新年度ももう前半戦が終了しました。各大学ある程度の収穫と課題があったのではないでしょうか。当サイトでも、大学長距離各チームの2023年度のメンバーの紹介と実績、簡単な戦力分析を行いたいと思います。もちろん、新入生も紹介していきます。
「大学3大駅伝」27回優勝、駒大・大八木総監督が考える「常勝の条件」。アンカーで3分以上の差を逆転した2021年の箱根で痛感したこと https://t.co/GwVJzB5LkK #婦人公論
— 寺田的陸上競技WEB (@rikujouterada) July 26, 2023
まずは、今年も中心か!新監督になっても一気に三冠あるか!?駒澤大学です。
ページコンテンツ
【駒澤大学】第100回箱根駅伝2024へ~新入生情報や戦力分析&持ちタイムなど!
前年度の大学駅伝は駒澤大学の年になりました。出雲駅伝や全日本大学駅伝は、序盤から先頭に立ち、当時のエース選手にトップで襷が渡る盤石の襷リレーで圧倒!一気に二冠し、大学駅伝三冠に王手をかけました。
当時の大八木監督(コーチ時代も含んで)を率いてから、駒大の勝率は50%と破格の勝率となっていましたが、それでも大学駅伝三冠はなかったんですね。
迎えた箱根駅伝、2人主力が欠場するアクシデントがあったものの、序盤から先頭争いを繰り広げます。山起用の当時1年生の選手の健闘もあり単独首位に、その後も崩れることなく、見事三冠達成!勇退が決まっていた大八木監督への、有終の美となりました。
4月から藤田監督新体制になり、エースは卒業しましたが、各記録会ではやはり駒澤大学のユニフォームが躍動。5千m13分30秒切り、1万m28分切りと、学生の域を超える選手が複数います。
こうみると、やはり今年度も、駒沢大が中心になってくるのではと思います。このタイミングで一度まとめてみましょう。
新チーム各学年戦力分析
※持ちタイムは8月1日地点
※関東ICは2部
4年生主力選手について
鈴木芽吹④27分41秒68/13分24秒55≪23日本5千10位、箱4区3位、22出6区1位、箱8区18位、21日本1万3位、箱5区4位、20:全3区5位≫
唐澤拓海④27分52秒52/13分32秒58≪23関東IC1万4位、2:箱1区2位、21:出4区8位、関東IC2部1万3位5千3位≫
白鳥哲汰④28分14秒86/13分41秒39≪23関東IC5千14位、22:関東IC1万m、箱7区10位、21:箱1区14位≫
青柿 響④28分20秒42/13分47秒77≪23箱10区2位、22箱10区6位、21:全2区10位≫
花尾恭輔④28分29秒82/13分51秒89≪22全8区1位、出1区2位、関東IC2部half2位、箱4区9位、21:全8区4位、出雲3区4位、箱7区4位、20:全2区11位≫
赤津勇進④28分30秒64/13分43秒79≪23関東IC1万12位、21:出5区10位≫
安原太陽④29分08秒88/13分37秒01≪23関東IC5千7位、箱7区5位、22全6区4位、出5区1位、関東IC5千m11位、箱3区16位、21:全6区2位、出2区3位≫
金子伊吹④29分29秒62/14分07秒12≪23関東IChalf14位、22箱5区4位≫
赤星雄斗④30分07秒21/13分57秒55≪23関東IChalf1位、箱8区4位、21:全4区4位≫
強いですね、この世代。4年生だけでもオーダーが組めそうと思えるくらい選手層が厚いです。まずは、大学2年の時点で既に1万m27分台ランナーとなっていた鈴木選手。故障で苦しんでいたこともありましたが、箱根前に復帰してからは順調。今シーズンも、5千mでコンスタントに13分30秒前後と高いレベルで走っています。
これに、前半戦は怪我からの復活組が活躍。印象的なのは唐澤選手で、復帰したばかりの4月に、1万m27分57秒の好記録、関東ICでも留学生だらけの難しい条件の中で、日本人トップとなる4位を記録。過去には箱根1区で活躍しているだけに、秋シーズンも順調ならとても大きな戦力になる。
さらに白鳥選手が今年は調子がいい。冬の時期にならないとなかなか調子が上がらないところがありましたが、4年生の今年春から活躍。関東IC出走後、5千m13分41秒のベスト、夏合宿も乗り越えれば戦力期待。
また、箱根7区8区で繋いだ安原・赤星選手が順調ですね。安原選手は関東IC5千m7位入賞!留学生の中でも5千m13分37秒のスピードはやっぱり凄い。赤星選手は、関東ICハーフで優勝!下級生も強い中、意地を見せています。
他にも、トラックで1年時に28分30秒を出していた赤津選手も、少しずつ総合力がついてきて駅伝の出番もありそうな選手に。山登りの経験のある金子選手は、各ロードレースを転戦して、チャンスをうかがっています。
これに、前半戦試合出場が少なかった選手で、今年の箱根アンカーの青柿選手に、各大会大活躍の花尾選手までいますので、本当にこの世代の力は凄いと思います。この世代の最後の大学駅伝と考えるだけでも、わくわく感が増すのではないでしょうか。
3年生主力選手について
駒大・篠原倖太朗 快走も悔しさ「2番でいいと思っていない」田澤廉らと米国遠征の成果/金栗記念
先輩の田澤廉、鈴木芽吹とともに米国で強化合宿を敢行。帰国後は学生ハーフ優勝など、今や学生長距離トップランナーの一人となった#金栗記念 #篠原倖太朗
|月陸Onlinehttps://t.co/a1xsxsmliV
— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) April 8, 2023
篠原倖太朗③27分43秒13/13分34秒28≪23箱3区2位、22全5区2位、関東IC1万m8位、21:出1区8位、日本IC5千m2位≫
亘理 魁③28分47秒70/13分57秒62
小牧波亜斗③28分52秒71/14分09秒09
吉本真啓③29分08秒71/14分02秒31
宮城珠良③29分15秒14/14分07秒83
金谷紘大③29分26秒26/14分02秒33
田丸 颯③29分54秒14/14分13秒76
篠木珠良③30分04秒96/
長原悠一郎③/14分10秒80
庭瀬俊輝③/13分58秒02
宮川康之介③/14分01秒15
3年生は、篠原選手がズバ抜けていますね。5千m13分34秒・1万m27府7ン43秒は実業団選手と言われても遜色のないベスト記録。それだけでなく、丸亀ハーフで学生新記録を出すなど、とても高いロード力に、格上相手の競り合いの強さも知られています。駅伝でエース区間をこなすとなると、4年生を差し置いて彼の名前が、上がるのではないでしょうか。
それ以外の選手は、上級生の厚い選手層もあり、中々駅伝メンバーに食い込めていませんかね。その中で、亘理・小牧選手が1万m28分台を記録し、主力の一角に名乗りを上げようとしています。また、金谷選手も少しずつ記録会で名前が挙がってきています。
また、前年の全日本大学駅伝であと一歩で出場までいった吉本選手もこの世代、ロードで楽しみな選手。5千m13分台経験者の庭瀬選手も、ぎふ清流ハーフで63分前半。走れる距離を伸ばしています。秋を超えて、一気に来るでしょうか。
2年生主力選手について
伊藤蒼唯②28分28秒15/13分44秒49≪23関東IC1万8位≫
帰山侑大②29分18秒99/14分07秒90
佐藤圭汰②1500m3分47秒18/13分22秒91≪23日本5千4位、22全2区2位、出2区1位、21高3区4位、IH5千m4位1500m2位≫
山川拓馬②half61分36秒/13分56秒92≪23関東IChalf2位、箱5区4位、22全4区1位≫
山下 結②/14分10秒63
山口真玄②/14分10秒65
桑田泰我②/14分15秒83
大和田貴治②/14分19秒08≪23関東IC1500m≫
森重清龍②/14分16秒09
昨年は、この世代の成長が凄かったのですよね。スーパールーキーと言われた佐藤選手だけではなかったです。その佐藤選手も、距離が短かった出雲・全日本駅伝では、大八木監督がMVPという活躍ぶりでした。
トラックも強いですが、ロード力さらには駅伝力がとても高く、前半から突っ込んで粘ることができました。出雲・全日本ともに2区で、どちらも首位戦線に浮上しています。今シーズンはトラックでも、日本選手権5千m4位に入るなど、レベルアップ。秋シーズンも楽しみです。
そして、箱根駅伝と言われればこの2人、山川・伊藤選手の山コンビ。山川選手は、全日本駅伝から活躍して、ロードの鬼。箱根の山登りもよく、故障明けだった関東ICハーフも、赤星選手に続いての2位と貫禄。トラックでも5千m13分台に突入し、これからという選手です。
伊藤選手は、箱根前に1万m28分半ばをマーク、いきなり箱根山下りを走って区間賞で、優勝の流れを確実にしています。今シーズンも、関東ICから活躍していて、順調です。山下りだけでなく、平地区間でも活躍しそうな勢いです。これから中心核になっていきそうです。
この3人と次が差がありますが、一時は山下り出走もあった帰山選手に、他14分10秒台までベストを短縮してきた選手は多くいます。ここから抜け出すのは、だれかということになりますね。
新入生情報~5000m持ちタイムと全国大会成績も!
※持ちタイムは4月1日時点
安原海晴①13分56秒45(滋賀学園)≪23全国5区13位、22高校3区8位、国体5千m15位、IH1500m17位≫
小山翔也①13分59秒06(埼玉栄)≪23関東IC5千、全国1区7位、22高校1区4位、国体5千4位、IH5千m14位≫
工藤信太郎①13分59秒70(一関学院)≪23全国1区20位、22高校1区7位、国体5千m5位≫
植阪嶺児①14分00秒93/29分43秒89(智辯カレッジ)≪23全国1区24位、22高校1区11位≫
島子公佑①14分02秒73(伊賀白鳳)≪23全国1区35位、22高校1区33位≫
上位5名平均:②駒大13分59秒7
村上 響①14分03秒91(世羅)≪23全国1区23位、22高校1区23位、国体5千m13位≫
松井寛翔①14分17秒19/30分21秒34(豊田大谷)
白井恒成①14分24秒18(流通経済大柏)
小松 聖①14分24秒39(秋田工業)≪22高校4区8位≫
新谷倖生①14分26秒54(田村)
松井 脩①14分39秒01(福島)
亀山瞬矢①14分46秒14(藤枝東)
上位での活躍が続く駒沢大。やはり高校生からの関心も高いですね。5千m上位5名平均は2番目となっています。3人の5千m13分台ランナーがやってきました。そのうちトップの安原選手は、4年安原選手の弟さん。全国大会の経験も豊富、5月には自己ベストに迫る5千m14分00秒を出しています。今後期待の選手。
さらに全国レベルでは、これを上回る成績を持つ小山選手は、大学でもこの世代唯一関東ICを経験。5千mで決勝には進出していますね。ベストも13分53秒にすでに更新しています。高校時代も国体4位、高校駅伝も1区4位とあって全国レベル。まずレギュラーに近いのはこのあたりか。
さらに工藤選手も、高校駅伝では1区7位と近い成績ですね。このあたりは即戦力となってもおかしくないです。さらに1万m29分台経験の植阪選手に、島子・村上選手も、高校駅伝などで一度は顔を合わせている選手。このあたりから化ける選手が出てくると面白くなるか。
他、14分20秒台付近になりますが、新谷選手が14分16秒と高校時代のベストを更新。5千mは駒大力を入れていますので、このあたりいずれ更新ラッシュとなるか。まずは高校時代の己を更新していきたいですね。
【駒澤大学まとめ!】箱根駅伝2024へ向けて
駒澤大学・鈴木芽吹 学生最後の1年、主将としての覚悟「駅伝だけは外せない」 https://t.co/zej3KEip3T
— stg(宗太郎峠) (@soutarou_t) April 30, 2023
・篠原山川伊藤選手ら少数精鋭の3年生2年生
・小山安原選手ら総合力高そうな1年生
今年の駒大も優勝候補筆頭と言えるチームですね。まず4年生がとても高いレベルの選手がたくさんいます。1万m27分台の鈴木・唐澤選手が春から順調、この調子なら秋の駅伝楽しみ。また優勝メンバーから安原・赤星選手が一回り成長し、関東ICでも活躍し充実しています。
さらに復調の気配の白鳥選手に、トラックのスピードのある赤津選手、ロードでは金子選手らも奮闘中です。これに駅伝優勝メンバーの花尾・青柿選手がいるのですから、本当に強いです。この世代に注目してみるの面白いです。
3年生2年生は、現時点では少数精鋭。4年生の壁が厚いですが、突き抜けた選手が本当に強い。今年27分台を出して目下エース格の3年篠原選手に、箱根の山コンビの2年山川・伊藤選手が、中心核となっていきそうです。この3人も非常に手ごわいです。
そして忘れてはならない2年佐藤選手。日本選手権で5千m4位になるなど、確実に昨年よりレベルアップ。今年の出雲・全日本も2区あたりに入れるなら、間違いなく今年も優勝候補。
1年生も、有力選手が多く、全国大会で上位に入っている小山選手に、4年安原選手の弟の選手も入部。5千m14分前後経験者が複数人いますね。
優勝候補には間違いなく上がってくると思います。あとは佐藤・篠原・鈴木選手らしっかりリードを獲れる区間で撮っていけるかということになりそう。今年も躍動するチームでしょう。
箱根駅伝ファンのための情報集
【箱根駅伝ファンのためのリンク集】
【【結果も!】2022年度箱根駅伝ファンのための競技会日程】
姉妹サイトより
【箱根駅伝アニメ:風が強く吹いている完走】
ウマ娘【競走馬元ネタ解説シリーズ】
コメント
駒澤ファンです。トラックシーズン調子いいと駅伝シーズンちょっと不安になります。とにかく今は、アクシデントがないことと、夏合宿での箱根ボーダークラスの底上げを願うだけです。正直、「2年連続3冠」とは言いません。出雲と箱根往路くらいはとれなくても仕方ないかな、と思ってます。
>KBCさん
一昨年くらいが、そんな感じになってしまいましたかね。とはいえ、あの時は大八木現総監督も、“調子に乗って、練習の強度を上げすぎた”と反省の弁を述べておられましたし、コントロールされるかなと思っています。
出雲駅伝を乗り切れば、非常に面白いのではないでしょうか