もうすぐ新年度になりますね。
大学生駅伝は新しいチームになっていきますが、
その代わり、卒業して、大学駅伝チームを去っていくランナーもいます。
今年度を持って卒業していくランナーを大学別に振り返っていきます。題して、卒業生特集です。
なお、今回は、入学直前の箱根駅伝の成績順で振り返ります。
箱根駅伝2018(第94回)の1位~5位、
青山学院大・東洋大・早稲田大・日本体育大・東海大になります。
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多くの選手がスポーツ推薦で入学しています。だいたい高校3年の春~秋あたりに内定となります(一般受験性などは除く)。つまり、箱根駅伝の成績としては高校2年生時の大会が軸になります。そのため、今の4年生が、高校2年生時の成績から見比べていきます。
もうまさに、王者・4連覇の最中の、青山学院大原監督の下で指導を受けたいと希望をした世代と言うことになります。1年生の世代の時に、あと僅かで3冠&5連覇を逃しました。その後、安定しなかったこともありましたが、最終的には箱根駅伝総合優勝を2度味わうことができています。
その中で4年間注目を浴び続けて、最終学年で主将を務めたのが飯田選手です。ずば抜けて高い青学大の選手層で、4年連続箱根駅伝出走。しかもすべて違う区間出走で、8区2位・5区2位・9区2位・4区3位と、無類の安定感を発揮しました。全日本大学駅伝アンカーも2度務めるなど、本当に長い距離・タフな区間で頼りになる選手でした。強豪富士通への入社を勝ち取っています。
他に大学駅伝を出走している選手が2名、スピードランナーの湯原選手は2年生から台頭して、多くの駅伝で1区を担当。とはいえ、2年時の箱根駅伝ではアンカーで優勝のゴールテープを切っています。4年時は出遅れましたが、最後までレギュラー争いを繰り広げています。高橋選手は2年連続6区山下り復路を任されていますが、それ以上全日本4区区間賞の印象も非常に強いです。引退が惜しまれます。
そのほか、市川選手は5年目の選手ですが、箱根駅伝と競技続行の思いが強く、留年して目指していました。結果、走ることは叶わずも、実業団へ道が続きました。また、渡辺・能島選手は4年秋記録会でベストを出すなど、最後までレギュラー争いを諦めない姿勢を見せていました。
総合優勝からは遠ざかってはいるものの、ずっと箱根駅伝で2位・3位をキープし続けていた東洋大学に入学しした世代です。当時のエース選手もいて、入学直前の箱根・1年時の箱根駅伝で2年連続往路優勝を見ています。一転、2年生の時に総合10位に急降下。上級生になってからは立て直しが求められました。並大抵ではなかったですが、表彰台争いができるチームに戻りました。
さて、往路優勝して総合優勝を狙っていた復路で、1年生ながら出走できたのが鈴木選手。8区で東海大と激しい首位争いの最中でタスキを受けました。区間3位の好走ながら逆転されてしまったシーンは、駅伝ファンの多くの方が、翌年以降のリベンジを期待しました。でしたが、故障が重なり、大学駅伝はこれが最後になってしまいました。
2年時に台頭してきたのが宮下・蝦夷森選手。ともに関東IC1部ハーフで上位に!宮下選手はこの年三大駅伝皆勤しています。箱根駅伝では5区山登りを任されます。4区までブレーキが出てしまい苦しい中、起死回生の区間新記録の激走に、鉄紺ファン歓喜しました。その後、全日本駅伝は8区・箱根駅伝は5区3年連続で出場、また主将も務めてチームの中心的存在でしたね。進路は、復活を期すコニカミノルタへ。
蝦夷森選手は、最終的に2度箱根駅伝に出場。ともに復路の7区と8区でした。怪我している区間も非常に多いながら区間5位前後の成績。最後の箱根路もギリギリの調整だった中で、区間4位とチームを上位の流れに導く走り。実業団トーエネックで開花できれば。また、全日本駅伝に一度出場している腰塚選手も競技継続します。
早稲田大は、箱根駅伝2年連続3位からの流れだったのですよね。そのうえで、スポーツ推薦や指定校推薦含めて、有力者がかなり入ってきました。早稲田大の優勝あるかということもチラリと言われたほどでした。でしたが、故障者が続出した1年目はシード権落ち、2年3年はシード権復帰も消化不良気味のレース、そして3冠を狙った今シーズンは…厳しい結果を味わいました。
三大駅伝でいうと、1年目は出雲駅伝では1区半澤3区中谷5区太田選手と3名起用、全日本駅伝に至っては1区千明3区中谷4区太田5区半澤選手と、半数区間がルーキー起用でした。故障者の影響もありましたが、期待も本当に高かったです。
その中で早くからエースとなったのが中谷選手。出雲・全日本ともに区間上位の走りでチームの順位を押し上げます。箱根駅伝1区では、積極的なレースで区間4位でした。その後駅伝は勿論、トラックでもどんどん記録を伸ばして、3年生で日本選手権1万m本番で27分台を達成!着々と伸びてきていました。
太田選手も、ほとんどの大学駅伝で出走していて、前半区間・後半区間あらゆる区間を担当しています。1万m27分台まで伸びた3年時は華の2区も経験します。千明選手は、少し故障が多かったですが、箱根駅伝にはしっかり調整、区間一桁でまとめる調整力がありました。
また、一般入試の選手たちも伸びてきて、その中心的存在は山口選手。3年時の全日本8区でデビューすると、4度の駅伝全てアンカーという珍しい出場仕方に。1万mのベストも28分20秒と高く、実業団入りも決定しています。室伏・河合選手や、長距離に苦戦した半澤選手ら最後までレギュラー争いに加わりました。
迎えた最後の箱根駅伝、2区中谷選手3区太田選手8区千明選手10区山口選手とそれぞれ精いっぱいの走りをするもチームがピークを合わせられず無念のシード権落ち。悔しさはそれぞれの糧になるか。中谷選手は最近強豪選手が揃ってきたSGホールディングス、太田選手はNY駅伝常連ヤクルト、千明選手は青学軍団に割って入るGMO。それぞれ道を究めに行きます。
日体大は、連続でシード権を獲得していた時期に、前監督に勧誘を受けた世代ということになるのですよね。それが1年目の途中で前監督がパワハラで解任。管理型の監督がいなくなってから、上層部の体制が整うのに、結構時間がかかりました。3年生になってから現玉城監督になり、しっかりとした強化体制が整いました。シード権確保はなりませんでしたが、色んな動きがあった中、連続出場は保ちました。
全体的には結構台頭するのに苦労していた印象ですね。その中で、一番早く大学駅伝関連の主要大会を走ったのは、大内選手になりますね。全日本予選・箱根予選と出場し、全日本駅伝は本戦出場にも繋がりました。3年時からは主力の一角として、箱根予選・本戦ともに激走。トラックのタイムも28分36秒まで伸ばし、先輩もいる中国電力で勝負しに行きます。
あとの選手は、4年生になってから一気に伸びてきた選手がとても多かった印象です。一番は大畑選手、3年生までは故障がちでレース出中も少なかった選手。それが一気にトラック1万mで他校のエースと戦うまでに成長。人って分からないものですね。最初で最後の箱根本戦はスピードエース区間3区、劣勢の状況の中見事区間9位力走。古豪カネボウへの道も開けました。
その他、きわどくレギュラーを争った選手が複数いますね。最後に勝ち取ったのは、佐藤選手。1500mのスピードもある選手ですが、長距離ロードも4年生でついに対応。全日本駅伝は1区、箱根駅伝はアンカーを担当。繰り上げスタートの中、区間12位好走でした。また、関東ICハーフや全日本予選好走の加藤選手、全日本駅伝アンカー担当の岡嶋選手も、最後激しいレギュラー争いを繰り広げました。
いわゆる黄金世代が入って、東海大が上昇中の時に、東海大への進学を決めた世代になります。最初の2年間はかなり険しいレギュラー争いに揉まれ、後半の2年間は一気に主力選手にならないとチームの戦力が大きく落ちてしまう、そんな宿命を背負った世代でした。
険しいレギュラー争いに台頭は苦労しましたが、2年生の時に唯一レギュラーを掴んだのは市村選手。出雲4区2位の好走で、チームを流れに乗せると、全日本駅伝は5区7位ながらチームの順位をトップへ!総合優勝へ流れを作りました。その後、うまくいかない時期がありましたが、4年生になってまた一気に覚醒!関東ICで5千m5位入賞すると、最後の箱根駅伝では1区区間3位ビッグパフォーマンス!素質の高さは本物だった!比較的新鋭チームサンベルクスでの大きな活躍が期待されます。
3年生なってレギュラーを掴んだ選手は、長田・本間選手。長田選手は3年時の全日本で一躍時の人に。6区区間賞鮮烈デビューは驚きました。その後箱根のレギュラーにも繋がりました。4年時は出番はなかったものの、SUBARUでそのポテンシャルを発揮しにいきます。
本間選手は、上級生になるごとに安定感が増してくる走り。主将、そして陸上ラストシーズンとして迎えたラストシーズンは、出雲6区・全日本7区・箱根4区とすべて大事な長距離区間を担当。苦戦も多かったチームの中、懸命の粘りの走りが光っていました。
最高の舞台で、大変つらい経験をしたのが吉富選手です。4年生の夏の段階で、両角監督から”戦力外通告”を受けるも、そこから奮起。一気に箱根駅伝レギュラーを勝ち取りました。
任された区間はアンカー。シード権のかかる大事な場面で襷を受けるも、15㎞付近から急失速。残り1㎞でシード権を逃す辛い経験をしています。それでも約2週間後、ハーフマラソンベストを更新。西鉄での飛躍を強く誓っています。
箱根駅伝ファンのための情報集
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