箱根前に監督からこんな発言がありました。「これまでは上を狙ってギリギリまで強度な練習をしていた。今年は自然体で臨む」とのこと。それはどうやらプラスの方向に働いたみたいです。安定さを不安視されていた坂本選手が1区で終盤まで先頭集団に食いついて10位で滑り出すと、2区東選手が順位は落としたものの、70分少しでまとめ前が見える位置に踏みとどまった。
これは往路のその後の展開に大きな影響を与えたと思います。3区太田黒選手が終盤にしっかり追い上げ総合14位へ、個人としても区間10位の上々の駅伝デビューでした。4区急成長の上田選手が懸命に粘り、10位と約1分半差で3年連続山登りで前回区間8位で走っている森田選手に襷を渡します。その森田選手は箱根山中じりじり追い上げていくと、得意の下りでエンジン全開。テレビには映っていなかったが一気にシード権内へ突入。個人としても残り1㎞で区間トップに躍り出ました!最終的には1秒差の区間2位、そして8人抜きで総合8位までチームを引き上げる活躍!そして、上武大としては出場9回目で初めての往路一桁ターンとなりました。
復路は苦手の6区を何とか乗り切きりたいころ、前回65分オーバーしてしまった馬本選手が再登板。他の下りのスペシャリストにはかなわず順位は13位まで下げますが、61分31秒は上武大記録まであと1秒。うまくまとめたと思っています。7区は唯一のルーキー橋本選手、8区は関東ICハーフで健闘した大森選手が頑張りますが、シード権は徐々に遠のいてしまいます。そんな中、9区佐藤駿選手が疲れが見える中、最近は繰り上げが多かった鶴見中継所に間に合わせます。これはチームとしての成長でしょうか。10区4年生の佐藤史選手が10人の汗が染みこんだ母校の襷をかけてゴール。総合15位は上武大歴代2番目の順位、佐藤選手本人も区間11位で有終の美を飾りました。
今年は予選・本戦と共に力を出し切ったように見えます。駅伝に関しては本当に今年は流れの中で戦えた、これが本当に収穫ですよね。手ごたえを感じたと思います。ただ一方、スカウトを見ていると、数年未来がかなり厳しい状況になるのではとも思われます。とにかく一つ一つの主要大会を大事に戦っていきたいところです。