第95回箱根駅伝2019が終わり、卒業生の進路、新入生の情報が発表され、
なにより、在校生が次の箱根駅伝2020に向けて動き出しています。
箱根駅伝2019の簡単な振り返りと、箱根駅伝2020への現時点での戦力分析をしていきたいと思います。
今回は法政大学です
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6位法政大学11:03:57
1区佐藤敏也③5位62分43秒[5]0:08
2区坂東悠汰④12位69分01秒[11]1:38
3区岡原仁志③14位64分24秒[13]3:31
4区狩野琢己④10位63分59秒[12]6:28
5区青木涼真③3位71分29秒[5]5:05
往路5位5:31:36
6区坪井 慧③4位58分30秒[6]5:23
7区土井大輔④5位64分19秒[5]5:57
8区鎌田航生①7位66分28秒[5]8:32
9区大畑和真④7位70分55秒[5]9:51
10区鈴木亮平④8位72分09秒[6]11:48
復路6位5:32:21
1区佐藤選手…2年連続6区山下りから1区コンバートはびっくり!それでも1万28分半ばまで身に付け走力活きる展開になりましたね。六郷橋からの本格的な仕掛けからもずっと上位集団に付いた中、4位と同タイムの区間5位はしっかり仕事をしました。往路からの躍進を予感させる出足でした。
2区坂東選手…4年連続往路、そして2年連続2区のエース選手ですね。前回よりもずっと高順位でもらい、権太坂まで4位争いの集団に。そこからじりじりと順位を下げていきましたが、設定タイムよりも上回る69分01秒。エース区間で役割を果たしています。
3区岡原選手…前回7区から、自信をもっての3区起用となった岡原選手ですが、この区間だけ誤算だったようですね。例年以上に3区に主力選手が集まったのですが、2つ順位を落とし総合13位へ。設定タイムより1分オーバーしてしまい、4区終了時と最終的な総合順位にやや響く、悔しい走りになりました。
4区狩野選手(個人的MIP)…個人的に、当日変更になると思ってたのですが失礼。自信を持っての起用でしたね。中盤からしぶとさを発揮する、最近の法政大の選手らしい走り。見事区間10位で64分以内にまとめる好走で、最初で最後の箱根を締めくくりました。10位とも見える位置に付けたのもナイスです。
5区青木選手…さて区間記録保持者の登場。総合10位以内ではないということで、大きく突っ込んで入っていきました。どんどん選手を追い抜いていき、小涌園過ぎに青学大を捉え、一気に7人抜きの5位浮上。終盤に苦しい場面も粘り切り、区間3位ながらも昨年の自身の記録を上回る走りを披露。2年連続往路5位と、今回もしっかりまとめあげる走りでした。
6区坪井選手…ある意味一番注目の区間だったでしょう。58分台の前任者を平地にして、毎年控えだった坪井選手の登場。どんな走りになるかと思われましたが、まさか前任者の記録を超えてくるとは!58分30秒の好タイムで、青学相手にも終盤まで善戦する走り。ここのところ、6区が法大本当に当たっていますね
7区土井選手…土井選手も4年連続の箱根路出走だったのですよね。8区、4区、1区とそれぞれ違う区間、最後は7区。長いロードで手堅い走りをする彼にうってつけの区間でした。終始区間上位争いをキープ。終盤に國學院大を交わして、再度の総合5位浮上。今シーズン一時苦しんだ時期もあった中、バッチリ合わせて来ました。
8区鎌田選手…ここは誰を起用するか坪田監督が最後まで悩んだ区間。実戦で長距離レースは未経験も練習ができていた1年鎌田選手を抜擢。見事起用に応えましたね。競っていた相手も1年生の選手で競り合いながらレースを進め、遊行寺坂で決着を付けました。区間7位、数字以上に大きな収穫だったのではないでしょうか。
9区大畑選手…関東ICハーフ入賞、全日本アンカーでシード権争い勝ち取っている…今シーズンカギを握っていた男をここに残していましたね。展開的にはほぼ完全に単独走だった中、かなり攻めた走りをしていた印象です。6位のチームはしっかり引き離して、目標の5位に向けて突き進みました。
10区鈴木選手…2年時全日本駅伝でアンカー起用されていましたが、それ以来の大学駅伝。最初で最後の箱根で10区に登場しました。しっかりとペースを刻んでいましたが、驚異のペースで追い上げた帝京大の選手に力及ばず、総合6位に後退。その中で区間8位で走り切っていますので、ちからは出し切りました。見事な集大成のレースだったと思います。
まとめててびっくり!9名の選手が大学駅伝を経験しているのですね。確かに彼らが2年時~3年時あたりでは、坪田監督の方針で、出雲と全日本を、勢いのある若手に駅伝を経験させていたのはあるのですが、これだけの多くの選手が経験できるってそうそうないと思います。
その中で、1年時から往路を走っていた坂東選手は強豪チームに活きますね。スピードに磨きがかかれば面白いです。ロードで強くなった土井・大畑・狩野選手もNY駅伝できっと戦力になると思います。
矢嶋選手、それから坂東選手が元々憧れの存在だったという福田選手は、まずはしっかり状態を上げることができるかどうか。スピードが武器の選手の印象はありますので、戻ってくれば面白い選手です。
あとはポイントで戦力になった選手も多いですね。1年時最初に名前が挙がった本多選手は、1年時の予選で89位。駅伝ファンびっくりの2年ぶりの出場に大きく貢献した選手です。2年の予選以降はオーバーワーク症候群で苦しい日々となったそうですが、いなかったら法大が今ほどの躍進はなかったはずです。
東福選手は2年時にロードで伸びた選手。ドキドキのシード権争い真っただ中でタスキをもらった中粘り切っています。3年時も体調不良がなければ9区の予定でした。鈴木選手は2度大学駅伝でアンカーを経験。最後の集中力は凄かったですね。それぞれ、印象深い活躍でした。
5000m持ちタイム | 1万m持ちタイム | ハーフ持ちタイム |
強矢涼太③14分01秒12 岡原仁志③14分09秒07 青木涼真③14分10秒40 増田蒼馬③14分10秒61 坪井 慧③14分12秒82 久納 碧①14分13秒31 人見昂誠①14分15秒40 鎌田航生①14分17秒44 佐藤敏也③14分19秒18 松澤拓弥③14分20秒26 |
佐藤敏也③28分35秒98 山本 燎①29分24秒42 佐々木虎一朗③29分29秒87 青木涼真③29分30秒64 田上鷹弥③29分38秒83 増田蒼馬③29分42秒88 岡原仁志③29分47秒14 坪井 慧③29分48秒33 松澤拓弥③29分49秒05 久納 碧①29分53秒46 |
佐藤敏也③62分56秒 坪井 慧③63分40秒 強矢涼太③64分00秒 田辺佑典②64分03秒 青木涼真③64分12秒 糟谷勇輝②64分13秒 佐々木虎一朗③64分30秒 増田蒼馬③64分32秒 岡原仁志③64分43秒 松澤拓弥③65分00秒 |
10名平均:⑬14分12秒9 | 10名平均:⑰29分34秒0 | 10名平均:⑪64分10秒9 |
田辺佑典②14分21秒42 中村雅史②14分23秒92 守角 隼①14分25秒21 中光 捷①14分26秒18 佐々木虎一朗③14分26秒47 田上鷹弥③14分26秒65 |
田辺佑典②29分55秒19 糟谷勇輝②29分57秒27 遠藤和之②29分58秒72 強矢涼太③30分00秒14 児玉天晴②30分04秒03 鈴木 快②30分06秒77 |
鎌田航生①65分15秒 久納 碧①65分29秒 奥山智広②65分43秒 土屋勇樹③66分14秒 鈴木 快②66分24秒 中村雅史②66分44秒 |
16名平均:⑬14分17秒4 | 16名平均:⑱29分43秒9 | 16名平均:⑬64分51秒1 |
※ハーフは日本学生ハーフ後にもう一度更新します。
いや~、これほどまで平均チームが当てにならないチームは他にないのではないしょうか。主力選手でしっかり記録を狙ったと思われるのは、5千m岡原選手、1万mは佐藤選手、ハーフ佐藤・坪井選手くらいではないでしょうか。
10000m上位選手は2番手山本選手ルーキーは、箱根16人の発表後の記録会で好走。ハーフ3番4番の強矢・田辺選手は昨年の上尾ハーフで好走も16人のメンバー入りならず。箱根エントリーメンバーに入っていた選手は、潜在的には、彼らを上回る走力があると判断されているのだと思います。
5000mは13位、1万mは17位当たり、ハーフ11位あたりにつけていますが、多分、全体的にもっと上のはず。秋は記録を狙わず、箱根に合わせてきているチームです。
佐藤敏也③28分35秒98≪19:箱1区5位、18:全3区8位、箱6区3位、17:全3区2位、箱6区3位≫
佐々木虎一朗③29分29秒87≪17:出5区10位相当≫
青木涼真③29分30秒64≪19:箱5区3位、18:全1区5位、箱5区1位、17:全4区11位、出3区4位、箱8区9位≫
田上鷹弥③29分38秒83
増田蒼馬③29分42秒88≪18:出6区15位≫
岡原仁志③29分47秒14≪19:箱3区14位、18:全4区5位、出2区11位、箱7区11位、17:全7区12位、16:予307位≫
坪井 慧③29分48秒33≪19:箱6区4位、18:出5区4位≫
松澤拓弥③29分49秒05≪18:箱4区13位、17:全5区11位≫
強矢涼太③30分00秒14≪17:出4区DNF、16:予217位≫
田辺佑典②29分55秒19
糟谷勇輝②29分57秒27
遠藤和之②29分58秒72
児玉天晴②30分04秒03
鈴木 快②30分06秒77
中村雅史②30分16秒47
寺沢 玄②31分10秒66
山本 燎①29分24秒42
久納 碧①29分53秒46
田中大稀①30分28秒83
鎌田航生①30分30秒84≪19:箱8区7位、18:全2区15位≫
人見昂誠①30分32秒81
新4年生は非常に頭数多くなっていますね。ほぼ大学駅伝で何かしら出走しています。2枚看板と言える青木・佐藤選手がついに最終学年。文字通り、箱根の山から大学駅伝界の顔となってきつつありますね。青木選手は3障で、佐藤選手は1万以上の距離で関東ICから注目。他、坪井・岡原選手も得点期待ですし、松澤・増田選手らも、最終学年でまた逞しくなるはずです。
新3年はまだ大学駅伝経験がないのですよね。エントリーに名前を連ねた選手が、何人かいるくらいですかね。ここが上がってくるとぐっと選手層に厚みが沸きます。田辺・糟谷・中村選手は以前から名前が挙がってましたが、ここにきて、児玉・鈴木選手がぐっと上がってきて、寺沢選手は箱根でメンバー入りしていましたね。
新2年は鎌田選手が、こちらが思っている以上の成長を遂げているようで、春から秘かに楽しみな選手。その他の選手はまだまだこれからといったところ。1万mの記録を出した山本選手、専門種目がある久納・人見選手のトラック種目での成長にまず注目です。
法大もスカウトが少しずつ上がってきているようで、高校生の関心が確実に高くなってきています。一番持ちタイムの良い扇選手は、全国的な駅伝2度1区を務めてしっかり走り切っています。実績的にはIH5千m10位の内田選手は即戦力ルーキーですかね。
この他、高校駅伝で主要区間4区を経験している選手が多いのが特徴ですね。山本・徳永選手は勿論、持ちタイム14分30秒台ながら区間7位と9位と結果を残した中園・河田選手は駅伝シーズン注目かな?その中園選手と、松本選手と3障の選手が入るのも法大らしい。池田・川上選手も持ちタイムはさらに上、どこまで伸びるか期待したいですね。
データを見てると本当に驚くことが多いのですよね。卒業生が9人も大学駅伝を経験していますし、そして今年の箱根駅伝では、大学駅伝初出場の選手が誰もいませんでした。これは出場全23チーム法政大学だけでした。
今季で言うと、狩野・鎌田選手をしっかり経験させていましたし、坪井選手は出雲で、鈴木選手が2年前に全日本アンカー担当していますし、このあたり考えて配置されてるなぁと感嘆してしまいます。
今年は初めて全日本予選も免除となっているので、三大駅伝全てじっくり取り組みます。4年生の抜ける人数は比較的多いので、箱根に向けてはまた考える必要があります。今年も出雲と全日本の繋ぎ区間や後半の区間には、未経験の選手も入れてくるのかな?
さて、そうしてみると新4年を見ると、なんと8名もの選手が一度は大学駅伝を経験しているのですね。個人的には強矢・佐々木・増田選手あたり悔しい結果となった選手がどこかでもう一度出てほしかったりしますが、メンバーに入るか。
半面、新3年以下の経験者は、新2年鎌田選手のみと、かなり学年での偏りがあるなという印象も。新3年でまだ経験者がいないのは、今後に向けても考えたいところ。
少しずつ伸びてきて来て、1万30分前後のランナーは増えてきています。彼らの中で、坪田監督が起用してみたいと思う選手がどれだけ出るか、このあたりまず注目ですね。
まず、大学駅伝で戦っていける柱はいるのですよね。佐藤選手がまずエースでしょう。次いで青木選手で、彼の山登りは非常に驚異の駒となるはず。岡原選手が殻を破れれば3本目、鎌田選手も次は4区あたりは走れる存在になりそうな気がしています。
そして坪井選手がどうやら覚醒してきそうな感じ。もし6区に他の選手が出てくれば、彼も往路に回して、三度の往路5位以内を狙える戦力になってくるでしょう。なお、6区は新入生で、高校駅伝下っている4区で力走をしている選手が何人もいるので、適性ある選手が中にはいるかも??
10番手前後は何とも言えないところですが、松澤選手ら他の4年、そして3年生がしっかりと伸びてくれば、充分に埋まってきます。4年連続シード権獲得して上位校定着、そして目標の5位以内へ向けて、チームを整えていくことは可能な戦力です。