第98回箱根駅伝2022は、青山学院大が2位以降を10分以上引き離して総合優勝。総合記録を更新してのものでした。その代わり、2位から10位(シード権)までは4分13秒、14位までみても6分以内に収まっているという大混戦でした。
また、青学大独走状態ながら、復路鶴見中継所(9区⇒10区)でも、繰り上げ校は2校。一斉スタートを加味しても、ここ数年では少なく全体的にもレベルが高かったですね。
とはいえ、シード権を獲得できるのは10校です。どんなにレベルが高かろうが、どんなに接戦だろうが、シード権が取れなかったチームは予選会に回ります。
詳しい日程・要項の発表はまだですが、今年の10月中旬に、箱根駅伝2023予選会があります。残っている枠10に対して、今年の箱根11位以降のチームを含めて、40チーム以上が参戦して、出場権を得る戦いが待っています。
まだ先ではありますが、大まかな展望をしてみようと思います。
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なお、本戦の簡単な展望もこちらで行っています。
https://hakonankit-fd.com/article/post-18686.html
前回のルールでは、10000m34分以内の選手を10名以上そろえることが条件です。このあたりは、本戦出場権を争う大学は、特に問題なく、参加できるレベルです。ひとまずの主な予想出場校をまとめてみます。
◎箱根駅伝2022出場校
東海大学・神奈川大学・早稲田大学・明治大学
国士舘大学・中央学院大学・日本体育大学・山梨学院大学
駿河台大学・専修大学
◎箱根駅伝2022主な不出場校
拓殖大学・大東文化大学・筑波大学・上武大学
城西大学・立教大学・流通経済大学・東京農業大学
慶應義塾大学・東京経済大学・日本大学・亜細亜大学etc
ぱっと見、これくらいは、次年度の10枠に入ってくる可能性があるチームがこれだけ多くあります。紹介しただけで、22チームになります。箱根駅伝に向けて強化していっている大学が年々増えてきて、今まで以上に狭き門になっています。立教大や慶應大まで可能性が出てきていますから。
大まかに、
・本戦を見据える大学
・通過有力
・通過ボーダー
・来年復活を狙うチームで分けて分析していきます。
まず東海大と明治大はある程度戦力が高いと思っています。勿論、箱根予選に絶対はないと思いますが、本戦を見据えて戦っていくと思います。本戦上位候補にあげています。
https://hakonankit-fd.com/article/post-18686.html#i-5
もう1校面白そうなチームがこちら
神奈川大
在校生箱根メンバー
1区11位巻田理空②28分52秒30
3区13位宇津野篤②29分00秒44
4区10位小林政澄②29分17秒33
5区7位山崎諒介③half63分49秒
8区10位大泉真尋②29分28秒40
9区9位小林篤貴②29分35秒58
10区9位有村祐亮③29分28秒21
他のメンバー
予132位高橋銀河②28分57秒71
予199位中原優人①29分45秒99
前回10区2位佐々木亮輔②29分28秒40
鈴木玲央③29分45秒25
島崎昇汰③29分01秒15
大岩歩夢②29分47秒40
小原快都①half64分56秒
神奈川大も来年度復活シード権の有力チームですね。まず今年の出走めんばーが7名残ります。5区山登りの山崎選手の区間7位を最高に、あとは区間9位から13位の間としっかり他校の選手と戦っています。
今期のエース選手巻田選手を初め、2年生メンバーが充実。4区と9区主要区間を区間中位にまとめている小林政・小林篤選手、期待が高く3区起用の宇津野選手、叩き上げ大泉選手もいます。
これに1万m28分台を出す爆発力のある高橋選手に、前回10区2位好走の佐々木選手がいます。彼ららが3年生になり本格化すると一気に戦力が増してきます。
1年生も、中原選手や小原選手といった、高校時代から活躍しているランナーも少しずつ軌道に乗ってきています。即戦力級の新入生も入りますし、ちょっと楽しみになってきましたよ。
今大会はうまくいかなかった早大ですが、箱根予選の出場校のなかでは高めの戦力になります。1万m27分台スピードのある井川選手、駅伝で安定感のある鈴木選手が引っ張ります。鈴木選手は次年度の主将になりますね。
新3年はでは、今回は直前の怪我に泣きましたが、菖蒲・辻選手に、長い距離で結果を出しつつある佐藤選手、スピードのある北村選手らもいるのですよね。新2年は石塚・伊藤選手に順調に練習が詰めています。高校駅伝1区上位のルーキーも何人か入る予定です。
選手層がやや薄いということと、3大会前の箱根予選で、あわや予選落ちの場面があったことが不安要素であることは確か。このあたり、シード権落ちからの早大の真価が問われそう。
今年復活出場を果たした中央学院大も、次年度はさらに上がっていく年にしたいです。エース栗原選手が抜けますが、新4年・新2年を中心に上がってきている選手がいます。
新4年では、今期成長し箱根5区を走った吉本選手、箱根予選時には怪我したものの、本戦でいい走りをした武川・中島選手が主力。2年連続主将を務める小島選手や、松島選手が上がってくるか。
新2年が面白く、今年の箱根は吉田・工藤選手と2名が出走。さらにW堀田選手が本格化してくると一気に戦力があがってくるか。新3年が遅れ気味ですが、スピードのある伊藤選手らが上がってくると戦力充実してくるでしょう。
総合17位ですが、日本体育大も予選上位通過候補。ここ数年の予選の実績もありますが、戦力的にはまずまずですね。藤本選手が4年生エースとなって集大成の年。今年は怪我明けでしたが、次はもっと大きな貯金をするでしょうか。
また、2年時に箱根を走っている村越・名村選手に、今年箱根を経験した高津・盛本・九嶋選手もいます。下級生はまだこれからですが、漆畑選手が箱根を経験、また分須選手も面白い存在ですね。
持ちタイムでは他にも1万m28分台~29分前半を持っている選手が多くなっています。今年も油断なければ、いい位置で通過できるはずです。
総合18位ですが、2年連続出場している山梨学院大は、駅伝でやや苦戦が続いていますが、戦力は高いほう。来年度エースとなるだろう新4年木山選手に、往路を走った伊東・髙田選手、復路で唯一好成績で合った篠原選手あたりが主力になってきますね。
これに、16人のメンバーには入らなかったものの、勢いのある砂川選手に、前回の経験者新本・島津選手、他大阪ハーフでまずまず走った岩谷選手ら戦力は充実しています。
あとは留学生4年生になるムルワ選手がどのくらいの状態か。ここのところ調子の波が激しいので、もう一度主力になるだろう今年、高レベルでの安定感が出てくると、予選だけでなく本戦でも戦えるチームになります。
ひとまず通過ボーダーになりそうな今年の出場校です。
現4年生を中心として、シード権を目指して総合15位。戦力ダウンは大きいほうなのですが、それでも、このカテゴリーの中では戦力がある方なんですよね。まず、留学生に関してなんですが、1年生にカマウ選手がいます。
コロナ禍もあり、来日ができていないようですが、それでもハーフ61分14秒のタイムをマーク。十分エースです。新4年では、山以外の往路メンバーがいないのが気がかりですが、綱島・福井選手がまずまず結果を残していますかね。1年時から箱根を走っている清水悠選手が再び上がってくるか。
新3年では、山本雷・山本龍・中西選手が有力選手。通用するまでもう少しと言うところですがあがってこれるか。新2年はまだ実績は少ないですが、西田・中島選手らが主力候補となってきていますね。予選でどこまで団結できるかでしょうか。
今大会初出場で、総合19位健闘した駿河台大。留学生選手が卒業し、新たに迎え入れるか不明ですが、それでも、十分通過候補になってくると思います。ほとんど予選で燃え尽きたと言われている中でしたが、崩れた区間は少なかったです。
日本人の成績を見ると、ひとまず次年度が勝負年となります。箱根1区3区奮闘した清野・町田選手が本格的にエースに、山区間を走った永井・小泉選手は予選会堅実に走っています。出仙選手8区も頑張りました。彼ら全員が最終学年になるわけで、留学生なしでも十分通過圏内に押し上げることができます。
選手層はまだまだ薄いですが、2年新山選手が1万m28分台、1年池原選手が29分31秒を出しています。高校生も結構注目していますね。徳本監督が今色々大変みたいですが、この1年も引き続き注目なのは間違いないです。
2年連続最下位ですが、専修大はぐっと上がってくる可能性があります。戦える柱が出てきているのですよね。今回はそろい踏みとなりませんでしたが、新主将となる髙瀨選手に、木村選手、ダンカン選手と各学年にエースがいるのはいいですね。
これに長い距離安定している水谷選手に、前主将で今回7区9位の国増選手がいますね。この5人が安定なら、十分に通過圏内に持ってこれる可能性が高いでしょう。
あとは選手層が薄いですが、野下選手や田島・千代島選手ら成長中のランナーがいます。箱根予選への調整にも自信を持ちつつあると思いますので、やはり通過候補です。
こうみると、シード権が取れなかった10校もそれぞれ来年度に繋がりそうなことが多く、ある程度戦力があることが分かります。
今年の箱根予選惜しくも12位に敗れた大東文化大をまず通過候補にあげます。10㎞までは上位につけていたので本当に惜しかったのですね。そのメンバーのほとんどが残っているうえに、レギュラー争いが激しくなっています。
箱根予選チーム最上位だった3年大野選手が、連合で箱根8区を走りましたが、それを凌ぐ勢いのある選手が出てきています。同じ学年では木山選手が1万m28分35秒を記録、予選二けたの谷口・蟹江選手に、今年の成長株塩田選手がいます。
さらに、スピードのある倉田選手、1万m29分10秒台ベストの金田・井田選手と選手がいるのですよね。また、2年には前回の連合に選ばれた菊地選手に、窪田選手。1年生も西川選手、さらに留学生のワンジル選手も安定感が出てきました。もっと通過候補に挙がってもおかしくないはずです。
今年の予選は届かなかったですが、城西大も躍進候補です。現2年生で28分台が3人出てきています。前回の箱根駅伝で山を沸かせた山本・野村選手に、今年の連合のメンバーに入った山中選手が割って入っている形になります。
さらに現3年生で、木村選手が一気に1万m28分台ランナーへ、藁谷選手も29分10秒と気を吐いています。藤井選手も予選時の不調は脱している模様。現1年では平林・片渕選手らが上がりつつあります。
あとは選手層面もう少しでしょうが、1万m29分30秒台の3年小島・熊谷選手や、29分40秒台・50秒台の選手はだいぶ増えてきています。気象条件に左右されるところはありますが、十分に割って入ってくるはずです。
あとはほぼ上がり目しかない、予選16位立教大を紹介します。予選5㎞通過トップを走るサプライズ、その後はスタミナ不足でしたが、何か次の時代を予感させる予選会でした。
主力は新3年以下になります。すでに箱根路を経験している中山選手、ちょくちょく怪我があり揃いませんが、服部・関口選手あたりが柱と言えるでしょうか。実力的にもう少しですが、岸本・忠内・内田・白瀬選手らも力をつけてきています。
1年生では、箱根予選77位と粘った安藤選手に、高校時代から実績のある林・山本・後藤選手らが、この後どこまで伸びてくるか。次年度は、本気で箱根を目指しているチームと言えそうです。
他エースが強い大学
あとは選手層がやや心配ですが、大エースラジニ選手が最終学年になる拓殖大、新たに留学生を迎え入れる上武大、初出場に一番近い流通経済大も伸び盛りです。
日本人エースが強いチームとしては筑波大や東京農業大があがります。日本大も何とか生まれ変わろうと必死です。多くの注目の大学があります。また、時機を見て考察をします。
箱根駅伝ファンのための情報集
【箱根駅伝ファンのためのリンク集】
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