箱根駅伝2027(第103回)へ向けて【早稲田大学】エース・山・選手層で考える!

出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。

箱根駅伝出場大学の、
今季のチームの特徴や、山など箱根に向けての戦力分析をしていきたいと思います。

 

【早稲田大学】箱根駅伝2027(第103回)へ向けて

出雲駅伝・全日本大学駅伝について

出雲駅伝…前半戦を終えた時点で、出雲駅伝は早大一強なのではないか、そんなムードが漂っていましたね。その出雲駅伝でのチーム内競争も激化。9月末5㎞ロードで6人目を吉倉・新妻選手を決めようとするも、どちらも高いレベルでまとめあげて一旦保留に。

 今度は出雲本番1週間前に体調不良があったという山口選手と入学後連戦が続いていた増子選手のどちらかを温存しようという話になり、最終的に増子選手を温存して臨むことになりました。

 1区吉倉選手が、出雲駅伝の駆け引きにややついていけず後退した時には少し肝を冷やしましたが、最後は追い上げて、落ちてきたランナーを交わしながらリレー。トップと16秒差の区間7位でした。

 2区に快速ルーキー本田選手。1500mでの走りが鮮やかだっただけに注目度も高かったです。突っ込んで入って先頭集団の中で身を潜めます。残り1㎞でリードを取りに来た中大岡田選手がスパートしますが動じず、残り700mで逆にスパートをし返して、先頭で中継。強い上級生(鈴木・山口・工藤)を使わずに主導権を握りました。

 そんな状況でタスキをもらったのは前回箱根4区区間賞の鈴木選手。出雲3区は2年連続で、前年首位を明け渡したリベンジ走でした。順大や中大、國學院大と首位争いを繰り広げますが、ものすごい勢いで日大の留学生キプケメイ選手が追い抜いていきます。これに反応せず、まず中大らと差をつけることが大事と冷静に対処し、最終的にその集団を振り切ると、日大との差も9秒にとどめます。

 そして4区新妻選手。前半戦が思うように走れていなかったこともあり、当日変更要員ではと言われていました。それがさっそうと走り出すと1㎞過ぎに首位奪回。そのまま後続との差を広げていき、区間新記録で区間賞。夏は精力的に練習は詰めていたそうですが、ここまで人が変わったかのように走れたのは驚きでした。

 続く繋ぎの区間の5区に、山口選手が登場。体調不良明けでも、1㎞2分35秒とさすがのスピードを見せます。終盤は苦しくなりますが、しのいで連続で区間新での区間賞を獲得。アンカー工藤選手は、安全にレースを進めたうえで日本人最高タイの記録で走り切り、圧勝での16年ぶり総合優勝を果たしました。

全日本大学駅伝…オーダーから驚くことになりました。1区2区3区に”令和の三羽烏”本田・増子・新妻選手を並べてきて、さらに繋ぎの5区に鈴木選手を配置!前日会見では、補欠登録だった鈴木選手の配置を隠し通していましたが、まさかの区間でした。

 これにはワケがあって、1区予定だった吉倉選手に体調不良があったため、1区本田2区増子選手にして、絶好調だった新妻選手を、それなら、ということで3区でルーキーを並べることに。そのルーキーの力を引き出すために、中盤の5区に鈴木選手。何かあっても巻き返していけるようにということだったそうです。

 さて、圧倒した序盤。1区は、引っ張る選手が不在だったため、スローからの瞬発力勝負に。本田選手は最後までトップ付近にいますが、仕掛けどころがうまかった青学大に屈します。ですが、2秒差の区間2位ということで非常にいい位置でのタスキリレーに成功します。

 2区についに参戦の増子選手。駆け引きして引き離すことを意識して、序盤は抑え気味。5㎞、そして8㎞あたりでスピードの切り替えを見せて、区間記録保持者の帝京大楠岡選手も突き放す勢いで先頭を突っ走ります。最後に2秒差に迫られますが、区間トップタイで区間新記録を樹立。何よりルーキー2人で先頭に立ちます。

 そして凄まじかった3区新妻選手の激走。5㎞13分44秒、10㎞27分38秒ととんでもないペースで通過すると、なんと東国大ヴィンセント選手の区間記録を1秒更新!なんだか頭が宇宙に飛んでいってしまうような衝撃を受けました。区間2位にも1分以上の差をつけ、後続はもう1分半も後ろという状況でした。

 4区は主将の小平選手、ここで詰め寄られる予想もありましたが、10㎞28分24秒で通過すると区間4位。この快走劇の流れに見事に乗って見せています。5区鈴木選手は当然の圧倒。独走で出力する難しさも感じたそうですが、昨年の駒大伊藤選手の区間記録を30秒更新、さらに後続に1分もの差をつけて完全に独走態勢に入ります。

 これで手綱を緩めなかった全日本駅伝。6区堀野選手が成長した姿を見せての区間3位、昨年度から体重6㎏絞ったのも良かったですかね。7区に入った山口選手は、途中まで区間記録との競り合い。終盤は日差しが強くなりタイムは落ちますが、留学生以外には勝利する区間3位。また、2位國學院大野中選手を抑えきったのもポイントでしょう。

 そして、独走の中でえげつないことをやってのけたのがアンカー工藤選手。途中まではリズムが悪くなるところもあり、渡会橋の通過では前年の自身の記録より下回っていたのですが、立て直してペースアップ。ここから上り坂になるのにネガティブスプリットを実現して56分20秒の自身の日本人記録を35秒更新!山学キピエゴ選手にも競り勝って区間賞を獲得しました。

[戦力分析①]エースの力について

エース力:★★★★★

 言うまでもなく強い、過去最強のチーム。1年生が目立っていますが、まずはエースですよね。山に回るだろう4年工藤選手は後々話すとして、3年山口・2年鈴木選手の存在が非常に大きいです。

 どちらかが箱根2区に回るのだと思いますが、どちらが走るにせよ66分切りの可能性は十分。日本人歴代最高の65分半ばくらいまであっていいでしょう。これだけで相当上位に食い込む力があります。

 そして脇を担う1年生は、懸念される距離不安は、おそらく大丈夫でしょう。特に増子・新妻選手は距離に関して気にする必要はないと思います。例えば新妻選手なら3区で、増子選手は4区で区間記録相当レベルの走りをすることは十分可能なのではないでしょうか。増子選手は昨年の鈴木選手を超えて59分台が目標になってきそうです。

 空いている1区は、3年吉倉選手再登板でいいのではないでしょうか。本田選手でもいいですが、スタミナ面では吉倉選手に分があると思いますので、彼になってくると思います。全日本走らなかった分がいい方向に作用すれば。

 さて、こうなると往路タイプの選手が、復路にも回ってくるわけなので、懸念である選手層についても走力でゴリ押ししていくことが可能になってくるわけなのですね。これについては後述します。

[戦力分析②]山の力

山の力:★★★★☆

 山登りは基本路線は5区工藤選手6区山崎選手になりますね。特に5区工藤選手がこの1年遥かに成長を遂げていますね。フィジカル面もそうですし、走りをマネジメント能力する能力が備わっています。全日本駅伝8区後半で見せたギアチェンジを、今度は山登りで見せてくると思います。

 タイムは…前回の青学黒田選手の区間記録を目標にするのではないでしょうか。どういうフォームで、どういう過程を踏めば、あのタイムを出せるか、日々研究していると思います。

 なお、平地の全日本8区であれだけの走りをするわけなので、本来は箱根2区が最も合っている区間ではあると思います。とはいえ、です。出雲・全日本アンカーに彼が控えていたからこそ、1年生が気負いなく力発揮できたわけなので、

 往路のゴールという形にはなりますが、工藤選手が5区山登りに控える意義は非常に大きいでしょう。なお、万が一平地に回った場合は堀野選手もいますかね。

 山下りは、一つウィークポイントと言われているところです。前回区間6位の58分31秒で走っている山崎選手が控えている中で何事ぞと言われそうですが、ライバルチームでは青学大が区間記録となる56分45秒を計算しているそう。つまり2分近く詰められてもおかしくないわけです。

 ここがどれだけレベルアップできるか。山崎選手自身は夏はパーフェクトに練習を積むことができたということで、上積みは十分見込めそう。さらに夏前には、3000m障害で活躍している佐々木選手も山下りを目指すという話もありました。継続しているなら、チーム内にライバルがいるということでは心強くなってきます。この区間の底上げは早大の懸念を消していきます。

[戦力分析③]復路の選手層

選手層:★★★★☆

 ウィークポイントと言われているところ。スポーツ推薦枠の少なさでここはどうしても課題になります。ここ数年も復路順位は8位~10位ほどで、耐えるレースとなっています。

 昨年は、当時の4年生が山口選手以外全員怪我で何とかオーダーを組んでいました。16年前、三冠を達成して総合優勝した時は、出雲全日本のメンバーから2人外れて、2位と史上最少差での総合優勝でした。

 とはいえです。故障者がいなかった場合は、夢のようなオーダーが組めます。例えば、往路が1区吉倉2区鈴木3区新妻4区増子選手なら、復路に山口・本田選手が回ってくるわけなんですよね。つまりが、往路を走れる走力ある選手が2人復路に入ってくるわけです。

 これに全日本駅伝4区と6区を担った小平選手と堀野選手が入れば、まったく穴のないオーダーが組める。難しいですが、個別に特化したトレーニングメニューも組んでいるようですし、バッチリ調整できれば夢のような総合記録が生まれるでしょう。

 とはいえ、現実的には何とか14番目くらいまでは考えたい。他のメンバーに目を向けると、前回箱根10区を走った瀬間選手も走力はほぼ変わらない。これに1年生”カルテット”の上杉選手は1万m28分台を達成しています。あとは、先述の佐々木選手に、監督からの評価が高い山田選手あたりまで候補になってくるでしょうか。

 昨年の流れで考えると、上尾ハーフにある程度出場してきていたので、そこで今年の選手層が見えてくると思います。61分台が全日本以外のメンバーから出ると面白いですね。

 

まとめ

・現状のメンバーなら圧倒する可能性あり
・往路候補の選手が復路にも回るし、山登りも強い
・故障者次第で選手層の懸念はあるか

 非常に強いと思います。トラック型もいるので、出雲・全日本駅伝の距離がベストという見方はあるのですが、4年工藤・3年山口・2年鈴木選手といったところがSランク、いわゆるゲームチェンジャーと言われるレベルにまで強いので、距離も大丈夫ではないでしょうか。

 1年生に関しても、高校駅伝であれだけの記録を出していた時点で、スタミナ面特に問題ないのだと思います。特に増子・新妻選手は、ルーキー関係なく往路候補になってくるでしょう。区間賞レベルで走れそうな印象があります。

 山登りの心配がないのも大きい。今年の工藤選手の調子なら、昨年よりももっとアドバンテージが取れるのではないでしょうか。十分68分台、そしてそれ以内の目標も可能。山下りも繋ぐレベルでは仕上がってきているように見えます。

 怖いのは故障になってくるのでしょう。他校に比べて選手層は薄いと言わざるを得ませんので、何かあったとして何とか2人までに収まってくれれば、小平・堀野選手らもいますので、回していけるでしょう。

 何が起こるかはわかりませんが、早大ファンとしては、これまでの大会記録を大きく更新するような快走を、箱根駅伝でも観てみたいところです。

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hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

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