箱根駅伝2024(第100回)【日本大&東京農業大】戦力分析&区間オーダー予想も!

箱根駅伝2024(第100回)の16人エントリーが発表されました。

詳細まとめはこちら

https://hakonankit-fd.com/article/post-22340.html

以降、

12月29日(金)に区間エントリー発表

1月2日(月)往路・3日(火)復路朝7時に、当日交代を含めて最終オーダー
1日最大4名、2日間で最大6名の変更が可能となっています。

このサイトでは、29日(金)までに、各大学の戦力分析と区間オーダーの予想を行っています。

まずは、久々の復活出場!

この半年間で急成長!最速留学生で流れをつかめ!
日本大学

50年ぶりのスーパーエースを不気味に、往路突進を!
東京農業大学

本サイトで戦力分析に、独自のランキングを使用しています。

7点:エース区間、山で貯金が望める選手

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手

5点:エース区間で区間中位以上いける選手

4点:主要区間で区間上位でいける選手

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数

はっきりとした分け方はなく、
・過去の駅伝実績
・1万mなどの持ちタイム
・ここ数か月の大会の成績
などから、主が総合的に独断で判断しています。

ご了承ください。

ページコンテンツ

箱根駅伝2024【日本大学】戦力分析&区間オーダー予想も!

 第100回記念大会に、”御三家”日本大が戻ってきました。シード権は90回大会の7位、出場は96回大会を最後に途切れていました。10位がボーダーの予選会で、20位前後に落ちるなど、高速化の対応に苦しみました。

 立て直しに当たって、上層部の態勢が1年単位で変わるなど、中々強化体制も今の4年生も部員が半分ほどに。今の4年主力下尾選手らも辞めようと思ったことは一度はなかったとか。

 そんな中、5月に高校駅伝の強豪倉敷高を長年率いてきた新監督が就任。これが転機でした。基本的なことは変わっていないとのことでしたが、それでも夏合宿の練習量が1.5倍ほどに増えるなど、走り込みに集中できる環境が整いました。

 当初、倉敷高のメニューを部員に課したところ、できたのが3人ほどでした。それが夏前には主力数名は出来るようになり、夏合宿が終わって箱根予選エントリーメンバーは身体が絞れ、高い練習メニューがこなせるようになっていました。

 9月日本ICでは、留学生キプケメイ選手が、1万m2位に入るなど躍進。迎えた箱根予選でも全体のトップに入るなど大きく貯金を作ると、集団走の日本人集団も15㎞まで誰一人脱落することなく出走。そこからの追走でボーダーから一気に5位に浮上。ついに泥沼から抜け出しました。

 その後の記録会で、主力選手以外にも1万m28分台~29分前半の自己ベストが続出して、この半年の成果を確認。短い間に、2度の成功体験を得ての箱根路になります。

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11月以降の記録まとめ

11/12 日体大記録会
J.キプケメイ①13分30秒61

11/19 上尾シティハーフ
山中泰地④64分14秒
片桐禅太①64分40秒
天野啓太①64分46秒
松村謙吾②65分19秒

11/26 日体大記録会
6組
山中泰地④29分25秒47★
天野啓太①29分33秒63★
小路翔琉②30分36秒76★
7組
中澤星音②29分38秒33★
松村謙吾②29分49秒92★
岡田祐太③30分38秒39★
8組
久保昇陽④29分04秒31★
大橋 優③29分16秒28★
山口聡太①29分26秒49★
土井拓実④29分44秒17★
9組
冨田悠晟②28分44秒98★
鈴木孔士②28分49秒85★
大仲竜平②29分39秒31★
10組
西村翔太④28分34秒38★
安藤風羽③28分44秒65★
NCG
J.キプケメイ①28分19秒58

12/2 日体大記録会
10000m4組
山口月暉②29分22秒23★
片桐禅太①29分48秒75★

上尾ハーフで箱根予選以外のメンバーの出場、そして11月末の日体大記録会で、多くのメンバーが出場し、自己ベストラッシュに沸いたのが印象的でした。

戦力分析

7点:エース区間、山で貯金が望める選手
J.キプケイメ①28分13秒10/60分16秒
≪23予1位、全予4組29位≫
 今年から入学した留学生。春先はあまり目立った成績ではなかったが、夏合宿で身体が絞れてから、人が変わったような活躍。日本IC1万m2位は、東国大の最速留学生に食らいついての2位獲得。

 箱根予選は、中盤から主導権を握って全体トップの60分16秒の高パフォーマンスで快走!箱根駅伝に出場する留学生で最速レベルの選手。

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手

5点:エース区間で区間中位以上いける選手

4点:主要区間で区間上位でいける選手
西村翔太④28分34秒38/62分53秒
≪23予56位、全予1組29位、22全2区14位、予110位、全予1組13位、21:予133位≫
 日本人エース格の4年生選手。2年時から箱根予選に出場し、チームが崩れる中粘っていた選手。今年の箱根予選は、日本人で唯一前方で勝負をし、過去最高の56位に食い込んだ。直近、日体大記録会で28分34秒ベストを出した。

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手
安藤風羽③28分44秒65/63分57秒
≪23予172位、全予3組6位、関東IC1万、22全4区17位、予123位、全予1組26位≫
 日大の主力選手の一人。前年の箱根予選も123位まずまず走っていて、今年は全日本予選3組6位と他校主力相手に善戦して見せた。箱根予選はややうまくいかずも、直近28分44秒のベストをマークした。

下尾悠真④28分50秒15/64分04秒
≪23予119位、全予4組20位、関東IC1万10位、22全1区17位、予169位、全予3組19位、関東IC5千11位、21:予364位≫
 トラックを中心に日大を引っ張っていた4年生。昨年は関東ICで5千11位、今年は1万m10位など好成績を残していました。ロードがもう少しでしたが、箱根予選は119位と過去最高の成績を残していました。

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手
冨田悠晟②28分44秒98/64分07秒
≪23予124位、関東IChalf≫
 今年の成長株の一人。春先に1万m29分28秒のベストを出して関東ICハーフに出走。実戦経験を積むと、箱根予選も集団走内で124位64分07秒とまとめる走り。直近、1万m28分44秒ベストで、主力に追いついてきた。

鈴木孔士②28分47秒23/63分54秒≪23予99位≫
 2年生になって一気に伸びてきた選手。春先に1万m29分59秒ベスト、箱根予選に選ばれると、後方集団走から一番上がってきてチーム3番手99位63分54秒の好走。その後、1万mベストを1分以上更新する28分47秒を出した。箱根5区を希望している模様?

久保昇陽④29分04秒31/64分04秒
≪23予118位、全予2組23位、関東IChalf≫
 4年間かけて主力になった選手。春先に1万m29分16秒大幅ベストを出して頭角を現すと、全日本予選で2組23位のまずまずの成績。箱根予選も118位と安定して走り切っているのが特徴。復路の要になってくるか。

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手
大橋 優③29分16秒28/64分12秒≪23予136位≫
 この1年間で一番伸びたと言って過言ではない選手。今年3月の日本学生ハーフでは66分台の成績でしたが、箱根予選は集団走で走り切り64分12秒の136位。直近は、29分16秒と自己ベストを1分13秒更新した。

大仲竜平②29分17秒16/64分24秒≪23予153位、全予3組27位、関東IChalf20位、22全5区18位、予176位≫
 1年生だった昨年から日大の戦力になっていた選手。前回予選176位で走り切り全日本も5区出走している。今年は、関東ICハーフ20位、全日予選3組出走するなど実績を着実に積んできている。箱根予選も153位としっかり走り切った。

山口月暉②29分22秒23/5千14分34秒94
≪23全予2組21位、関東IC3障7位、22予438位、日本IC3障6位、関東IC3障≫
 3000m障害を中心に、日大を引っ張ってきた選手。昨年は日本ICで6位、今年は関東ICで7位入賞を果たしていました。1万mも対応していて全日予選2組21位の成績を残していて、12月に1万m29分22秒ベストを出した。6区山下り候補の一人??

土井拓実④29分44秒17/64分16秒
≪23予143位、22予165位、21:予249位≫
 2年時から箱根予選に3年連続出場、当時1万m30分台ベストながら、安定して走るなど、ロード巧者の印象が強い選手。今年11月に1万mようやく29分台に乗った。

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数
山中泰地④29分25秒47/64分14秒
 4年目の夏を超えてから、急激に伸びてきた選手。上尾ハーフで64分14秒を出すと、連戦の日体大記録会で29分25秒と、1分以上の大幅ベスト。16人のエントリーメンバーに入ってきた。

山口聡太①29分26秒49/5千14分10秒55≪23関東IC1500m、全国5区29位、22高校3区16位≫
 高校駅伝3区16位など、高校時代から、主要区間で戦っている選手。大学に入ってからは、関東IC1500mに出場している。長い距離はまだ実践で走っていないが、11月末1万m29分26秒ベストを出して、16人のメンバーに入ってきた。

天野啓太①29分33秒63/64分46秒
 高校時代のベストは5千m14分46秒ながら、春先1万m30分19秒を記録。初ハーフの上尾でも64分46秒を記録し、連戦で1万m29分33秒。1年目ながら大学に入ってきて伸びてきた。

中澤星音②29分38秒33/64分48秒
≪23予204位、22全7区18位、予126位≫
 2年連続箱根予選に出走している選手。前回126位好走して、全日本駅伝のロング区間7区に抜擢されている。今年の箱根予選はチーム12番手となったが、その後1万m29分38秒のベストを出して、復調気配を見せている。

片桐禅太①29分48秒75/64分40秒
≪23全予1組39位、全国1区41位≫
 高校時代5千m14分26秒の記録をもって入部。抜擢された全日本予選では1組で失速してしまったものの、上尾ハーフで64分40秒ベスト。その後、1万m29分48秒ベストを出して、16人エントリーメンバーを勝ち取った。

上位10名合計:26点
(参考:30点前後シード権争い、40点以上優勝争い)

【過去3年間成績】
99回予選13位
98回予選21位
97回予選19位

 大エースとなってきたのが、1年生留学生キプケメイ選手。日本IC1万mは複数の留学生の争いで、28分10秒台の好記録で2位に食い込むと、箱根予選では60分16秒の好タイムで全体のトップに食い込んで見せた。その後も、少人数となったNCGでも28分20秒の好記録。初の大学駅伝は箱根2区も濃厚になっていますが、かなりのパフォーマンスを見せてくれそうだ。

 このキプケメイ選手が作るだろう貯金を活かしていけるか。他の往路の選手の出来は大事になってきます。候補になるのはやはり4年生や3年生で1万m28分台の走力がある選手となってきます。箱根予選で、日本人一人単独走だった4年西村選手が、やはり一番強いでしょうか。ロードの実績とともに抜けています。

 これに、トラックでは他校のエースと戦えている4年下尾・3年安藤選手がどこまで仕上がるか。下尾選手は、関東IC1万m10位・全日予選4組20位に入るなどトラックはチームのエースと言ってもいい選手。安藤選手も全日予選3組6位と戦っていますね。箱根予選は100位台でしたが、そこからの仕上がりは大事になってきます。

 2年生からもどんどん選手が伸びてきていて、11月末日体大記録会では冨田選手が28分44秒・鈴木選手が28分49秒を記録。ともに箱根予選も好走していますね。鈴木選手は、箱根5区も希望していますが、集団走で上がり1番でチーム3番手に入ったその走力に期待。

 その2年生は、2年連続箱根予選出走して、全日本駅伝を経験している大仲・中澤選手も、ここにきて1万m29分半ばのベストを出して出走候補に。また関東IC3障7位など、3障で実績を残している山口選手も、12月に1万m29分22秒ベストを出して、臨戦態勢。その脚力からして山候補でしょうか。

 また、ここにきて伸びてきた上級生も見逃せない。今年1万m29分前半を2度出している4年久保選手、夏を終えてから急激に伸びてハーフ64分台を出して16人に滑り込んだ山中選手ら、この4年間一番翻弄された世代が、最後に報われるか。また、長い距離でチームに貢献し続けてきた同じ4年土井選手も、復路終盤での出走を狙っていますね。

 他では、3年大橋選手も、ここにきて大幅ベスト。春先の1万mベストから1分以上更新して29分19秒。箱根予選もまずまず走っていて一気にレギュラー各になってきました。

 1年生は、箱根予選こそ出走はなかったものの、上尾ハーフで片桐・天野選手が64分台をマーク、また高校駅伝3区16位の実績がある山口選手が、1万m29分26秒ベストを出して16人入り。多くの選手がベストを更新していて、非常にいいムードで、4年ぶりの箱根路を迎えます。

区間オーダー予想

 キプケイメ選手が2区に入るのは確定的として、他の往路をどうしていくか。以前の日大は、2区留学生が稼いでも、3区4区で逆噴射してしまい、シード権さえ厳しくなっていました。いくつかのパターンを考えましたが、最終的に硬くいきました。

1区(21.3km)西村翔太④28分34秒38
2区(23.1km)J.キプケイメ①28分13秒10
3区(21.4km)下尾悠真④28分50秒15
4区(20.9km)安藤風羽③28分44秒65
5区(20.8km)鈴木孔士②28分47秒23

6区(20.8km)山口月暉②29分22秒23
7区(21.3km)冨田悠晟②28分44秒98
8区(21.4km)大橋 優③29分16秒28
9区(23.1km)久保昇陽④29分04秒31
10区(23.0km)大仲竜平②29分17秒16

1区西村選手…まず上位と差がなく繋ぎたい1区。トラックで活躍している下尾選手と非常に迷いましたが、少し今回の1区が読みにくいので総合力が高い4年西村選手で予想します。箱根予選も日本人上位と勝負できていました。まずは上位と僅差でスタートしたい。

2区キプケイメ選手…日大も過去何度も爆発力がある留学生を獲得していましたが、今回の留学生がナンバーワンかもしれません。箱根予選で60分16秒のタイムはなかなかのインパクトがありました。このくらいなら、66分前半のタイムは十分ターゲットになってきます。

 ここのところ日本人が獲っていた区間賞も、彼が手にするかもしれません。箱根予選で後半のアップダウンも一人で独走していたのはポイントが高いです。いきなり2区攻略で、日大を上位リレーに繋げることができるか。

3区下尾選手…ある程度上位で襷が流れてくるという前提で、その順位を継続したいこの3区。最も調子が上がっている選手、もしくはここに西村選手を配置することも考えましたが…トラックで結果を残している下尾選手を3区予想にしました。他校主力選手と戦った実績はあるのは事実。63分台で走れれば、ある程度繋がるはずだ。、

4区安藤選手…毎年確実に伸ばしてきた3年安藤選手を4区に。全日予選3組で上位で戦った実績があります。箱根予選チーム11番手になったのが気がかりですが、最終組出走した日体大記録会で、28分44秒自己ベスト。このスピードなら往路起用したい。シード権内で戦っていきたい。

5区鈴木選手…久しぶりに出場したチームが悩む区間が山になりますが、頼もしい希望者がいますね。今季の成長株2年鈴木選手が希望。箱根予選は15㎞以降のアップダウンで、ペースアップしチーム3番手でゴール。その脚力はひそかに期待したいところ。粘って往路一桁ターンできればというところでしょうか。

6区山口選手…山下りも現時点で希望者が複数いるみたいですね。一人は予想オーダーに入れた2年山口選手。3000m障害で関東IC入賞するなど脚力は確か。長い距離は未知数ですが、12月に1万m29分22秒ベストで急ピッチで仕上げているか。もう一人、1年山口選手あたりも希望しているとか。適性があるのはどちらになるでしょうか。

7区冨田選手…今年になって大きく伸びた選手が多いですね。2年冨田選手は、春先に1万m29分28秒を出すと、秋には28分44秒まで伸ばして、往路出走もあるのではという選手。6区がどうしても未知数なだけに、勢いある冨田選手で、流れを作り直していきたいというところだ。

8区大橋選手…このあたりから、スタミナに自信がある選手を起用できれば。今年大幅に伸びた3年大橋選手と予想。彼も箱根5区を希望しているそうですね。スピードはもう少しと思うので、復路8区で遊行寺坂を駆けあがってくれればと思います。

9区久保選手…復路の長丁場9区は、4年生久保選手と予想します。本当に春先に1万m29分16秒ベストを出してから、各大会安定して走っています。箱根予選もチーム4番手、その後1万m29分04秒ベストを出しています。新監督は、現実的に繰り上げに掛からなければという話をされていましたが、その役目、彼が担えられるのではと思います。

10区大仲選手…最後に秘密兵器大仲選手。2年連続箱根予選を走っていて、春先には1万m29分17秒ベスト。一足早く飛躍していました。その後箱根予選10番手など、やや足踏みですが、走力は確かなもの。次年度以降のために、もう一人2年生以下を起用すると見ます。


 他にも、1区に安藤or下尾選手を起用して、2区キプケイメ3区西村選手で攻めの区間に、鈴木選手を4区あたりで、往路4区間につぎ込むというのも考えたり。あとは土井・山中選手の10区出走も考えましたが、このあたりで落ち着くのかなぁ??

まとめ

・2区キプケイメ選手がどのくらいのタイムを出すか
・4区終了時で10位以内に耐えていられるか
・一本の襷を繋ぐ、それ以上は可能か

 新監督は、この半年強で選手が大きく伸びてきて手応えを感じている一方、現実的に上位校との差も認めておられます。繰り上げスタートにならないようにというのが、まず目標になってくるそうです。

 そうなると、やはりまずは大エースキプケメイ選手が作るだろう貯金を活かせるようにしたい。キプケメイ選手は、個人としても非常に注目の留学生になってきています。1区で好位置につけていれば、首位で戸塚中継所を通過する可能性もあるほどです。

 多くの新戦力が出てきていますが、まずは箱根予選唯一単独走の4年西村選手に、全日予選などトラックで他校主力と戦っている4年下尾選手・3年西村選手らが上位勢に食い下がることができればと思います。

 山は、比較的走れそうな選手が希望していて、今年大幅に伸びた2年鈴木選手が5区山登りを希望。往路10位以内もしくは時差スタートができるかどうか。復路6区は、流れから落ちないように重要な区間。3障が専門の2年山口選手がエントリーされ、もしかすると走るかもしれません。

 復路は、4年目で伸びた久保選手や、1万m28分台を持っている冨田選手ら、一人は回りそうな形です。単独走がある程度できるなら、襷は繋げるはず。確かな手ごたえをもって、4年ぶりの箱根路の継走を終えたいですね。

箱根駅伝2024【東京農業大学】戦力分析&区間オーダー予想も!

 ついに、長いトンネルから抜け出しました!90回大会に69回目の出場をしてから、丸々10年間出場期間が空いてしまいました。2018年11月に、現小指監督を迎えて、懸命に再強化。学生連合に選手が出走するなど、一定の効果がありましたが、中々総合力が整いませんでした。

 そんな中、今年入部した1年前田選手が大躍進。個人として、関東IC5千m・全日本予選4組で、留学生の間にも割って入って上位に入ると、チームの雰囲気も一変。全日本予選は、14年ぶりに5位突破を果たしました。

 箱根予選は、エース前田選手が15㎞から日本人集団から飛び出して、前を追走。61分42秒の好タイムで日本人トップで全体9位でまとめると、4年並木選手や2年原田選手、故障明けギリギリの状態だった4年高槻選手も何とかまとめると、後方の集団走も粘り倒しました。

 目標だった5位~8位の通過ではなく、記念大会の増枠を利用する形となったことでの上位陣との壁を感じたものの、全日本大学駅伝は序盤からエース選手をつぎ込んで、4区終了時点で5位。上位争いに加わったうえで総合13位に手応えは掴んだ模様。流れを掴んで、上位にチャレンジしにいきます。

11月以降の記録まとめ

11/11 日体大記録会
10000m5組
吉村智輝②29分14秒14★
長谷部慎④29分28秒37★
髙島侑翔③29分29秒56★
栗本航希①29分36秒42★
磯 光清①29分38秒48★
宮副雅生③29分41秒95★
松本虎太郎④29分49秒01
髙山匠也③29分58秒20★

11/18 激坂最速王
3位吉村颯斗④55分36秒

11/26 日体大記録会
10000m4組
菅原昇真②29分44秒05★
馬渕陽貴②30分41秒97
10組
高槻芳照④28分54秒35

12/2 日体大記録会
5組
高槻芳照④28分35秒73

 11月中旬の日体大記録会で、全日本大学駅伝出走メンバー以外の選手が出走し、ある程度記録を伸ばしてきました。その後、激坂最速王で4年吉村選手が好走、その後の大会で、故障明けだった主力高槻選手が連戦し、懸命に身体を戻してきているのが印象的でした。

戦力分析

7点:エース区間、山で貯金が望める選手
前田和摩①28分03秒51/61分42秒≪23全2区3位、予9位、全予4組3位、関東IC5千4位、全国5区2位、22IH5千4位≫
 1年生にして、農大のスーパーエースの前田選手。高校時代から全国区でしたが、東農大に入学してから、さらに爆発的に伸びてきた。全日本予選4組では、14年ぶり通過がかかる中、留学生と最後まで勝負して、全体3位の28分03秒のU-20歴代2位の高いパフォーマンス。

 箱根予選では、15㎞から抜け出すと、61分42秒とこれまたU-20歴代2位の記録!どちらも勝負レースで出しているのがポイント。全日本2区は、区間3位ながら区間新で順位を上げる活躍。他校監督からも”本物”と認められている。

6点:エース区間、山で区間上位をとれる選手
並木寧音④28分16秒30/62分35秒≪23全4区5位、予30位、全予4組18位、関東IC1万7位、22予104位、箱2区13位相、21予28位、20:予47位≫
 4年生2本柱の一人。1年時から箱根予選47位好走すると、2年時に予選28位&1万m28分16秒の成績が買われ、学生連合で箱根2区出走。区間13位相当の記録を残している。

 今年も概ね好調で、全日本予選最終組、箱根予選もチーム2位62分35秒の30位で通過に貢献している。全日本駅伝は、体調不良明けながら4区5位と力のあるところを見せています。希望区間は2区だそう。

5点:エース区間で区間中位以上いける選手
高槻芳照④28分11秒99/62分19秒≪23全7区11位、予67位、全予3組2位、関東IC1万、22予12位、日本IC5千8位、21予14位、箱8区12位相当、20:予34位≫
 4年生2本柱もう一人。最初に頭角を現したのは彼。1年時に学生連合で8区を走っている。2年時や3年時に高パフォーマンスを叩き出し、予選で14位と12位の成績、トラックも28分11秒と一線級の結果を残しました。

 今年は、怪我が重なり万全でない中で、全日本予選3組で飛び出して組2位と通過の流れを作ると、箱根予選は欠場も一時は覚悟したほどの怪我明けで63分36秒の67位で通過に貢献した。直近、1万m28分35秒と状態を戻しつつある。

4点:主要区間で区間上位でいける選手

3点:繋ぎの区間で区間上位で走れる選手
原田洋輔②28分58秒83/63分32秒
≪23全3区10位、予61位、全予3組31位、関東IC1万、22予210位≫
 今年の成長株の一人。学生ハーフ63分台で走ると、関東IC1万m本番で28分58秒のベストをマーク。箱根予選では63分32秒の61位と自己ベストを更新。全日本駅伝3区は序盤から突っ込んで他校の主力と戦いきった。

圓谷吏生②29分32秒00/65分10秒≪23全1区10位、関東IChalf、22予145位≫
 東農大次期エース候補の一人。箱根予選は体調が合わず欠場したが、全日本駅伝1区に登場。区間10位ながらトップと20秒差で繋いで流れを作った。1年時の箱根予選で145位で走り切っていて、長い距離にもめどは立っている。

2点:繋ぎの区間で区間中位で粘れる選手

1点:繋ぎの区間で耐えられる選手
深堀 優②29分27秒85/64分32秒
≪23予166位、全予1組22位、関東IChalf≫
 今年の春に1万m29分27秒のベストをマークした今年の成長株の一人。関東ICハーフ・全日予選1組と実戦経験を積んだ。箱根予選は集団走の中から、終盤浮上して166位の64分32秒で走り切っている。予選後はレースに出場していない。

髙島侑翔③29分29秒56/64分43秒
≪22予331位、21予136位≫
 2大会前、1年時の箱根予選で136位とまずまずの成績を残して、主力の一角になっていた選手。その後は、故障などもあり、実戦から遠ざかっていたが、11月日体大記録会で29分29秒のベストと復活。箱根予選からの+αになる選手。

実井智哉③29分53秒58/64分42秒
≪23全5区13位、予189位、全予2組20位≫
 今年になって、着実に成績を残せるようになった選手。春先に1万m29分53秒ベストを出すと、全日予選2組20位で通過に貢献。全日本駅伝も5区に選ばれ、上位には通用せずも区間13位で走り切った。箱根も復路候補の一人。

吉村颯斗④30分19秒05/64分35秒
≪23予175位、関東IChalf、22予216位、21予254位≫
 4年間かけて、徐々に長い距離に対応してきていた選手。今年の予選は175位64分35秒と過去最高の成績でした。その後、最速激坂王に出場し全体3位の成績。山登り候補の一人となっている。

植月俊太①30分52秒06/64分55秒
≪23関東IC5千、22高校2区3位≫
 高校卒業前のハーフで、64分55秒の走りを見せて長い距離の感覚をある程度掴んでいる選手。大学に入ってからは、まだ目立った成績はあげてないものの、16人のエントリーに入ってきた。

0点:これまでの実績だと苦しい?or未知数
吉村智輝②29分14秒14/65分30秒
 伸び盛りの2年生の一人。学生ハーフで65分30秒で走り切り、箱根予選も14人のメンバーに入っていました。11月日体大記録会で29分14秒の自己ベストをマークして、出走メンバーに名乗りを上げている。

松本虎太郎④29分17秒11/65分18秒
≪23予304位、全予1組25位、21予166位≫
 2年時に一時期伸びた選手。箱根予選166位で走ると1万m29分17秒をマークした。その後、長期離脱していたが、今年全日予選1組25位で通過に貢献するなど、復調している。

長谷部慎④29分28秒37/64分45秒
≪23予195位、全予2組25位、20予241位≫
 1年時に箱根予選に出走し241位の成績。その後、長期離脱していたものの、今年の全日本予選2組25位の成績で通過に貢献。箱根予選も3年ぶりに出場しチーム10番手195位64分45秒。その後、1万m29分28秒ベストで出走の可能性を残した。

栗本航希①29分36秒42/
≪23全国5区24位≫
 高校時代5千m14分31秒ベストで、都道府県対抗駅伝エース区間でも戦っている選手。11月日体大記録会で1万m29分36秒の好記録を残して、16人のメンバーに入ってきた。

菅原昇真②29分44秒05/66分45秒≪22予248位≫
 前年の1年時に箱根予選に出走し、248位の成績を残している。今年の11月末に29分44秒を記録して、16人のメンバーに滑り込んだ。

田中莉生④30分11秒73/64分40秒
≪23予183位、21予219位、20予284位≫
 4年間で3度箱根予選に出場し、確実に順位を上げてきていた選手。今年の予選は183位64分40秒のチーム8番手で通過に貢献している。その後、試合出場はない。

上位10名合計:29点
(参考:30点前後シード権争い、40点以上優勝争い)

【過去3年間成績】
99回予選17位
98回予選18位
97回予選17位

 記念大会増枠分での通過となったものの、10年ぶりの本戦。それも、往路は要注目となるチームとなりますね。1年生ながら、農大のスーパーエースとしてチームをけん引する前田選手は、強豪校監督からも”本物”と認められる強い選手。

 箱根駅伝2区なら、前田選手本人は66分台、小指監督は65分台も視野に入るとか…??なお、前田選手本人は2区にこだわりはなく、全日本駅伝2区で負けた日本人に勝ちたい、またチームの順位を引き上げ、流れに乗せることを優先させたいとのことです。

 箱根2区希望は、元々強かった4年生の2本柱も強い模様。特に2年時に学生連合で2区を走っている並木選手も強い気持ちを持っていますね。チームで繋いだ中で楽しみになります。高槻選手は、夏合宿で怪我をしてしまったものの、箱根予選を最低限でまとめ、急ピッチで仕上げています。この3人の力は強力ですね。

 これに、全体的に伸びてきているのが2年生。まず頭角を現したのが原田選手。関東ICで1万m28分台を出すと、箱根予選は上位で勝負して63分台。全日本駅伝は3区に抜擢されました。往路3区希望だそうですが、”駅伝走り”に手応えは掴んだか。

 監督からキーマンにあげられたのが圓谷選手。箱根予選欠場も、全日本駅伝1区自信を持って送り出し、見事トップと20秒差と役割を果たしました。1万m28分台の力はあるとみられています。箱根駅伝では、どの区間になるだろうか。

 また、春先に1万m29分27秒を出して箱根予選好走の深堀選手。予選はエントリー止まりも、その後1万29分16秒の吉村選手もいますね。小指監督になって、スカウトも強化してきていますが、芽が出てきています。

 レギュラー争いは4年生が横一線で並んでいますが、その中で特殊区間の5区と6区は4年生が希望していますね。5区山登りは4年吉村選手が激坂最速王でまずまずの結果を出しました。6区は箱根予選で毎年安定していた田中選手が希望しています。他、長谷部・松本選手ら10人目ボーダーです。出走するチャンスがあるかどうか。

 3年生も実力ある選手が出てきていますね。駅伝では、全日本大学駅伝で実井選手が5区デビュー。上位でタスキをもらい実力者が抜いていく中、何とか区間13位でまとめました。箱根復路の方が活きるはず。また、2年前の箱根予選で好走している髙島選手が復調。層はぐっと厚くなってきた。

 あとは1年生では、高校時代にハーフ65分きりを達成している植月選手がエントリー。大学に入ってからはまだ目立ってなく、秋にレース出走はないものの、箱根予選・本選連続エントリー。走ることはあるでしょうか。

 エース格もいますし、レギュラー争いのボーダーも上がってきました。オーダーを考える楽しみがありますね。

区間オーダー予想

 全日本大学駅伝は、4区終了時総合5位と見せ場を作りました。小指監督は1区が僅差できてくれたお陰とのこと。なので、やはり序盤特攻をかけてくると思います。1区引き続き圓谷選手でもいいですが…、この選手になるかな??

1区(21.3km)高槻芳照④28分11秒99
2区(23.1km)前田和摩①28分03秒51
3区(21.4km)原田洋輔②28分58秒83
4区(20.9km)並木寧音④28分16秒30
5区(20.8km)吉村颯斗④30分19秒05

6区(20.8km)田中莉生④30分11秒73
7区(21.3km)圓谷吏生②29分32秒00
8区(21.4km)髙島侑翔③29分29秒56
9区(23.1km)深堀 優②29分27秒85
10区(23.0km)実井智哉③29分53秒58

1区高槻選手…完全復調していれば、4年生エースの一人高槻選手を投入してくると思います。出し惜しみはしないかなと。圓谷選手や原田選手らも考えましたが、強豪校がどう仕掛けてくるか読めないところがありますので、農大もエース格を出していくのが吉と出ると思います。

2区前田選手…華の2区大きな注目を集めることになった前田選手が入るでしょう。新監督と村上コーチは、まだまだ練習は余裕を持たせているとのことですが、それでもこれまでの高パフォーマンスは、やはり今後日本長距離界を引っ張っていくのかもしれません。

 箱根予選は、15㎞からペースを上げ、アップダウンもこなしての日本人トップ。箱根2区に合っていると思います。66分台はターゲットに、東農大のスーパーエースが、強豪校の中に割って入るでしょう。

3区原田選手…続いて、全日本大学駅伝3区で粘りの走りを見せていた2年原田選手になるのかなと思います。本人も希望が強いとのこと。その全日本駅伝はある程度突っ込んで入ることもできて、”駅伝走り”への手応えも掴みつつあるそう。63分前半以内で走れれば、上位争いの中で留まっているか。

4区並木選手…往路で畳みかけたいですね。もう一人4年生エース並木選手を4区予想。箱根2区に強い希望を持っていますが、各チームが少しずつバラけてくる中、差が付きやすい準エース区間4区で、その快速を披露できれば。全日本駅伝4区も体調不良明けの中、区間5位。万全で箱根路を迎えられれば、どこまでいくか。強豪校に食らいついていたい。

5区吉村選手…山は粘れる選手を予定しているとのこと。候補に挙がっている4年吉村選手がそのまま入ってくるとオーダーは組みやすいでしょうか。激坂王は例年よりも気象条件が悪い中なので、より実践経験に地下掛かったと見ます。73分あたりで走れれば、目標の往路一桁ターンが見えてきます。

6区田中選手…箱根予選出走して以降、試合に出場していない選手に4年田中2年深堀選手がいますね。このうち山下りを希望しているのが田中選手なので、おそらく彼かな?箱根予選は確実にまとめてくる安定感は持ち味。60分切でまとめられれば、流れが繋がるかな?

7区圓谷選手…全日本駅伝1区で上位と差がなく繋いで、既に主力の力があることを示した圓谷選手。往路もあるかなと思いましたが、復路の2区となる7区予想。山は少しずつ順位を下げると予想しています。ここで一つスピードランナーで、もう一度流れを作ることができれば、そのまま流れていくかもしれません。

8区髙島選手…ここからは、長い距離を堅実にまとめていけそうな選手です。今年の箱根予選では走っていない3年髙島選手を予想。とはいえ、昨年一昨年と走っていて135位の成績を残したことも。1万mベストを29分29秒と更新して、上り調子のところ。ある程度ロードは行けると思うので、この8区乗り切ってほしい。

9区深堀選手…2年生でもう一人エース候補の深堀選手を、復路エース区間9区と予想します。春先に1万m29分半ばを出して、全日予選・箱根予選と一定の安定感があると思います。箱根予選以降試合に出ていないのが気になりますが、脚を使っていないと判断。長丁場乗り切ってくれれば。

10区実井選手…アンカーは4年生や、11月日体大記録会で記録を伸ばしてきた選手など迷いましたが…、今年安定した成績を残している3年実井選手と予想します。全日予選・箱根予選・全日本5区と崩れず走れていると思います。復路終盤は合っていると思います。シード権は何とも言えませんが、上位に食い下がってのゴールとしたい。


  ちなみに、復路に主力を残すことも少し考えて、1区圓谷選手で9区高槻選手も少し考えました。1区がハイペースにならなければこれも面白いはずで。あるいは、5区にも主力選手配置も思いましたが…ひとまずこれで。

まとめ

・流れが大事「1区から主力を投入か」
・前田選手や並木選手ら往路どこまで食いつくか
・往路一桁ターンなら、粘り効くか

 箱根予選は、増枠を使わない通過を目論みましたが、増枠分一つ目を使う形の11位での突破。エース選手も、集団走も予定通りは知ってのことだったので、上位との力の差も感じました。

 とはいえ、今の東農大は強いエースが複数人いる体制。駅伝になると流れでかなり変わってくるのではという予感も、全日本大学駅伝で感じました。

 1区から強豪校の中につくことができれば、1年前田選手や4年並木選手ら強豪校のエースに匹敵する力のある選手がいますので、往路では台風の目になるかもしれません。

 怪我から復調してきた高槻選手に、2年原田・圓谷選手ら、全日本駅伝で前半区間を担ったメンバーで、往路一桁ターンを狙っていけるメンバーが揃っていますね。

 山登り以降は、展開が読めないところがありますが、吉村選手ら希望している選手で凌いで、復路も2年深堀選手や、長い距離を堅実に走れる選手で繋いでいけるメンバーは揃っています。10年ぶり出場の喜びを、次の第101回大会に繋いでいけるような駅伝にしたいですね。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。