【城西大学】第100回箱根駅伝2024へ~新入生情報や戦力分析&持ちタイムなど!

 新年度ももう前半戦が終了しました。各大学ある程度の収穫と課題があったのではないでしょうか。当サイトでも、大学長距離各チームの2023年度のメンバーの紹介と実績、簡単な戦力分析を行いたいと思います。もちろん、新入生も紹介していきます。

続いて、
全日予選トップ通過で、三大駅伝フル出場へ!強豪校へ向けての試金石!城西大学です

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【城西大学】第100回箱根駅伝2024へ~新入生情報や戦力分析&持ちタイムなど!

 シード権ラインを行ったり来たり、いや本戦出場ラインを行ったり来たりを繰り返していた城西大が、もしかすると強豪校へ上がっていくチャンスを迎えているかもしれません。

 初の留学生加入に踏み切った昨年度、秋シーズンになって一気にチーム力アップ。箱根予選は、おそらく多くの駅伝ファンの予想以上だった3位通過。前年、後方からいって全く上がらなかった同じ轍を踏むまいと、積極的にいったのが良かった。

 そして本戦、2区斎藤3区キムタイ4区鈴木選手と1年生3人を往路起用、復路も6区8区と1年生5人という大胆なオーダー。4区まで何とか総合13位で踏みとどまると、

 2大会前に5区山登り好走していた山本唯選手が、区間新記録のナイスパフォーマンス!一気に往路9位浮上、櫛部監督の声掛けの”山の妖精”もトレンド入りしました。復路も、他校との競り合いに持ち込むと、しぶとく戦い総合9位!5年ぶりにシード権を獲得しました。

 その出走メンバーが全員残っている今季は、さらなる飛躍のチャンス。その兆しは春から見られ、関東IC2部でキムタイ選手が1万5千2冠!チームとして1部昇格を果たすと、

 全日本予選は、各組好走して、見事にトップ通過。その後、記録会で5千m自己ベスト続出!さらに夏は、山の妖精こと山本唯選手が、ユニバ1万mで3位入賞、いいニュースが続々と続いている。やはり今年は、三大駅伝も躍進の年か、戦力をまとめ直します。 

新チーム各学年戦力分析

※持ちタイムは8月1日地点
※関東ICは2部

4年生主力選手について

山本唯翔④28分25秒21/13分51秒08≪23ユニバ1万3位、全予4組8位、関東IC1万11位、箱5区1位、22予65位、21予81位、箱5区6位、20:全7区13位、予115位≫
野村颯斗④28分54秒48/13分55秒75≪23全予3組1位、箱1区11位、22予59位、21予108位、箱6区11位、20:予159位≫
山中秀真④28分57秒70/13分58秒72≪23全予2組3位、関東IC5千、箱10区6位、22予75位、全予1組10位、関東IC5千18位、21:予102位、20:予221位≫
中田侑希④29分14秒07/14分18秒99≪22予249位、21:予193位≫
小島大輝④29分45秒62/14分27秒72≪23関東IC1500m7位≫
新井颯人④29分49秒19/14分35秒82≪21:箱8区19位≫
山本 樹④29分49秒76/14分19秒89≪20:全6区16位、予125位≫
堀越大地④29分54秒70/14分39秒58
成田龍之介④29分57秒61/14分15秒64≪21:予284位≫
山下空良④/14分15秒69

 やはりこの世代が中心になりますよね。1年時にも箱根予選・本戦で奮闘し、その後昨年に大きく飛躍した世代になります。勿論、エース格は山本唯選手。一番最初に長い距離に対応した選手ですが、それ以上に山登りの適正は凄かった。

 1年時にも区間6位と走っていて、迎えた3年。1万m28分半ばまで総力を高めて臨んだ今年の箱根駅伝は、颯爽と駆けあがっていき、見事な区間新。一気にシード権を手繰り寄せる走りをして見せた。今年は、箱根2区を狙う宣言、全日本予選組8位と日本人上位で走ると、1万mでユニバ代表で3位銅メダル獲得。力は付けた。出雲・全日本はアンカーか。箱根は、2区になるかは他の選手との兼ね合いで分かりませんが、間違いなく勝負に出る区間となるだろう。

 これを固める選手も強い。1年時に箱根山下りで光るものをみせていた野村選手は、平地でも切れ味抜群の走りを見せるようになってきた。今年の箱根1区は、上位と差がない区間11位。さらに全日本予選では、後方から追い上げての3組1位!スピードと勝負強さで、いつでも勝負できる状態だ。

 スピードと言えば、箱根アンカーを走った山中選手も同じく。あの時も、並走していたほか大学の選手とのラストの争いを制してのシード権のゴールでしたが、全日本予選とも相性が良く、昨年は1組で、今年は2組で上位でまとめています。三大駅伝、空いた区間でどこかで力になるに違いありません。

 このほか、1万m29分台を出しているランナーは多くいて、選手層は厚いのですよね。1年時に一度全日本駅伝に出走している山本樹選手が、少しずつ試合に出られるようになり、全日予選前に1万m30分10秒、さらに7月に29分49秒と状態を上げつつあります。。また、小島選手が関東IC1500mに出場し、7位入賞したのは驚き。6月にも1500m3分47秒と好記録をマークしています。

 また、たたき上げで上がってきたのが中田選手。2年連続箱根予選に出走しているが、中々主力まではいっていない。とはいえ1万m29分14秒のベスト、さらに今年も5千14分18秒マーク。ロードに目処が立てば、復路で面白い存在だ。他にも、堀越・成田選手ら少しずつ上がってきている選手もいますね。城西大が上位に入るなら、必ずこの世代の活躍があるはずです。

3年生主力選手について

平林 樹③28分49秒64/13分44秒80≪23全予2組4位、関東IChalf4位、箱9区8位、22予79位、21:予198位≫
林 晃燿③29分26秒31/13分51秒22≪23全予1組1位、箱7区9位、22:全予2組17位≫
久保出雄大③29分30秒48/14分30秒00≪22予139位≫
沼田隼一③30分29秒45/14分35秒97
齋藤彰人③30分43秒06/14分48秒31
伊藤大晴③30分46秒64/14分49秒19
片渕大晴③/13分59秒02
栗原直央③≪23関東IC1500m4位≫

 3年生の世代も、少しずつ選手層が厚くなってきましたね。下級生の頃から頭一つ抜けている印象だった平林選手がやはり強い。今年の箱根は復路のエース区間9区を任されると、シード権のプレッシャーがかかる場面で、区間8位の走りでしっかり流れを継続しました。

 今期になって、さらにパワーアップし、関東ICハーフ4位の好走、全日本予選は2組4位と上位組でも戦えるほどの走りを見せました。直後、5千m13分44秒の大幅ベストに、その力はあると確信。もしかすると、出雲なら3区や、全日本なら終盤区間、箱根は4区あたりで勝負できるかもしれません。

 他にもレギュラークラスの選手がいて、3年林選手も完全に主力へ。今年の箱根は7区起用に応えて区間9位。11位以降のチームが激しく追い上げる中、安定した走りを見せました。直近の全日予選では、元々1500mで戦っていたスピードを見せて1組1位の好走。トップ通過に大きく貢献、三大駅伝は繋ぎのあらゆる場面で起用の可能性がありそうだ。

 他では、前回の箱根予選で139位と通過に貢献した久保出選手もいますね。箱根は出番なかったものの、学生ハーフで64分22秒と長い距離で一定の安定感を示すと、7月には1万m29分30秒48のベスト。このあたりレギュラー争いに加わってくるか、あとは5千m13分台持っている片渕選手の復活も待ちたいです。

2年生主力選手について

ビクトリー キムタイ②28分24秒57/13分26秒77≪23全予4組12位、関東IC1万1位5千1位、箱3区11位、22予6位、全予4組14位、関東IC5千2位≫
斎藤将也②28分37秒90/13分51秒21≪23全予3組18位、関東IC1万19位、箱2区15位、22予27位、全予4組26位≫
桜井優我②29分27秒92/14分02秒49≪23全予1組11位、関東IChalf13位、箱8区14位、22予129位≫
磯西健志②29分34秒02/14分25秒24
小早川凌真②29分49秒51/14分25秒48≪23関東IC3障7位≫
岡崎文太②29分56秒94/14分30秒38
鈴木健真②29分57秒99/14分08秒38≪23箱4区18位、22全予1組18位、21高1区6位≫
浅井晴大郎②30分10秒43/14分27秒79
岩田真之②30分12秒43/14分13秒15
大沼良太郎②30分18秒54/14分20秒06≪23関東IC3障、箱6区15位、22予128位、関東IC3障、21IH3障6位≫
山中達貴②/14分09秒24
古橋空弥②/14分24秒31 

 この世代が上り調子になって、強い4年生にも食って掛かっているのですよね。まずは初の留学生となるキムタイ選手。今年の箱根3区はやや序盤抑えすぎてしまい区間11位となりましたが、真価を発揮したのが今年の関東IC。

 2部は、1万m5千mともに序盤スローから終盤の叩き合いになったが、制したのはどちらもキムタイ選手。1万m27分台のタイムを持っている留学生もいる中、これは驚きの結果ですね。こういう展開だと強いのかもしれませんね。駅伝では、序盤区間に捉われない起用方法もありなのでしょうか??

 さらに、エース候補と期待の高い齋藤選手がいる世代ですね。昨年の箱根予選はチームトップの27位、その後激坂王の走りが話題になるも、箱根はエース区間2区抜擢。区間15位も将来を見据えての起用でした。今季は記録面はやや足踏みも、関東ICと全日予選は最低限でまとめていました。夏を超えてスランプを脱していれば、どこまで走っていくか楽しみな選手です。

 このほか、伸びている選手多いですね。今年の箱根8区で、格上相手に食らいついた走りが話題になった桜井選手も順調。全日予選1組11位としっかり上位でまとめる走りをすると、7月に5千m14分02秒の記録。走力が上がっていて、楽しみな存在に。

 この他にも、レギュラー候補の選手は多くいます。今年の箱根4区を走った鈴木選手は、中々安定しないとはいえ、やはりエース候補の一人。7月に5千m14分14秒をマークしている。箱根6区を走った大沼選手は、3障もこなしていっています。その3障では小早川選手が7位入賞!1万mも29分台を既に出している選手なだけに今後にも注目。

 他にも、高校時代の実力者だった山中選手が、7月に5千m14分09秒ベスト復活、同レースでは磯西選手が1万m29分34秒の大幅ベストと、レギュラー候補に名乗り。他岡崎・浅井選手らもベストを更新してきています。この世代の成長次第では、城西大は一気に強豪校に上がってくるのでしょうか?

新入生情報~5000m持ちタイムと全国大会成績も!

※自己ベストは4月1日の時点です。

柴田 侑①14分03秒14≪22高校1区32位≫
河野温喜①14分14秒24≪23全国1区28位、22高校1区41位≫
中島巨翔①14分22秒55≪23全国5区30位、22高校5区30位≫
小田伊織①14分27秒40≪22高校2区8位≫
福嶋留魁①14分33秒23≪22高校4区18位≫
5000m上位5名平均:㉒城西14分20秒1
宮本 凪①14分37秒44
河野世寿①14分38秒22
水越蒼生①14分38秒35
関根陸人①14分38秒58
熊井志岳①14分43秒53
早川晴仁①14分48秒84
佐藤竜輝①14分57秒13
飯田滉人①15分02秒00
水野健太①15分20秒84≪22高校2区13位≫

 ルーキーの入部、5千m持ちタイム上位5名平均22番目というのは、城西大例年通りかな。城西大も基本的には、育成で仕上げてきます。今年の箱根シード権の効果は、次年度でしょう。持ちタイムトップの柴田選手ら、上位選手は何かしらの全国駅伝の経験がある形ですが、区間20位台30位台の選手も多いですね。城西大に入って、力関係の逆転はできるでしょうか。

 一気に伸びてきたのが、中島選手。全国駅伝は5区30位と目立たなかった選手ですが、夏前に1万m29分34秒の好記録をマーク。夏以降の練習も順調にできているそうなので、秋の飛躍が楽しみになっている選手だ。

 他にも、小田選手が5千m14分19秒と自己ベストを更新、1500mですが、宮本選手が3分48秒ほどの好記録をマーク。記録会で名前を見るランナーは何人もいるので、練習はこなせている選手は多いでしょうか。一つ上の2年生がいい感じで上がっていますが、続く選手がどれだけ出てくるか楽しみです。

【城西大学まとめ!】箱根駅伝2024へ向けて

・箱根2区を狙う山の妖精山本唯選手に、野村山中選手ら強い4年生!
・エース格キムタイ&齋藤選手に、桜井選手成長!選手層厚い2年生!
・平林選手急成長の3年生!強豪校へ上がっていく大きなチャンス!

 今年の箱根駅伝で5年ぶりシード権、しかも当時の3年生以下で獲得してからの今季。やはりチーム力はかなり上がってきているように見えますね。4年生が充実していて、5区山登り区間新で、シード権の立役者となった山本唯選手が、平地でチームを引っ張り、箱根2区でも戦える態勢。

 これを箱根1区を走った野村選手に、箱根10区でシード権を決めた山中選手といった、実力ある選手がわきを固めている。これが今の4年生なのですよね。1年時から比較的注目を集めてはいましたが、これだけ成長しているのは嬉しいです。さらに、3年生は平林選手が非常に安定していますね。箱根9区・関東ICハーフと長い距離に強みがあります。

 それを追い越す勢いで成長しているのが2年生です。留学生のキムタイ選手は、展開合ったのもありますが留学生だらけだった関東IC2部1万m5千mと2冠。これは駅伝ファンも驚いたこと。これに今年箱根2区を走った齋藤選手がいて、箱根8区の桜井選手が急成長中でいい感じ。他にも有力選手鈴木選手に、ベスト更新している選手が多いのですよね。

 城西大も駅伝常連校ではありますが、上位争い候補に挙がることはまだあまりなかったと思います。でしたが、今回は強い4年生がいて、2年生からもエース格が出るなど、上位チャンスを迎えているのは間違いないです。まずは出雲駅伝から注目していっていいチームだと思います。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。