早速、2016年度の各大学の駅伝シーズンをまとめてみたいと思います。
まず、3冠を達成した青山学院大学からです。
振り返ってみても、やっぱり強かったなぁ。何が強かったって、3つの駅伝ともに首位を明け渡したシーンがあったのにも関わらずしっかり逆転し、最後は圧勝しているところです。
出雲駅伝1位
出雲は1区の1年生鈴木選手がどれほどで2区で繋ぐかがとても注目されましたが、結果的にトップとは秒差、2区田村選手ですぐに首位に立ちます。このままいくかと思われましたが、主要区間に入った下田選手がまさかの東海大のルーキーに逆転され、100m以上のリードを奪われます。いきなり三冠危うしかと思われましたが、4年生が頑張りましたよね。茂木・安藤選手がじわじわ追い上げ、エースの一色選手に襷を渡す直前に逆転!留学生がいるチームにはそれまでに大きな貯金を作っていて、しっかりと一つ目を勝ち取りました。
全日本大学駅伝1位
全日本は区間が増え、選手層が厚い青学大がどんどん有利になるのではと思われた中、まさかの展開になりました。2区田村選手でトップに立つのは予想通りでしたが、3区初駅伝の吉永選手が早大に逆転されると、4区安藤主将がまさかの不振で250m以上トップからは離されてしまいます。相手が視界から見えなくなると先頭が一気に有利になります。くしくも青学大は全日本駅伝ではまだ優勝がなく、やっぱり鬼門となるのかと思われました。
そこを冷静に走ったのが5区小野田選手でした。僅か数秒ですがトップとの差を詰めると、6区初駅伝の森田選手が30秒程の差まで追い上げ、早大を視界に捉えます。7区中村選手がもたつきましたが、アンカーに控えていたエース一色選手に安全な差で襷リレーをします。一色選手は抜群のスピードであっと言う間に早大を逆転、全日本を初めて制し、2冠目を達成します。
箱根駅伝1位
箱根駅伝は周囲から「まず勝つだろう」のプレッシャーとの戦いでした。その中、体調不良の選手も出てお調子者の原監督もレース直前に弱気な発言を連発、ギリギリまでオーダーに苦心したそうです。
ところが、蓋を開けてみると素晴らしいレース運びでした。1区初登場となった梶谷選手がトップと秒差で繋ぎます。例年になくけん制の1区になったのが打ってつけの展開でした。2区エース一色選手が思いの外伸びず、トップに立てなかったは意外でしたが、有力チームの前には立ちます。ただ、まだ混戦。一番不安だったという3区秋山選手を迎えます。前回区間賞でしたが、直前の練習でも外してしまうくらい絶不調。それでも最後に調子が上がったと起用となります。結果、2年連続区間賞で首位を奪取します。本人の力と監督の乗せ方なのか、青学大の強さを見た気分でした。
そこからはトップをひた走ります。最も順風満帆ではありませんでした。繋ぎの位置づけの5区貞永選手が終盤伸びずに他校の追い上げを許すと、7区は”駅伝男”と名高い田村選手が脱水症状を起こしてブレーキ、そう簡単にはいきませんでした。
勝利を決定づけたのは8区下田選手です。短い距離での駆け引きで苦戦していましたが、長い距離を一定のペースで走り切る能力はエース級でした。区間記録に肉薄する走りで一気に2位以下を5分以上突き放すと、最後は4年生。関東ICハーフ2連覇ながら初の駅伝となった9区池田選手、10区安藤主将が万感の思いでゴール。長い大学駅伝の歴史上、僅か4校目の3冠達成に華を添えました。
こう見ると、走力は一色選手や田村・下田選手があるとは思いますが、本当にその時その時適材適所にオーダーを組めたからこそ、色んな選手がヒーローになって圧倒的な強さを誇ったのかなと思いますね。本当に青山学院大の黄金時代の2016年度の大学駅伝でした。