大学長距離&駅伝2020-2021新シーズン…開幕していますが、
新型コロナウイルスの影響で、多くの春のトラックの主要大会や記録会が、
中止及び延期になってしまいま、寂しい限りです。
その中で、各チーム見えないところで、走力アップの鍛錬、
そして箱根駅伝2021へ向けて、まい進しています。
今一度、各チームの、学年別の主力選手や駅伝成績や新入生情報のまとめ、
チーム全体の特長や戦力分析、そして…区間オーダー予想的なものもやってみたいと思います。
次に、今年度は両角体制正念場となる東海大学です。
ページコンテンツ
前年度は、入学時から黄金世代と呼ばれた選手たちの最終学年でした。全日本大学駅伝は悲願の2度目の優勝を果たしましたが、箱根駅伝は全力を出し切るも惜しくも2位、連覇はなりませんでした。
さて、その時走った卒業生は1区・3区・6区・8区・9区・10区と6人にも上ります。主要区間である2区4区5区、それとルーキーが走った7区が残っていて、核となる選手はいるのは強みです。
それ以外の選手がどのくらいの力があるのかしっかり見ていきましょう。
塩澤稀夕④28分16秒17≪20:箱2区7位、19:全3区3位、出3区6位、17:全2区5位≫
西田壮志④28分58秒15≪20:箱5区7位、19:全4区1位、出6区2位、箱5区2位、18:全4区3位≫
米田智哉④29分19秒07
鈴木雄太④29分21秒82
名取燎太④29分26秒60≪20:箱4区2位、19:全8区2位≫
上村亮太④29分28秒54
布川理稀雄④29分57秒59
鈴木恒介④30分01秒10
本間敬大③29分16秒29
松崎健悟③29分18秒10
牛澤昂大③29分37秒19
中嶋貴哉③29分44秒33
田中康靖③30分14秒69
市村朋樹③half62分53秒≪19:全5区7位、出4区2位≫
川上勇士②28分59秒60
松崎咲人②29分29秒56≪20:箱7区3位≫
脇坂進之介②29分38秒14
國分駿一②29分49秒02
竹村拓真②29分56秒03
佐藤俊輔②29分57秒17
吉冨裕太②29分59秒89
金澤有真②30分04秒91
飯澤千翔②5千13分53秒33
宇留田竜希②5千14分09秒00
濵地進之介②5千14分12秒43
1万m上位10人平均:10位29分07秒6※新入生含む
1万mの平均は10位。非常に僅差の数値で参考程度はありますが、やはりずっと平均1位だったここ数年に比べるとぐっと下がっています。エースは強いですが、選手層は決して厚いわけではない。流れを間違えると、一気に順位が下降する可能性もある数値です。
チーム構成ですが、4年生に柱がまず3人ほどいます。今年の箱根駅伝は、2区塩澤4区名取5区西田選手が走っていずれもしっかりとまとめています。元々入学時から期待が高かった3名が、故障が減りついに揃い始めたといったところですね。
元気がいいのが、日本選手権1万m標準記録を突破している塩澤選手。怪我がなくなったら、持っているポテンシャルを発揮し始めたスピードランナーだ。名取選手もロードでの頼もしさが増してきています。いずれも”両角再生工場”で怪我無く練習が積めるようになったのは大きい。
そして山登りの名手・西田選手。平地で区間賞争いをする実力もつけてきたのですが、今年の箱根駅伝は調整不良で本来の走りとなりませんでした。強い気持ちで最後の1年を過ごしていると思います。
ほかでは、長い距離を中心に鍛えている鈴木選手が復路の候補に挙がりそうですかね。ハーフは63分台で安定しています。あとは米田・上村選手が僅かながらチャンスありという形かな?
3年生が現状では選手層が薄いのですよね。出雲・全日本駅伝は市村選手が起用されましたが、惜しいところでメンバー落ちしてしまいました。まずは彼が軸。もう一人軸になってほしいのが本間選手。ハーフマラソンで一度は62分台を記録していて、ポテンシャルは高い選手。安定感がどこまでついてくるでしょうか。
続く選手は持ちタイム的にはもう少しでしょうか。松崎選手と牛澤選手あたりがぐっと伸びてきていて今後に期待というところです。他、長い距離での秘密兵器が出てくればと思っています。
2年生は大事ですね。育ちつつあるところ、ある意味レギュラーを掴むチャンスの年になります。昨年秋に一気に台頭してきたのが松崎選手。ハーフ62分少しの記録には駅伝ファンみんな驚いたと思います。箱根駅伝もしっかり3位から2位に上げる走り、将来楽しみな選手です。
その他にも楽しみな選手がいますね。同じハーフマラソンで63分台を出した佐藤・竹村選手あたりはこれからといったところです。また、箱根エントリー後に一時覚醒した川上選手は1万28分台。これがどこまで走力としてついているかどうか。
また、1500mを基本的に極めていくと思われる飯澤選手が、出雲駅伝を目指す希望があるかどうかは、駅伝ファンとしてはちょっと気になりますかね?高校時代持ちタイムのいい宇留田・濵地選手らの復活も気になるところです。
リクルートはまずまずですね。5000m平均タイム…と今年も安定した成績をマークしています。ナンバーワンルーキーは倉敷高校からやってくる石原選手でしょうかね。トラックも駅伝も各大会の主要大会で全て高順位をマークしているのは非常に魅力的ですね。14分00秒以上に走力があるとみていいと思います。
また仙田育英高校の喜早選手は1万28分台の経験者。駅伝でもピークアウトせずに結果を出しています。このあたりは頼もしいですね。西脇工合の松尾選手もエース区間の1区を任され、中位よりは上位の成績・まずはこの3名になってきますかね?
あとはそれぞれですね。伊賀白鳳高塩澤選手の後輩の選手も複数人きます。九州学院の入田選手の高校駅伝3区9位は魅力、溝口・丸山選手らもそれほど変わらぬ5000m持ちタイムを持っています。
また東海大としては14分50秒台の持ちタイムのランナーの入部が多いですかね?意外と無名選手の育成力も高い東海大、ここから出てくる選手がいるかは注目です。
全日本:喜早①-松﨑②-塩澤④-石原①-市村③-鈴木④-西田④-名取④
箱根:松﨑②-塩澤④-石原①-名取④-西田④ 市村③-喜早①-本間③-鈴木④-川上②
エースがしっかりしていればオーダーは組みやすいのですよね。出雲駅伝はうまく抜け出せればチャンスあります。塩澤・名取選手で流れを作り、松崎選手で抜け出して、トップで西田選手につなぐ。間の区間は石原選手ら有力ルーキーでどうでしょうか。
全日本が個人的にオーダー悩みましたが、スピードエース塩澤選手が3区、長距離区間西田・名取選手はできれば動かしたくはない。松﨑選手が2区当たり任せられるとオーダー編成が楽かな?石原・喜早選手のルーキーと5区2年連続で市村選手、4年生鈴木選手もこのあたりでデビューさせたいかな?
箱根は往路特攻かけて流れ乗るのがいいのかなと思います。実は塩澤・名取・西田選手、それに松崎選手がかなりやれそうなのでハマれば、黄金世代のいた時期でも成し遂げられなかった往路優勝も可能…?また、前回の箱根駅伝の高速化をみると、基本的には前にいけそうならいけるだけいったほうが良さそうと思ったのもあります。
復路は現状では鈴木選手が核、これに本間選手ら3年生あたりがオーダーに絡んでくると、オーダー編成が楽になってくるのかなと思います。
卒業生の穴は全大学の中でも一番大きいといっても過言ではない…のですが、往路の主要区間は3人も残っているのですよね。4年生3本柱(塩澤・名取・西田選手)は、全大学の中でも屈指の柱です。うまく流れに乗れば、今年度も上位で暴れる力はあります。
10番手前後の実力は、現時点ではここ数年より下がるのかなと思いますが、今はルーキーたちが面白い。石原・喜早選手は現時点でも大学駅伝で起用してみたいレベルの選手です。
他にも4年鈴木3年市村2年松崎選手とそれぞれ色の違う選手もいますので、故障者などがなければ、ある程度区間は埋まってくるのではないでしょうか。
強いて言えば、3年生が台頭に苦しんでいますので、このあたりの世代の層が厚くなると、主力中堅あたりにも良い競争が生まれてくるはず。このあたりの育成、両角監督体制の真骨頂を見ることができるのか、このあたりに注目したい。