新年度…ももうすぐ後半戦です。当サイトでも、関東大学長距離各チームの2021年度のメンバーの紹介と実績、簡単な戦力分析を再開していきたいと思います。もちろん、新入生も紹介していきます。
2年連続予選敗退…3年連続は絶対嫌だ!平成の雑草軍団の復活出場の可能性は…!上武大学です。
※新入生の5000m上位5名ベスト順
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育成・叩き上げチームの星としてあげれてきていた上武大も、ここ数年は高速化の流れに呑まれ、苦しい戦いが続いていく。前回の予選は14位。2年連続予選敗退となった。
エースランナーはしっかり稼いで、ほかの選手も集団走でしっかり走っているものの、少しずつボーダーラインに届かない戦いとなっています。
それでも1万m29分台のランナーは、以前より増えてきている印象で、少しずつベースのスピードは上がってきています。全日本予選は、エース選手が欠場する中、17位。懸命に戦っています。今後のためにも3年連続予選敗退は避けたい上武大の戦力を今一つ確認します。
※ベスト記録は、2021年9月1日現在
渡辺一輝④29分16秒00≪20:予194位、19:予222位≫
西村 暉④29分25秒20≪20:予140位、19:予302位、18:予229位≫
吉田勇大④29分38秒85≪20:予164位≫
小澤健太郎④29分39秒98≪20:予191位≫
湯本 樹④29分40秒20≪20:予213位≫
源川竜也④29分45秒87
小川圭斗④29分54秒24≪20:予193位≫
正木 誠④30分28秒86
この8名が現在上武大駅伝部に所属する4年生なんですね。過去予選会を走ったことがある選手も何人か退部しています。上武大はかなり多くの新入生を受け入れます。ただ、決して強豪校でもなく、大学も名はあまり知れていません。
その時点での競技力や今後の人生も考えて、就職活動に専念したり、途中で人生の方向を切り替えることがあるのですね(あとは加藤ジョン選手のように、ハーフ65分台の走力持ちながらも、主務に回った例)。
そんな中、現時点で走力でチームを引っ張っている4年生は、渡辺選手になりますね。もともとスピードランナーで、関東ICも5千mで14分29秒、全日本予選も4組で走っています。ロードでは、箱根予選も2年連続で出場。過去2回は200位前後ですが、今年一気に二けた順位まで上がってもおかしくないランナーです。
続くのが主将を務める西村選手です。元々世代トップの走力を持っていて、唯一3年連続で箱根予選に出場しています。やや不安定ながらも前回140位でアベレージが上がっています。今年は不調に喘いでいる印象ですが、最後の予選で意地を見せられるでしょうか。
じわじわ選手の台頭はあって、前回164位で走り切っている吉田選手は、全日予選はエントリーしていませんでしたが、同じ6月の平成国大記録会で5千m14分34秒と復調傾向。前回予選200位オーバーも、湯本選手が、今年2月の平国大記録会で29分51秒関東ICハーフで力走を見せています。
また、源川・正木選手が関東インカレ3000m障害で大舞台を経験。9分10秒台のタイムで予選通過はなりませんでしたが、一つ経験を積んでいます。源川選手は1万m29分台の走力も買われ、全日本予選に出場。3組組31位ながら29分52秒とベストに近い成績で走っています。
また、試合になかなか出てこないですが、1万m29分台の走力を持ち、前回191位・193位でゴールしている小澤・小川選手の状態はどうか。小澤選手は、今は無き松蔭大陸上部に所属も退部退学して、上武大駅伝部へ。昨年ブレイク候補でしたが、今年はどうか。
予選出走者は実に6名、他2名は3000m障害が主戦です。しっかり調整できれば面白いと思えるランナーは揃っています。どこまでベースを上げていけるか。
村上航太③28分38秒47≪20:予14位(連合選出)、19:予148位≫
中島駿佑③29分21秒95
鉄川 歩③29分28秒12
石田竜也③29分42秒32
阿部爽真③29分46秒09
丸山大輝③29分54秒16
後閑将太③30分51秒01
近藤惇平③30分52秒79
上本青空③30分56秒44
まずは村上選手の復活を願いたいところですよね。下級生時に1万m28分38秒をたたき出した大器。前回の予選62分01秒の好走で全体14位!チームが敗退する中、非常に明るいニュースでした。学生連合のエースとして期待され、2区出走予定でしたが怪我で回避となってしまいました。
そして…その後、試合に出ていないのですよね。全日本予選のエントリーに名前があり、復活走なるかと期待が高まりましたが、ここには間に合いませんでした。現状が分からないですが、二けた順位あわよくば50位以内までいけるところまで上昇あれば、チームとしてチャンスが出てきます。
続く、2番手の中島選手も、今年2月の平国大記録会30分18秒で走ってからあまり姿を見せず…。昨年時点での1万m29分21秒の走力は魅力ですし、彼もまたキーポイントになるはずです。
鉄川・石田選手が前半シーズン頑張っていて、ともに全日本予選に出場。鉄川選手は3組、石田選手は1組でそれぞれ30位オーバーとやや厳しい結果でしたが、一つレース経験は詰めましたかね。
他では、3000m障害で9分一桁の記録を持つ後閑選手や、ハーフ64分台経験者の丸山選手、今季5千14分37秒のベストを出した上本選手、1万m29分46秒経験の阿部選手ら候補は出てきています。主力の復活と底上げが同時にできれが、ぐっとチーム力が上がります。
動画:
額賀稜平②29分13秒47
芝 大輔②29分48秒91
青山 澪②29分53秒63≪20:予203位≫
山林レオ②29分57秒07
小見山敦成②30分12秒94
高橋樹也②30分31秒18
上田陽向②30分34秒88
飯吉拓斗②30分46秒11
楢﨑隼人②30分48秒97
八島優汰②30分54秒24
米林悠斗②31分21秒59
太田蓮斗②31分26秒22
甲斐拓人②31分33秒66
ちょっと面白くなってきた世代なんですよね。前回予選出場は青山選手のみですが、青山選手もそのほかの選手もこの1年でぐっと伸びてきています。
大きく話題になったのは、関東IC予選で3分45秒88の好タイムをマークした山林選手。決勝は息切れしますが、日本選手権で再び登場すると、U-20部門で3分48秒18の2位表彰台の上っています。地元ではパリ五輪候補と盛り上がったとか。箱根予選に登場するかはわかりませんが、1万m29分57秒07の記録には非凡さは感じます。
1万mの記録といえば、大幅に短縮したのが、額賀選手。今年2月に、29分13秒の好記録をマーク。兵庫リレーカーニバルでも29分27秒で走り切っていますね。その後の関東IC・全日予選連戦はさすがに息切れも、前半戦はエースとして長距離を引っ張っていました。
その他も台頭がありました。前年予選を走った青山選手は、関東インカレハーフでも全体25位の力走。長い距離での経験を積みました。全日本予選では芝・上田選手が登場。このうち、芝選手は1組19位と、組順位としてはチーム最高の成績。タイムも29分59秒とベストに迫りました。
他にも、30分12秒を持つ小見山選手や、5千mで14分49秒ベストの太田選手らも上昇気味ですかね。高校時代に5千m14分25秒を出した米林選手も何とか試合に出場できるまで上がってきましたし、夏次第では大きく化けそうな学年です。
※5000mベストは、4月1日時点にしています。
2年連続予選敗退とあって、スカウトも例年以上に厳しくなってきています。5千mトップは14分36秒の海村選手。2番手以降は14分40秒台となっています。2番手の辻本選手は、高校駅伝で主要区間の4区で区間19位の実績は持ちタイム以上に走力があるかもしれませんね。
そんな中、元々トップの海村選手が春シーズンは好調。夏前の記録会で5千m14分26秒73の自己ベストをマーク!チーム10番手となる好タイムです。夏の練習次第では、箱根予選のエントリーメンバー入りもあるかもしれません。
また、14分56秒の詫間選手が、14分40秒と大幅ベスト。一気に世代2番目まで浮上してきました。まずぐっと走力を向上させた選手が出てきたのは良かったです。夏でさらに上がってくる選手がでてくれば。
頭数は2年生以上の学年は揃ってきているのですよね。4年生は実に箱根予選経験者が6名もいるのですよね。その中でいま最も勢いがあるのは全日本予選4組出走の渡辺選手です。トラックでも1万m29分16秒を出していますし、最後にぐっと伸ばすはず。
他にも3年連続予選出所の西村選手に、吉田・湯本選手もしっかり走っていました。小澤・小川選手の復活に、3000m障害専門の源川・正木選手のスタミナ面も気になるところ。多くの選手が前回200位前後付近で成績ですが、二けた順位で走り切れる選手が出てくるか。
3年生は鉄川・石田選手といった1万m29分半ばを出している選手が、全日本予選を経験しましたね。それ以上に走力がある村上・中島選手の復活が気になるところ。特に村上選手は、復活すれば他校のエースと戦える大エース!チームの士気に大きくかかわる選手です。
育成の上武大にしては、2年生が面白くなってきています。中距離では、日本選手権1500m2位の山林選手が目立っていますが、1万m以上の距離でも活躍する選手が出てきています。
29分13秒を持ち、全日本予選4組の大役を任された額賀選手。同じく全日本予選を戦った芝・上田選手、長い距離で安定感がある青山選手など、台頭する選手が増えてきています。1年生も海村選手に上昇気配があります。
予選通過にはもう少しなのですが、4年生・3年生・2年生と、育成タイプの大学にしていは、3学年で箱根予選への出走争いが激化しているのは非常にいいことだと思います。
この争いが、ここ数年の集団走よりも、もう少し早い集団走に仕上がってくると、かつての上武大の姿が戻るかもしれませんね。
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