本日は、予選は戦えたが…明治大学です

 シーズンの始まりは本当にどうなる事かと思われましたね。全日本駅伝でシード権を獲得しながら、箱根駅伝は往路2区間のブレーキに泣き、8年ぶりにシード権喪失。しかも、その時の主力学年は4年生。エース不在で選手層は薄く見えました。全日本予選免除だったのが救いで、じっくりトラックで力を蓄えました。その間に箱根直前に怪我をした坂口選手が復帰するなど少しずつ形が整ってきました。
箱根駅伝予選会2位通過
21位江頭④60:22 25位薮下④60:26 35位阿部①60:38 37位末次③60:41 38位射場④60:41
43位中島①60:46 47位磯口③60:53 69位三輪①61:13 74位吉田④61:17 75位皆浦③61:20
 秋には地道な強化が実りましたよね。9月の記録会で多くのメンバーが29分台でまとめると、血液検査で異常が出た坂口選手が欠場したものの、他の選手が素晴らしい走りを見せました。エースと言われた薮下選手が積極的な走りを見せ、江頭選手も長い距離の強みを見せ60分半を切りワンツー、更に末次・射場選手が復活、阿部・中島・三輪選手の1年生が20㎞にしっかり対応していました。また10番手も75位で高い総合力を見せて2位通過。駅伝に向けて弾みがつく結果でした。
全日本大学駅伝11位
1区(14.6㎞) 17位阿部①45:14(17) 5区(11.6㎞)
3位中島①35:26(13)
2区(13.2㎞) 14位江頭④40:09(16) 6区(12.3㎞) 4位射場④36:19(13)
3区(9.5㎞) 11位三輪①28:17(13) 7区(11.9㎞) 10位磯口③35:34(12)
4区(14.0㎞) 11位末次③42:19(13) 8区(19.7㎞) 8位薮下④60:10(11)
 まず全日本でどこまで食い込むかと思われましたが、ここはいきなり出鼻をくじかれます。1区起用に抜擢された阿部選手が失速し17位スタート、どちらかというとトラックの方が得意な選手、予選明けもあり少し不得手な部分も出てしまったでしょうか?あげていきたいが、2区江頭、4区末次選手共にイーブンペースで走るタイプなだけに中々追い上げられず、だいぶ前と水をあけられてしまいました。
 ただ、後半で総合力の強みが出ます。ロードが得意というルーキー中島選手が区間3位の好走で反撃の口火を切ると、4年生ながら初駅伝となった射場選手も区間4位の好走。総合順位は変わらないものの存在感を出します。アンカーの薮下選手も区間8位としっかりと追い上げ、長い距離の強みを見せます。
箱根駅伝18位
1区(21.3㎞) 18位末次③65:06(18) 6区(20.8㎞) 15位田中②61:23(18)
2区(23.2㎞) 19位江頭④71:03(19) 7区(21.3㎞) 10位磯口③65:32(18)
3区(21.4㎞) 13位三輪①64:59(19) 8区(21.4㎞) 17位東島②69:20(18)
4区(20.9㎞) 13位阿部①66:51(18) 9区(23.1㎞) 15位吉田④74:58(18)
5区(20.8㎞) 15位薮下④76:43(17) 10区(23.0㎞) 13位坂口②73:22(18)
 総合力で戦えるはず。その為には序盤は総合順位は低くても前が見える位置で凌ぎたかった。その為のオーダーを組みたいところだったが、1区はイーブンタイプの末次選手。勝負所までに遅れてしまい18位スタートとなってしまいました。実は明大は1区中島選手の予定だったのが疲労骨折で離脱してしまったのだ。続く2区江頭選手も区間19位で、前のチームと1分差を付けられてしまい、全日本のように大きく遅れてしまいます。
 その後は1年生が懸命の継走、3区三輪選手が終盤まで個人で区間一桁争いをする走りを見せると、4区は全日本で失速した阿部選手。細かいアップダウンが続くコースを無難に乗り切りました。一人旅で区間13位で走ったのは収穫でしょうか。5区は昨年のリベンジをしたい薮下選手でしたが、もう少し乗れない走りで区間15位、往路は17位と厳しい結果になります。
 その明大にさらなるアクシデントが。好調だった9区射場主将が、アキレス腱痛で無念の欠場。25日に出た痛みが引かず最後は西監督が止められたそうです。往路に続き、玉突き変更で復路を戦うことになります。6区田中選手が区間15位スタート、7区で磯口選手が区間10位と頑張りますが、これが今回の明大の最高区間順位、8区東島選手は徐々に区間順位を落とすと、9区吉田選手もペースを上げられず鶴見中継所で繰り上げスタート。「なんでこんなに悪いんだ…」射場主将が電車の中で力なくつぶやいていたそうです。
 9人の汗の染みこんだ襷ではなく、中継所で新たにもらった襷をかけてスタートしたのはエース候補の坂口選手。予選前の血液以上は真性多血症という骨髄の病気、健常者より多くの赤血球ができてしまい、定期的に血を抜く必要があるそうです。そんな中、何とか間に合わせてアンカーで出走。区間13位の走りは現時点での精一杯の走りだったと思います。

 復活はそう簡単ではありません。ひとまず予選会を通過する力は付けられたけど、今回に関してはそこまでだったのかもしれません。西監督は「箱根7区しか走れない選手ばかりだった」と表現されていましたが、スピードの往路、スタミナの復路を走れるそれぞれの選手を育成したいところ。なお、首脳陣は日大⇒旭化成の山本佑樹さんが来られました。新入生のスカウトも2年連続成功しています。しっかりと力を蓄えていってほしいですね。
hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。