第95回箱根駅伝9区です
東海大がこの大会初めて首位の中、
復路エース区間へ。優勝争いにほぼ決着がつきました。
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トップ東海大は主将の湊谷選手に。高校時代から実力がある長い距離に強みを持つ選手。ただ、走力は高いものの、これまで駅伝では苦心を舐めたことも多い。51秒差東洋中村選手は、4年かけてロード力を磨いた選手で果たして優勝争いどうなるか。
3位青学大は出雲全日本連続で区間賞を獲得している吉田圭選手で、3つ目の区間賞を狙う。駒大も堀合主将で3強入りをまだあきらめない。
なお9区は主将や4年生が多い。法大は大畑主将、東国浦馬場主将、日体林田主将が走る。國學・順大・中学・連合・中大・上武も4年生。他長い距離に自信ある選手がどんな走りを見せるか。
権太坂7.8㎞
84回篠藤(中学)22分30秒
7.8㎞権太坂の地点で、51秒だった1位と2位の差が1分12秒差に開いたのですよね。走力で東海湊谷選手が東洋中村選手を突き放したのかと思われたのですが、実況をよく聞いているとそうではない。
実況が間違っていなければ、最初の1㎞は中村選手が若干早く、4㎞通過では11分41秒と全くの同タイムだった。
そう考えると、そこから3.8㎞で23秒も差が開いたというところ。スピードタイプではない中村選手の入りが早かったか、この時点で少し息切れが始まっていたかもしれません。
細かいところはともかく、どうやら東海大の初優勝となってきていたかもしれません。
トップ湊谷選手は定点で4番目。それより速かった選手が3選手いるのですよね。
やはりというべきは青学吉田選手。スピードランナーでもありますが、ここまでは区間記録を1秒早いペース。もう一つ追い上げにかかる。
またロードで定評が高い帝京小森選手が早い。前國學長谷選手と2分、後ろ順大吉岡選手と1分差もある中、区間2番。帝京大の層の厚さはここから見ることになる。
シード権争いは拓大清水選手が比較的スローな入り、明大村上選手が55秒差となったが、まだほとんど見えない差でした。
後ろ12番手争いがやはり集団になり、襷リレーで比較的後ろだった日体林田選手が、神大北﨑選手を引き連れて12番争いに舞い戻りました。
逆に、実力者の日大阿部選手が遅れたのが意外だった。どうやら11月下旬にフォームを崩してしまい、状態が良くなかったようだ。6名の集団となっている。
なお、この定点の通過直後、早大新迫選手が5m後退。スピードランナーだが、今年の調子、そして大学駅伝の実績からして、早大ここまでか…とこの時は思ってしまった。
後方でも早いペースの選手がいた。既に見た目19分オーバーとなっている山学森山選手が、ここまで8番目のタイムで突っ込み、国士石川選手を交わす。19分25秒前後、ここから追いかけていけるか。
繰り上げになった2チームのうちでは、2年連続9区出走の中原選手がしっかりとしたペースで歩む。同じく2年連続上武松下選手は遅れていきました。
横浜駅前14.5㎞-権太坂7.8㎞=6.7㎞
84回篠藤(中学)19分52秒(42分22秒)
実質上、ここで優勝争いにほぼ決着がついたといっていい区間。トップ東海湊谷選手は10㎞29分40秒で通過、その後も安定したペースで走っていました。
対照的に東洋中村選手が、この6.7㎞で1分も開いてしまい、ここで総合優勝の夢は厳しくなった。個人定点間で見るとなんと22番目。これより下は脱水上場気味だったという上武松下選手しかおらず、非常に苦しい走りとなっていました。
スピード型でない中、自分よりスピードのある相手を追うのは、こちらの想像以上に難しい事だったのかなと感じます。酒井監督のいう「力尽きた」というところだったかもしれません。とにかく中村選手は持ち前のスタミナ面で今後の踏ん張りが大事になるところです。
青学吉田選手はまだまだ区間記録からは大きく遅れないペースでこの定点間もトップで元気。小森選手も順調。
他に元気だったのは法大大畑選手。今シーズンは主要大会で持ちタイム以上の走りをすることで、#大畑マジック とも言われていましたが、権太坂~横浜駅前まで定点間3位の好記録!
この定点直後の15㎞地点では、前日2区を出走した坂東選手から給水。今回は話し合いで4年生は4年生から給水を受ける取り決めをしたそう。単独走ながら、目標の5位以内キープへまい進する。
その後ろ、6位國學長谷選手も安定した走り。前回の箱根予選でチーム10番手に入りながらも、箱根本番は11番目で悔し涙に暮れた男。最終学年は満を持して復路エース区間9区出走へ。この定点間は9番目。前が離れていく難しい展開ながら、自分のペースを維持しています。
9位から11位は大きな動きはなし。その後ろの集団が、大きく目立った。先ほどの定点の直後、遅れたと思われた早大新迫選手が、元気に集団を引っ張って通過。
この新迫選手に付いた、神大北崎、日体林田、中大苗村選手がこの定点間5番目の速さだ。11位明大村上選手は32秒差。これならまず一つ目標ができて俄然追いやすくなりそうだ。
ここから遅れたのが東国浦馬場選手と連合明学鈴木選手。力量からすると仕方なかっただろうか。繰り上げ回避の目標もあるので、ここからの粘りが大事になってくるところです。
生麦20.2㎞-横浜駅前14.5㎞=5.7㎞
84回篠藤(中学)17分14秒(59分36秒)
東海湊谷、青学吉田選手の走力の高さが際立ちますね。湊谷選手は、他部員からも言われていましたがプレッシャーにやや弱い面がある、とのことでした。それが単独トップでもらって、自分の力を出し切れている感じだ。
吉田選手はまだ区間記録が狙える位置。そのペースで突っ走っていたらまさかの展開だった。2位東洋中村選手との差がいつのまに46秒差に。こうなったら、視界にも入るので最後の踏ん張りが効くかも…??2位争いがにわかに注目になって来た。
このあたりでは定点間の順位もやや変動がありました。ここまで区間中位だった4位駒大堀合選手がぐっと浮上してきました。前回区間2位で満を持しての配置だったと思いますが、ここまでは昨年ほどではありませんが、ここは経験もあるでしょう。しっかりまとめにかかります。
そして8位順大吉岡選手がこの定点間4位でしたね。箱根は今まで出走が無かったのですが、箱根予選ではチーム3番手と急成長していた選手。復路のーえす区間に隠し玉として残していましたが、ここで連続シード権へダメ押しということになりそうだった。
シード権争いも細かな動きが出始めている。11位明大村上選手が、シード権周辺のチームでは一番早いタイムとなる5番目のタイムで走破。10位拓大清水選手との差が一気に27秒差に!視界に入るところまで付け、非常に面白くなってきました。
後ろの12位争いは、神大北崎選手が、実質の12位争いを引っ張り、それどころか置いていこうかという勢い。神大は復路は集団走があったとはいえ、少しやりたい駅伝ができている形か。いい流れとなっています。
最後の中継所、繰り上げをめぐる戦いが最も激しくなるのですよね。前の中継所で繰り上げになった城西と上武以外では、山学と国士がこの時点で見た目20分オーバー。
国士石川選手が頑張ってこの定点間9番目。先ほどの定点で見た目20分01秒差となり情報が伝わったかもしれません。目標に総合15位とともに、7年ぶりに襷を繋ぎ切ることをあげていました。苦しくなってはいますが、懸命のもがきが続きます。
鶴見中継所23.1㎞-生麦20.2㎞=2.9㎞
84回篠藤(中学)8分25秒(68分01秒)
東海湊谷選手が最後まで1㎞3分前後の安定したペースを刻んで中継所へ到達した。高校時代から有名な選手、鳴り物入りで入ったものの、大学駅伝では悔しい走りも多かった。また、方針転換でのチーム内の摩擦もあったそうです。そんな中、主将としてまとめあげ、両角監督の胴上げの為に力を尽くしました。どうやら有終の美となりそうな気配だ。
2位東洋中村選手は苦しい中、酒井監督から「立て直そう、諦めないのが鉄紺。後ろから青学が来てるぞ」の檄の中、何とか2位キープし中継所へ。タスキを渡したもうその直後に青学吉田選手が来ていた。
吉田選手は3分以上あった差を、僅か8秒差にまで詰めて襷リレー。これが4連覇してきているチームの底力でしょうか。実は残り3㎞は脚の痙攣で思うように走れなかったそうですが、全定点間トップ!この区間圧勝でした。
4位駒大堀合選手は通過。堀合選手は70分半ばでまとめたものの、3位青学とは3分の差になってしまい、目標の3位は厳しくなった。やはり”3強”が強かった。法大大畑選手は、最後は実はやや苦しく21番目。國學長谷選手の追撃は凌いで5位ではリレーをしている。
長谷選手の後ろ7位帝京小森選手が本当に最後まで安定していた。区間3位、タイムも70分切達成と強豪校と申し分ない選手層。まだ前を追えそうだ。そこから2分離れ、8位順大吉岡選手。このあたりずっと単独走だった中、しっかり役割を果たしている選手が多い感じだ。
シード権争いはまだわからない。9位中学釜谷選手が、入りがやや早すぎたこともあり、中盤以降徐々に区間順位を下げてしまい区間15位。その上で10位拓大清水選手と11位明大村上選手が全く同タイムで最後の3㎞は7番目のタイム。
じわりと差が詰り、9位と10位が29秒差、10位と11位が28秒差、9位から11位で見ても57秒差とぐっと接近した。ここはアンカー決戦となる展開だ。それぞれ自信のある選手を置いていますが、果たしてどんな結末を迎えるか??
12番争いは最終的に神大北崎選手が抜け出す格好に。区間4位には大後監督も「120点満点」だったそう。実質12位は早大新迫選手が大学駅伝久々好走、直後に13位中大苗村選手も4年生の意地を見せた。シード権とは1分12秒・15秒差だ。
前半早かった分最後はきつくなった日体林田選手が14位到達。シード権とは1分26秒差、アンカーは前回経験者で、実質ここまでが大逆転あるかどうかというところだ。
そのあとは、連合で大学として初出走となった明治学院鈴木選手がしっかりと自分のペースキープでリレー、直後に何とかまとめた日大阿部選手、更に大東谷川選手がやってきた。谷川選手なんと最後の3㎞は3番目のタイム!3年連続出走の意地を見せた形だ。
直後、12位集団から遅れてからは、非常に苦しい走りとなっていた東国浦馬場選手が見た目18分半ば。1度目の出場は8区戸塚、2度目の出場は9区鶴見で繰り上げ。3度目の出場、初めて繰り上げにかからずアンカーに襷が渡りました。目下要注意馬となっていましたが、チーム力は確実にアップしているようだ。
そのあと4校は残念ながら間に合わず繰り上げ。国士石川選手の粘りは叶わなかった。こちらも前々回、前回と一歩ずつチーム力をあげていたが。前半突っ込んだ山学森山選手もペースは保てず、繰り上げ。山学も苦しい時期が長くなっている。
直後には城西中原選手。ここまで低い総合順位は予想していなかったと思いますが、ここは冷静に区間15位でまとめたと言えそう。大きく遅れて非常に苦しかった上武松下選手も何とか辿り着き、全チームが最終区間へ突入した。
最終区の決着へと続きます。