箱根駅伝2018(第94回)を振り返る【1区編】

参照:http://www.ntv.co.jp/hakone/index.html

少しずつ熱も冷めてきましたかね。

落ち着いてきたところで、各区間の振り返りをしていきたいと思います。

なお、速報でうまくできなかった定点間順位と通過順位をミックスしたものをしっかり公開していきます。

なお、先にデータを更新します。(各区間の動画なりをもう一度みてからコメントした方がいいかなと)

ページコンテンツ

1区

・ほとんどが蒲田定点以降での差
・西山選手のロンゴスパートの凄さが際立つ
・芝工大矢澤選手ラスト粘る

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蒲田15.2㎞

上から総合順位順ですが、

左側は”定点間”のタイム順位を表記しています。どの位置の選手がどんな走りをしていたかより分かりやすくする意図があります

順位 名前(大学) 定点間タイム 総合個人 総順・トップ差
1位 栃木(順大) 44分46秒 ①0:00
1位 馬場(拓大)
1位 三上(東海)
1位 鈴木(青学)
1位 舟津(中大)
1位 浦野(國學)
1位 大森(中学)
1位 西山(東洋)
1位 永戸(山学)
1位 坂本(上武)
1位 岩佐(帝京)
1位 藤原(早大)
1位 西嶋(城西)
1位 新井(大東)
1位 住吉(国士)
1位 山藤(神大)
1位 吉田(日体)
1位 片西(駒大)
1位 土井(法大)
20位 真船(東国)  44分51秒 ⑳5秒差
OP 矢澤(芝工) 45分45秒  20.5 (20.5)59秒差

2018年1月2日午前8時、一瞬の静寂ののち、号砲。一番最初の曲がり角は4連覇を狙う青学・鈴木選手が獲りました。

ただ、程なくして前に出てきたのは順大・栃木選手。1区2区大逃げを狙う順大としては早いうちに逃げたいのでしょうか。1㎞2分52秒、3㎞8分42秒とまずまずのペースで進みます。背後は東海・三上、中大・舟津、鈴木、國學・浦野選手らがピタリとつき、集団は固まったままでした。

大逃げといえば神大も2本柱を投入していますが山藤選手は真ん中で目立たない位置をキープしている形となります。神大としては順調なはずでしょうか。5㎞14分36秒と1㎞3分を切り続けるペース。ただ、1万28分台のランナーが多数いる中、どこまで引っ張り続けることができるのか気になるところだ。このくらいではPMになってしまう恐れが気になります。

そんなことを気にし始めた5.8㎞地点、連合の芝工大・矢澤選手が少し遅れかける。本来は11番手の選手でしたが1区予定の選手がインフルエンザになり急遽エントリー。力としてはこの中では劣る選手だ。状態は良く、集団の後ろで風を受けないようにしていましたが、トラックのベストより早いペースに何度も腕時計を気にしていたそうだ。暫く数m差を保っていましたが、7.8㎞新八ッ山橋を通過するころには、はっきりと後れを取っていった。このあたりの決断も少し気になるところだ。

集団は相変わらず栃木選手が前ですが、三上、鈴木、浦野選手の他には拓大・馬場選手も比較的前に出てきてはっきりm立つように、また上武・坂本選手は沿道よりでずっと見え隠れしています。このあたりポジション取りも細かく見るのは面白いと思います。

9㎞26分18秒、相変わらずのペースで1㎞ごとに少しペース変動もあり、集団が縦長になったり横長になったりしている。10㎞通過は29分22秒、初めて1㎞3分を超えるペースとなり、まだまだ付けそう。後ろ、80m程後方となった矢澤選手も29分36秒は1万ベスト29分57秒より早い。本人なりに最高の準備をして望んでいたことが分かりますね。

10㎞以降は集団が小さくまとまる形になり、ちょっと動かないレースになってきました。このあたり東洋・西山、坂本選手が中央線より、鈴木選手が歩道側から周囲をうかがう様子が見て取れますね。山藤選手や他に力のある駒大・片西選手あたりは後ろの方で目立たず我慢の走りとなっています。

13㎞過ぎ、拓大・馬場選手が一瞬半身前に出る様子もあったそうですが、やはり栃木選手が基本的に引っ張る展開となっています。ここまでくると力を使うのではとちょっと心配になります。ただ、栃木選手を中心とした三角形の集団が少し縦長になり始めています。

そんな14.5㎞を過ぎたところ、東国・真船選手が後退し始めます。彼からしても箱根予選61分05秒の力からすると致し方ないでしょうか。15㎞を過ぎて4区タイプの法大・土井選手が数m離れるも、何とか取りついている様子だ。他にも大東・新井選手ら少しずつ表情に疲れが見て取れる選手も出始めています。

鶴見中継所21.3㎞ー蒲田15.2㎞=6.1㎞

順位 名前(大学) 定点間タイム 総合個人 総順・トップ差
1位  西山(東洋)  17分30秒  ①62:16  ① 
2位  浦野(國學)  17分45秒  ②62:31  ②15秒差 
3位  片西(駒大)  17分47秒  ③62:33  ③17秒差 
4位 吉田(日体) 17分55秒 ④62:41 ④25秒差
5位 鈴木(青学) 17分57秒 ⑤62:43 ⑤27秒差
6位 山藤(神大) 17分59秒 ⑥62:45 ⑥29秒差
7位 三上(東海) 18分03秒 ⑦62:49 ⑦33秒差
8位 坂本(上武) 18分06秒 ⑧62:52 ⑧36秒差
9位 大森(中学) 18分07秒 ⑨62:53 ⑨37秒差
10位 栃木(順大) 18分07秒 ⑩62:53 ⑩37秒差
11位 藤原(早大) 18分08秒 ⑪62:54 ⑪38秒差
12位 舟津(中大) 18分13秒 ⑫62:59 ⑫43秒差
13位 馬場(拓大) 18分17秒 ⑬63:03 ⑬47秒差
14位 新井(大東) 18分27秒 ⑭63:13 ⑭57秒差
15位 住吉(国士) 18分30秒 ⑮63:16 ⑮1分00秒差
16位 岩佐(帝京) 18分31秒 ⑯63:17 ⑯1分01秒差
17位 永戸(山学) 18分31秒 ⑰63:19 ⑰1分01秒差
18位 西嶋(城西) 18分33秒 ⑱63:19 ⑱1分03秒差
19位 土井(法大) 18分36秒 ⑲63:22 ⑲1分06秒差
20位  真船(東国)  19分10秒  ⑳63:56  ⑳1分40秒差 
OP  矢澤(芝工)  19分06秒  (19.5)64:51  (20.5)2分35秒差 

表情というとゲスト解説の大迫選手は「眼が泳がない人がいい」一色選手は「西山・浦野がいい表情、センターライン寄りの方が他の選手のスパートに対応しやすい」との話がありました。もし牽制の1区で面白くないと思う方は、そのあたりで楽しみを見つけても面白いかもしれません。

各監督がポイントとにらんだ15㎞地点で動きが無く、六郷橋の登りが始まる17.5㎞からかとおもわれた時だった。16.94㎞地点で鈴木選手が一気にスパートをかけた!原監督から「できるだけ目立たず、行くときは躊躇することなく行け」と指示を受けていたそうですが、かなり予想外のところのスパートでした。

素早く反応したのは片西選手でぅぐに2番手の位置へ、更に三上選手が3番手、センターライン寄りから西山選手もあがってくる。早大・藤原、日体・吉田選手、舟津選手らもよく見える。逆に栃木選手は集団中ほど見えなくなってしまう。

その後ろ、馬場、帝京・岩佐、国士・住吉、城西・西嶋、新井、土井選手が苦しげな表情で後退。このうち国士大はエースを起用しているだけにちょっと苦しいのではと思われた。

さて、前にはいつの間にか西山選手が浮上していた。17.8㎞地点、六郷橋の上りで一気に前へ。鈴木選手は離れ、2位争い三上・浦野・吉田・片西・坂本・舟津・山藤選手の集団に吸収される形となった。

六郷橋に入ってびっくりしたのが風の強さ。応援の旗がとても揺れていて突風に近い風が拭いている形だ。そんな中、非常に安定した走りで西山選手がぐんぐん前へ行く。2位争いを一気に30mを離す。一色選手の1年生レコード&大迫選手以来の1年生1区区間賞が現実味を帯びてきた格好だ。

2位は19㎞地点で70m離れたが、片西・浦野選手が中心となっています。浦野選手は実績からすると大健闘だ。後ろ吉田・三上選手が食らいついている。吉田選手は出雲に続き大健闘。三上選手は初の前半区間ながらよく活躍していると思う。優勝候補の中では2区は少し不安がある中、青学と神大より前だ。

20m離れて鈴木・坂本、山藤選手は更に後ろで中々浮上に苦しむ。鈴木選手はスパートが続かなかったか。ただ、もっと気になったのは神大、できれば前に位置して2区エースに楽に繋ぎたいところだが、この位置は思ったより後ろでの中継になりそうだ。

更に舟津・藤原選手、その後ろ中学・大森選手ら1区実績のあるランナーも中々前へ来れない形だ。栃木選手は何とかこの集団から遅れそうになりながら意地で踏ん張っている感じだ。

その後ろ、19.9㎞地点13位馬場選手が山学・永戸選手を抜いた姿も映った。先に馬場選手が遅れたはずで、永戸選手がちょっと苦しくなった。ただ。共に2区が留学生。これ以上開けられなければ2区が面白い展開になる両校だ。

トップ西山選手は19㎞~20㎞2分48秒。さすがに表情は苦しくなりつつあったが、非常にハイペースを維持している。腕にかかれた”その1秒を削り出せ”を1年生ながら体現している格好だ。そのままトップ中継!1年生記録には惜しくも1秒及ばなかったが62分16秒と好タイムをマーク。全日本同様、東洋がまずリードして2区へ中継する格好となった。

2位は14秒遅れ、争いを制した浦野選手がリレー!今年の成長株でしたが、他強豪校の主力選手を破るとは!まさかの展開でした。3位実力者駒大・片西選手、駒大は主力選手が2区を走れなくなって心配でしたが、まずは好位置につけることはできましたか。

4位から11位までが混戦で、吉田選手のリレー直後、鈴木・山藤選手が順位を上げながらリレー。トップと離れたが、三上選手を最後に交わすあたりはさすが実力者と言えるところ。そのあとに、坂本、大森選手ら昨年の経験者、栃木・藤原選手が襷リレー。上武はまずまず稼げたか、中学・早大は何とか粘れた形、順大は行き切れず悔しいところでしょう。

その後ろ、最後やや後退しましたが、舟津選手がリレー。まずは2年越しのたすきリレーにほっとしたところ。12位でエース区間へ乗り出しました。そのあと、早く遅れたなかでは粘った馬場選手が前回区間2位のエース区間へ中継。

そこから10秒して固まりから、1500mスピードのある新井選手が14位、住吉・岩佐選手が直前で永戸選手を交わしてリレー。山学ラストはちょっと勿体なかったか。ただ、1分ほどの差でとどまり楽しみの2区へ。その後西嶋・土井選手通過で1分05秒差。ある程度のペースで進みながら、本当に差が付かない展開となった。

そこから34秒遅れ、真船選手がやってきた。ただ、主力選手をもっと後に残しておいた東国大はこのあたりは計算のうちだったそう。ひとまず単独チームとしては最下位で走り出した。

その55秒後さすがに最後は疲れた矢澤選手がやってきた。最も、個人タイムは64分50秒で踏ん張っていてかなり粘った格好。4年生、連合の選考で僅か0.58秒差で敗れ、箱根は夢と散った…と思われた中12月31日に急遽出走が決定、しかもキャンパスがそばにある1区を走れたのは何かの縁か。卒業後も市民ランナーや仕事で箱根に関わる可能性がある彼の名を覚えておいてもいいかもしれません。


全体的には1位から19位までまだまだ混戦の中、エース区間へと走り出す形になりました。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

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