【中央学大・日本大】箱根駅伝2021予選会&全日本大学駅伝2020振り返り

箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、

いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。

コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。

そんな中、関東地区のチームで全日本大学駅伝が今年度最後の駅伝となったチームが2校あります。

その2チームの中央学院大と日本大の今年の大学駅伝シーズンの振り返りを行います。

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【中央学院大学】大学駅伝2020シーズン振り返り

箱根駅伝2021予選会の振り返り

10/17 箱根駅伝予選会

12位中央学院大学10:34:36(37秒差)

16位栗原啓吾③62分03秒
67位小島慎也②63分03秒
88位髙橋翔也④63分12秒
97位吉田光汰③63分21秒
101位中島稜貴②63分23秒
117位畝 歩夢④63分29秒
132位吉本光希②63分41秒
184位川田啓仁②64分07秒
186位武川流以名②64分08秒
190位伊藤秀虎①64分09秒

236位松井尚希③64分52秒
266位馬場竜之介③65分16秒

5㎞通過-10km通過(5-10km)-15㎞通過(10-15km)-18㎞通過(15-F)
3位-5位(9)-5位(9)-9位(15)

 なぜ予選落ちしたのか。タイム上振り返っていきます。5㎞地点では非常にいい位置だったのですよね。エース4年髙橋・3年栗原選手が日本人トップ集団について5㎞14分15秒、10㎞29分一けた付近で通過しています。

 2つに集団走を分けていて、前のグループは4年畝選手に期待の2年小島・武川・川田選手が5㎞14分48秒、10㎞29分44秒のまずまずのペース。後ろの集団走は主力は3年吉田選手のみであとは中島選手ら新戦力候補選手が中心。5㎞14分56秒、10㎞29分57秒のペース。12人目でも30分を切るペースでした。

 順位で見ても前の集団は50位付近、後ろの集団は100位付近。ひとまず高速の流れには乗っていて、中央学大の今までの実績からすると通過は間違いないだろうと思われました。

 それが距離が進むにつれじりじり後退します。主力では栗原選手が順調に走り15㎞地点で5位に浮上し43分55秒で通過。ですが髙橋選手が遅れてしまってい、後ろから上がって来た小島選手がほぼ並びかけたのが15㎞過ぎ。なお15㎞通過は44分35秒程。

 この小島選手がいた集団は分裂し、畝・川田選手が71位44分45秒で通過。武川選手が大きく後退してしまい、後ろの集団よりも後方になる135位45分01秒へ。後ろの集団は2人遅れましたが、吉田・中島・吉本・伊藤選手が109位44分58秒。ひとまず9人目まではまだ目途が立っていました。

 ところがここからほとんどの選手が失速します。栗原・小島選手は最後まで粘り切り、それぞれ11位62分03秒と67位63分03秒。髙橋選手はさらに後退しましたが、88位63分12秒にとどめます。とはいえ、上位で稼げたのが栗原選手のみになってしまったのはつらかったかなぁ…。

 その後、また後ろの集団で最後まで堅実に走れた吉田・中島選手が4番手5番手まで浮上し、100位前後で63分20秒台前半に。15㎞から垂れたものの畝選手も何とか63分30秒以内には入りました。吉田選手らと一緒には七ていた吉本選手も132位63分41秒。ここまでが及第点だったか。

 ここからチーム8番手以降がぐっと落ち込みます。15㎞地点で畝選手と同じ71位だった川田選手が大幅に失速し184位64分07秒までダウン。その直後に10㎞からじりじり後退していた武川選手が186位64分08秒。15㎞まで頑張った伊藤選手も直後に190位64分09秒…。

 以前の基準だったら悪くないタイムだったのですが、今回の予選では200位に近い順位になってしまうほど、高速化の激戦でした。

 また、予想以上の寒さで低体温症に陥った選手は数名いたそうですね。7年ぶりに予選会でしたが、その時とはいろいろな面で変わってしまったのが…。長く率いている川崎監督でも、結果的に予選への対策が甘くなってしまいました。

全日本大学駅伝2020振り返り

10/24 平成国際大記録会
10000m
6組
松島 匠②29分05秒81★
上野航平②29分57秒33★
小野一貴③30分11秒39※全日本エントリー
荻沼直人②30分17秒69
糸井春輝③30分44秒54※全日本エントリー
5組
馬場竜之介③30分05秒53※全日本エントリー
坂田隼人③30分26秒84※全日本エントリー

11/1 全日本大学駅伝

11位中央学院大学5時間19分25秒
1区(9.5㎞)15位武川流以名②27分32秒[15]0:25
2区(11.1㎞)15位小島慎也②32分29秒[15]1:14
3区(11.9㎞)11位栗原啓吾③34分26秒[13]1:36
4区(11.8㎞)17位戸口豪琉④35分49秒[14]4:02
5区(12.4㎞)10位中島稜貴②37分00秒[14]4:08
6区(12.8㎞)14位伊藤秀虎①39分17秒[14]5:20
7区(17.6㎞)12位畝 歩夢④53分36秒[14]7:16
8区(19.7㎞)7位髙橋翔也④59分16秒[11]8:17

 若手や勢いのあるランナーを序盤・中盤の区間に配置し、終盤の長丁場の区間に4年生主力選手を配置。何とかしてシード権を獲得しようとした配置に見えました。

 結果的には序盤からじわじわ遅れてしまいましたかね。1区武川2区小島選手と期待の2年生ランナーを起用するも、2区間とも区間15位。やや上位からは引き離されてしまいます。3区箱根予選チームトップの栗原選手で追い上げを図るも終盤苦しくなり区間11位。それでも2つ順位を上げシード権が見える位置にとどまります。

 大事になる4区には箱根予選を欠場した4年戸口選手が出走。元々2年川田選手の予定でしたが、故障の影響で代打出走だったそう。ただ、本調子からは程遠い走りで区間17位。このあたりでシード権獲得は苦しくなってしまいました。

 5区6区は新戦力候補の2年中島・1年伊藤選手。ここは中島選手が健闘し区間10位。また次のレースが楽しみです。伊藤選手はやや苦戦の区間14位でしたが、これからの選手です。総合順位は14位のまま変わらずでした。

 最後の意地を見せたい終盤の長距離2区間には4年畝・髙橋選手を起用。畝選手は今年の箱根5区山登りでブレイク、その後チーム事情でマネージャー兼選手として競技を続けていた選手。粘りの走りで区間12位で乗り切ります。

 アンカー4年髙橋選手は、1年時のころからチームの主力として活躍していた選手。今年の箱根駅伝を故障欠場した以外はすべての駅伝大会に出場していましたね。エースが集う区間で、今大会中央学院大唯一の区間一桁となる区間7位。59分16秒の好走で3つ順位を上げ総合11位でゴール。

 総合的にはやはり厳しい結果になりましたが、最後に意地を見せた形でした。4年生が抜けますが、栗原選手が最終学年エースに今後なります。このほかにも伸びてきている選手はいるので、11月12月の記録会に注目。

 また、個人で現2年の小島選手が箱根駅伝の選抜チームに選ばれていますので、出走できればその健脚を披露してくれるはずですし、期待ですね。

【日本大学】大学駅伝シーズン2020年度振り返り

箱根駅伝2021予選会の振り返り

10/17 箱根駅伝予選会
18位日本大学10:43:14(9分15秒差)

48位チャールズドゥング②62分48秒
81位小坂友我③63分10秒
118位樋口翔太②63分30秒
214位横山 徹④64分28秒
219位松岡竜矢②64分30秒
224位若山 岳②64分34秒
238位武田悠太郎④64分52秒
248位疋田和直③65分01秒
252位谷口 賢①65分06秒
264位遠田光太郎④65分15秒

269位桃川翔太④65分18秒
289位小林陸大④65分39秒

 箱根駅伝御三家の一つに数えられる日本大も今年は落選。ここ10年間で何度か落選がありましたが、それでもボーダーに絡んでの上でした。今年はなんと箸にも棒にも掛からぬ18位。10位ボーダーとも1人当たり1分近い差がついてしまいました。もう一度戦いを振り返ってみます。

 5㎞通過である程度作戦は見えました。エース2年ドゥング選手と4年力のある横山選手がフリー。そのほかの主力組である4年武田選手に2年樋口・松岡・若山・松岡選手が第1集団、そのほかの4年遠田・桃川・小林選手と3年疋田選手と1年谷口選手が第2集団でした。

 ドゥング選手が留学生集団について5㎞14分08秒通過、その後日本人集団に下がりますが10㎞29分01秒で通過します。横山選手が10㎞29分台通過で100位以内に入っていたまでは良かったですが…、その後ろが来ません。

 第1集団は5㎞15分05秒で通過後に崩壊。小坂・樋口選手が前に出ますがそれでも10㎞30分06秒、武田選手ら他の選手はやや後退し30分10秒台。この時点で個人順位が200位台になります。第2集団は5㎞15分18秒、10㎞30分45秒前後になりましたが、このあたりで300位付近。これでは速報で15位以内に入るはずありません。タイム設定も一昔前のものですね…。

 その後ドゥング選手は、1㎞3分オーバーのペースでじりじりと後退。最終的に62分48秒の全体48位で期待されていたほどの貯金とはなりませんでした。その後ろ100位以内に入れたのはわずか1名。第1集団だった小坂選手が大幅に順位を上げてきて63分10秒の81位。事前の記録会で1万m28分台を出すなど大幅に成長を見せていましたが、唯一の収穫といってもいいくらいでした。

 3番手樋口選手もかなりあげていますが、63分30秒と118位…。前回往路3区で区間一桁ということを考えると額面割れ。そして、ここから4番手がくるのにさらに1分近く。フリー横山選手が失速し、214位の64分28秒。4番手から200位オーバーでは苦しいですよね…。

 その後、第1集団の選手ぽつぽつとやってきます。5番手から松岡・若山・武田選手が64分半ばから後半でした。4年生主力の武田選手は決して状態が良くなかったかなぁ…。その後第2集団の選手がゴールしましたが65分オーバーに。順位としても250位付近。さすがに10㎞の300位付近からはあげましたが、急激には上がらず。

 やっぱり、これだけ高速化が予想されている中、一昔前のペース設定で走ることになってしまった、当日の作戦面、そしてこの半年の流れに何かしら問題があったということですかね…。多くの選手が伸び悩み、もしくは少し走力が落ちているような感じに。内部のことまでは詳しくわかりませんが、早急に改善しないといけない部分があるのは事実でしょう。
 

全日本大学駅伝2020振り返り

11/1 全日本大学駅伝
14位日本大学5時間20分41秒
1区(9.5㎞)14位小坂友我③27分31秒[14]0:24
2区(11.1㎞)16位松岡竜矢②32分41秒[16]1:25
3区(11.9㎞)17位若山 岳②35分30秒[16]2:51
4区(11.8㎞)15位谷口 賢①35分35秒[16]5:03
5区(12.4㎞)12位横山 徹④37分07秒[16]5:16
6区(12.8㎞)6位樋口翔太②37分56秒[13]5:07
7区(17.6㎞)2位チャールズドゥング②51分59秒[11]5:16
8区(19.7㎞)18位武田悠太郎④62分32秒[14]9:33

 箱根予選の結果を受けて、4月から指揮を執る老将青葉監督は「辞退するか」と選手に迫ったという。適切な声掛けなのかはわかりませんが、中2週間では厳しいというのが大方の予想でした。オーダーを見ると、一番伸びた小坂選手を1区にした以外は、5区以降の後半に主力選手を固めた感じでしたかね。

 1区小坂選手は接戦の中、14位のリレー。2区松岡選手は区間16位でこの時点で前が見える総合16位でした。ただ、若手を起用した3区4区が厳しかったですね。前半のエース区間となりつつある3区で若山選手が区間17位、4区ルーキー起用の谷口選手も区間15位で総合16位のまま。またこの区間で一旦関東地区最下位に落ちます。

 それでも5区から浮上傾向になります。主力の一人横山選手が何とか区間12位で走り切り流れを変えると、6区主力樋口選手が区間6位好走。繋ぎ区間とは言え、やはり力がありますね。3つ順位を上げ総合13位に浮上します。

 7区にエースドゥング選手を起用。7区に留学生選手を置いたのは、2大会前シード権に迫った時と同じ配置ですね。直近の箱根予選をはじめもどかしい走りが続いていましたが、区間2位の快走!大学に入って一番じゃないかと思うほどの走りで総合11位へ浮上。10位以内のチームも視界に入る位置に。エースが戦える位置についに持ってきます。

 アンカーは4年武田選手。入学した直後の1年時春からチームの主軸の一人として各主要大会で活躍してきたランナーです。ただ、箱根予選をはじめここのところは精彩を欠いていました。この全日本も本来の走りとはいかず区間18位。総合14位となりますが、大方の予想の関東地区最下位や一部の関東地区以外のチームに先着を許すというのは回避しました。

 日本大は、近年苦戦しているとはいえ、箱根予選会に出場しているチームの中ではスカウトはかなり良いほうです。有力選手の伸び悩みがあるとはいえ、書類選考となった全日本大学駅伝予選の10000m上位のタイムはトップ付近でした。

 ただ、それは昨年度のチームの記録で、今年度は高速化に対応できなかったという…。ただそれでも個人でみると小坂選手が大幅に走力アップ(箱根駅伝選抜チームになります)し、ドゥング選手がついに覚醒傾向になってます。樋口選手ら楽しみな選手もいます。

 来年度のV字復帰に向け、11月12月の記録会まずは大事に行ってほしいです。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。