【総合力はあるはず】第94回箱根駅伝で大東文化大・山梨学院大・拓殖大はどこまで…

さて、今週中に簡単にではありますが、戦力分析を終えたいところです。

まずは箱根予選を上位で通過し、前回僅かな綻びでシード権を逃したチームから。

大東文化大学…箱根予選2位、全日本駅伝14位

箱根駅伝は惜しかった。区間一桁が5区間出たものの、4区5区と中盤に起用した1年生が2人ともブレーキの走りとなってしまい、総合13位。総合力を活かしきれませんでした。

今年はチーム全体としては一進一退という印象ですかね。関東ICはうまくいかなかったものの、全日本予選は力のある所を見せて4位通過。箱根予選も59分台が3人出るなどの収穫があり、昨年の1位通過に続いて今年は2位通過。予選での強さは折り紙付きともいえる。

半面全日本は1区が区間20位の大ブレーキ。また4区で主力の原選手が脚を引きずるアクシデントもありました。単独走の場面も多く、区間一桁がないまま総合14位(関東地区で14/15)となりました。

駅伝での安定度は上がるのか

全日本は箱根予選から日が浅く調整が難しい面があるものの、どうしても不安定になってしまうのが気になりますかね…。

まずは核となる選手に主要区間を任せたいですよね。今年一番活躍しているのは4年の林選手ですね。どの大会でも安定して上位に入っています。これに4年山本・3年谷川選手も長い距離には安定感があります。彼らは長丁場の区間になりそうですよね。

これに前回1区で粘りの走りを見せた前田選手が最近1万自己ベストで復活したのが心強い。このまま順調にいけばまた1区でしょうか。出走すれば4年連続となる原選手の復帰が待たれるところです。

キーポイントとなるのが、駅伝でまだいい結果が出ていないor未知数となる選手。スピードのある新井・斎藤選手や2年生の主力の川澄・奈良選手あたりでしょうかね。

まだ少し走ってみないとわからない怖さはありますかね…。ただ、持ちタイムは主力とそん色なく、うまく走れている大会も少しずつ増えてきています。

主要区間はひとまず選手はいますので、そういう選手がうまくはまれば今度こそ、シード権奪還となるのかなと思います。

山梨学院大学…箱根予選4位、全日本駅伝9位

今年の箱根駅伝は優勝候補の一角にあげられながらも、レース直前に集団でインフルエンザにかかってしまう。主力選手が複数走れず、オーダー変更も報われず総合17位と暗転してしまいました。

それから何かずっとチームとして消化不良なんですよね。ニャイロ選手は変わらず強いし、永戸・久保選手といった3年生が主力に成長してきてはいますが、4年生が全体的に思うようにいかない感じがしますかね…。

箱根予選4位で通過した後の全日本は厳しい現実が待っていました。7区終了時で総合13位。それまでに区間一桁はなく、区間16位の区間もありました。ニャイロ選手が区間賞で追い上げるも総合9位でシード権は手放すことになりました。

4年生の調子は…

気になるのはやはり4年生ですかね。1区上田4区市谷7区河村選手は昨年と同じ配置、3人とも前回は区間一桁で走り切っているのですが、今回は大きく区間順位を落としてしまいました。市谷選手は故障明けで主要区間はきつかった、上田・河村選手は不振から脱しきれなかった印象でした。

先日の記録会でも他校が自己ベストが続出する中、もう少し乗り切れない形になりました。何とか経験ある区間で起用できるようになってほしいですよね。上田選手は1区か3区、市谷選手は7区、河村選手は9区か10区。ニャイロ・永戸・久保選手と核となる選手はいますので、4年生が再び核となれれば充分に一桁順位をキープできます。

最近では2年川口・宮地選手が元気で箱根予選を走った片山・首藤選手らの間に割って入っていて、メンバー争いは過熱しそうな印象だ。箱根予選後レースに出てきていない出木場、藤田、池田選手らは山候補なのだろうか?メンバーは揃ってきています。

箱根ではおそらくニャイロ選手は2区と前半に起用されます。序盤を優位にレースを進められるのは、全日本とは違うポイントの一つです。うまくチームのピークを合わせられれば山学大が復活することも充分可能なはずです。

拓殖大学…箱根予選5位

ここ数年間は往路でシード権争いをするも、6区山下りで後退しシード権を逃していました。今年は3区を10番手の選手にし、6区に主力選手を置きシード権が見える範囲に踏みとどまったものの、7区以降は少しずつ引き離されてしまいシード権確保とはなりませんでした。

今年度、1万の記録が少しずつ伸び、全日本予選はデレセ・西・馬場選手ら中心に奮闘するも通過はならず。選手層がやや薄かったこととスピード展開についていけなかった印象でした。

箱根予選もスピード展開になりましたが、こちらは長い距離の育成力の強さを発揮しましたね。デレセ選手が故障明けぶっつけだったのですが、戸部・赤崎・西選手が59分台でそれを感じさせない上位層の頑張りがありました。また、名前をあまりきいていない選手も61分半までにまとめて総合力をみせました。

6区終了時に10位以内を

ここ数年復路がうまくいかないですよね。特に6区でシード権より後ろになった時、7区以降の選手が拓大が得意とする後半の伸びが出ずに終わることが多い感じがします。逆にシード権獲得した90回大会は、6区が踏ん張り、9区10区も持ち堪えています。

なので何とか6区終了時で10位以内になるように力をつけるとともに、オーダーを捻っていく必要があるのかなぁと思います。まず主力選手を適材適所に配置できればと思います。

前回1区売り出し中だった西選手でやや出遅れましたが、西選手は多分自分のペースでガンガン行かせる区間の方がいいと思います。なのでできれば4区あたりが理想な感じがします。

そして今のところ1区候補は馬場選手でしょうかね。拓大の中ではスピード型のタイプだと思います。赤崎選手も候補の一人でしょう。予選でトップだった戸部選手は山登りのままでいいと思うので、しっかり山へつなげるオーダーにしたい。

復路でもしっかり勝負ということを考えると3区に前回のように主力以外の選手を配置する作戦もありではあるのかな。もし赤崎選手1区なら2区デレセ選手で6区馬場選手に再び山を下ってもらうこともあるでしょうか。

3区の主力以外としては調子の上がりとか性格とか慎重に見極める必要があるでしょうかね。鈴見・硴野・中井・清水選手など候補は複数いると思います。箱根予選でほぼ初めて名前を聞いた白髪選手は8区など復路終盤候補でしょうかね。

あとは箱根予選で無理したデレセ選手の回復具合がちょっと心配ですが、これに関しては蓋を開けてみないとというところでしょうかね。往路で流れに乗る力はあるので、復路の最後までの継続が今度こそできるようにしたい。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。