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【箱根駅伝2024(第100回)】2区を定点別に振り返る

そろそろ箱根駅伝2024(第100回)の余韻が冷めつつありますかね。

レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。

例年通りの定点別振り返りとなります。

続いて、エース区間2区!

駒大鈴木選手が、留学生も寄せ付けず、順調に逃げていったかに思ったのですが??

駒大圧勝ムードがちょっと変わってきました。

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【箱根駅伝2024】2区定点間分析~青学黒田選手驚異の終盤

まずは出走者を持ちタイムと、過去の実績とともに見てみます。

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2区出走者と実績

1位駒大・鈴木芽吹④27分30秒69/63分07秒≪23全7区3位、出6区1位、日本5千10位、箱4区3位、22出6区1位、箱8区18位、21日本1万3位、箱5区4位、20:全3区5位≫
2位0:23創価・S.ムチーニ①28分05秒98/≪23全7区4位、日本IC1万3位、関東IC5千2位≫
3位0:24城西・斎藤将也②27分59秒69/63分18秒≪23全4区1位、出1区10位、全予3組18位、箱2区15位、22予27位≫
4位0:26日大・J.キプケイメ①28分13秒10/60分16秒≪23予1位、全予4組29位≫
5位0:31東海・花岡寿哉②28分15秒65/63分23秒≪23全7区7位、予58位、全予4組9位、関東IC1万2位、箱3区6位、22全1区7位≫
6位0:32駿河・新山舜心④28分14秒30/62分35秒≪23予29位、22予234位、全予3組14位、関東IC1万15位、箱7区15位、21:予86位、20:予211位≫
7位0:34帝京・山中博生③28分35秒65/63分02秒≪23全2区6位、予39位、全予3組3位箱8区6位、22出5区11位≫
8位0:35明大・児玉真輝④28分22秒27/62分30秒≪23予25位、全予1組3位、22全2区4位、関東IC1万m4位、箱3区14位、21全2区2位、予17位、箱1区16位≫
9位0:35青学・黒田朝日②28分15秒82/63分02秒≪23全2区2位、出2区1位、関東IC3障2位、22関東IC3障3位≫
10位0:36順大・浅井皓貴③28分30秒11/62分13秒≪23全8区6位、出3区6位、関東IC1万4位、箱7区3位≫

11位0:43農大・並木寧音④28分16秒30/62分35秒≪23全4区5位、予30位、全予4組18位、関東IC1万7位、22予104位、箱2区13位相、21予28位、20:予47位≫
12位0:51早大・山口智規②29分35秒47/61分16秒≪23全2区4位、出2区3位、関東IC5千3位、22全4区3位≫
13位0:55大東・久保田徹④28分09秒93/62分23秒≪23全3区9位、予16位、全予4組13位、関東IC5千13位、箱1区15位、22:全4区10位、予24位、全予4組6位、21:全4区8位、予119位、20:予209位≫
14位1:01法大・松永 怜④28分28秒15/61分56秒≪23出1区9位、関東IC1万5位、箱1区3位、22出2区9位、関東IC5千6位≫
15位1:06東洋・梅崎 蓮③28分39秒97/62分41秒≪23全8区12位、出6区7位、関東IChalf3位、箱9区4位、22全7区7位、関東IChalf2位、箱7区11位、21全5区4位≫
16位1:11山学・B.キピエゴ①27分51秒65/61分07秒≪23関東IChalf1位≫
17位1:33國學・平林清澄③27分55秒15/61分50秒≪23全7区1位、出6区4位、箱2区7位、22全7区4位、出3区6位、箱9区2位、21:全7区3位、出6区5位≫
18位1:45立大・國安広人②28分53秒80/63分08秒≪23予47位、全予4組28位、箱2区18位、22:予21位、全予4組30位≫
19位1:49中大・吉居大和④28分01秒02/61分47秒≪23全3区11位、日本5千8位、箱2区1位、22全6区1位、出1区1位、箱1区1位、21全1区2位、箱3区15位、20:日本5千3位、予10位、日本IC5千1位≫
20位1:51中学・吉田礼志③27分47秒01/60分31秒≪23予11位、ユニバhalf4位、全予4組DQ、22全2区5位、予68位、全予4組8位、箱2区18位、21:全4区10位、箱予130位≫
21位1:57神大・小林篤貴④28分21秒10/62分12秒≪23全3区3位、予13位、全予4組17位、22全8区12位、予56位、全予3組2位、箱9区9位、21:予112位≫
22位2:08国士・ピーター カマウ③28分19秒48/61分31秒≪23全2区14位、予6位、全予4組5位、関東IChalf6位、箱2区9位、22予22位、全予4組3位≫
23位2:34日体・山口 廉③29分26秒96/62分24秒≪23予19位、全予3組35位、関東IChalf7位≫

 先頭で走り出したのは、駒大鈴木選手。4年目にしてついに華の2区、箱根駅伝2区!出雲6区区間賞、そして1万m27分30秒の自己ベストをマークして満を持して登場してきました。この区間を走る選手の中では、留学生を含めて持ちタイムはトップです。

 また、2位創価大ムチーニ選手と3位城西大齋藤選手と、山登りの区間次第では往路優勝もあり得るチーム、もちろん2人も強い。さらに4位日大キプケイメ選手は、箱根予選全体トップを獲得している選手、彼らはかなり好位置でスタートしたと言えます。

 5位から10位まで5秒ほどの大混戦の中、青学黒田選手ら、各チームエースの選手が出走。復調の東海花岡選手や、甲佐10マイル学生新の順大浅井選手に、少し後ろから2区希望叶った農大4年並木選手もスタート。上尾ハーフ学生ワンツーだった山学キピエゴ・早大山口選手はその後ろから追い上げる展開。

 出遅れた有力校では、國學院大平林選手が1分33秒の17位スタート、さらに100mほど後ろから前回区間賞の中大吉居選手に、ハーフ60分台ベストの中学大吉田選手がくしくもほぼ同じ位置で中継。どこまで追い上げることができるか。上位・中位・下位それぞれの展開が気になりました。

定点間分析①:鶴見中継所~横浜駅前

レース展開

0.7km:日大キプケイメ選手が、創価ムチーニ選手に追いつき2位争い、すぐ後ろ4位に城西齋藤選手

1.2km:17位國學平林選手の後方、18位争いに中大吉居選手浮上、すぐ後ろに神大小林・中学吉田選手

3.5km:7位集団、農大並木・駿河新山・順大浅井選手に、青学黒田・明大児玉選手が追いついた 前に東海花岡・帝京山中選手の5位争いが見える

2区4.3km新子安
①鈴木(駒大)
②ムチーニ(創価)キプケメイ(日大)0:26
④齋藤(城西)0:36
⑤山中(帝京)花岡(東海)0:44
⑦並木(農大)黒田(青学)新山(駿河)
児玉(明大)浅井(順大)0:56
⑫山口(早大)松永(法大)久保田(大東)1:02
⑮梅崎(東洋)キピエゴ(山学)1:14
⑰平林(國學)1:36
⑱吉田(中学)吉居(中大)1:48
⑳國安(立大)2:06
㉑小林(神大)2:28
㉒カマウ(国士)2:30
㉓山口(日体)3:10

参照サイト

5.0km:駒大鈴木選手に、大八木総監督が激 後ろ創価日大は30秒ほどの差に
5.4km:5位争いに、青学黒田農大並木選手らが浮上、7人の大集団に。後ろに早大山口・法大松永選手ら

6km:駒大鈴木選手17分01秒で通過。なお、うしろ日大キプケイメ選手の5㎞は13分59秒

往路2区6.1kmあたり 神奈川新町駅付近
①鈴木(駒大)
②ムチーニ(創価)キプケメイ(日大)0:25
④齋藤(城西)0:41
⑤黒田(青学)並木(農大)山中(帝京)新山(駿河)
花岡(東海)浅井(順大)児玉(明大)0:54
⑫山口(早大)0:58
⑬松永(法大)1:02
⑭久保田(大東)1:05
⑮梅崎(東洋)1:15
⑯キピエゴ(山学)1:16
⑰平林(國學)1:38
⑱吉田(中学)吉居(中大)1:48
⑳國安(立大)2:23
㉑カマウ(国士)小林(神大)2:27
㉓山口(日体)3:29
参照動画Youtube

6.7km:5位集団が7名に、早大山口選手が追いついてきて8人に 法大松永選手もすぐ後ろ、大東久保田選手も見える
7.1km:法大松永選手も追いついてきて、9人の集団。なお10秒前に4位城西齋藤選手が見えている

8.2km横浜駅前
区間記録97回イエゴン(東国)22分42秒
日本人記録96回相澤(東洋)23分07秒

2位鈴木(駒大)22分59秒①
6位ムチーニ(創価)23分06秒②0:30
4位キプケメイ(日大)23分03秒②0:30
16位齋藤(城西)23分28秒④0:53
14位黒田(青学)23分24秒⑤1:00
12位並木(農大)23分16秒⑤1:00
15位山中(帝京)23分25秒⑤1:00
16位花岡(東海)23分28秒⑤1:00
1位松永(法大)22分58秒⑤1:00
7位山口(早大)23分08秒⑤1:00
13位浅井(順大)23分23秒⑤1:00
19位新山(駿河)23分32秒⑫1:05
10位久保田(大東)23分13秒⑬1:09
20位児玉(明大)23分34秒⑭1:10
9位キピエゴ(山学)23分10秒⑮1:22
11位梅崎(東洋)23分15秒⑮1:22
7位平林(國學)23分08秒⑰1:42
3位吉田(中学)23分02秒⑱1:54
5位吉居(中大)23分04秒⑱1:54
18位カマウ(国士)23分29秒⑳2:38
21位小林(神大)23分41秒㉑2:39
22位國安(立大)23分53秒㉒2:39
23位山口(日体)24分18秒㉓3:53

駒大鈴木選手が留学生&5位集団をじりじり離す
 駒大鈴木選手が安定したペースでトップを走行します。6km通過は17分01秒ということで、ほぼ1㎞2分50秒ペース。横浜駅前は22分59秒と、65分台の区間記録は十分狙えるペースで走行。後ろ創価ムチーニ・日大キプケメイ選手も寄せ付けず。横浜駅前定点30秒差と少し開いた。

 その前後にいた城西齋藤選手は、この集団につかず、自分のペースで淡々と単独4位走行。この後ろの集団が大変で、帝京山中・東海花岡選手が積極的に前に行ったかと思われましたが、農大並木・駿河新山・順大浅井・青学黒田・明大児玉選手がじりじり迫る。そして5.4km地点で吸収していく。

 この集団はそこまで積極的にはいかず、4.3km新子安の地点で30秒台の差だったのが56秒差にまで開いていた。青学黒田選手が横浜駅前で秒差ながら区間14位相当だったのは、今思うと信じられない。時計は付けないので、感覚で走っていたそうですが、前半は集団を利用して脚を溜めていたということだ。

5位集団に追いついてきた法大松永選手が区間トップ!?
 この7位集団に迫ってきたのが、早大山口・法大松永・大東久保田選手。4.3km新子安では3人並んで6秒後方に控えていましたが、まず早大山口選手が抜け出してきて6.7km地点で追いついてくる。

 さらに法大松永選手が7.1kmで追いついてきて、なんと9人の5位集団を形成することになった。1区がハイペースになったのに、これだけ固まっているのは本当にエース級のレベルが上がってきているということだ。その追いついてきた松永選手がまさかの区間トップ!22分58秒で鈴木選手より1秒早かった。坪田監督からは「前半は抑えていけ」という指示でしたが、前が見えている状況に突っ込んでいった感じでしょうか。

 なお、さすがにこの9名の集団は、横浜駅前には少しずつ零れていっていて、駿河台大新山・明大児玉選手が後退、後ろ無理に追いつかず控えていた大東久保田選手にのまれている。明大児玉選手が非常に苦しそうな表情になっているのが、気にかかった。

中学大吉田選手と中大吉居選手が併走し、國學平林選手らを追走する
 後方の有力選手も、ここまでは好ペース。トップと数秒遅れただけの23分一桁のペースで、中学大吉田選手と中大吉居選手の併走。後方追い上げだが、実力者同士が競り合えているのは嬉しいところ。

 前、國學院平林選手もまずまずのペースのため、16秒差。その前、15位争い山学キピエゴ選手と、東洋梅崎選手も23分10秒台のペースで併走しているため、順位的には、立大國安選手を交わしただけの18位争いだったものの、ここから上がっていくか楽しみだ。

定点間分析②:横浜駅前~権太坂

2区10㎞給水
①鈴木(駒大)
②ムチーニ(創価)0:35
③キプケメイ(日大)0:36
④齋藤(城西)1:01
⑤黒田(青学)並木(農大)山中(帝京)
松永(法大)花岡(東海)山口(早大)1:04
⑪久保田(大東)浅井(順大)1:20
⑬新山(駿河)1:23
⑭キピエゴ(山学)梅崎(東洋)1:33
⑯児玉(明大)1:36
⑰平林(國學)1:46
⑱吉居(中大)1:57
⑲吉田(中学)2:02
⑳カマウ(国士)小林(神大)2:52
㉒國安(立大)3:03
㉓山口(日体)4:29

参照動画

10㎞駒大鈴木28分09秒で通過、給水で笑顔も見られる

10.3km4位城西齋藤選手に、6人の5位集団が迫ってくる
10.6km城西齋藤選手を、青学黒田農大並木選手らが飲み込んで、7人の4位集団に

11km手前:創価ムチーニ選手が単独2位へ、キプケメイ選手は3位へ なおキプケメイ選手は給水は取らなかったそう

後方では、明大児玉選手が失速、後ろに國學平林選手が見えてくる

11.8km:明大児玉選手が苦しい走り、平林選手に交わされ、すぐ後ろに中大吉居・中学吉田選手。平林選手はすぐまえに山学・駿河台大ら
12.1km:中大吉居選手が17位へ浮上、明大児玉選手が後退

2区12.5km 保土ヶ谷橋
①鈴木(駒大)0:24
②ムチーニ(創価)0:40
③キプケメイ(日大)0:51
④黒田(青学)並木(農大)山中(帝京)
松永(法大)花岡(東海)山口(早大)1:10
⑪久保田(大東)1:30
⑫浅井(順大)1:39
⑬梅崎(東洋)キピエゴ(山学)1:44
⑮新山(駿河)1:47
⑯平林(國學)1:52
⑰児玉(明大)吉居(中大)2:03
⑲吉田(中学)2:11
⑳カマウ(国士)3:09
㉑小林(神大)3:12
㉒國安(立大)3:30
㉓山口(日体)4:49

参照動画

12.5km:青学黒田選手ら集団 帝京中野監督「お前はワールドクラスだ」

14.4km:3位争いへ、青学黒田・城西齋藤選手浮上、キプケメイ選手が5位。農大並木選手6位、後ろ帝京早大東海、法大松永選手が苦しそうか

15㎞鈴木選手は43分07秒、区間記録から20秒遅れているだけ

駒大藤田監督「ここからだぞ、水を飲んで、残り3㎞に備えよう」

15.3㎞権太坂(定点間7.1㎞)
区間記録97回イエゴン(東国)20分05秒<42分47秒>
日本人記録96回相澤(東洋)20分08秒<43分15秒>

1位鈴木(駒大)20分08秒<1>43分07秒①
4位ムチーニ(創価)20分20秒<2>43分26秒②0:42
2位黒田(青学)20分13秒<7>43分37秒③1:05
5位齋藤(城西)20分21秒<11>43分49秒④1:06
16位キプケメイ(日大)20分51秒<13>43分54秒⑤1:13
5位並木(農大)20分21秒<8>43分37秒⑤1:13
5位山口(早大)20分21秒<5>43分29秒⑤1:13
8位山中(帝京)20分28秒<8>43分53秒⑧1:20
10位花岡(東海)20分31秒<10>43分59秒⑨1:23
11位松永(法大)20分35秒<6>43分33秒⑩1:27
11位久保田(大東)20分35秒<11>43分48秒⑪1:36
3位平林(國學)20分19秒<3>43分27秒⑫1:53
13位梅崎(東洋)20分39秒<13>43分54秒⑫1:53
15位キピエゴ(山学)20分47秒<15>43分57秒⑭2:01
8位吉居(中大)20分28秒<5>43分32秒⑮2:14
19位浅井(順大)21分25秒<19>44分48秒⑯2:17
14位吉田(中学)20分42秒<9>43分44秒⑰2:28
20位新山(駿河)21分37秒<20>45分09秒⑱2:34
23位児玉(明大)21分57秒<21>45分31秒⑲2:59
18位カマウ(国士)21分03秒<17>44分32秒⑳3:33
17位小林(神大)21分02秒<18>44分43秒⑳3:33
21位國安(立大)21分43秒<22>45分36秒㉒4:14
22位山口(日体)21分53秒<23>46分11秒㉓5:38

駒大鈴木選手区間新ペース独走!青学黒田選手元気も差は1分以上
 駒大鈴木選手が非常に安定して走っています。10㎞通過28分09秒ながら、ここからも好ペースをキープ。この定点間は、20分08秒は、区間記録のヴィンセント選手の20分05秒、日本人記録の相澤選手の20分08秒とほぼ匹敵するペース。単独走なのが、最後の上り坂気になるところでしたが、依然66分切ってもおかしくないペース。

 2位以降の差も開き始め、留学生の創価ムチーニ選手が、中継所で23秒、横浜駅まで30秒、権太坂で42秒。こちらも66分台ペースで走っていながら、引き離されるのですから、鈴木選手が力で上回っている展開です。なお、日大キプケメイ選手は腹痛もあったそうで失速。後方集団に飲み込まれています。

 その後方集団は、青学黒田選手が元気で、14.4kmで追いついた城西齋藤選手を引き連れて、総合3位に浮上。この定点間は20分13秒の2番目。山登り5区候補になっただけあって、権太坂を颯爽を駆けあがっているのが光ります。とはいえ、トップとは1分差以上。この時点では、”黒田選手頑張ってるな”という印象でした。

 これに大きな集団は一気に崩れまていき、8秒差で落ちてきたキプケメイ選手に農大並木・早大山口選手5位争い、その後、東海花岡・法大松永・大東久保田選手と点々としています。ここまで11位通過。

國學平林選手追撃開始!順大・明大ら脚色が大きく鈍る選手も
 続いて総合12位争いまで浮上したのが、國學平林選手。12km付近から明大・駿河・順大と、前から落ちてきていた選手を交わしていったのはテレビに映っていたが、その前、山学キピエゴ・東洋梅崎選手まで捉えていました。中間走の強さ、アップダウンの強さは折り紙付きですので、ここからの追い上げはまだまだありそう。もちろん個人としても66分台のペースはキープしています。

 後方、一緒について追撃していた中大吉居・中学吉田選手は、10㎞までに吉居選手が突き放していましたね。ただ、定点間8位と勢いは少し鈍っているか。遅れた中学吉田選手は、定点間14番目の走りで、少し苦しくなっているか。中学大としても、往路で突進したかったところ、少し気になるところだ。

 このほか、早い段階で上位集団から離れた選手はやはり苦しい。甲佐10マイル学生新の順大浅井選手や、4年目でついに華の2区となった明大のエース児玉選手が、全く自分の走りができなくなってしまっていて、非常に苦しそうな走りに。特に明大児玉選手は定点間最下位。総合19位まで下がり、まだ下がりそうでちょっと心配な状況だ。

 後方は、やはり流れもあるか、一様に区間20位前後。国士カマウ・神大小林選手が競り合っているが、上がり切らない形。上り坂から切り替えられるかどうかが気になった。

定点間分析③:権太坂~戸塚中継所

レース展開

17.5km:10位大東久保田・法大松永選手の後方、12位國學平林・東洋梅崎選手が迫る
18km:平林選手がガッツポーズを見せる余裕、大東大を交わして10位浮上、これで7人抜き

18.5km:2位創価ムチーニ選手と、3位青学黒田選手の差が10秒を切ってくる 後方は16秒ほどで、城西齋藤・早大山口選手ら

19.9km:國學平林選手が、東海花岡選手を捉えて9位へ。前日大キプケメイ選手が見える
20.1km:15位争いを中学吉田選手が引っ張る、中大吉居・順大浅井選手が付く
20.5km:創価ムチーニ選手を、青学黒田選手が交わしていく 7人抜きで2位へ

21.1km:日大キプケメイ選手を、東洋梅崎・国学平林選手が交わす

22.0km地点
①鈴木(駒大)
②黒田(青学)0:29
③ムチーニ(創価)0:39
④山口(早大)1:09
⑤齋藤(城西)1:15
⑥並木(農大)1:24
⑦梅崎(東洋)キプケメイ(日大)1:34
⑨平林(國學)1:36
⑩花岡(東海)1:47
⑪久保田(大東)2:08
⑫キピエゴ(山学)2:11
⑬山中(帝京)2:12
⑭松永(法大)2:19
⑮浅井(順大)吉田(中学)3:09
⑰吉居(中大)3:17
⑱カマウ(国士)4:04
⑲新山(駿河)4:13
⑳小林(神大)4:30
㉑児玉(明大)5:13
㉒國安(立大)5:18
㉓山口(日体)7:03

参照動画

駒大藤田監督「逃げ切れる逃げ切れる切り替えて」
22.4km:1位駒大鈴木選手の後ろ、青学黒田選手が明らかに近づく
戸塚1.2km手前で青学黒田選手が区間賞ペースになっている

駒大鈴木選手が逃げ切り、先頭中継 追い上げた2位青学黒田選手が区間賞

23.1㎞戸塚中継所(定点間7.8㎞)
区間記録97回イエゴン(東国)23分02秒<65分49秒>
区間記録96回相澤(東洋)22分42秒<65分57秒>

5位鈴木(駒大)23分13秒<2>66分20秒①
1位黒田(青学)22分30秒<1>66分07秒②0:22
6位ムチーニ(創価)23分17秒<5>66分43秒③0:46
4位山口(早大)23分02秒<4>66分31秒④1:02
8位齋藤(城西)23分26秒<8>67分15秒⑤1:19
8位並木(農大)23分26秒<7>67分03秒⑥1:26
2位梅崎(東洋)22分51秒<6>66分45秒⑦1:31
10位キプケメイ(日大)23分37秒<10>67分31秒⑧1:37
3位平林(國學)22分59秒<3>66分26秒⑨1:39
11位花岡(東海)23分38秒<13>67分37秒⑩1:48
12位久保田(大東)23分47秒<12>67分35秒⑪2:10
7位キピエゴ(山学)23分25秒<9>67分22秒⑫2:13
14位松永(法大)24分00秒<11>67分33秒⑬2:14
18位山中(帝京)24分17秒<16>68分10秒⑭2:24
15位浅井(順大)24分15秒<19>69分03秒⑮3:19
15位吉田(中学)24分15秒<14>67分59秒⑯3:30
20位吉居(中大)24分32秒<15>68分04秒⑰3:33
13位カマウ(国士)23分50秒<17>68分22秒⑱4:10
22位新山(駿河)25分04秒<21>70分13秒⑲4:25
15位小林(神大)24分15秒<18>68分58秒⑳4:35
19位國安(立大)24分18秒<20>69分54秒㉑5:19
23位児玉(明大)25分44秒<23>71分15秒㉒5:30
21位山口(日体)24分43秒<22>70分54秒㉓7:08

過去最速で駆けのぼった青学黒田選手が大きく詰める!
 駒大一強ムードが一変したのが、この定点間。駒大鈴木選手が、少し苦しい表情になったものの、ある程度ペースをキープして逃げてい。その間、國學院大平林選手や東洋梅崎選手、さらに中大吉居選手らも移動中継車は注目していました。

 びっくりしたのが、残り1㎞を切ってから。駒大鈴木選手の後方、青学黒田選手の姿が急激手に大きくなってきていた。20.5km地点で創価大ムチーニ選手を交わして総合2位に浮上してた場面は映りましたが、明らかに権太坂での1分05秒は大きく切っていました。

 実際22km地点では29秒差に縮まっていました。駒大鈴木選手も5区山登り経験者なのですが、大きく凌ぐ走り。最終的にトップとの差は22秒!駒大鈴木選手も66分20秒と、卒業者田澤選手並には走り切っているのですが、最後は黒田選手が66分07秒と日本人歴代2位の破格のタイムで上回って差を詰めてきていました。

 最初から攻め込んでいかず、序盤は混戦の中で区間14位付近のタイム。集団走の中で淡々と刻んで脚を溜めて、得意とするアップダウンで一気にギアを上げて、権太坂以降は22分30秒と、定点間2番目とは21秒、5番目の駒大鈴木選手より43秒早いの圧巻としか言いようがないです。

 なお、22分30秒は、ヴィンセント・相澤選手よりは勿論、75回大会順大三代選手の凄まじい捲り22分43秒よりも早くて、歴代最速で駆け抜けています。ここが、三冠を狙う駒大としては、一つの狂いでした。それが分かってか、駒大鈴木選手も、走りを終わってからの悔し泣きに繋がっています。

創価城西大は上位キープ、早大山口・農大・並木選手が上位に浮上
 続いて、創価ムチーニ選手。1年生ながら区間5位66分43秒の好タイムを出しました。もう一人の3年生カミナ選手が欠場、またムチーニ選手の全日本7区での追い上げがもう少しというところで不安視されていましたが、上々の箱根デビュー。これは来年も彼になるか。

 また、城西齋藤選手も区間8位ながら、前年から1分半早い67分15秒にまとめて、1万m27分台の走力をしっかり示した形。ともに5区が大砲が控えている両校。創価大はトップと46秒差、城西大は1分19秒差。3区4区の粘り次第では、往路優勝一撃がまだあるタイム差だ。

 ここに割って入ったのが早大山口選手。上尾ハーフで、大迫さんの持っていた早大記録を破る61分16秒を出して話題になっていましたが、今度は、71回大会の大先輩渡辺さんの持つ早大記録(当時の区間記録)を破る66分31秒区間4位力走!8人抜きで総合4位まで浮上しまいた。さらに、農大並木選手も食らいついて4人抜き総合6位でリレー。怪我人が出た影響はあったとはいえ、1区高槻2区並木選手の、”連合リレー”は、本人もコアなファンも嬉しかったのではないでしょうか。

東洋梅崎選手が66分台!8人抜きで総合7位浮上!
 権太坂以降、後方から好走した一人に國學院大平林選手がいるのは勿論のこと、66分26秒の区間3位。ラストの苦手さはアップダウンの得意差でカバーして、権太坂以降も22分59秒の好タイムでまとめていって、17位から8人抜きの総合9位に浮上、流れを取り戻しました。前も点々と見えますね。

 これ以上に終盤目立ったのが東洋大梅崎選手。なんと15位から8人抜きで総合7位に浮上!序盤から中盤までは山学大キピエゴ選手と併走し、中盤以降は、國學院大平林選手と併走、ラストの上り坂で突き放していく走り!日大キプケメイ選手も最後に突き放していきました。

 この区間、松山選手が走れず4区に回り、トーンダウンかと思われましたが、まさかの66分台でした。3区以降は実績ある選手が並んでいる東洋大、これは普通に上位だ…そう感じた方も多かったのではないでしょうか。

健在だった法大松永ワープ、中大・中学大らは浮上ならず
 このあとは、東海大花岡選手と、大東大久保田選手。ともに67分30秒台で区間タイムをまとめています。予選会からシード権を狙っている中、エース区間で流れを繋ぐことができたのは好材料か。続いて、山学キピエゴ選手がラスト巻き返して12位中継。途中でペースダウンしていましたが、終盤上げて67分22秒。こちらも1年生、今後に期待ができます。

 続いて13位でやってきたのが、横浜駅前区間トップだった松永選手。あまりのツッコミに、坪田監督は、最後の上り坂で倒れるんじゃないかとヒヤヒヤだったそう。権太坂以降はやや息切れしつつも67分33秒のまずまずのタイムでまとめて大事には至らず。

 それどころか、ラスト1㎞で7秒前だった帝京山中選手をぶち抜いて、キピエゴ選手にも追い上げているので、実は松永ワープしていたり。今後も注目の選手ですね。帝京山中選手は、前回の8区序盤のツッコミが印象的だった選手。中野監督から「ワールドクラス」の激もありましたが、最後は息切れ。それでも、ひとまずはここまでは上位の流れといえる差で収まっています。ここまで総合14位。

 その後ろが差が開きました。順大浅井選手が、甲佐10マイルからの調整に苦労し、69分少しの区間19位、総合も15位へ。これを追い抜け勝った中学吉田・中大吉田選手は68分前後の区間15位付近。

 中大はまだこの時点ではおかしいなぁと首をひねる感じでした。スピードはある程度戻っていましたが、スタミナ面やアップダウンの対応は難しい状況だった感じでしょうか。優勝は厳しいなあと思っていましたが…それどころではないチーム状況と知るのはもう少し後のこと。

 この後方、国士カマウ選手が、波に乗れないなりに総合18位に浮上。駿河台大新山選手も厳しく19位、カマウ選手と競り合っていた神大小林選手が20位。その後ろまで下がった立大國安選手が21位。タイム差も開いてきて、このあたりのチームがシード権争いに上がるのは難しいと感じました。

 その後ろ22位まで下がったのが明大児玉選手。運営管理者の山本監督が分かるくらい、最初から飛び跳ねるなど、序盤がフォームがいつもと違ったそう。児玉選手も5㎞くらいで上位のペースに苦しさを感じたそうで…。とはいえまさかの展開となった。ここでトップと5分30秒差。

 その後ろ、日体大山口選手が23位のまま。7分08秒差と、前のチームと1分半以上離れた最下位に。山崎選手が起用できなかった中での出遅れが大きく響く形。ここから流れを取り戻せるか非常に気がかりとなった。

 全体として、駒大がトップキープも、青学の激しい追い上げに、どうも流れが駒大に行き切らなかった形。10位前後は、1区がハイペースになった割には、大きな集団になったり、まだまだ混沌。全体的なレベルの高さを感じた第100回の序盤2区間になりました。