箱根駅伝2024(第100回)【明治大&東海大】戦力分析&区間オーダー予想も!

箱根駅伝2024(第100回)の16人エントリーが発表されました。

詳細まとめはこちら

https://hakonankit-fd.com/article/post-22340.html

以降、

12月29日(金)に区間エントリー発表

1月2日(月)往路・3日(火)復路朝7時に、当日交代を含めて最終オーダー
1日最大4名、2日間で最大6名の変更が可能となっています。

このサイトでは、29日(金)までに、各大学の戦力分析と区間オーダーの予想を行っています。

続いて、
長い距離でパワフルな走りをする選手が増えてきた!
明治大学

エース頼みからの脱却の準備はできた!
東海大学

です。

本サイトで戦力分析に、独自のランキングを使用しています。

7点:エース区間、山で貯金が望める選手

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手

5点:エース区間で区間中位以上いける選手

4点:主要区間で区間上位でいける選手

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数

はっきりとした分け方はなく、
・過去の駅伝実績
・1万mなどの持ちタイム
・ここ数か月の大会の成績
などから、主が総合的に独断で判断しています。

ご了承ください。

ページコンテンツ

箱根駅伝2024【明治大学】戦力分析&区間オーダー予想も!

 96回大会を最後に箱根駅伝でシード権を取れていない明治大。今年の箱根予選は、2年連続となる2位通過。トップを獲れなかったものの、今年は前半戦で故障者が続出し、全日本予選落ちなど苦い結果があった中、上昇気配があると言えます。

 今年の8月から就任した山本豪監督が、”ジョギングの時間を10分増やそう”との呼びかけが功を奏したか、非常に安定し戦いぶりでいた。

 このところの箱根駅伝は、序盤から流れに乗り遅れて、後手後手の展開になる。もしくはエースが爆発的な走りをするものの続かないといったことが続いていました。今年は、そこから脱却していく雰囲気が漂っています。

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11月以降の記録まとめ

11/12 世田谷246ハーフ
尾崎健斗③64分02秒
溝上稜斗③64分19秒
城戸洸輝④64分43秒
橋本基紀④65分02秒
井坂佳亮②66分02秒
窪田悠人②67分00秒
室田安寿②67分17秒
馬場勇一郎④67分20秒

11/19 上尾ハーフ
10位吉川 響②62分26秒
16位児玉真輝④62分35秒
20位大湊柊翔①62分48秒
23位森下翔太②62分55秒
山本 樹②63分30秒
杉彩文海④63分32秒
古井康介②63分59秒
斎藤拓海④64分43秒
甲斐涼介③65分49秒

11/22 MARCH対抗戦
1組
馬場勇一郎④29分53秒31★
3組
堀 颯介②28分48秒86
橋本基紀④29分21秒20★
4組
尾崎健斗③28分50秒89
綾 一輝①28分56秒53★
溝上稜斗③29分24秒34

 注目は、上尾ハーフに主力を含めた箱根予選組が多く出場してきたこと。予選で下位だった選手がもう一度ということはありますが、多くの選手が出場。とはいえ全員が62分台~63分少しで安定していたのは良かったかな?

 あとは世田谷ハーフやMARCH対抗戦に、尾崎選手ら故障明けメンバーも出場しています。まずまず結果が出ましたかね。

戦力分析

7点:エース区間、山で貯金が望める選手

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手

5点:エース区間で区間中位以上いける選手
森下翔太②28分24秒84/63分00秒
≪23全2区17位、予106位、全予4組14位、関東IC5千11位、箱3区4位、22全1区8位、予330位≫
 明大の時期エースの2年生の選手。前回の箱根は3区区間4位の好走で順位を上げて、明大を一時上位の流れに乗せた。今年の秋口に体調を崩し、箱根予選と選抜で出場全日本は精彩を欠いたが、上尾ハーフで62分55秒と復調傾向。箱根2区を希望している。

4点:主要区間で区間上位でいける選手
児玉真輝④28分22秒27/62分30秒≪23予25位、全予1組3位、22全2区4位、関東IC1万m4位、箱3区14位、21全2区2位、予17位、箱1区16位≫
 明治大の4年生エース。1年時から駅伝で前半区間を任され続けている要の選手。特に全日本2区での好走が光る。前回の箱根直前でアキレス腱を痛めて、しばらく試合に出れず。6月全日予選に間に合わせると、箱根予選は全体25位のチームトップで走り復活。上尾ハーフも62分35秒で上々の結果。箱根は、地元の2区に強い希望を持ち続けている。

杉彩文海④28分28秒94/63分10秒
≪23予52位、関東IChalf4位、箱7区1位、22予174位、21予75位≫
 4年生の主力の一人。前回初出場だった箱根で、7区区間賞の走りをして、一気にチームをシード権内まで押し上げた選手。その後も関東ICハーフ4位に入るなど、力があることを示している。秋は、箱根予選63分13秒・上尾ハーフ63分32秒と堅調にきている印象。

綾 一輝①28分56秒53/62分46秒
≪23予35位、全予4組23位、関東IC5千15位、22高校1区3位、国体6位、IH5千m7位≫
 明大期待のスーパールーキー。インターハイでも高校駅伝1区でも上位で走り切り、非凡な才能を発揮している。大学入学後も早速関東ICや全日予選最終組を担当して他校の選手と揉まれている。箱根予選もチーム3番手の35位62分46秒で走り切ると、MARCH対抗戦で初28分台を記録。箱根は4区を希望している。

吉川 響②29分01秒27/62分31秒
≪23予34位、全予3組7位、関東IC1万、箱5区15位、22全6区7位≫
 今年の成長株の2年生の選手。ほとんどの主要大会は安定した走りを見せていて、全日予選は3組7位、箱根予選もチーム2番手の62分41秒と好走、上尾ハーフで62分26秒とさらにベスト更新と絶好調。箱根は、唯一外した5区山登りでのリベンジを狙っている。

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手
堀 颯介②28分40秒90/63分54秒
≪23予101位、全予2組35位、箱6区8位≫
 明大屈指のスピードランナー。今年の箱根では6区山下りを担当し区間8位と非凡なところを見せた。今季、故障明けだった全日予選は2組で苦汁を舐めたが、箱根予選は101位ながら63分54秒と63分台。MARCH対抗戦で28分48秒と調子を上げてきた。

尾崎健斗③28分50秒89/64分02秒
≪23全予2組17位、関東IC1万、箱4区11位、22全8区15位、21全5区10位、予114位≫
 明大有数のロードとスタミナに自信がある選手。今年の箱根は往路4区を走り区間11位と他校主力と戦って見せている。練習量豊富な中で故障も多く、箱根予選は欠場。その後、世田谷ハーフで64分02秒で走ると、MARCH対抗戦で28分50秒で走り切り、調子を上げてきた。

大湊柊翔①29分33秒52/62分54秒
≪23予60位、22高校1区19位、国体9位、IH5千m15位≫
 こちらも楽しみなルーキー。高校時代から、上位との戦いを経験している。箱根予選では、チーム5番手の63分29秒の60位と好走すると、上尾ハーフでは62分48秒とさらに短縮。一気に主力の一角の存在になってきた。

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手
鈴木祐太③29分23秒46/63分41秒
≪23予75位、22予154位≫
 2年連続箱根予選に出場。昨年は154位となったが、今年はチーム6番手の75位63分41秒と、一段と力をつけてきたことを印象付けた。

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手
溝上稜斗③29分15秒05/64分19秒
≪23全予3組32位、関東IC1万≫
 じわじわ力を伸ばしている選手。1万m29分15秒のベストは、関東IC1万本番で出し、一躍主力候補に挙がった。そこから足踏みが続いていたが、MARCH対抗戦で29分24秒を出して再び調子を上げてきた。

山本 樹②29分29秒96/63分30秒≪23予140位≫
 今年の箱根予選に出走し、チーム10番手の140位64分14秒でゴールした。続けた上尾ハーフで63分30秒と記録を縮めてきて、箱根メンバーの出走候補に挙がって言える。

古井康介②/63分59秒≪23予138位≫
 長い距離を中心に、今年の夏合宿で上がってきた選手。箱根予選も走っていて、64分12秒のチーム9番手でゴール。連戦となる上尾ハーフで63分59秒でタイムを伸ばしてゴールした。

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数
甲斐涼介③29分20秒33/64分35秒
≪23予182位、全予1組16位、関東IC5千≫
 少しずつ台頭してきている。今年の関東IC5千m出走後、全日予選1万mに出場し組16位と手堅くまとめた。箱根予選は64分後半のチーム11番手、上尾ハーフは65分台となったが、エントリーにこぎつけた。

橋本基紀④29分21秒20/64分48秒
≪23関東IChalf、22:関東IChalf16位≫
 3年時の関東ICハーフで16位に入るなど、長い距離で一定の成果を出している。世田谷246ハーフは65分02秒となったが、MARCH対抗戦で29分21秒の自己ベスト。箱根エントリーに入ってきた。

斎藤拓海④29分43秒13/63分12秒≪23予421位≫
 昨年の上尾ハーフで63分12秒の結果を残して、箱根のメンバーに入ってきた選手。今年は、箱根予選にも出走。この時は精彩を欠いて67分台となるが、上尾ハーフで64分43秒で復調傾向に。

馬場勇一郎④29分53秒31/67分20秒
≪23関東IC1500m11位、22関東IC1500m7位≫
 4年生の7月まで中距離を行っていた選手。インカレでも1500mで決勝常連だった。夏から本格的長距離を行い、ハーフこそ世田谷での67分台に留まったが、MARC対抗戦で1万m29分台をマーク。箱根6区候補の一人として、メンバーに入ってきた。

上位10名合計:33点
(参考:30点前後シード権争い、40点以上優勝争い)

【過去3年間成績】
99回予選2位、本戦12位
98回本戦2位、本戦14位
97回本戦11位

 ここにきて故障者が少なくなり、順調にきている主力選手が増えてきていますね。やっぱり4年生の主力がまずは往路と復路で核になりそうですかね。

 前回の箱根前から怪我に苦しんでいた児玉選手が完全復活。箱根予選・上尾ハーフともに62分台でまとめて、スピードだけでなく、長い距離で堅実に走れるように。2年時からずっと願っている地元箱根2区出走可能かどうか。

 前回箱根7区区間賞で駅伝ファンの度肝を抜いた杉選手も、長い距離を中心に健在。箱根予選・上尾ハーフとも、こちらは63分台でまとめています。往路は活きのいい若手がどんどん出てきているので、単独走の強みが出る復路の要になるのではないでしょうか。

 活きのいい若手というのが、まずは昨年も箱根駅伝を走っている2年生。前回箱根3区で大きく順位を上げた森下選手が、また調子を上げてきましたね。秋口の不調は、上尾ハーフ63分切で吹っ切れたか箱根2区狙いと強気の発言ですね。潜在能力はまだまだある選手なので、上がってきたら爆発力のある走りをするはずだ。

 また、前回山を走った吉川・堀選手の調子も上々。特に吉川選手が非常に調子よく、箱根予選・上尾ハーフともに62分台。特に上尾ハーフはチームトップの成績で、箱根2区あるのではないかという程。本人は5区山登りリベンジの希望だ。堀選手もMARCH対抗戦で28分台と上々。そのスピード、6区山下りで再び見れるか。

 それからルーキー選手も上がってきているのですよね。入学直後から活躍している綾選手は非常に堅実な走り。全日予選最終組で他校のエースと揉まれたりしながら、箱根予選・MARCH対抗戦とまとめてきています。さらに夏合宿を経て湊谷選手も急成長、箱根予選好走すると上尾ハーフで62分台。往路か、それか他校が手薄になる区間で攻めにするか色々起用場所がありそうだ。

 そして、前回躓いた長丁場の区間にも候補が出てきています。まずは前回往路4区の尾崎選手。スタミナという面はチームでもトップクラス。練習ができる反面故障してしまうところがあるそうですが、MARCH対抗戦で28分台と上り調子。復路でもいいし、もう一度4区でも良さそうだ。

 また、3年で2年連続箱根予選出場している鈴木選手が今回は75位好走で長距離に目処、伸び盛りの2年生から山本選手と古井選手が箱根予選出走し通過に貢献。さらに、上尾ハーフでともに63分台、長い距離安定感があり、誰でも起用できそうだ。

 他、関東IC本番で1万m29分15秒ベストの溝上選手や、最初で最後に賭ける4年生もエントリー。齋藤・橋本選手は一度は長い距離で好走経験がありますが、最後に仕上げられるか。驚きは7月まで中距離専門だった馬場選手。29分台は出したものの、6区候補としてエントリーへ。いけるなら堀選手を平地に回せるので面白くなりますが、どうでしょう。オーダーを考えます。

区間オーダー予想

 希望区間や往路で流れに乗りつつ、前回最後にシード権遠のいた9区10区にも気を配る配置になりますね。

1区(21.3km)森下翔太②28分24秒84
2区(23.1km)児玉真輝④28分22秒27
3区(21.4km)綾 一輝①28分56秒53
4区(20.9km)尾崎健斗③28分50秒89
5区(20.8km)吉川 響②29分01秒27

6区(20.8km)堀 颯介②28分40秒90
7区(21.3km)大湊柊翔①29分33秒52
8区(21.4km)山本 樹②29分29秒96
9区(23.1km)杉彩文海④28分28秒94
10区(23.0km)鈴木祐太③29分23秒46

1区森下選手…昨年のように先手必勝といきたいところ、各校のエースが1区に集まる可能性がありますね。そうなったら、こちらも上り調子の爆発力のある選手を置くのもいいと思います。2年森下選手なら、序盤からハイペースになった時に優位にレースを進めていけるかもしれません。2年生注目選手多いですが、森下選手もいます。

2区児玉選手…秋になってハーフマラソンを2本好タイムでまとめてきた4年児玉選手、満を持してエース区間2区での出走なるのではないでしょうか。全日本2区などで競り合いのレースは多く経験しています。権太坂以降のアップダウンも粘って、上位の流れの中でタスキを繋げたい。

3区綾選手…迷ったのですが、安定感の高いルーキー綾選手を4区前倒しで3区にします。MARCH対抗戦で28分台を出すなど、力はついてきています。まだまだ混戦と思われる往路3区で、他校主力に食いついて、4区以降に向けて流れを作る力があると思います。

4区尾崎選手…復路も考えましたが、前回も区間11位と走っている尾崎選手をもう一度起用してくるのではと思います。故障さえなければ、長距離ロードは非常に得意な選手です。スピードもついてきていますので、調整が合えば昨年以上に走ってくると思います。山に向けて追い上げていきたい。

5区吉川選手…ここのところハーフマラソンで一番高い成績を残している2年吉川選手。もう2区でもいいんじゃないかなという気もしますが、本人は昨年調整に失敗した5区山登りリベンジにやる気満々ですね。平地仕様にしてしまったそうなので、修正はしやすいのかな?どこまでジャンプアップできるか楽しみです。

6区堀選手…馬場選手の山下りも気になりますが…順当に2年連続で堀選手を予想します。故障も少なくなって、再び1万m28分台を出せる走力に戻ってきたところ、復路のスターターとして、59分台以内で走ってくれると思います。ここは動かさなくていいのかなと感じます。

7区大湊選手…夏合宿を経て、一気に主力に追いついてきたルーキー大湊選手を7区に予想。箱根予選だけでなく、上尾ハーフでもほぼ主力に近い成績を上げてきました。自信を持って復路の2区を走れるのではないでしょうか。このあたりまでに、しっかりシード圏内に入っておきたいですね。

8区山本選手…長い距離手堅く行けそうな選手でまとめていきたいですね。どんどん上がってきている2年生世代からもう一人、山本選手を起用すると思います。箱根予選でもまずまずでしたが、上尾ハーフで63分30秒好走が決め手。堅実にまとめていきたいところ。

9区杉選手…監督は往路起用も示唆していますが…自分は最終的に復路エース区間9区になると予想。今年はとにかく長い距離で安定しています。関東ICハーフ入賞・箱根予選・上尾ハーフともに63分台。駅伝で単独で追っていけるのもポイントです。長丁場の復路9区でまた爆走を期待したいです。

10区鈴木選手…年々着々と長い距離で成果を出している3年鈴木選手をアンカーへ。箱根予選でぐっと順位を短縮してきたのはグッド。前回は、故障者の影響で山下り予定の選手が急遽走りましたが、今年は予選で二けた順位の選手を置く余裕はあるはずです。


 杉選手を往路にするなら3区になるのかな?こうなると綾選手を希望通り4区にして、尾崎選手を9区に残せます。なお、もし6区馬場選手くるなら、堀選手3区かなと思っています。

まとめ

・安定の4年生児玉杉選手に、1年生綾選手らも伸びてきた
・2年森下選手上がってきたか!?吉川&堀選手の成長は
・10区間そつなく繋ぐ選手は揃ってきたか

 前半戦は故障者なども多くどうなるかなと思いましたが、秋になってぐっと上昇気流に乗ってきていますよね。4年生児玉・杉選手が長い距離で安定して成績を残して、満を持して主要長距離区間を任せられそうです。箱根2区でどこまで走るか。

 森下世代になる2年生も上々。森下選手は秋口の不調からは脱してきています。好調な時の爆発力は誰もが知っていますので、往路序盤でまた予想以上の走りをするかもしれません。前回山の吉川&堀選手も好調。吉川選手はハーフチームトップレベルまできています。5区での調整が順調なら、かなり前年からプラスになるはずです。

 また、ルーキーが順調に来ていて綾選手と湊谷選手が、ハーフ62分台をマークしています。ここにきて安定感も増してきていますし、箱根駅伝も他校と戦えるのではないでしょうか。他、ロードに強い尾崎選手も復活してきています。前回のようなちぐはぐな様子とは大きく異なってくるのではないでしょうか。明大の復活シード権に期待です。

箱根駅伝2024【東海大学】戦力分析&区間オーダー予想も!

 ここのところ箱根駅伝の総合順位がどんどん下がってしまった東海大。95回大会で初の総合優勝を成し遂げたのですが、本当に大学駅伝の流れの激しさを感じます。総合15位に終わった前回大会の後、部内に緩い雰囲気があると改革を断行。一部の主力選手の退部もありながら、新年度を迎えました。

 春のトラックシーズンは好調、エース選手が概ね順調に走れて関東ICなどでは入賞。新戦力候補も多く出てきていました。全日本予選では、3組までに通過をほぼ確実にして、連戦が続いていた主力を最終組無理させない余裕もありました。この勢いなら、個々のところ苦手の駅伝でも…と思いました。

 でしたが、エース石原選手が故障すると、2番手エース花岡選手まで9月下旬に体調不良に。箱根予選会は確実に通過するために、ほとんど選手が集団走。15㎞を過ぎてからようやく通過圏内に入り10位での通過でした。そこから、エースの復調がまだだった中、全日本駅伝は9位。一定の力はあることを示しました。戦えるはず、もう一度戦力をまとめ直します。

11月以降の記録まとめ

11/19 上尾ハーフ
ロホマン シュマン②62分40秒
梶谷優斗③63分18秒
喜早駿介④63分54秒
木原大地④64分08秒
松尾昴来④64分46秒

11/26 日体大記録会
10000m
8組
永本 修①29分29秒35
10組
兵藤ジュダ②28分14秒75★
野島健太③28分27秒63★

12/3 甲佐10マイル
鈴木天智②47分41秒
丸山真孝④48分05秒

 上尾ハーフでは、秋口は不調だった選手が出場。ロホマン選手の62分台など、それぞれの中で収穫がありましたかね。11月末は、新戦力の兵頭・野島選手が大幅ベスト!このあたりから、駅伝ファンも士気が上がってきたのではないでしょうか。

戦力分析

7点:エース区間、山で貯金が望める選手

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手

5点:エース区間で区間中位以上いける選手
花岡寿哉②28分15秒65/63分23秒
≪23全7区7位、予58位、全予4組9位、関東IC1万2位、箱3区6位、22全1区7位≫
 前半戦石原選手と2枚看板と言われた選手。今年の箱根3区で区間6位の好走をすると、関東IC1万mでは、山学大の留学生に食らいついて全体2位。28分15秒の大幅ベストをマークして、一気にエース選手となった。秋のレースは、9月下旬に体調を崩して本来のパフォーマンスはできていない。

4点:主要区間で区間上位でいける選手
石原翔太郎④28分05秒91/63分48秒
≪23ユニバ5千4位、全予4組7位、関東IC5千2位、箱2区4位、22全3区1位、予47位、21:箱3区1位、20:全4区1位≫
 東海大のみならず、学生長距離界を代表する選手。2年時に長期離脱がありましたが、3年生の秋に復活。箱根駅伝2区区間4位の気迫で、前を猛追する走りを見せました。今季前半も概ね好調で、関東IC5千m2位など走りでチームを引っ張っていました。

 でしたが、夏合宿終盤に故障、10月に練習を開始するも、下旬に再発。11月もあまり走り込めず。12月のエントリー段階で3割程度の状況、現在は7区など復路のどこかで登場できるよう調整中。なお、本人は下りが好きなので6区希望。

兵藤ジュダ②28分14秒75/63分33秒
≪23全2区9位、予62位、関東IC1500m≫
 今年の秋になって爆発的になって伸びてきた新戦力。夏前まで中距離ブロックに所属していたが、それは東海大入学直前の故障の影響のため。故障が癒えてからは、もっていた長距離の潜在能力が開花。箱根予選も無難に走ると、全日本2区は後方追い上げで区間9位、11月末に1万m28分14秒と一気にエースの風格となった。

野島健太③28分27秒63/64分18秒≪23全3区11位≫
 3年目になって一気に伸びてきた選手。7月の記録会で28分50秒の自己ベストを出して新戦力候補として台頭。秋は、コンディション不良で箱根予選は出走せずも、全日本駅伝でスピードエース区間3区登場、難しい展開の中区間11位の結果でした。その後、1万m28分27秒を出して、一気に主力選手となってきた。

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手
越 陽汰③28分48秒72/63分38秒
≪23関東IChalf12位、箱4区9位、22全予2組20位、箱7区3位≫
 3年生ながら主将を務めている選手。メニエール病など体調不良などがあり、中々年間通して主要大会に出られないが、箱根駅伝には毎回きっちり合わせてきていて、1年時は7区3位、2年時は4区9位と好結果を残している。今年も秋口は不調も、10月下旬からは万全の練習ができているそう。

鈴木天智②28分56秒95/62分58秒
≪23予37位、全予3組14位、22予58位、関東IC5千m≫
 東海大のエース候補。2年連続箱根予選で好走していて、チームを通過に導いている。今年はチームの状態が悪い中、唯一フリー走を任され37位と結果を出していた。ただ、2年連続予選後に捻挫してここまで駅伝出走は無し。今年は、甲佐10マイルで復帰して、起用の目途が立ちつつある。

南坂柚汰①29分08秒31/63分15秒
≪23全4区9位、予55位、全予2組6位、関東IC1万15位、全国5区4位、22高校1区5位、国体8位、IH5千m8位≫
 高校時代からインターハイや高校駅伝1区5位と結果を残していましたが、入学直前のハーフ63分15秒の高校記録で一気に話題に。大学入学後は全日本予選2組6位・箱根予選55位など堅実に推移。ルーキーらしからぬ主要大会の安定感を発揮している。

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手
梶谷優斗③28分27秒77/63分18秒
≪23予231位、全予3組21位、関東IC1万7位、箱1区19位、22全2区18位、全予4組7位≫
 昨年の全日本予選4組や、今年の関東IC1万mのように、トラックを中心に何度か他校エースに勝る走りをしている選手。競り合いになると+αが出てくる選手で、今年の箱根も本調子でない中で1区起用となった。今年秋は箱根予選は65分かかりチーム12番手になるも、上尾ハーフで63分18秒。調子を上げてきた。

竹割 真②28分50秒39/63分34秒
≪23全8区13位、予90位、関東IChalf、箱7区18位、22予146位、21:高1区10位≫
 前回の箱根で当時1年ながら7区出走。区間18位だったが、シード権に向けて攻めた結果だった。その後メキメキ成長し、春先に1万m28分50秒を記録。その後故障したが、秋に復帰し箱根予選で90位、連戦の全日本駅伝も8区を務めた。長い距離を中心に鍛えている。

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手
松尾昴来④28分21秒80/64分46秒≪22関東IC1万m≫
 2年時に1万m28分21秒を記録して、箱根駅伝2区候補にも挙がった選手。その後故障が多く、中々出走もできない状態が続いていた。今年の秋口から少しずつレースに出始めて、上尾ハーフで64分46秒の成績。16人のメンバーにようやく選ばれた。

喜早駿介④28分52秒13/63分54秒
≪23全予1組6位、22全予2組16位、関東IC1万m19位、21:全1区16位≫
 佐久長聖高校時代に結果を残していたが、大学に入ってからは2年時の全日本1区のみに駅伝出走がとどまっていた。上級生になって全日予選など少しずつ結果が出ている。秋口に調子を落としていたが、上尾ハーフで63分54秒。最後の箱根出走が見えてきた。

ロホマン シュモン②29分07秒48/62分40秒
 秋の成長株の一人。夏合宿に肉離れを起こしてしまったが、その後の経過が順調。10月に1万m29分07秒ベストを出すと、上尾ハーフは62分40秒の好走。16人エントリーのみならず、10人出走のメンバーに入れる成績を出した。

永本 修①29分22秒16/64分10秒
≪23予131位、全予1組9位、全国5区11位≫
 入学時から高い安定感を誇っているもう一人のルーキー。春先に1万m29分台を出すと、全日予選にも選ばれ1組9位の好走で流れを作った。秋口に1万m29分22秒更新、11月も29分29秒で走っている。

折口雄紀④29分26秒38/63分38秒≪全6区9位、予144位≫
 4年間かけて、長い距離を中心にじわじわ伸びてきた選手。前回の箱根駅伝も16人のメンバー入りを果たしている。今年は春先に貧血になったものの、経過は順調。箱根予選チーム9番手で通過に貢献すると、全日本6区で区間一桁好走。ロードで手堅く走れる。

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数
佐伯陽生④29分02秒23/64分01秒
≪23全1区16位、予111位、21出3区14位、箱4区19位、20全1区7位≫
 1年時に全日本1区・箱根4区を任され、主力候補となっていた選手。その後、故障などもあり、中々芽が出なかった。最上級生になってようやく上がってきて、9月に1万m29分02秒自己ベスト、箱根予選ではチーム6番手の64分01秒で走り切った。全日本1区を任されたが、区間16位とやや引き離されてしまった。

湯野川創②29分21秒40/64分24秒
≪23全5区11位、予152位、22予236位≫
 夏前に5千m13分43秒の好記録を出してトラックで台頭してきた選手。箱根予選も2年連続出場し、全日本駅伝も5区に抜擢された。少しずつロードの力もつけつつある。

上位10名合計:31点
(参考:30点前後シード権争い、40点以上優勝争い)

【過去3年間成績】
99回予選9位、本戦15位
98回本戦11位
97回本戦5位

 まずは4年生石原選手の近況についてだ。箱根予選欠場するも、10月ポイント練習に復帰したという報が入り、胸をなでおろしていた。でしたが、実はその後も怪我をしてしまったそう。12月に入ってからようやく練習を再開できたという状況。両角監督は、復路7区か10区の予定とのこと。少なくとも、昨年のように「2区」と強硬していたのとはわけが違うよう。4月から実業団に入りますので、ギリギリまで判断するとのことです。

 こうなると、石原選手抜きで往路を戦うことになるわけですが、ただエース選手は出てきているのですよね。まずは春に話題になった2年花岡選手。関東ICで留学生に食らいついた走りは印象に残っています。秋口に体調不良に陥り、箱根予選・全日本は本調子ではなかったですが、間2か月で万全に戻っていれば、彼が2区になるか。

 さらに11月末では、2年兵頭選手が28分14秒、3年野島健選手が28分27秒の大幅ベスト!全日本でも2区3区でまとめていましたが、やはり力は本物。兵頭選手は怪我中に中距離をしていたのが、ここで活きているかもしれません。往路で戦うスピードランナーは揃っていますね。

 そして、駅伝で手堅い走りをしそうな選手もいます。3年生ながら主将を務めている越選手も上り調子。度々体調不良に見舞われるも、箱根は過去2年バッチリ合わせてます。10月下旬から走り込みを開始し、色々と準備させているそうで、どこで登場するか楽しみな選手です。

 話題のルーキーも概ね順調。ハーフ高校記録で話題になった南坂選手は、各主要大会で手堅くまとめる走りを披露。チームが万全なら、中盤以降の区間でジワリ順位を上げる役割となるか。一緒に全日予選・箱根予選を走っている永井選手も出走候補ですね。

 2年生が全体的に上がってきていて、復路に入りそうなのが2年竹割選手。箱根予選90位手堅くまとめると、全日本アンカーを担当しています。2年連続箱根予選好走している鈴木選手も復路か。足を捻挫していましたが、何とか目処が立ってきました。走れるなら本当に心強い選手。

 これに上尾ハーフで62分40秒の好タイムをマークしたロホマン選手も、上り調子にの選手ですし、7月に5千m13分43秒マークして、箱根予選や全日本も出走している湯野川選手も出走候補。この世代は上がっていますね。

 また、どこかの区間で起用したいのが3年梶谷選手や4年喜早選手。梶谷選手は調子が上がれば競り合って+αが出て他校のエースとも戦える選手。喜早選手は、高校時代からスピード抜群の選手、大学に入って鳴かず飛ばずだったが、ここにきて少しずつ試合の結果が上向いてきています。このあたりも気になりますかね。

 4年生は他にもいますね。2年時に1万m28分21秒を出してエース候補となった松尾選手が、幾たびの怪我を乗り越えてエントリー入り。1年時に箱根4区出走の佐伯選手も今年は箱根予選を走るなど復活、さらにロードである程度信頼を得ている様子の折口選手もいますね。

 山の経験者がいないので、オーダーは読みにくいところはありますが、平地に関しては、いい意味で迷うくらいの選手層になってきていると思います。

区間オーダー予想

  平地区間で穴がないようにしつつ、山の候補を見極め、そして石原選手をどうするか…。結構悩みました。

1区(21.3km)兵藤ジュダ②28分14秒75
2区(23.1km)花岡寿哉②28分15秒65
3区(21.4km)野島健太③28分27秒63
4区(20.9km)越 陽汰③28分48秒72
5区(20.8km)南坂柚汰①29分08秒31

6区(20.8km)永本 修①29分22秒16
7区(21.3km)鈴木天智②28分56秒95
8区(21.4km)折口雄紀④29分26秒38
9区(23.1km)竹割 真②28分50秒39
10区(23.0km)石原翔太郎④28分05秒91

1区兵頭選手…先陣を切るのは、急成長2年兵頭選手だと思います。最初から長距離の予定も怪我で2年夏前まで中距離ブロックに所属。怪我が癒えてから一気に急成長!1万m28分14秒はびっくりしました。もともと高い素質を持っていたので、ここにきて急激に成長していますね。ハイペースとなっても、1区で対応できるのではないかと思います。

2区花岡選手…時期エースと思っていましたが、チーム事情で一年前倒しで箱根2区を走ることになるのではないでしょうか。絶好調だった春には、他校エースたちとまったく対等に渡り合っていました。その前は箱根3区でもスピード面が通用していました。全日本からの2か月で調子が上がっていれば、華の2区でも戦えるでしょう。

3区野島選手…本当に思わぬ選手が急成長してきましたね。ロードで少しずつ台頭し来ていましたが、秋になって大きく羽ばたきました。全日本3区で初の駅伝舞台を踏んでから勢いが加速。1万m28分27秒まで走力アップなら、往路でも通用すると思います。スピードランナーとの対決は全日本でもしていますので、まとめてくれるでしょう。

4区越選手…絶好調なら5区山登りもあるかもしれない3年越選手を、2年連続4区で予想します。昨年より走り込みはできているということなので、前年の62分31秒区間9位よりはずっと上回ることができると思います。ここで区間上位を獲得して、山に向けて順位を押し上げていく走りとなればと思います。

5区南坂選手…何度も越選手と南坂選手を4区と5区入れ替えて悩んだのですが…ルーキー南坂選手を山登り予想にします。トラックでもロードでも主要大会はある程度のレベルでずっとまとめ続けています。山登りは急遽になるかもしれませんが、スタミナは十分持っている選手です。経験者不在の穴を埋めてくれると思います。

6区永本選手…6区山下りは分からないのですよね…。東海大はスピードランナーが多いので、誰でも候補になってしまうという…。その中で、1年生ながら安定して走っている永本選手の予想に。11月末の日体大1万mに出場したのは、スピードに刺激を入れるため…というのは深読みかな?いずれにせよ、何とか60分以内ではまとめられるように準備を進めたい区間だ。

7区鈴木選手…箱根予選で2年連続好走、特に今年はフリー走をこなすなど順調そのものだった2年鈴木選手。本来なら往路候補ですが、足首の捻挫からの復帰もあり、7区に。山の成績が読めないこともあるので、流れを作り直したい区間。一人でもどんどんいける選手ですので、調子が戻っていれば好走が期待できます。

8区折口選手…アンカー区間と迷いましたが、4年折口選手を8区に予想。トラック1万mは29分台ですが、ロードでは毎回手堅くまとめてきています。全日本6区では気温が高い中区間9位でまとめて駅伝で結果を残しています。復路終盤の区間は、本当に適任者だと思います。ここで有終の美を飾れれば。

9区竹割選手…復路のエース区間9区は、おそらく2年竹割選手が目指していると思います。チーム内でも練習量は豊富で、竹割選手自身もチーム内で持ち味はスタミナということ。全日本8区は、気温が高い中突っ込み過ぎたとのこと。今度は23km以上となりますが、うまく攻めて走って行くと思います。

10区石原選手…迷ったのですが、起用するならこの区間ではないでしょうか。23kmと長いのですが、故障の治療をギリギリまで行えること。気温が一番上がる区間なので、痛みが少しでも緩和される区間です。過去も両角監督は故障明けのエースを起用したことがあるので、ここかなと思います。もし難しければ、こちらの有終の美を飾りたい喜早選手かなぁ…。


 難しいね。チームの総合順位を決する10区がリスキーというのもありますからね。7区石原選手にして、8区鈴木選手・10区折口選手というのも面白いかもしれません。もし石原選手厳しければ、ロホマン選手あたりを入れるのも手かもしれません。選手層は豊富ですね。

まとめ

・4年生エース石原選手は走れても復路
・2年花岡&兵頭選手、3年野島健選手ら1万m28分前半は揃った
・2年竹割1年南坂選手ら手堅い選手も!山凌げば勝機あり

 石原選手を初め、けが人なども多くて心配だった東海大。とにかく情報がまとまってきましたね。石原選手は、夏合宿から複数回怪我をしていて、走り始めたのが12月から。走れても7区か10区とのこと。往路はもう石原選手無しでシード権ラインに食い下がる必要が出てきています。

 とはいえ、スピードランナーは多い東海大。1万m28分前半の選手はここにきて増えてきています。そのうえで、駅伝でしっかり走れた経験のある2年花岡&兵頭、3年野島選手が往路序盤で控えている形です。特に勢いある兵頭選手で先陣を切っていく形になりそうでしょうか。

 他にも、期待のルーキー南坂選手は堅実に走っていますし、2年竹割選手もスタミナ面が充実、駅伝主将の3年越選手も出走さえできれば高いパフォーマンスを発揮してきます。他、折口選手ら最終学年に賭ける選手もいます。山が経験者いませんが、平地8区間はレベルが高いと思います。予選10位通過からの逆転シード権は、十分可能な戦力です。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。