出雲駅伝・箱根予選・全日本大学駅伝と怒涛の一か月間でした。
箱根駅伝のエントリー日まで、できる限り各チームの振り返りや箱根への展望をしてみたいと思います。
役者が戻ったときのスピードの切れ味!
東 海 大 学
東海大学陸上競技部中長距離競歩ブロック(http://tokai-track-field.shn.u-tokai.ac.jp/)
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【出雲駅伝】
3位東海大学2:13:31
区間(距離)名前学年[区間順位]区間タイム(総合順位)トップとの差
1区(8.0㎞)西川雄一朗③[6]23分35秒(6)20秒差
2区(5.8㎞)館澤亨次③[2]16分29秒(2)23秒差
3区(8.5㎞)中島怜利③[12]26分12秒(4)1分14秒差
4区(6.2㎞)關 颯人③[2]18分06秒(4)1分20秒差
5区(6.4㎞)郡司陽大③[3]18分51秒(3)1分23秒差
6区(10.2㎞)湯澤 舜④[4]30分18秒(3)1分33秒差
【全日本大学駅伝】
2位東海大学5:15:31
1区(9.5㎞)西川雄一朗③4位27分31秒(3)0:03
2区(11.1㎞)關 颯人③4位32分15秒(1)
3区(11.9㎞)館澤亨次③1位34分09秒★(1)
4区(11.8㎞)西田壮志②3位34分38秒(1)
5区(12.4㎞)鬼塚翔太③2位36分25秒(1)
6区(12.8㎞)郡司陽大③2位37分42秒(1)
7区(17.6㎞)湊谷春紀④9位53分45秒(2)1:58
8区(19.7㎞)湯澤 舜④4位59分06秒(2)2:20
連覇がかかった出雲駅伝は、昨年のメンバーが6人全員在学していたのですが、エントリーで3名。出走者はそのうち館澤・關選手の2名、そしてある程度いい状態で臨めたのが館澤選手のみという非常に苦しい状況でした。
その中で今までレギュラーに届きそうで届かなかった選手たちがたくさん出走しましたね。5000mでインカレでも通用するスピードがある西川選手が、出雲全日本両方とも1区大抜擢。出雲は最後で引き離されてしまいましたが、全日本はしっかりと修正。全日本健闘のお膳立てとなりました。
それからインカレ表彰台の湯澤選手が満を持してアンカーで出走。ともに前が大きく離れている展開でしたが、崩れずに走り切っています。全日本は背後からスピードあるエース級ランナーが迫ってきましたが、しっかりと逃げ切っています。長い距離は彼が一番信頼できますかね。
3年郡司選手も1年時からロードで強いところ見せていましたがようやく射止めました。出雲は3位に順位を上げ、全日本はトップを守る走りでした。優勝を目指すチームとしての走りができたと思います。また、初出走ではないですが、箱根山下りの名手の中島選手は出雲駅伝で主要区間の3区に大抜擢。結果は跳ね返されましたが、貴重な経験になったと思います。
それから全日本大学駅伝では、ついに西田選手がデビュー戦となりましたね。箱根駅伝の山登り5区に全てを注いでいる選手ですが、トラック1万mでも28分台を出して出走メンバー入り。トップで襷を受けて少し硬かったですが、やっぱり登りでハマりそうな走法でした(順大・山田選手ちょっと似てるフォーム?)。箱根より先に大学駅伝の雰囲気が体験出来て良かったと思います。
そして全日本では何より、スピード面では、やはり青学大にも脅威になる事が分かりましたね。2区關選手がかなり状態を戻してきて、更に1区が青学大とほぼ同時リレーでした。しっかりと最後まで競り合ってラストスパートで前に出る事が出来ました。
圧巻だったのは3区館澤選手!スピードとアップダウン適性が必要な区間になると、本当に無双状態になるなと。あの青学・鈴木選手を30秒以上突き放せるとはちょっと思わなかったです。本当、すごく強力な武器になっています。
妄想しても仕方ないのですが、これで4区に阪口選手、5区鬼塚選手、6区三上選手、それぞれ好調以上の状態で配置できていれば…。これはかなり面白い展開になったはずです。今回の全日本の区間距離の変更で、1区4区が短くなりました。東海大のスピードランナーの主力には追い風です。ここは来年、絶対優勝したいところです。
夏合宿の最初に、両角監督が「箱根駅伝で優勝を目指す」と話されています。確かにゴールデン世代が3年生になって、いよいよ優勝したいというタイミングでした。ただ、秋口までに故障者が結構の人数で出てしまい、今年は大丈夫なのかなと心配になるくらいでした。
でも、ここに来て役者が揃い始めているのですよね。關・鬼塚選手がだいぶ戻ってきました。過去2度箱根を走っている松尾選手も、全日本でエントリーはされていましたので、これからなのでしょう。昨年箱根2区出走して68分台の成績を残した阪口選手が上尾ハーフで復帰戦となるそうです
スピードランナーが多いので距離が延びると威力が減ってしまうというのは東海大は避けられないと思います。そんな中、準備が進んでいるのは山です。
5区山登りは入学当初から狙っている西田選手が今年になって非常に充実。満を持してエントリーしてくるはずです。6区は2年連続で走り、前回58分台をマークしている中島選手が走力に磨きをかけています。ここは、王者にもある程度対抗できる区間のはずです。
その山までに誰をどう並べるべきなのか。難しさもありますが、ここから上がってくる選手も多いだろうなという楽しみもあるのが今の東海大。ただ、2区だけは悩みどころですかね…。
箱根区間オーダー予想(例)
1区關 颯人③
2区湯澤 舜④
3区鬼塚翔太③
4区阪口竜平③
5区西田壮志②
6区中島怜利③
7区西川雄一朗③
8区館澤亨次③
9区湊谷春紀④
10区松尾淳之介③
昨年2区を務めた阪口選手の復帰次第ではあると思いますが、現時点では一番長距離安定して走れる湯澤選手が一番手候補かなぁと思います。勿論タイプ的には9区なんですが、行ってもらう可能性はあるかと。
そうなると1区できれば区間賞取りたい。そうなると、スピードのキレが戻れば關選手が一番いいのですよね。今回の全日本も青学大の主力選手に競り勝ってトップで襷渡しています。六郷橋から大幅ペースアップできないかな?
その他、鬼塚・阪口・西川・館澤選手は凄く迷ったのですが、鬼塚・館澤選手は昨年同じ3区と8区。阪口選手は起伏が飛んでいる4区、西川選手はスピードランナーが走ることもある西川選手。復路の最初の3区間はこれでかなり強いはず。
あとは9区と10区どうしましょうか。現時点では湊谷・郡司選手あたりだと思いますが、松尾・三上・高田選手あたりの復活次第ではかなり激しいレギュラー争いになるだろうと思います。
とにかく過去2年間に比べると、段違いに区間オーダーに余裕をもって組めるようになってきているのではないでしょうか。東海大は、箱根駅伝は優勝はまだ無いですし、3位以内というのも80回大会と83回大会にまで遡らないとないんですよね。そこは、確実につかみ取れそうになってきています。王者は相当なレベルですが、どこまでチャレンジできるでしょうか。