だいぶ遅くなりましたが、各大学の卒業生特集と、来シーズンの大学駅伝に向けての展望をしていきたいと思います。
まずは4連覇を達成した青山学院大学です。
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※関東ICは4年間2部
田村和希(1万m:28分18秒31、他)、進路:住友電工 | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 4区1位 | 補欠 | ||||
2年 | 4区1位 | 3区2位 | 1万出場 | |||
3年 | 7区11位 | 2区1位 | 2区1位 | 5千4位 | ||
4年 | 3区2位 | 2区1位 | 2区1位 |
大学駅伝で一番の活躍をしたのが田村選手ですね!まず、箱根は4回とも出走して、4回とも箱根優勝メンバー!更に9回の出走で6度が区間賞、8回が区間2位以内になっています!本当に”駅伝男”の名がふさわしい選手です!
3年時の箱根が体調不良明けのため区間11位ですが、あれだけ状態悪そうで大ブレーキにならないのが強さな感じがします。その後故障などもあり、春シーズンは棒を振りますが、駅伝シーズンには合わせるセンスもありました。卒業後は現時点でトラックで世界を目指すことを明言していますね。春から活躍が見れるか!?
下田裕太(1万m:28分33秒77)、進路:GMO | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 補欠 | |||||
2年 | 8区1位 | 5区1位 | 4区6位 | ハーフ4位 | 東京マラソン日本人2位 | |
3年 | 8区1位 | 1区8位 | 3区4位 | 1万8位 | ||
4年 | 8区1位 | 5区4位 | 3区3位 | ハーフ2位 |
下田選手は2年時に一気にブレイクしましたね。1年時の冬のハーフや関東インカレの入賞から満を持して”エース候補”としての大学駅伝登場でした。箱根に関しては3年連続8区と珍しい配置。3年連続区間記録に肉薄する記録で、3年連続区間賞というのが素晴らしいですね。繋ぎ区間にエース級の選手を使うことにより、青学大の総合優勝を揺るがないものにしていました。
また、2年時に東京マラソン2時間11分台をマークして、10代の日本人最高記録保持者となっていることも印象的ですね。その後、マラソンを走るには至っていませんが、実業団で再び挑戦するかなと思います!
中村祐紀④(1万m:28分34秒67、他)、進路:住友電工 | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 補欠 | 補欠 | 補欠 | 1500m5位 | ||
2年 | 9区7位 | 補欠 | 2区4位 | 1万6位 | ||
3年 | 補欠 | 7区5位 | 1万出場 | |||
4年 | 1区11位 | 1500m6位 |
1500mのスピードランナーとして入部しましたが、1年時に記録を伸ばしていて、実は最初にメンバー入りしているのですよね。1年時は出番はありませんでしたが、関東IC1万6位入賞するなど着々と実績を積み重ねていきました。他では3年時に東京マラソンで2時間12分台で走り切る走力も身に着けています。
大学駅伝でのペース配分がちょっと苦手な感じで、意外と起用が少なくなりました。4年時は全日本出走も箱根はエントリーにも入れない苦難を味わうことに…。最近勢いのある住友電工で悔いなく陸上をやりきってもらいたいです!
近藤修一郎④(half:62分59秒、他) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | ||||||
3年 | ||||||
4年 | 9区9位 |
近藤選手は3年時の冬にテレビでクローズアップされていました。神奈川ハーフで62分台を出して注目を集めましたが、中々成績が安定しないこともあり、夏に2軍行き…。それでもあきらめず追い求めて最後の最後に大学駅伝エントリー、そして9区出走へ。今の青学大の選手層での10人入り、誇りになると思います!
貞永隆佑④(1万m:29分02秒52、他) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | ||||||
3年 | 5区8位 | ハーフ出場 | ||||
4年 |
この世代は3年生に上がるときに、”山の神”が卒業しているのですよね。その時に、山登り候補として名前が上がっていたのは貞永選手。当時は実績が少なかったので半信半疑でしたが、3年時の箱根に登場しましたね。序盤は快調なペース、終盤は低体温症になりましたが往路優勝のゴールテープを切りました!4年時も期待されましたが、残念ながら16人には入れませんでした。
吉永竜聖④(1万m:29分10秒65、他) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 1500m8位 | |||||
2年 | 1500m3位 | |||||
3年 | 補欠 | 3区5位 | ||||
4年 | 補欠 | 補欠 | エントリー |
この世代主将を務めたのは吉永選手なんですよね。大学駅伝出走は3年の全日本のみとなってしまいましたが、存在感はありました。最後10区を走れるかも…といったところ、脚を痛めたことを正直に話したのは”あっぱれ”です!なお、1年2年に関東IC1500mで入賞、更に表彰台にも立っていることも忘れてはなりません。
大越 望④(1万m:29分53秒91、他) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | エントリー | 1500m4位 | ||||
2年 | ||||||
3年 | ||||||
4年 |
実はこの世代、1年時に関東インカレ1500mは1年生3人でエントリー。3人とも決勝進出し、4位大越、5位中村、8位吉永選手でした。大越選手が一番成績がよく注目されました。全日本にエントリーしましたが、これが唯一の大学駅伝エントリー、学年が上がってからは青学の激しい競争の中、中々台頭できませんでした。
他、マラソンで頑張っていた小田俊平④、昨年末に意地を見せていた石川優作④選手なども印象的でしたね。
【在学生1万mチームトップ10】
鈴木塁人②28分31秒66≪18:箱1区5位、17:全8区4位、16:出1区5位≫
森田歩希③28分44秒62≪18:箱2区1位、17:全4区3位、箱4区2位、16:全6区1位≫
梶谷瑠哉③28分52秒94≪18:箱4区9位、17:全3区4位、出1区8位、箱1区4位≫
橋詰太慧③28分56秒06≪17:出6区6位≫
林 奎介③29分05秒97≪18:箱7区1位≫
橋間貴弥③29分08秒85≪18:箱10区2位≫
富田浩之③29分11秒75
吉田祐也②29分17秒48
山田滉介③29分21秒74
生方敦也②29分24秒73
在校生上位10人平均:2位29分03秒5
【他、有力ランナー】
吉田圭太①29分25秒80
岩見秀哉①29分27秒78
小野田勇次③5千13分46秒93≪18:箱6区1位、17:全7区3位、出4区2位、箱6区2位、16:全5区1位、箱6区2位≫
竹石尚人②half64分10秒≪18:箱5区5位、17:全6区4位≫
神林勇太①half64分35秒≪17:出5区3位≫
松田岳大③half64分40秒
中根滉稀②half65分46秒
【新入生】
湯原慶吾14分09秒71≪18:全国1区5位、17:IH5千16位、千五9位≫
飯田貴之14分14秒00≪18:全国1区13位≫
髙橋勇輝14分22秒78≪17:IH千五6位≫
早田祥也14分25秒72≪18:全国5区6位、17:高7区11位≫
渡辺大地14分28秒45
新入生上位5人平均:6位14分22秒3
野川寛太14分29秒10
宮内明人14分41秒99≪17:高4区15位≫
など
【今から考える三大駅伝オーダー】
出雲:鈴木-神林-梶谷-小野田-橋詰-森田
全日本:梶谷-小野田-神林-橋詰-湯原-林-森田-鈴木
箱根:梶谷-森田-神林-鈴木-竹石 小野田-橋詰-吉田祐-林-山田
優勝メンバー7人・中核区間残る
2位に約5分、3位に約10分差をつけて4連覇を達成した青学大ですが、優勝メンバーが7人残っており、早くも来シーズンの優勝候補筆頭にあげられていますね。しかも中核となる1区鈴木2区森田のスタート、5区竹石6区小野田の山登り山下り、更に
7区区間記録保持者の林選手がいる。やっぱり強いですよね。彼らは得意分野がありますし、箱根の長い距離に強いという特徴がありますから、やはり強力なメンバーになってくるのではないでしょうか。
更に、日本学生ハーフ優勝など絶好調の梶谷選手、長い距離に強い橋間選手や山田選手や吉田祐選手、安定感はまだですが長い距離に結果を出した現1年の吉田・岩見選手も面白そう。最近試合に出ていませんが橋詰・神林選手も戻ってくれば非常に強力でしょう。新入生は平均はここ数年に比べれば落ちますが、湯原・飯田選手は実績を見ているとすぐに頭角を現してもおかしくはない感じがします。目標は再び”3冠”を目標にするだけありますよね。
自分たちで流れを作れるか
そんな中、課題となるところもあります。いかに流れを引き寄せる走りができるか、です。強力な4年生がいると毎回テーマになってくることだと思います。人数こそ少なかったものの、青学大は出雲と全日本は田村選手が、箱根に関しては下田選手が優勝やそれに準ずる成績となるのに大きな役割を果たし続けていました。次に、エースの4年生が走るから踏ん張りが効いた、面はあったと思います。今季課題となった1区からしっかりと流れを作れるか。
勿論、東洋大や東海大が非常に強力なライバルとなってくると思いますが、その中で自分の走りをして、自分の力を出し切る。基礎ですが、やると非常に難しいことを、如何にしてやっていくか。5連覇という途方もない記録を手繰り寄せるキーとなると思います。