
20位  熊耳(國學)  21分11秒  15)45:06  ⑮19:24 
15位 鈴木(東国) 21分06秒 16)45:08 ⑱22:58 [16]19:42
16位  谷川(大東)  21分07秒  17)45:12  ⑰22:32  [17]20:43 
16位  藤田(山学)  21分07秒  17)45:12  ⑯22:30  [17]20:43 
16位  辻田(国士)  21分07秒  17)45:12  ⑲25:21  [17]20:43 
16位  松下(上武)  21分07秒  17)45:12  ⑳31:45  [17]20:43 
16  溜池(日薬)  21分07秒  17)45:12  20.5)41:38  [17]20:43 

11.8㎞地点、トップの近藤選手がお尻の部分を叩くシーンがあった。直射日光と向かい風(横に近い)が例年以上に強く、難しいコンディションになっていることも影響していただろうか。この定点間は13番とやや苦戦気味だ。逆に小早川選手が定点間2番目と元気で一気に30秒詰めた。服部OBも「4年の意地の走りができている」と評価されていたが、再び東洋大が箱根の強さを見せ始めた。

3位争いはまだまだ分からない状況。3位を走っている湊谷選手は、9区出走者で唯一1万28分台ですが、競り合う後ろの4位争いの方が元気で、13.6㎞地点で30秒差に迫っていた。ただ、横浜駅前ではその差は32秒とほぼキープ。湊谷選手が粘ったというか、4位争いずっと引っ張っていた室伏選手がやや疲れが見え始めたかもしれません。その後ろ7位の中原選手はちょっと離れてしまった。

シード権争いは、10位だった拓大・中井選手が、拓大らしくペースアップ。この定点間は7位と好タイム。帝京・小森、中学・廣選手ら実力者を捉え8位争いへ浮上。これには順大・中村選手も引き離され、1分36秒差となった。ついに決まりか、そう思われたが、定点タイムでは同タイムながら、廣選手が遅れ加減に見えたが…。

定点間で一番早かったのは駒大・堀合選手。中大・池田選手が前に見えてからかさらに加速、定点の直前で捉えていた。池田選手もこの間は9番と頑張っています。基本この区間はルーキー厳しいですが踏ん張っています。

その後ろは神大・大野選手が奮闘しトップとの差を縮めます。4年連続箱根出走しながら力をつけた大野選手が繰り上げ回避へ向けてひた走ります。その後ろ、國學・熊耳、東国・鈴木選手が19分半前後へ。厳しい情勢となってきたが、トップがスピードに乗れていない。この間最下位の熊耳選手でも近藤選手から僅か14秒差遅れ。この後の走り次第ではまだ回避できる可能性がある形だ。

生麦20.2㎞-横浜駅前14.5㎞=5.7km

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差 通過トップ差
9位 近藤(青学) 18分11秒 9)62:40
2位 小早川(東洋) 17分56秒 4)61:55  ②5:30
7位 湊谷(東海) 18分08秒 6)62:20 ③10:20
1位 清水(早大) 17分49秒 1)61:28  ④10:33
3位 磯田(法大) 17分57秒 3)61:49 ⑤10:41
15位 室伏(日体) 18分39秒 5)62:10 ⑥11:23
18位 中原(城西) 18分55秒 15)63:25 ⑦12:43
4位 小森(帝京) 18分01秒 10)62:47 ⑧13:45
4位 中井(拓大) 18分01秒 7)62:35 ⑧13:45
13位 廣(中学) 18分26秒 13)63:21 ⑩14:10
10位 中村(順大) 18分14秒 11)63:05 ⑪15:34
6位 堀合(駒大) 18分07秒 2)61:46 ⑫17:23
19位 池田(中大) 19分13秒 19)64:05 ⑬18:30
11位 大野(神大) 18分15秒 8)62:37 ⑭18:32
12位 熊耳(國學) 18分17秒 14)63:23 ⑮19:30
17位 鈴木(東国) 18分50秒 18)63:58 ⑱23:37 [16]20:21
3.5 溜池(日薬) 18分00秒 11.5)63:12 20.5)41:27 [17]20:32
7位 谷川(大東) 18分08秒 12)63:20 ⑯22:29 [18]20:40
14位 辻田(国士) 18分33秒 16)63:45 ⑲25:43 [19]21:05
16位 藤田(山学) 18分41秒 17)63:53 ⑰23:00 [20]21:13
20位 松下(上武) 19分16秒 20)64:28 ⑳32:50 [21]21:48

中盤ちょっと心配だった近藤選手は区間上位ではないものの、そこからは大崩れすることなく走り続ける。区間真ん中をキープ、原監督の思惑通りしっかり安全運転を続けている。その中、大差はついたものの小早川選手が懸命に追い上げる。このあたりで酒井監督から「ラスト3㎞ないんだぞ、走れなかった分の思いも込めて、もっとピッチをあげて!」と声がかかる。更なる追い上げがありそうだ。

大きな動きがあったのは4位争い、15㎞を過ぎてから清水選手が引っ張るようになって、16㎞あたりで一気に苦しそうな表情になった室伏選手が脱落する。やはりちょっと早かったか。また、磯田選手も脚が痙攣しかかって無理せず後退。清水選手が単独4位に上がり、更にそのまま湊谷選手を追い詰める。この間トップの走りで13秒差まで詰めた。清水選手は年間通して調子が悪かった記憶があるが、ここで区間トップに。早大の箱根に合わせる力に恐れ入る。

そういえば単独4位となった磯田選手も予想外の快走だ。8区の控えと告げられて、当日を迎えた中、9区出走予定の選手が体調不良に。ざっとコースの下見をして臨んだ中ここまで区間3位だ。本人はいいところで日体と早大が追いついてきたのでついていくだけでいいと割り切ったそうですが、それでも結構なハイペースだったはずだ。安定感は売りの選手だったと思いますが、法大ファンも驚いたのでは…。

シード権争いははまず、8位タイで帝京・小森&拓大・中井選手が抜け出した。長い距離に強みがある2人、この定点間は4番目とかなりいい走りだ。これについていけなかった中学・廣選手が定点間13番目。順大・中村選手が1分24秒差で再び追い上げ始める。廣選手の失速は川崎監督の中では誤算だったそうだが、まだ1分半近くある状況だ。4年連続シード権はまだ射程圏内だ。

繰り上げの争いは、國學・熊耳選手が踏ん張り19分30秒差。この間は6秒開いただけだ。バイクカメラと監督からの声である程度は把握しているだろう。あとはスタミナだけ。元々スタミナ型だが、春のレース以来ぶっつけでこの復路のエース区間に挑んでいることだけが気がかりだった。

その後ろ、東国・鈴木選手は勝負所でペースダウンし20分オーバー。箱根予選何度も出走している選手だが苦しくなった。その後ろ、横浜駅前まで固まっていた5人の集団が崩れていて、学生連合の日薬・溜池選手が力走、この定点間は4番目相当だ。復路終盤で初めて連合チームにいい色がついた。前回区間一桁で走っている大東・谷川選手もさすがに数秒差で追走。こういうところの頑張りもしっかりチェックしたい。

鶴見中継所23.1㎞-生麦20.2㎞=2.9㎞

定点順位 名前(大学) 定点間タイム 個人総合 総合トップ差 通過トップ差
6位  近藤(青学)  9分11秒  9)71:51  ① 
2位  小早川(東洋)  9分03秒  3)70:58  ②5:22 
5位  湊谷(東海)  9分10秒  5)71:30  ③10:19 
6位  清水(早大)  9分11秒  1)70:39  ④10:33 
12位 磯田(法大) 9分29秒 4)71:18 ⑤10:59
11位 室伏(日体) 9分27秒 6)71:37 ⑥11:39
16位  中原(城西)  9分49秒  15)73:14  ⑦13:21 
3位  中井(拓大)  9分06秒  7)71:41  ⑧13:40 
4位  小森(帝京)  9分08秒  10)71:55  ⑨13:42
13位 廣(中学) 9分33秒 13)72:54 ⑩14:32
9位 中村(順大) 9分13秒 11)72:18 ⑪15:36
1位  堀合(駒大)  9分01秒  2)70:47  ⑫17:13
8位 大野(神大) 9分12秒 8)71:49 ⑬18:33
18位  池田(中大)  10分02秒  18)74:07  ⑭19:21 
16位  熊耳(國學)  9分46秒  14)73:09  ⑮20:05 
10位 谷川(大東) 9分17秒 12)72:37 ⑯22:35 [16]20:46
15  溜池(日薬)  9分42秒  13.5)72:54  21)41:58  [17]21:03 
20位  鈴木(東国)  10分20秒  20)74:18  ⑱24:46  [18]21:30 
14位 辻田(国士) 9分41秒 16)73:26 ⑲26:13 [19]21:35
18位  藤田(山学)  10分06秒  17)73:59  ⑰23:55  [20]22:08 
15位  松下(上武)  9分42秒  19)74:10  ⑳33:21  [21]22:19 

4年連続断トツトップで青学大が復路の鶴見中継所に姿を現した。近藤選手は思い通りの走りとはいかなかったものの、激しい青学のレギュラー争いを最後に勝ち抜いた。ラスト3㎞は意地を見せて定点間6番目。しっかりとアンカーへ襷を繋げた。

2位東洋・小早川選手もよく走った。残り1㎞で酒井監督から「ファイトファイト、走れなかった4年生の分もしっかり走ってくれ」と声をかけられていたが、学内の選考会では調子の上がらない前回区間賞の野村選手に声をかけながら走っていたそうです。その思いもあったでしょうか、終盤はずっと定点2番目を推移。50秒以上トップとの差詰める力走だった。

3位争いはかなりのバトルとなった。残り1㎞の地点で湊谷・清水選手との差が10秒を切る場面もあったそうですが、最後はスピードのある湊谷選手が意地を見せ14秒差で死守。早大・清水選手は本人驚きの区間賞でしたが、やはりそれよりも総合3位に何とか、という走りだった。最も後に遠因となりますが…。

その後ろもポツンポツンと見えてくる。法大・磯田選手が最後は疲れたが、5位でやってきた。もし9区の当日の体調不良がなければこの好走はなかっただけに、坪田監督は「自分に見る眼が無い」と嘆いておられましたが、ただ法大はいい流れになった時、代打の選手が予想外の好走を見せることは、伝統になっている感じもする。6位日体・室伏選手もナイスな突っ込み、目標の総合3位へ、渡辺監督「最も調子のよい選手」に襷を託した。

7位城西・中原選手は終盤は苦しい走りが続きそこからは2分近く後方へ。逆に終盤追い上げた8位争いはすぐ後ろに迫っていた。拓大・中井選手が2つ順位をあげて8位へ。直後に小森選手がタスキをつないだ。ややもたついたがようやく抜け出したか。後ろ、中学・廣選手が中々やってこない。来たと思ったらややフラフラと蛇行。個人的には繋ぎ区間や短めの区間をずっと走っていたのが響いたのかなと思うが、廣選手が苦しかった。それでもシード権ぎりぎりの10位は保ってタスキを繋いだ。

さて11位だ。順大・中村選手がしばらくしてからやってきた。鶴見中継所のスタートラインに立つのは4年花澤選手。その眼に光るものを見て、泣けてきた駅伝ファンは多かったのではないでしょうか。この世代トップクラスの選手だが、紆余曲折あり、1年全日本以来の大学駅伝だ。ただ、感慨に浸る暇はない。1分04秒差とまで迫ったシード権獲得の重役を担うこととなった。

その後ろはやや差が開いたが、堀合選手がかなりの勢いでやってきた。ラスト3㎞は再び定点間トップのタイムとなり、全体でも区間2位。しっかりと役目を果たした。シード権とは2分41秒、とにかく諦めない走りを同学年のアンカーに託した格好だ。そのあとは神大・大野選手がやってきた。2年前と同じようにはならず、区間8位の力走。総合13位にまで押し戻してきた。4年生が懸命に踏ん張っている。

ここからが繰り上げがどうなるかというところ、堀合選手に交わされてからかなり失速していた中大・池田選手がやってきたのはまだ少し繰り上げまで時間があった。2年ぶり復帰の中、何とか一本でタスキを繋いだ。

そして残り30秒となったところ、熊耳選手が側道に入ってきた。残り1㎞地点で前田監督が「あと1㎞3分09秒だ、みんなの思いを届けるぞ、お前だけじゃないんだぞ。途切れさせるわけにはいかない、絶対届く!」と叫んでいた。おそらく大まかなタイムは分かっていたはずだ。はずだが…

少しでもペースをあげようとすると、転倒しそうになるくらい脚が残っていなかった。懸命のもがきも残り20mで無情のピストルの音、今回も目前の悲劇が起こってしまった。一時期、繰り上げが少なくなった時期もあったが、最近はトップが圧倒的になってしまった影響もあるでしょうか。國學院含めて7チームが繰り上げとなってしまった。

その後は全区間の繰り上げトップで大東・谷川選手。秋から調子はよくなかったが、前回区間一桁で走っただけあり、程なくやってきた。先ほどスパートをかけた溜池選手はややタイミングが早かったか失速。それでも区間14番相当なので健闘だ。通信制編入経を経たり、視覚障害者ランナーのパートナーを務めたり、実は色々とキャラが深い選手なのですが、また主要大会で見る日はくるだろうか??

そのあとは最後は悔しい走りとなった東国・鈴木選手。2年前より一区間多くタスキを繋げたものの、ここでブレーキ。あと一区間届かなかった。続いて国士大・辻田選手。4年目で一気に伸びた選手、大崩れすることなくこの9区を走り切った。

そこからやや遅れて2名の選手がやってきた。山学・藤田選手と上武・松下選手だ。藤田選手は横浜駅前定点の映像では集団を引っ張る様子があったが最後は苦しかった。松下選手は苦しい走りだったがラスト3㎞意地を見せて前を追った。最後のお礼がすがすがしかった。


差はあるものの青学と東洋の上級生の意地の走り、3位から6位の激しい争い、シード権争いは10区実力のある選手が11位スタート、繰り上げのドラマ。色々と9区の見所が詰まった形になったと思います。

おまけ:僅差区間が多かった今年の箱根駅伝

1区:区間賞(62:16)~区間最下位(63:55)まで1分39秒差
2区:区間賞(67:15)~区間最下位(71:11)まで3分56秒差
3区:区間賞(62:17)~区間18位(65:42)まで3分25秒差
4区:区間賞(62:21)~区間18位(65:30)まで3分09秒差
5区:区間賞(71:44)~区間11位(74:45)まで3分01秒差、19位まで5分17秒※差がついた

6区:区間賞(58:03)~区間18位(61:21)まで3分18秒差
7区:区間賞(62:16)~区間2位(64:50)まで2分34秒
一方で、区間2位~区間最下位(68:20)まで3分30秒差
8区:区間賞(64:46)~区間2位(66:17)まで1分31秒差
一方で、区間2位~区間19位(69:38)まで3分21秒差
9区:区間賞(70:39)~区間最下位(74:18)まで3分39秒差
10区:区間賞(71:09)~区間最下位(74:28)まで3分19秒差

いまさらですが、基本的には僅差でしたよね、というデータです。区間最下位まで含めるとさすがに大きく離れていますが、区間3位~区間18位あたりまではほとんどが3分前後あたりに収まっていますね。選手層で差が付くと言われる9区10区も今年は他の区間並みの差となっています。どの大学もひとまず走れるランナー10人は揃えてくるようになったのだなと感じます。

その中で、やはり5区山登りはなんだかんだで差が付くということ、7区8区の繋ぎ区間での青学大の独走劇も際立つなぁという感じです。2人で区間2位に4分05秒ですから、そりゃどこもひとたまりもないですよね。こういう走りが続くと青学の5連覇も見えてくるのかなと思います。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

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