箱根駅伝2024(第100回)へ向けて【東京農業大・国士舘大】全日本駅伝の振り返りとともに

出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。

各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。

そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。

続いて、
前田選手らエース強い!50年ぶり往路突進はどこまで!?
東京農業大学

山登りは期待!?それまで食い下がれればシードチャンスも
国士舘大学

です。

ページコンテンツ

【東京農業大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

 まずは、無事10年ぶり突破した箱根予選から

https://hakonankit-fd.com/article/post-21980.html

 増枠分の1枠目となりましたが、全体日本人トップとなった大エース前田選手に、並木選手や原田選手ら主力選手の奮起、中間層も集団層がしっかりまとまっての通過でした。

 なお、主力の一人高槻選手が故障明けギリギリの状態での出走でしたが、それでも63分36秒好走。そして彼が走っていなければ、予選通過していなかった。

全日本大学駅伝2022振り返り

13位東京農業大学5:25:22

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップとの差
1区9.5㎞ 10位 圓谷吏生② 27分39秒 10位 20秒差
2区11.1㎞ 🥉 前田和摩① 31分11秒 4位 30秒差
3区11.9㎞ 10位 原田洋輔② 34分32秒 6位 1分23秒差
4区11.8㎞ 5位 並木寧音④ 34分59秒 5位 1分56秒差
5区12.4㎞ 13位 実井智哉③ 38分20秒 10位 4分20秒差
6区12.8㎞ 15位 浅海祟志④ 39分47秒 12位 6分51秒差
7区17.6㎞ 11位 高槻芳照④ 54分04秒 11位 9分42秒差
8区19.7㎞ 20位 田岡航一③ 64分50秒 13位 16分22秒差

1区圓谷選手…大事な1区を任されたのは、2年圓谷選手。全日本予選・箱根予選走っていませんでしたが、1万m29分32秒の自己ベストで主力候補の一人。1区に間に合わせてきた感じでした。残り1㎞を切るまで先頭集団の中で耐えて、少し遅れてからも大きく離されませんでした。トップと20秒差の区間10位で繋ぎます。

2区前田選手…スーパールーキーのカテゴリーを超えて、学長距離界の顔の一人となってきた1年前田選手。全日本予選は留学生と最後まで争って日本人トップで予選塚に導き、箱根予選は15㎞から上位集団から抜け出し、こちらも日本人トップで予選通過に導き…まさに東京農業大50年ぶりのスーパーエースとなっています。

 箱根予選から中3週間でしたが、上位争いが見える中でレースを進めていき、5㎞13分55秒で通過して、大東國學院大らと7位争いを形成します。ここでまだトップと28秒差。そこからさらにギアチェンジ、9.4kmでは5位争いの中大・帝京大を交わして5位へ。さらに中継所直前に落ちてきた東国大を交わして4位に浮上!

 最終的に、区間新相当の区間3位の力走で、6人抜き!これまでは予選校の中での日本人トップでしたが、今回は箱根強豪校の実力者と対戦しての成績。”やっぱりモノが違う”そう言わしめるほどの結果でした。

3区原田選手…そして前田選手から2区3区4区と強い選手を固めています。3区前半のエース区間は、今年急成長の2年原田選手。関東ICで1万m28分台を出すと、箱根予選も上位争いをして個人61位の成績で通過に貢献していました。

 すぐに中大に抜かれますが単独5位をキープ。中盤に入り追いついてきた東国大と一緒に再び上位をうかがいます。5㎞を過ぎて、中大・青学に追いついて、3位争いを繰り広げたのは、結構盛り上がったのではないでしょうか。終盤は少し苦しくなりましたが、それでも総合6位の中継。個人も区間10位で踏みとどまりました。

4区並木選手…まだ柱の一人が続きます。4区は4年並木選手。2年時に1万m28分20秒切り、学生連合で箱根駅伝2区を走っている実力者。今年度も、全日本予選4組で戦い、箱根予選30位とまずまずの戦績を収めていました。

 すぐ後ろおいついてきた中大の選手と6位争いをしながら前を追います。3.5kmで東国・帝京大にオイルいて4位争いに浮上、そこから前にいた早大が落ちてきて、後ろから城西大がやってきて、中盤から激しい順位争い。その中で区間5位で戦い抜いた並木選手は5位で中継。大根旋風が序盤吹き荒れました。

5区実井選手…今年になって1万29分53秒を出すなど、育成であがってきた3年実井選手が5区へ。全日予選2組20位・箱根予選も189位と一定の安定感があります。とはいえ、まだまだスピード選手揃いの5区、少しずつ順位を下げていき、中継所目前でシード権の8位から後退。区間13位でしたが、総合10位まで後退します。

6区浅海選手…箱根予選にエントリーされていなかった4年浅海選手が6区にエントリー。2年時に箱根予選に一度出走していますが、主要大会はそれ以来となりました。とはいえ、さすがに力不足だったか区間15位で総合12位へ。8位争いも苦戦したため、シード権はまだ1分10秒差に留まっていました。

7区高槻選手…ここ4年生もう一人エースの高槻選手を残していました。1年時から箱根駅伝学生連合に選ばれ、チームのエース選手です。とはいえ今年は必ずしも調子が良くなく、夏合宿も故障して、一時は箱根予選の出場も危ぶまれたほど。その中で、箱根予選・全日本本戦と戦っていました。

 すぐ前にいた創価大と東海大にはついていけませんでしたが、帝京大を交わして総合11位をキープ。気温が高い中、1㎞3分少し超えるほどのペースで走り切り、区間11位。シード権とは2分半以上となりましたが、万全ではない中で、できる走りをしました。

8区田岡選手…アンカーに選ばれたのは3年田岡選手。箱根予選はチーム5番手の好走で、チームの出場に貢献しています。なお、エース前田選手と同じ報徳学園高の出身で、2年上の先輩。高校3年時、農大への進学が決まった際、”1年生にいい選手がいる”と前田選手を、農大の首脳陣に紹介したそうで。

 ある意味、最も農大の復活に貢献しているかも…?走りとしては、箱根予選でほぼ出し尽くしてしまったという感じの走りになってしまいましたかね。区間20位で総合13位でのゴールとなりました。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 前田選手を中心に核となる選手がいるのは、10年ぶりながら東京農業大の強み。実際、全日本駅伝も4区まで5位をキープしていました。半面、箱根予選11位通過ということで、選手層というところは、上位校とは少し差がありますかね。

 その中で、10年ぶりに箱根駅伝の出場というところから、チームの雰囲気は上々。先日は、全日本駅伝に出場していなかった選手が、続々と自己ベストを更新。さらなる農大旋風は吹き荒れるのか、もう一度戦力をまとめ直します。

エースの強さ

 果たして、エース区間2区でどこまで走れるのか、そういったレベルまできていると思われる1年生前田選手。箱根予選は、15㎞日本人上位集団から抜け出して、さらに前を追っていく走りで、61分42秒の個人9位の日本人トップ!しかもU-20日本歴代2位の記録、15㎞からアップダウンがあった中なので、非常に価値のある走りとなりました。

 ”自分で全部何とかしようとしない”というのを大事にすることで、高い調整力を発揮しているそうです。全日本駅伝では、トップに立つまでというイメージの中、区間新相当での区間3位で箱根強豪校のエースと対等に渡り合っていました。

 箱根駅伝2区に関しても、よくイメージしていて、前田選手本人は66分台、小指監督は65分台の日本人記録まで見えているとか??そこまでいくかどうかはともかく、区間賞争いに参戦することは十分あるのではないでしょうか。なお、農大の2区というと、50年前の50回大会で12人抜きを果たした服部選手が有名ですが、100回大会に現れた前田選手は果たして…。

 そして、駅伝ファンとしてなじみ深かった4年生2大エース並木・高槻選手が、ついにチームとして箱根駅伝に出場します。2人とも早くから長距離ロードで台頭して、1年時には高槻選手が8区、2年時には並木選手が2区で、学生連合の一員として箱根駅伝を好走していて、知っている人は多いのですよね。

 ただ、中々チーム強化が進まなかった現状がありました。そんな中、第100回記念大会のチャンスをものにしたわけですね。現時点で、調子をキープしているのは並木選手。関東IC1万m入賞、全日予選・箱根予選も戦い、万全ではなかった全日本駅伝も4区5位と戦っています。もう一度2区を希望していますが、果たしてかなうかどうか。

 高槻選手は、夏合宿に足を負傷し、万全ではなかった中で箱根予選・全日本駅伝7区を走り切りました。箱根予選は一時間に合わないかもというところでしたが、もし出走していなかったら予選通過できていませんでした。それだけ貴重な存在です。調整遅れは気になりますが、万全なら往路で戦える選手。チームでの箱根駅伝での襷リレーを見たい選手です。

 この3人と差がありましたが、2年生が一気に成長してきています。特に原田選手は、関東IC本番で1万m28分台を記録、その後も主力選手として予選を戦い、全日本駅伝は3区で他校のエース格に食い下がりました。これなら往路でも戦っていけるでしょうか。

 また、関東IC棄権後から試合出場の無かった圓谷選手が、全日本駅伝1区で復帰し、トップと20秒差の区間10位でタスキを繋ぎました。このまま順調に長い距離を走ることができれば、4年生2人を1区に回さずに済みますね。往路での突進の準備は少しずつ整ってきています。

山登り・山下り

 10年ぶり出場で全く分からない、山登りは往路をまとめるため、エース格が回る可能性がある…と、ある種定型文にしようと思ったのですが、激坂王決定戦で好走した選手が出てきましたね。

 強風吹き荒れる中、4年吉村選手が55分36秒のタイムに留まったものの全体の3位に入りました。箱根予選でもチーム7番手の175位64分35秒で走り切っていますので、平地でも最低限の走力はあります。強風で寒くもなったので、ある意味箱根本番に近い条件になったかもしれません。まだ起用がきまったわけではないそうですが、彼が走れれば、平地を手厚くできるかな?

 山下りに関しては、はっきりいって分からないですね。4年間練習を積んだ脚力のある選手で踏ん張ることもあり得ます。1500mや3000m障害で関東ICを戦っている選手の動向を注目するのもポイントかもしれません。難しいところですが、流れから乗り落ちないことを考えると、60分台ではまとめるようにしたいといころ。

選手層の厚さ

 選手層は決して厚くないのですが、選手自体はいます。先の2年生では、箱根予選出走していて春に1万m29分半ばを出している深堀選手がいますね。彼も復路の候補、また全日本駅伝出場した3年生実井選手も安定していて、8区以降で特に候補になりそうな選手です。箱根予選ではそれを上回っていた田岡選手も勿論終盤区間候補です。

 これに、山登りが、吉村選手が入ると、先の往路候補で高槻選手が9区に温存ということもあります(序盤4区間圓谷-前田-原田-並木の想定)。こうなると、復路も希望が出てきますかね。

 そして…あとは4年生の出番になりそうな予感です。小指監督は、就任以降、数々の4年生の悔し涙を見てきたそうです。それが今回は、嬉し涙が見れるかもしれない…4年生世代は並木・高槻選手が有名ですが、他にも箱根予選出走した選手がいて、比較的選手層は厚いのですよね。

 箱根予選では、田中選手がチーム8番手で好走していました。全日本予選では、長谷部・松本選手が出走し通過に貢献。箱根予選は10番手・12番手になりましたが、長谷部選手が直近29分23秒自己ベストを出しています。このあたりがどこまで食い込んでくるか。

 他にも、2年吉村選手が29分14秒大幅ベスト、2年間の箱根予選好走している3年髙島選手が29分29秒の自己ベスト、さらに前田世代となる1年生も栗本・磯選手が29分半ばとなっています。やはりチームは活気づいてきています。この中から選ばれたらなら、予選よりも戦えるかもしれません。

まとめ

・農大のスーパースター前田選手は2区区間賞の可能性も?
・4年並木高槻選手の襷リレーはあるのか
・勢いある2年生原田選手らに、最後を狙う4年生

 10年ぶり出場ながら、これだけ戦力分析がしごたえあるのが今の東京農業大です。まずは農大のスーパーエースとなっている前田選手。1年生ですが、これだけ主要大会で高い安定感を誇っていますし、万全なら入るだろう箱根駅伝2区で、いきなり区間賞争いしてもおかしくないほどです。1区の粘り次第では、トップに引き上げることも可能??

 そして、前田選手と同等に楽しみなのが、4年高槻・並木選手。下級生時に学生連合で箱根駅伝を経験した選手が、4年生になってやっとチームで襷を繋ぐことができる…なんかこれだけ泣けてきますよ。足の状態に不安も少しありますが、願わくば、絶好調で往路突進していきたい。

 当初はその3人とそれ以外に差がありましたが、今年は一気に伸びましたね。2年生の伸びが良く、特に原田選手が1万m28分台などエース格の一人として成長、さらに深堀・圓谷・吉村選手も起用できそうなところに来ました。3年生も実井・田岡選手が伸びてきています。

 そして、4年生もレギュラー争いに、田中・長谷部・松本選手が箱根予選を走り、ハーフマラソンは一定の安定感はあります。さらに激坂最速王で吉村選手も好走していて、山登り5区に名乗りを上げています。このあたりもレギュラー争い注目ですね。予選出場でレギュラー争いは盛り上がっていますので、このチーム力向上がどこまで箱根の順位を上げるか注目です。

【国士舘大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

まずは8年連続で突破した箱根予選から

https://hakonankit-fd.com/article/post-22013.html

 記録会で、予選メンバー外の選手が大幅自己ベストを出していたため、密かに上位通過候補となりました。そこまではいきませんでしたが、いつになく安定した戦いぶりで8位で通過。

 カマウ選手以外にも、4年山本龍・2年生駒選手が成長し、上位集団で勝負し、3年西田選手らも成長も見られました。

全日本大学駅伝2022振り返り

 全日本駅伝は、そのカマウ・山本龍・生駒・西田選手の上位4名が前半区間、記録会で好走していた4名の選手が後半区間と、割り切って戦いました。ただ、ちょっと厳しい結果になりました。

15位国士舘大学5:31:32

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップとの差
1区9.5㎞ 17位 山本龍神④ 27分58秒 16位 39秒差
2区11.1㎞ 14位 ピーター カマウ③ 32分47秒 15位 2分25秒差
3区11.9㎞ 15位 生駒直幸② 35分12秒 14位 3分58秒差
4区11.8㎞ 12位 西田大智③ 35分35秒 14位 5分07秒差
5区12.4㎞ 24位 岩下翔哉② 40分00秒 15位 9分11秒差
6区12.8㎞ 16位 小林瑠偉③ 39分57秒 15位 11分52秒差
7区17.6㎞ 18位 中島弘太③ 56分26秒 15位 17分05秒差
8区19.7㎞ 17位 横田星那② 63分37秒 15位 22分32秒差

1区山本龍選手…3年連続で箱根駅伝を走っている4年山本龍選手が1区へ。箱根予選も43位と過去最高順位と、力をつけてきていました。ただ、箱根予選からの調整面は難しかったか、ラスト勝負の前に集団から遅れてしまい、トップと39秒差の区間17位。ちょっと遅れてしまいましたかね。

2区カマウ選手…国士舘大のエースカマウ選手が2区へ。今年の箱根2区は、後半にしっかり順位を上げていくと、初駅伝とは思えないクレバーさを見せていました。順位を上げたいところですが、後方から来た城西大に、5㎞で先行されます。その後も大きく上がることなく区間14位。総合順位も一つ上げる5位に留まりました。

3区生駒選手…今年の成長株の2年生駒選手。春先に1万m29分03秒を出して、全日本予選も通過に貢献。箱根予選はエースの山本龍選手と一緒に走り、最終的に1秒上回っています。初駅伝となった3区、日本選抜の神大の選手に交わされますが、スピードに乗れなかった東洋大を交わして総合14位に浮上しました。

4区西田選手…今年の箱根7区を走りましたが最下位。そこから急成長し、全日本予選2組16位と通過に貢献、箱根予選は集団走から15㎞捲っての72位。走力は思ったほど高いかもしれません。下位の流れになった中でしたが、単独走で安定した走り。東洋大を寄せ付けず、前創価大が見えるところに追い上げました。区間12位は、チーム最高の区間順位でした。

5区岩下選手…ここから箱根予選メンバー外。特に楽しみだったのが5区の2年岩下選手。元々国士大2年生の世代トップの選手、1年の夏に故障してから中々上がっていませんでしたが、直前の記録会で好走していました。ただ、気温が高い中、アクシデント気味の区間22位。総合15位に落ちて、前東洋大と2分以上の差と開きました

6区小林選手…たたき上げ組の星として、今年上がってきている選手。全日予選1組31位と苦戦しましたが何とか粘り切っていました。10月に5千m14分09秒・1万29分23秒と好走して、全日本6区を掴みました。とはいえ、完全に単独走という難しい状況。区間16位となりました。ただ、それ以上に、トップとの差が11分52秒と開いてきました。

7区中島選手…トラックでは国士大のエース選手ともいえる3年中島選手がロング区間7区へ。全日本予選は最終組で他校のエースと戦い、最後の逆転に繋げています。ロードが安定して走れるようになれば、箱根駅伝で往路候補の選手です。

 ただ、ロードはまだ不安があるか、それとも箱根予選のメンバーから外れていた時点で万全ではなかったか区間18位と苦しい走りに…。トップとの差もあっという間に開いて17分05秒差で繰り上げスタート。関東地区の繰り上げは、途中棄権以外はなかなか無いので、苦い結果ですね…。

8区横田選手…10月の記録会で結果を残していた選手。1万m29分25秒のベストを出して上り調子でした。繰り上げスタートの中、関西勢3チームのアンカーの選手に先んじられる形でゴールへ。総合15位でのゴールとなりました。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 7年前の全日本駅伝もそうでしたが、箱根予選後はなかなか調整に苦労していました。ここから、箱根駅伝に向けて整えていくと思います。

エースの強さ

 エース区間の2区は、やはりカマウ選手となっていくと思います。今年の箱根駅伝2区は区間9位ながら順位を上げる走りをしていましたし、全日本予選は4組5位と他大留学生とも渡り合っていました。

 昨年より高いレベルで安定していますし、コースもわかってきています。この区間はしっかり上位の流れに乗っていけるのではないかと思います。

 国士大としては、その前後の1区と3区が鬼門。スピードランナーが少ないところ苦しんでいるようです。基本的には4年山本龍選手が軸でしょうか。過去に1区と3区どちらも走っている選手です。総合力は当時よりついているので、何とか凌げるか。

 もう一人、急成長してきて箱根予選はカマウ選手に次いで2番手に入った2年生駒選手も候補になってきますでしょうか。1万m29分03秒と28分台目前、往路を経験させたいと思わせます。全日本駅伝で岩下選手が好走していれば、候補ですが…故障していないことを祈ります。

 往路が苦手な中で、4区はスタミナ型のランナーが比較的まとめることがあります。今回候補に3年西田選手が上がるでしょう。箱根予選後半大きく浮上し72位好走しました。

 記録会はこれからだと思いますが、候補の一人になります。全日本4区も、チームが沈む中、一人ペース保って走っていたと思います。ここで一つ流れを変えられるかもしれません。

山登り・山下り

 山登りは、国士舘大が現時点で、最も自信のある区間です。

 2年連続箱根駅伝山登りを走っている4年山本雷選手が、激坂最速王決定戦で優勝!こちらにも実は3年連続出走で、9位・5位ときて、今回は優勝!強風吹いた条件も味方してくれたとのことです。

 平地も走力があるのですが、9月に体調不良に陥ったので箱根予選・全日本駅伝は飛ばしたそう。箱駅伝一本に絞っていました。前回区間11位から、区間一桁と稼いでいく区間になるか。

 また、リザーブも充実。激坂王では、2年後藤選手が好走し名乗りを上げています。さらに、箱根予選で2年連続100位台にまとめている3年渡辺選手も上り適正有。この区間は、国士大育成得意?

 山下りは、前回はトラックでエースとなっている3年中島選手が走っている区間。とはいえ、この時は62分台となっていますので、ロード力が上がったら平地もありえるでしょうか。

 なお、前回は当日変更要員で、現2年の勝部選手がエントリーしていました。関東IC1500mで戦うスピードがあり、箱根予選も64分台で走り切っています。彼が走るということもあるかな?時折、59分台で好スタートを切る選手が出てくるので、それにも期待したいです。

選手層の厚さ

 選手層は少しずつ厚くなってきていますね。箱根予選では64分01秒から64分41秒の間に、チーム5番手から11番手が入っています。そのうえで、10月記録会では1万m29分半ばを出している選手がいて全日本駅伝を走っているわけです。十分に選手はいるのですよね。あとは、単独走で走れる選手がどのくらい出てくるかでしょうか。

 前回8区を走っている鈴木選手や、激坂王で2年連続まずまずまとめている渡辺選手ら3年生が健在。流れの中だったら、十分走れる選手。同じ3年の生天目選手も走力をつけていてでデビューがあるかどうか。

 また、2年生も頭数増えていて、先の生駒・岩下選手以外にも選手がいます。前回10区を走っている川勝選手は、やや足踏みですがそれでも箱根予選9番手で走り切っています。それから、富岡・瀬川選手もチーム8番手10番手と前後するように走り切っていています。6区候補勝部選手も含めて、レギュラー争いは激しさが増しています。

 前回は、復路の調整に失敗してしまい、繰り上げスタートの憂き目にあってしまいましたが、今年の選手層なら、そんなことにはならないはずです。

まとめ

・カマウ選手のほか山本龍選手ら往路選手がどうなるか
・最も自信のある区間は5区山本雷選手
・西田渡辺選手ら3年、生駒川勝選手ら2年のレギュラー争い

 箱根予選は安定して突破してきますが、単独走なりスピード勝負なり、中々苦戦している国士舘大。現状では往路はまず2区カマウ選手で順位をあげられるか。今年になり更に総合力が増していると思います。

 苦としている1区と3区は、4年山本龍・2年生駒選手が候補か。故障なければ3年中島選手や2年岩下選手も候補になってくるか。

 このあたり凌げれば、今回国士舘大が最も自信がある5区山登りに4年山本雷選手が控えています。直近の激坂王では、悪条件も味方につけて優勝。前回区間11位、区間一桁も視野に入ってくるか。

 長い距離は走れる選手は一定数出てきていて、3年西田選手が箱根予選63分台で走ったのを筆頭に、渡辺・鈴木・生天目選手ら3年生、川勝・富岡・瀬川選手ら2年生が一定の目途が立っています。

 何とか山までシード権争いに食いつければという状況ですね。例年11月末に1万m記録会に出場していましたが、試合の出方を変えてくるか、調整に注目です。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。