2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
続いて、
逞しく最後まで表彰台争い!
法政大学です
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前年の箱根駅伝で、ゴール残り1㎞、逆転でシード権を獲得した法政大。それまでも中位で繋いで粘ってのレース、徐々に令和の駅伝に対応してきていました。
今年度も、主力選手が充実していて上位チャンス。関東ICで松永選手ら新たな主力選手が出てきていました。若干故障者が出て臨んだ全日本予選で、大きなブレーキがあり、突破できない誤算がありましたが、
出雲駅伝では健闘。難し序盤を松本・松永選手が凌ぐと、3区で4年生エース内田選手が、他校のエース選手とほぼ対等な走り。流れに乗ってアンカー途中まで5位争いをして、過去最高タイの7位に入りました。
11月の記録会で、主力選手が非常に記録を出して、法政大強いのではないかと話もちらほら出てきていました。実際、一部主力選手が走れなかったのですが、ここ数年では一番いい駅伝となりました。
7位法政大学10時間55分28秒
往路8位5時間28分53秒・復路3位5時間26分35秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 🥉位 | 松永 怜③ | 63分00秒 | 3位 | 0:16 |
2区(23.1㎞) | 8位 | 内田隼太④ | 67分53秒 | 7位 | 1:29 |
3区(21.4㎞) | 13位 | 川上有生④ | 62分52秒 | 10位 | 2:30 |
4区(20.9㎞) | 7位 | 扇 育④ | 62分19秒 | 8位 | 3:39 |
5区(20.8㎞) | 10位 | 細迫海気③ | 72分49秒 | 8位 | 5:43 |
6区(20.8㎞) | 5位 | 武田和馬② | 59分18秒 | 5位 | 6:39 |
7区(21.3㎞) | 8位 | 宮岡幸大② | 63分46秒 | 6位 | 7:07 |
8区(21.4㎞) | 🥇位 | 宗像直輝③ | 64分16秒 | 5位 | 6:46 |
9区(23.1㎞) | 5位 | 中園慎太郎④ | 68分46秒 | 5位 | 7:06 |
10区(23.0㎞) | 13位 | 高須賀大勢③ | 70分29秒 | 7位 | 8:17 |
1区松永選手…今年大ブレイクした選手ですね。関東IC5千m決勝、残り2周の地点で、大勝負をかけてスパート。単独先頭を逃げたレースは、今年ずっと語り継がれました。結果的に6位となりましたが、飛躍のきっかけに。秋の出雲2区で駅伝デビューすると、その後1万m・ハーフマラソン好記録連発。早い段階で1区決まっていたそうです。
スローから少しずつあがっていく集団に、しっかりついていきますが、六郷橋の上りで遅れ始めます。そのまま数秒差離れてしまい、後方での襷リレー…と思いきや、なんと鶴見中継所では、区間3位でリレー!?
ネットでにわかに”松永ワープ”と言われましたが、六郷橋から残り1㎞を切るところまでは、3秒程後方でずっと凌いでいて、残り800mから関東ICで見せたラストスパートで捲ってきた模様。このあたり非凡なものありますね。見事にスタートダッシュを決めます。
2区内田選手…法政大のエース。3年途中まで故障で苦しんでいましたが、前回箱根1区好走から一気に成長!出雲駅伝では、エースが集結した3区で区間4位好走。その後、1万m28分16秒と、大学記録まであと1秒のタイムを出して、成長を示したところでした。
大混戦でのリレー。留学生、順大三浦・青学近藤選手ら実力者の背中を追いながら8位を走行します。中盤に、明大と順大を交わして単独6位に浮上、最後に國學院大に抜かれますが粘って、総合7位でリレー。
実は、12月に左のハムストリングスを痛めていて、万全ではなかったそう。今回も10㎞くらいからは、違和感を感じる中での走り。それでも、68分を切って区間8位で走ったのは、エースの意地ですね。まずは上位の流れでした。
3区川上選手…ここでスクランブル発進。小泉選手が、2年連続3区の予定でしたが、故障してしまい回避。前々回走っている松本選手も状態が上がっていない、復路の予定だった川上選手を、急遽往路3区に。かなり緊張していたそうです。
それでも、3回目の箱根路。いざ走り出したら非常に落ち着いた走り。序盤で10位に落ちますが、中盤から持ち前の粘りを発揮して、僅差だった中位争いを凌ぎます。62分台で走り切り、総合10位でリレーします。
4区扇選手…4区は最初で最後の箱根路の扇選手。彼も復路の予定でしたが、往路に回りました。入学時から非常に期待されていましたが、3年目まで故障に苦しみました。それでも、4年目に浮上、タフな条件になった出雲駅伝4区好走で、箱根路にも目途が立っていました。
走り出してから、東国大に抜かれるも、順大を交わして再び10位に浮上。そしてジリジリと前の3人の集団に詰め寄ります。10㎞を過ぎて6位の集団に追いついてから、激しい攻防。明大と東海大を振り切って、総合7位リレー。区間7位ながら62分19秒と法大記録!見事に期待に応える走りでした。
5区細迫選手…2年連続5区山登りとなった細迫選手。前回は、上りが終わるまでは区間一桁。その後低体温症になり失速しましたが、素質は高い選手です。今年は、高橋選手と言うチーム内のライバルとの競争になりましたが、31日に出走が決まりました。
登りに入ってから、エンジンがかかってきて、中盤に創価大を捉え6位、芦之湯では前の早大に秒差に詰め寄ります。ただ、下り以降伸びを欠いてしまい、ペースダウン。順大に交わされ、往路8位でフィッシュ。それでも前回より1分半以上早い72分49秒の区間10位。復路にいい流れをもたらしました。
6区武田選手…6区山下りは、今年の法政大のストロングポイント。前回当時1年生ながら58分台の激走で、逆転シード権の口火を切った武田選手が再び出走。区間賞及びタイムも狙っていくほどの姿勢でした。
結果的には、昨年程はいかず。上りで結構きつくて、下りからは脚の痛みなどかなり苦しかったらしい。今年は練習を積めたからと信じて、何とか後半巻き返す走りになりました。
それでも、東国大・順大・青学大を交わして総合5位に浮上。全体的にタイムが伸びない中、59分18秒の区間5位。総合5位目標に向けて、非常にいい滑り出しとなりました。
7区宮岡選手…2年生から3人目の大学駅伝メンバーになりますね。上尾ハーフ62分台で、一気に主力候補に名乗りを上げてきていた選手です。
序盤は、区間新ペースの創価大は見送りますが、宮岡選手も区間一桁のペースで刻んでいきます。15㎞付近から足が止まり、順大や青学に追い込まれますが、ギリギリ総合6位はキープ。個人としても区間8位のまずまずの駅伝デビューでした。
8区宗像選手…主力候補の3年生の1人ですね。2年時に全日本大学駅伝6区出走し区間6位の好走をしています。箱根は3年連続16人には選ばれて、今回が初めて。中々、レギュラーまでいかなかったのですが、豊富な練習量が発揮される区間でした。
コースの後半にある遊行寺坂勝負の作戦でしたが、順大と青学大がハイペースで追いついてきて、呼応する形で、序盤からはいぺーの叩き合いに。中盤に青学大が後退してから、順大とマッチレースに。遊行寺坂前に一旦順大が前に出ますが、影取以降に逆転!
途中で順大と区間賞を争っているとも、声をかけられていて、それも力になったでしょうか。さらに創価大も交わします。64分16秒の好タイムで区間賞!総合5位に上がり、なんと3位まで11秒差にまで追い上げました。
9区中園選手…4年連続の箱根路となった中園選手。しかも1年時から、8区・10区・7区、そして復路のエース区間9区。復路の平地を全て走ることになりました。11月に1万m28分30秒台の自己ベストを余裕をもって出して、非常に調子が上がっていました。
すぐに5人による3位集団が形成。その中で様子を見る形になりますが、権太坂を超えて青学大が一気にまとめて交わしていきます。集団も創価大を中心に呼応し、一気にハイペースになり叩き合いとなります。
最終的に、青学・創価に続く形で総合5位で中継。中園選手個人も68分46秒の区間5位で走り切り、法政大として初の68分台!歴史を造っていきますね。
10区高須賀選手…2年時の箱根予選で通過に貢献している選手。それ以降、あまり試合に出場していませんでしたが、世田谷246ハーフで試合復帰。その後、一気に調子を上げて、今回初駅伝となりました。
目標の総合5位で襷をもらいましたが、アンカー区間でもまだ選手が前後する展開。國學院大に抜かれるも創価大を抜いて5位。終盤になって早大と順大に交わされ、総合7位へ。僅かな差で目標は届きませんでしたが、2年連続シード権獲得。そして…復路全体は3位の成績でした!
予定していた選手が2名走れなかった以外は、ほとんど100点に近い駅伝が出来たのではないでしょうか。1区松永選手が、見事なスパートを決め区間3位スタート、2区内田選手がエースとして役割と果たすと、
元々復路予定だった川上・扇選手が、3区4区で、4年生らしい安定した走り!ここで一桁順位に残ったのは、とても大きかったですね。5区6区の山区間も、前回の経験者で繋いで、この時点で総合5位に付けます。
さらに8区、初の箱根駅伝の3年宗像選手が、まさかの区間賞!法政大が8区区間賞獲得は69年ぶり!まさに歴史に名前を刻む走り!4年連続出走の中園選手が9区で68分台を出すなど、特に復路は突っ走りました。
総合7位でしたが、3位まで視界に入る位置でレースが進んだ中の結果。総合順位以上に、今回は収穫が大きかったのではないでしょうか。平成後期で見せていた強かさが、令和の大学駅伝でも見られるようになりました。
卒業生は、2区3区4区9区の4名。主要区間が抜けますが、走れなかった選手も含めると、卒業生の穴は例年通りくらいでしょうかね
残る今年の箱根メンバー
松永 怜③28分34秒94
≪23箱1区3位、22出2区9位、関東IC5千6位≫
宗像直輝③28分56秒83
≪23箱8区1位、21全6区6位、予94位≫
武田和馬②29分06秒30
≪23箱6区5位、22箱6区2位、21予147位≫
高須賀大勢③29分17秒06
≪23箱10区13位、21予104位≫
細迫海気③29分24秒60
≪23箱5区10位、22箱5区13位、21:予131位、全予2組5位≫
宮岡幸大②29分40秒79≪23箱7区8位≫
残る補欠メンバー
小泉 樹②28分50秒64
≪22出5区3位、箱3区11位、21全3区6位、予38位≫
清水郁杜①29分57秒47≪21高1区20位≫
上仮屋雄太②30分46秒86
高橋一颯②31分54秒92
その他有力選手
稲毛祟斗③29分09秒61
≪22関東IChalf6位、箱8区13位、20:予139位≫
大島史也①29分24秒23≪22関東IC1500m≫
緒方春斗③29分27秒63
高橋彰太①29分32秒72≪22関東IC1500m≫
澤中響生①29分43秒33
安澤駿空②29分48秒22
矢原倖瑛①half64分16秒
湯田陽平兵(関大北陽)≪22IH3障8位≫
加藤優弥(中京)≪22国体5千21位≫
野﨑翔太郎(札幌山の手)≪23全国4区39位、22高校2区22位≫
田井中悠成(滋賀学園)≪23全国1区33位、22高校4区21位≫
重山弘徳(西京)≪23全国4区9位、22高校4区25位≫
松木鉄人(新居浜東)≪23全国4区22位≫
今回出走者は6名ですが、故障などで走れなかった選手を含めると、8名も経験者が残ります。しかも、3区と5区の往路経験者の選手ですね。1年間練習が詰めれば、十分に今回の7位のさらに上位を狙っていけると感じます。
現3年生では、松永選手が中心核になりますね。今回1区で見せた爆発力も魅力ですが、現時点ではエース区間2区候補ですかね。今回2区好走した内田選手も、前年1区ですし、この1年でまた一つ成長できるか。
これに、2年連続5区山登りを務めている細迫選手、今回サプライズ8区区間賞の宗像選手は、ここにきて一気に伸びてくるか。アンカー経験の高須賀選手に、前回8区を走って出雲駅伝ではアンカーを務めた稲毛選手もいます。駅伝でしぶとい走りができそうな選手が揃いますね。
現2年生も、戦えるランナー増えてきています。一番の主力は、今回出場できなかった小泉選手。前回は当時1年生ながら3区を務めてシード権獲得に貢献しています。今回も故障が無ければ3区予定、現状往路でも戦う力のある貴重な選手です。
これに2年連続山下りで順位をあげている武田選手も出雲・全日本の出走候補に入ってきました。上尾ハーフ62分台で、まずは箱根7区経験した宮岡選手も飛躍候補ですね。これに箱根5区候補を最後まで争った高橋選手も、今後要チェックですかね。
1年生はまだ発展途上ですが、清水選手が唯一箱根16人メンバー入り。箱根後にハーフ63分59秒の記録を出して、戦力として目途が立ちつつあります。この他、上尾で64分16秒の矢原選手や、大島選手ら高校時代有力ランナーもそろそろあがるかどうか。
こうみると、ひとまず10人を埋めることはできますし、駅伝で攻めることが出来そうな選手も、何人かいます。十分上昇気流を続けられそうな感じがしますね。
出雲駅伝健闘、その後の記録会で自己ベストが続出していた法政大。今年度は、かなり強くなっているのではないかと噂されていました、やはりというレースでした。
1区松永選手が一旦遅れたかに見えましたが、やはり爆発力は本物。一旦遅れてからの区間3位はインパクトある発進、2区は法大歴代のエースに成長した内田選手、脚は万全でなかったそうですが、そう見えない走りで上位をキープしました。
3区4区は復路出走予定だった川上・扇選手が、小泉・松本選手らの代役に。3年連続箱根出走の川上選手がスピードの3区を耐えると、最初で最後の箱根となった扇選手が、順位を上げる走り。見事に穴を埋めました。
山区間は、5区山登り2年連続出走の細迫選手が、前年より1分半以上タイムを短縮し往路8位ゴール。6区山下りも、2年連続出走の武田選手が、前年の調子ではない中で3人抜きで5位まで浮上します。
7区宮岡選手が繋ぐと、8区宗像選手が予定違う序盤からのハイペースでの競り合い。見事に競り落としながら順位を上げいき、区間賞を獲得!箱根初出走ながら、練習量が活きました。この時点で3位と10秒差まで詰まったのですね。
9区は、復路4年連続出走の中園選手が有終の美、チームとして初の68分台を出して、目標の5位につけます。アンカー高須賀選手が、最後の競り合いで順位は落としますが、目標に限りなく近い総合7位でゴール。総合順位以上に収穫が多かったと思います。
今回出走の卒業生は4名、出走者は6名残りますが、怪我で走れなかった小泉・稲毛選手の前回の経験者を入れて8名が残ります。
松永選手がエース格に育ってきましたし、2年連続山の細迫・武田選手も平地もまずまず走れます。区間賞獲得の宗像選手ら、駅伝になると光りそうな選手は続々育っています。
100回大会の次年度も、上昇気流の中で、臨むことは充分ありそうな気がします。
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